はじめに
多くの場合、履歴書には、自分の経歴の他、性格を記入する、性格記入欄と呼ばれる欄が存在します。
本コラムでは、性格記入欄がなぜ存在するのか、また性格記入欄はどのような書き方をすればよいのか、エントリーシートの自己PR欄との違いなども交えながら、見ていきましょう。
履歴書で性格を聞く理由
多くの企業は、なぜ履歴書において性格について聞いてくるのでしょうか。
企業によってそれぞれ異なる理由も存在し得る可能性はありますが、ほとんどの企業において重視しているポイントはいくつか存在します。
その中でも最も代表的なものを3つ紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
その人の傾向を知りたいから
企業は履歴書で性格について尋ねることで、あなたの傾向について知りたいと考えています。
性格記入欄に記入する性格はあくまで自己申告によるものですが、人事はそれが正しいかは書かれた内容や、その先の面接によって判断していくこととなります。
したがって、性格記入欄に記された性格は実際の性格を探るための手がかりとしての役割を果たすものです。
その内容が正しくなければ、「信用できない人物」として大幅に減点評価される可能性があるため、嘘は書かないようにしましょう。
自分の性格を端的に表す言葉の中で最も印象が良さそうなものを選び、それが嘘でないと伝わるような書き方を心掛けるべきです。
自己分析能力を見極めたいから
自己分析がいかにできているかを確認したいと思っている企業も非常に多いです。
多くの人は何もしなければ自己認識において過大評価、もしくは過小評価どちらかのバイアスを持ちがちです。
自己分析能力はそのようなバイアスをできるだけ排除し、必要な時いかに自分自身のことを正しく理解できるかを示すために非常に重要といえます。
そして何より、自己分析は就活において最も重要な対策の1つであり、そして真っ先に取り組むべきものです。
自己分析をどこまでしっかり行っているかを確認することで、就活に対するモチベーションの高さや企業に対してどれだけ熱意を持っているかを確認しようとしています。
企業との相性を確かめたいから
企業との相性を確かめるためというのも、性格欄を重視して確認する理由の1つといえます。
なぜならば、どれだけ優秀な人材であったとしても、企業と相性があまり良くなければ活躍は期待できません。
例えば、ベンチャー企業であれば大きな仕事でも積極的にやり遂げ、新しいことに挑戦しようとする性格の人が歓迎されます。
しかし、同じような性格の人でも、上下関係の厳しい保守的な大手の企業では、生意気な人として煙たがられることになるかもしれません。
その他にも、コミュニケーションを大切にしている企業が引っ込み思案な人を採用したがらない、個人プレーを重要視している企業がチームワークを大切にしている人材を採用したがらないなど様々な傾向があります。
したがって、あらかじめ企業研究をしっかりと行い、企業がどのような人材を求めているのか考えた上で書くようにしましょう。
履歴書で性格を記載する際のポイント
続いて、履歴書で性格を記載する際のポイントについても3つ紹介します。
以下の3つの点を踏まえた上で、より質が高い回答を用意できるよう、心がけてください。
自己分析を深めて書く
履歴書に記載する性格を選ぶ際はまず自己分析を徹底的に行うことが重要です。
自己分析を通じて自分の長所や短所、価値観、モチベーションの源泉などを明確に把握しましょう。
そして、自己分析の結果から応募先の企業が求めている人物像に最も合致する性格を選び、履歴書に記載するのです。
例えば、リーダーシップや協調性、責任感など企業が求める人物像に沿った性格を選ぶことで、自己分析の結果を最大限に活かしたアピールが可能です。
具体的なエピソードを交えながら、自分がどのような性格であるのか、信憑性の高いエピソードを用いて説明しましょう。
自己分析を行う方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。
気になる方はぜひ、こちらの記事も併せてご覧ください。
企業研究を行って適した内容を書く
企業研究を行って適した内容を書くのも履歴書に記載する性格を選ぶ際に重要なポイントの1つです。
企業が求める人物像や企業の文化、価値観を理解し、それに合致する自分の性格を選んで記載しましょう。
