これから入社したい企業に面接を申し込むにあたっては、誰もが履歴書を作成します。
その際、最も頭を悩ませるのが履歴書の中での長所についてです。
すぐに思いつく人もいれば、どう考えても自分に長所などないと思えてしまう人もいて、後者の方が書くのはより困難となります。
とはいえ、すぐに自分の長所を思いつける人でも、その根拠となる理由は何なのかを知っておかないと、面接のときに失敗してしまうリスクが高まります。
履歴書に自分の長所を書くにあたっては、会社がなぜ書くように求めるのかを、さまざまな方面に焦点を当てて分析していきます。
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【長所の書き方】企業が長所を聞く目的とは?
企業は履歴書を見て、この人はうちの会社にとって戦力になりそうだとか、魅力的な人材だと考えたら、次なる段階の面接に来るようにと促します。
学生の就活では非常に多くの人が履歴書を送付するため、まずは履歴書ではねられてしまう人が大多数です。
面接にこぎつけられたということは、そこにはなんらかの理由があり、会社として求める基準に対して、履歴書という書面においては合格したことを意味します。
履歴書でパスし、さらに面接をクリアして採用にこぎつけるには、さらに一歩踏み込んで企業の意図を知っておくこと必要があります。
その意図とは、あなたの長所は何ですかという質問に凝縮されるといっても過言ではありません。
会社との相性を知るため
会社として履歴書を見る限りでは、自社の業務内容に対応できるスキルを持っていると推測でき、学業における成績も優秀であることなどを踏まえ、優れた人材として活躍してくれそうだという判断のもと、履歴書での合格とします。
ただ、履歴書でわかるのはここまでで、実際にその人がどのような性格の人かはわかりません。
人というのは、履歴からは文句の付け所がなくても、その性格によって周囲の人に与える印象が異なります。
会社としては、これまでの履歴と履歴書における長所は完璧でも、実際に入社して相性が合うかどうかを判断するために、実際に会ってその人の口から自分の長所を聞きたいと考えているのです。
どんな人物かを知るため
自分の長所はわかっていても、自分自身で自分がどんな人物なのかを理解している人はほとんどいません。
たいていは第三者からの評価によって、自分はこういう人物なのだとか、こんな人だと思われているといった具合に、他者による物差しで自分を捉えていることが多いのです。
会社は就職を希望する人と直接会って話をすることによって、どんな人物なのかを知ろうとしています。
人物を知るポイントとして、話し方や立ち居振る舞いから推測および判断することがほとんどです。
面接のマナーをしっかりと頭に入れているかどうかから、話をするにあたって落ち着いているか、あるいはソワソワしたりもじもじしたりと落ち着きがないかといった点を見ています。
話す声や話し方に自信があるか、それとも自信なさげにか細い声で話すかなどもチェックするポイントです。
入社後の活躍するイメージを掴むため
相性はそこそこ良さそうで、人物にも問題なしとなったら、会社は次にこの人を採用した場合、どこに配属したら活躍してくれるだろうかと考えます。
大きな会社になればなるほど適材適所で人員を配置しないと、役に立つどころかお荷物になってしまう可能性があるからです。
会社との相性は良さそうだし、人物にも問題ないけれど、活躍できる部署がなさそうだとなれば不採用という結果に至ってしまうこともあります。
こればかりは会社内部のことですので、就職活動をする人たちにとってはいかんともしがたいところです。
【長所の書き方】項目別!長所を探す方法
長所を上手にアピールすることが内定の近道であるとは分わかっていても、自分の性格を客観的に判断するのは簡単なことではありません。
自分の長所をどうやって見つけたら良いのかわからないという学生のために、ここでは長所の探し方を紹介します。
性格から長所を見つける
自分の長所が見つからないならば、普段他人から褒められる性格から長所を探し出してみると良いでしょう。
たとえば家族から「あんたは本当にいつもマイペースだね」と言われることが多いなら、そこから、「どんなに追い込まれた状況でも慌てることや周囲の雰囲気に流されることなく自分の仕事を淡々とこなすことができる」という長所につながります。
同様に友達から「お前はめげないね」と言われるなら、「嫌なことがあってもくよくよせずに、いつも前向きに仕事に取り組むことができる」という長所になります。
このように、自分の特徴的な性格を思い出して長所としてまとめてみましょう。
自信のあることから長所を見つける
どんな人にも他人に負けない得意なことが一つはあると言われます。
自分の得意なことはなんなのか、自信を持っていることはなにか、ということから長所を探し出してみるのも良いでしょう。
このプロセスでは、まず自分の得意なことと自信のあることを書き出してみます。
たとえば人前で話すことが得意であるならば、そこから「初対面の人とでも臆することなく話すことができるコミュニケーション能力がある」、「誰とでも仲良くできる」といった長所につなげることができます。
また、一度決めたことは決して途中で投げ出さないということに自信があれば、「継続力がある」、「コツコツ努力する」という長所が浮き出てきます。
このような特徴を信憑性のあるエピソードと一緒に述べることで説得力のある言葉となります。
短所から長所を見つける
自己分析をしてみても短所ばかりで長所なんて見つからないと悩んでいる学生もいるかも知れません。
そんなときは発想の転換も必要です。
一見すると短所だと思えることでも、別の切り口から見てみるとそれが長所になることもあります。
このように、短所を言い換えることで長所を見つけるのも一つの方法です。
たとえば「お前は心配性だ」と言われたとしましょう。
心配性というと、ちょっとしたことにも不安を感じて気にしてしまう心の弱い人というマイナスのイメージがありますが、逆に考えれば何事に対しても慎重で計画的であり、失敗が少ないと言い換えることが可能です。
同様に、「自分の意見を無理に通そうとする」「我が強く周囲の言葉を聞かない」という性格も、リーダーシップがあり主体性があると言い換えることができます。
この他にも単純な性格は素直と言い換えることができますし、大雑把はおおらかで細かいことに囚われない性格だともいえます。
このように、長所は日々の生活から自分を見つめることで見つかることも多いので、まずは自分を客観的に眺めることから始めて見ると良いでしょう。
長所は日々の生活から自分を見つめることで見つかる
誰も真似できない特殊能力こそが長所だと考え、そのようなものは自分にはないと思ってしまう学生は少なくありません。
しかし、履歴書に書くべき長所はそういった類いのものではなく、派手さはないが社会生活を送るうえで活かされる何気ない行動や考え方です。
実は、就職活動において求められる長所は多くの方々が日々の生活の中で習得しています。
就活の場で評価される長所はなかなか自分では気付きにくいです。
だからこそ日々の生活の中で家族や近所の方、または友人などから褒められた瞬間を思い出しましょう。
たとえば「挨拶の声が大きくて気持ちよい」と言われたことがあるなら、それが長所となります。
どうしても思い出せない場合は、理由を伝え周囲の人々に自分の長所を尋ねてみるのも良いでしょう。
思いがけない点を評価されていたことがわかり、それが自信にもつながります。
【長所の書き方】就活中によくある長所を紹介
学生の就活は一斉に行われるため、誰もが自分の長所を履歴書に書いて送ります。
他の学生と自分自身の長所の内容が重複してしまうのは避けられないことから、より掘り下げて自分自身を見つめ、どんなところが長所と言えるのかを客観的に知るために、長所一覧をまとめた記事を参考にすると良いでしょう。
この一覧を見れば、こんなことも長所になるのかと目から鱗が落ちる想いを経験できますし、それなら自分にはこれが当てはまるといった具合に、ユニークな長所を見つけることができます。
就活中によくある長所をまとめた一覧記事を参考にすることによって、自分自身を見つめて長所を探す時間も短縮できるでしょう。
「長所 一覧(作成中)」こちらによくある長所の一覧がありますので参考にしてみてください。
長所を書くときの注意点
履歴書やエントリシートに長所を記入するとき注意するポイントの1つ目は、記入する内容を1つに絞り込むということです。
人によっては長所をいくつも書きたいと思うかもしれませんが、それでは限られた文字数の中で十分に自分の魅力を伝えることが難しくなってしまいます。
アピールするポイントは1つに絞り込みましょう。
ではどうやって1つに絞り込むかということですが、これは長所が応募する企業や職種の求める人物像と合致しているかということが基準になります。
たとえば研究職を希望する場合には「探究心」というワードは的確ですが、営業職にはあまり重要とは思えません。
応募する会社や職種がどのような人材を求めているのかを理解したうえで、それに当てはまる長所を記入するように心がけましょう。
自分の良い部分を自分の言葉を使って表現することも長所を書く時の大切なポイントです。
履歴書に記入される長所はある程度決まっています。
「協調性」「責任感」「努力家」といったワードです。
たしかにこういった長所は仕事で役立つことも多いですが、毎日何十通・何百通という履歴書に目を通している人事担当者にとっては見飽きた言葉であり、インパクトはありません。
同じ「協調性」をアピールするにしても別の言葉で言い換えるだけでインパクトは大きくなります。
履歴書の長所は単語でなくても良いので、文章で説明してみることもオススメです。
履歴書には長所と一緒に短所を書くこともありますが、長所と短所が矛盾しないように注意しなければなりません。
たとえば長所に「忍耐力がある」と書いたにもかかわらず、短所に「困難なことにぶつかると逃げ出してしまう」と書かれていたのでは矛盾した内容になってしまいます。
これでは人事担当者を納得させることはできません。
履歴書に長所を記入する際には、フレームワークを意識するようにしましょう。
基本的な構成として、「私の長所は○○です」といったように冒頭部分には結論を持ってきます。
こうすることで人事担当者にわかりやすく自分の長所を伝えることができます。
次に長所を裏付けるエピソードを記入します。
どんな場面で長所が発揮されて、どのような行動を取り、その結果どうなったのかを意識して端的に伝えるようにしましょう。
そして最後には、長所と仕事との関連性を記入します。
自分の長所を仕事のどんな場面で活かすことができるのか、業種や職種と上手に絡めることでアピール度が高まります。
【長所の書き方】長所の例
実際に履歴書にどのように書けば良いのかがわからないという人のために、具体的な長所の書き方の例を3つ挙げてみます。
例文①
子供のころからチームで行うスポーツをずっと続けてきた経験から、私は仲間との協調性を常に大事にしています。
スポーツを通してチームメイトとの間に培ってきた協調性は、親しい友人だけでなく、クラスメイトともうまくやっていける結果となりました。
自分の意見を言うことはもちろんですが、自分とは異なる意見にも耳を傾け、活かせるところは活かし、悪いところは修正するといった柔軟な考え方を持つことができるようになったと感じています。
考え方の異なる大勢の人の中で仕事をするにあたって、常に自分の考えを持ちながらも人の意見に耳を傾ける柔軟さは、大いに役立つと考えています。
例文②
私の長所はまじめな性格から、どんなことでも手を抜かずに真摯に取り組むところにあると考えています。
勉強においてはどの学科が重要で、どの学科が取るに足らないものだとは考えず、すべてにおいて同じように向き合ってきました。
日常生活の中ですべきことも、雑用という考え方ではなく、すべてがしなければならないことだと考えて取り組み、きちんと最後までやり通した結果、思いがけない達成感を得たこともしばしばあります。
仕事をするときにこれは大事で、これは些末なことといった考え方をせず、すべてにまじめに、手を抜くことなく取り組んできたこれまでの姿勢は、大いに活かされると考えています。
例文③
私は人からの忠告や意見を特に抵抗なく受け入れることができる自分の性格を、一番の長所だと考えています。
最も身近な人間関係は家族ですが、兄弟姉妹が親から注意されたとき、それはこういう理由があってといった具合に反論するのに対して私自身は、そう言われると私が悪かったのだといった具合にすんなり受け入れられるのです。
友人や先生からのこうしたほうがいいよとか、こうしなさいといったアドバイスから指示に至るまで、その中に良さを見つけて素直に受け入れられるところは、多くの人からたくさんの指示を受けることになる会社では長所になると感じています。
自分の考えにこだわって頑なになり、周りから教えてもらえるたくさんの知識を逃してしまうことにならないようにしたいと考えてています。
まとめ
履歴書を書く際に最も悩む長所は、漠然と捉えるのではなく項目別に分けてピックアップしていくことで、意外と自分にはたくさんの長所があったのだということに気づき、本人が一番びっくりということがよくあります。
企業がなぜ長所を知りたがるのかという理由を知れば、自分はどんな性格なのかや、この性格で何が長所になっているのかを考えなければなりません。
これが客観的に自分を見ることにつながりますので、長所を探し出すのに時間をかけることで、履歴書に書くのはもちろん、実際に面接のときにも落ち着いて話せるようになります。
人となりを見られても、面接で自分の長所を堂々と話すことができれば、採用という結果につながってくるはずです。
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