例えば、企業の説明会や公式サイト、採用ページやパンフレット、OB OG訪問などを通じて情報を収集し、企業がどのような人物を求めているのかを把握することが重要です。
企業が自主性や挑戦心を重視している場合は、「私は自主的に行動し、常に新しいことに挑戦する姿勢を持っています」などと話すと良いです。
このように企業が求める特性に合わせた性格を具体的なエピソードと共に記載することで企業との適正度を高められます。
企業研究を通じて得た情報を生かし、企業ごとに適した性格を選ぶわけで、採用担当者に対して自分が求めている人物像に合致していることを積極的にアピールしましょう。
企業研究の方法についてはこちらの記事で紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
簡潔にわかりやすくまとめる
自分の魅力を存分にアピールするために長々と書いてしまう人も多いかもしれませんが、可能な限り自分の性格については簡潔に、そしてわかりやすくまとめることが大切です。
読みやすい文章を書くことで、他の就活生の大量の履歴書も読まなければならない、忙しい担当者であったとしても、あなたの性格をスムーズに理解できます。
長文になりすぎないよう、結論ファーストで要点を明確に伝えるようにしましょう。
自分の性格の特性を簡潔にまとめることで、読み手にとっては理解しやすく、印象に残りやすい文章になるのです。
履歴書で性格を記載する際は長所と短所の両方を書こう
履歴書においては自分の長所ばかり説明し、短所については触れないでおきたいと思っている人もいるかもしれません。
自分の長所をあえて短所に変わりうる場面についても書いて提示することで、バランスの良い説明によって自己分析ができていることをアピールできます。
また、嘘偽りなく自分のことを伝えられる正直な人材であるとも思わせることもできます。
長所と短所について履歴書に記載する際のポイントについても、一緒に確認しましょう。
長所と短所では別の言葉を使う
まず、長所と短所について触れる際は別の言葉を使うようにしましょう。
例えば、優しいという長所を持つ場合、短所として「優柔不断」といった言葉に置き換えることで異なる側面から表現できます。
例えば、「私の長所は優しさです。常に周囲の人々の気持ちを理解して配慮することで、チームの雰囲気を良好に保てます。」と記載したとします。
この場合、「優しさゆえに時折優柔不断になることがあります。重要な決定を迅速に下すために客観的な視点を持ち、状況に応じてしっかりと意思決定を行うことを心がけています」などと続けましょう。
このように別々の言葉で説明することで、自分の長所と短所についてしっかりと理解できている、そして自己分析を時間をかけて行っている人材であるということもアピール可能です。
短所は克服方法も述べる
短所について述べる際は、ただ悪いところだけを述べるのではなく、克服方法についても述べるようにしましょう。
短所をただ挙げるだけでなく、それに対する対策や努力を示すことで、成長意欲や問題解決能力をアピールできます。
例えば、慎重過ぎる傾向があるならば、意思決定の際に最終的に判断を下す時期がいつまでかを決めていることなどを話しましょう。
これにより、自分の短所について把握しているだけでなく、それを具体的にどう克服するのかについてしっかりと考えていることも伝えられるのです。
自分が自己改善に努めている姿勢を明確にし、企業の採用担当者に良い印象を与えるようにしましょう。
ポジティブに終わらせる
履歴書の性格欄において長所と短所を記載する際は、最終的にはポジティブな内容で締めくくることが重要です。
ネガティブな内容で文章を終わらせてしまうと、あまり読み手に対して良い印象を与えられません。
長所と短所のバランスを取りつつ、最後には前向きな姿勢を示すことでより良い印象を与えられます。
例えば、「私は協調性があり、チームでの仕事を重視しています。しかし、雰囲気を重んじるがあまり自分の意見を述べられないことがありました。」
「そこで大学のゼミで積極的に発言することを意識し、発言力を高める努力をしています。」などと述べると良いでしょう。
最後は必ず前向きな書き方をすることで、より良い印象を与えられるのです。
履歴書で書く性格の例文一覧
素直な性格
自分の価値観を明確にし、他者の意見を鵜呑みにしないよう心掛ける。
真面目な性格
柔軟性を持ち、状況に応じた対応を心掛けることで他人の意見を取り入れる。
負けず嫌いの性格
他人と競い合いすぎるのではなく、時には協調することを意識する。
明るい性格
重要なプロジェクトなどに取り組む際は、一度落ち着いてリスクについて考える。
慎重な性格
いつまでに結論を下すか期限を決めておき、その期限の中で答えを出せるよう工夫する。
勇敢な性格
何も考えずに行動しようとするのではなく、一度落ち着いてリスクなどについて考えてみる。
優しい性格
全て許すイエスマンになるのではなく、最終的にその決断が相手に良い影響を及ぼすのかを考えた上で対応することを心がける。
冷静な性格
他の人の気持ちや考え方について共感を持つように心がけ、「自分が相手だったらどう思うだろうか」と一度立ち止まって考えてみる。
感受性が強い性格
「自分に対して起こる出来事のたった1つが自分の人生を左右するわけではない」と少し楽観的になるように心がける。
寛容な性格
ただ何でも受け入れるという姿勢ではなく、正しいか間違っているかの判断を心がける。
社交的な性格
信頼できる上司を見つけ、業務に取り組むにあたっての意見を仰ぐ。
マイペースな性格
「会社は一人ひとりの社員が的確に仕事をこなすことによって成り立っている」ということを強く自覚する。
好奇心旺盛な性格
興味が湧いてしまった際も、それは本当に自分の仕事にとって必要な情報なのかと一度立ち止まって考える。
我慢強い性格
適度に息抜きができる自分なりの方法を確立して休みの日などに実施する。
履歴書に書く性格が見つからないときの対処法
履歴書に書く性格が見つからない時の対処法は大きく分けて3つ存在します。
以下の3つの対策の中から、自分があまり時間をかけて取り組めていなかったと思うものを中心に、再度取り組んでみてください。
自己分析を行う
この記事の中で何度も触れている話題ですが、自己分析は本当に重要であるため、再度行ってみましょう。
自分のこれまでの経験や印象に残っている出来事を振り返ってみて、現在の自分にどのような影響を与えたのか考えてみましょう。
学生時代の活動やアルバイト、ボランティア、クラブ活動など様々なシーンを思い返してみて、自分の行動や感情の揺れ動きについて考えてみてください。
それぞれの経験から自分の性格が見えてくるはずです。
これにより、性格だけでなく自分の強みや弱み、モチベーションの源泉などが見えてくるため、自己PRや志望動機が見つかることもあります。
モチベーショングラフや自分史を用いて自己分析を行ってみましょう。
自己分析の方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
周りの人に聞いてみる
自己分析だけでなく、周りの人に聞いてみるのも選択肢の1つです。
自分では気づくことのできなかった性格や特性が、他者からなら明確に見えることもあります。
家族や友人、同僚、上司など日常的に接している人々に自分の長所や性格について尋ねて客観的な視点から自分を理解してみましょう。
自分の性格についてどう思うか尋ねることで、普段の行動や態度に対するフィードバックを得られます。
具体的な意見をもらうことができれば、自分の性格を履歴書に記載する際の参考にできるでしょう。
また、この際、可能な限り多くの人に質問してみることをおすすめします。
あなたのことをよく知っている親しい人はもちろんのこと、大学で顔を合わせたら挨拶する程度の知り合いにも聞いてみることで、他者から見たあなたの印象をより様々な方向から確認できます。
就活エージェントを利用しよう
就活において最も根本的な対策と言えるのが就活エージェントを利用することです。
特にジョブコミットは完全無料であなたの自己分析やESの作成、面接対策など就活において重要な取り組みを二人三脚でサポートしてくれます。
これまで何人もの就活生を内定に導いてきた就活のプロが、あなたに足りないことやあなたが自信を持って良いことなどについても的確にアドバイスしてくれるため、改善しつつ自信を持つこともできます。
ぜひ、気になる方はこちらのボタンからジョブコミットに登録してみてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート