就活に有利?OB訪問完全マニュアル

就活に有利?OB訪問完全マニュアル

なにかを始めるにあたってはまず経験者の意見を聞くことが大切になってきます。

経験者がどういうポイントで大変な思いをしたか、困難をどう乗り越えたかを聞くことによってその後の仕事に活きることは多くなるでしょう。

では、就活生の場合は誰に対して意見を仰ぐべきなのでしょうか。

基本的には同じ学校出身のOBに話を聞くことが多いようです。

今回はOB訪問について紹介していきましょう。

OB訪問とは

OB訪問は大学生が同じ学校の出身者の元を訪れ、さまざまなことを質問する機会のことを指します。

男性の場合ならばOBですが、女性の場合はOGというのでそのあたりは注意しておきましょう。

OB訪問の意義はなんといっても実際に企業に勤めている人の意見を聞けることにあります。

現在はネットが普及していますから、就活生はさまざまな情報に接することができるでしょう。

この企業の株価はどのくらいか、待遇はよいのか、昇進に恵まれやすいかなど、いろいろな情報を手に入れられます。

しかしながら、やはりその企業のことについて知っているのは実際に企業に勤めている社員です。

彼らが実際に働いて得た知見や感覚こそがなにより信頼できる情報といっても過言ではありません。

OB訪問はこうした生の意見を聞くのに最適な機会なのです。

たしかにOB訪問したからといって直接内定につながるわけではありません。

人事課の社員が、あの就活生はうちにOB訪問に来たから少し目をかけてみるか、ということはなかなかないでしょう。

もっとも、その企業がどのように経営を行っているかを知れば、自分がどうして志望したのかを明確にしやすくなります。

志望動機が明確であれば、面接の際に好印象を与えることにもなりやすいでしょう。

また、エントリーシートを書く際の材料にもなり得ます。

その点でもOB訪問は機会があればやるべきなのです。

OB訪問についてさらに詳しくご紹介しておりますので、参考にしてください。

OB訪問を実施する時期

実際にOB訪問をやってみようと思っているけれど、いつ申し込んだらよいかわからない、という学生は多くいるでしょう。

OB訪問に適切な時期は2月から5月とされています。

なぜこのあたりの時期かといえば、ちょうど3月ごろに就職情報が解禁されるからです。

企業から出された就職情報を見つつ、どの企業に面接に行くかを絞り込み、その中からOB訪問に行く企業も見つける、というプロセスが一般的といえるでしょう。

もっとも、世間的にはこうだから自分も2月から5月にしよう、というのは少々短絡的です。

たとえば3月といえば、企業にとっては決算を控える一番忙しい時期といえるでしょう。

普段仕事で忙しくしているのに、そのうえOB訪問も受けなくてはいけない、となると社員にとってはハードスケジュールになってしまいます。

さらには多くの就活生からの依頼が舞い込んで、仕方なく何件かの依頼はキャンセルせざるを得なくなった、というケースも考えられるでしょう。

もっとも、だからといってこの時期を外して6月ごろに申し込めばよいか、といえばそういうわけでもありません。

OB訪問が遅くなってしまうというのは、自動的に企業へのエントリーを遅らせることを意味します。

就活のスケジュールが後ろ倒しになってしまえば、その分面接などで失敗したときのリスクは大きくなるでしょう。

OB訪問を受けて意見を聞けたはよいけれど、内定が得られず夏が終わってしまった、ということにもなりかねません。

よって、OB訪問は早いうちに済ませておきましょう。

2月から3月上旬ころに申し込んでおけば、OBの人のスケジュールも付けやすくなります。

OB訪問を実施するベストな時期とはいつなのかを詳しくお話しておりますので、ぜひご参考にしてください。
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OB訪問の流れ

就活での企業研究の1つでもあるOB訪問は、目的を持ってきちんと準備しておかなければ時間を有効に使えません。

OB側にも迷惑をかける可能性も出てきます。

お互い時間を浪費することなく気持ちよくOB訪問のイベントが行えるように、まずは目的を定かにして訪問方法をマスターしましょう。

ステップ1:OB訪問を行う目的を明確にする

ただなんとなく「みんながしているから」というような気持ちでOB訪問に臨んでも、得るものは少ないでしょう。

就活を進めるにあたって、なぜOB訪問をする必要があるのかを知っておかなければなりません。

目的を持ってイベントに参加するからこそ、OB訪問をする意味があるのです。

OB訪問を行う目的例

OB訪問の主な目的は、自己分析とさらなる業界研究、そして高い選考評価を得ることの3点です。

この3点の目的を達成してこそ、内定への道が開けてくると言えます。

それぞれの目的について明確にすることが重要です。

自己分析を深めるため

就活では、自己分析をして自身の性格や能力を知る必要があります。

長所短所を知っておかなければ、自己PRも志望動機も話せません。

OBの人との対話は、自己分析を高めるために役に立ちます。

自身の自己分析シートをOB訪問でチェックしてもらうとよいでしょう。

働くイメージを湧かせるため

面接では、面接官は自社にマッチした人材であるかどうかを見極めようとしています。

自己PRでもガクチカや志望動機でも、受ける企業が求める人物像を把握してこそ内容のよい回答ができます。

企業が求める能力と無関係の強みをアピールしても、あまり意味がないわけです。

企業が求める人材について知るためには、企業研究が欠かせません。

企業研究と言えども何をすればよいのか悩んだ時に、力になるのがOB訪問なのです。

OB訪問により、その会社の詳細情報を得られます。

漠然としていた会社のイメージがどんどん明らかになってきて、会社についての理解が深まるでしょう。

実際にその会社での業務経験者だからこそ、教えてもらえることが多々あります。

企業のHPやパンフレットだけでは見えてこない部分も知られるのです。

選考のポイントアップのため

OB訪問をしたかどうか、そしてOB訪問中の振る舞いや印象などを企業側はチェックしているケースが多いです。

つまりOB訪問も、選考の1つになり得る可能性があると言えます。

企業によってはOB訪問の時に人事担当者と会うこともあるでしょう。

面識があれば、面接の際の緊張が薄れるといったメリットもあります。

OB訪問に参加すると、選考にプラスになることが多くなります。

よい評価をもらって内定につなげるためにも、OB訪問は決してムダではないのです。

ステップ2:OB訪問先にアポイントを取る

OB訪問は相手方に失礼がないように、マナーのある進め方をしなければなりません。

まずはじめに、訪問できるOBを探すことからはじめましょう。

所属ゼミやサークルの先輩にあたってみるほか、就職支援会社を通じて先輩を見つける方法もあります。

OBが見つかったなら、メールか電話で先輩にアポイントを取ります。

LINEを使ってのコンタクトは、相手との関係性によって判断しましょう。

面識がないOBの方に対しては、LINEは使わないほうがよいと言えます。

OB訪問のアポイントについては、就職支援サイトなどでメールのテンプレートも紹介されています。

相手は忙しいので、時間帯も考えてコンタクトすることが大切です。

社会人としてのマナーあるアポイント方法を心がけたいものです。

ステップ3:OB訪問を実施する

内容の濃い時間にするためにも、訪問日時が決まったなら事前にしっかりと聞くべき点などをまとめておきましょう。

質問リストを作って持っていけば安心です。

質問リストを見て先輩に質問すると、先輩側も就活生のやる気を感じてくれて親切にいろいろ教えてくれるはずです。

約束の時間と待ち合わせ場所を再度確認して、当日には遅れないように早めに出発します。

OBの方は無償でいろいろと教えてくれるので、マナーのない無礼な言動に至らないように気をつけたいものです。

流れとしては、まず自分の自己紹介と就活の現時点での状況や活動方法について話します。

その後、先輩に質問をしていきます。

本音の情報を先輩から聞いて、就活にしっかりと活かすことが大切です。

ステップ4:OB訪問後のお礼をする

OB訪問後には、お礼のメールや手紙を送って感謝の気持ちを伝えましょう。

先輩と話すことによってどのような点を知ることができて、どんなふうに活かしていくつもりかなどを具体的に書くようにします。

先輩に好感を持ってもらえれば、後々も何か助けてもらえることがあるかもしれません。

せっかくの縁を大切にするとともに、忙しい中時間を作ってくれたことに対して丁寧にお礼の言葉を伝えたいものです。

OB訪問の探し方

時期を決めたら次はさっそくOBに連絡しましょう。

OBへの連絡先は大学の就職課などに問い合わせるのがベターです。

就職課は過去の就活生の連絡先を保管しているので、スムーズに連絡を取ることができます。

なにより同じ大学の後輩が自分を頼りにしているとわかれば、先輩としても悪い気はしないでしょう。

もっとも、中には自分の仕事が忙しいので同じ大学だからといって助けになれそうにない、という人もいるので念のため注意しておくべきです。

なにより、就活課が保管しているデータは古いものが多いので、連絡先が変わってしまった際には連絡がつかないことも考えられます。

確実にOBに依頼を取り付けたいのなら、OBの知り合いに頼むほうがよいでしょう。

たとえばサークルの後輩やバイト先の同僚だった人に紹介をお願いすれば連絡先を得ることは十分に可能です。

その他、自分にとって就職したい企業だけどOBがいない、というケースもあり得ます。

その際はインターネットを使ってOB訪問を受け付けている社員を見つけるという手があります。

最近ではOB訪問用のアプリもリリースされました。

それを使えば同じ大学でなくともOB訪問を引き受けてくれる人に巡り合えることができます。

こちらでは、OB訪問の探し方について詳しくご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
OB訪問の探し方、おすすめなのは?

OB訪問のマナー

就活生にとってはマナーにはしっかりと注意しなくてはいけません。

これは面接だけでなく、OB訪問についても当てはまることです。

ちょっとした失礼がきっかけでOBの気を損ねてしまったら、せっかくの訪問の機会が台無しになってしまいます。

そうならないためにも、あらかじめマナーを心がけるようにしましょう。

OB訪問のメールマナー

OB訪問の依頼方法としては電話や直接会って依頼する方法もあります。

とはいえ、今やほとんどの人がパソコンやスマートフォンを持っている以上はメールで依頼するのが便利で望ましいでしょう。

もっとも、一通だけ送ってあとは実際に会って終わり、というのでは少々失礼です。

OBは就活生のために時間をかけてくれているのですから、メールも丁寧に何通か送るようにしましょう。

具体的にいえば、まずは依頼のメールを送らなくてはいけません。

自分がどの大学の何学部に所属しているのか、どうして連絡に至ったのか、どういう話を聞きたいか、などをしっかりと文面にしてメールを送るようにしましょう。

突然連絡して申し訳ありません、などといった文章を加えるのが望ましいです。

向こうから承諾の返信があったら、続いて日時の相談に入ります。

この際は就活生側から具体的な日時の候補を複数提示したほうがよいでしょう。

その中からOBにとって都合のよい日取りを選んでもらいます。

念のため訪問前日になったら確認のメールも怠らないでください。

この際に質問内容を箇条書きにして送れば、OBの回答がスムーズになります。

いざ訪問が終わったら、お礼のメールを送ったほうがよいでしょう。

この度はありがとうございました、今回の経験を活かしながら就活に役立てていきます、といえば好印象を与えられます。

OB訪問のメールテンプレート集を下記記事ではご紹介しておりますので、ぜひコチラの記事も参考にしてください。
【例文付き】OB訪問のお礼でも使えるメールテンプレート13選

OB訪問の服装マナー

同じ大学の出身者とはいえ、OBはれっきとした社会人の一人です。

それゆえ、OB訪問はフォーマルな場になりますからそれに合わせた服装を用意しなくてはいけません。

具体的にいえばスーツとネクタイ、白いシャツと革靴などといった面接に臨むような服装で行くのが望ましいでしょう。

もっとも、OBの中にはそういった堅苦しい雰囲気で訪問してほしくない、という人もいます。

私服で構わない、と言われればそれに合わせた服装で行くようにしましょう。

もっとも、Tシャツに短パンでサンダル、などというようなラフな格好で臨むのは考え物です。

白いシャツにジャケットを羽織り、下はスラックスのような地味な服装で行くのが無難でしょう。

OB訪問の服装について、詳しくご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。

OB訪問で聞くべき質問

OB訪問の前に質問内容をまとめておいたほうがよいのはいうまでもありません。

もっとも、どういったことを質問したらよいか悩んでしまう、という就活生はいるでしょう。

そこで、ここからは簡単に代表的な質問内容をピックアップしていきます。

まずはどのような姿勢で仕事に打ち込んでいるか、ということです。

仕事に打ち込むうえでは心構えが重要になります。

今作っているものが世の中の役に立つようにしたい、目の前のお客様が笑顔になれるような接客をしたい、などなど社員の姿勢はさまざまです。

そういった意見を聞くことによって、自分が就職してから仕事に対してどう向き合うべきかの参考になるでしょう。

続いて、その企業がどのような上下関係に基づいて成り立っているのかを聞くことも大切になります。

基本的に企業は上からの指示に下が従う、という方式を採っているところがほとんどです。

しかし、最近では下からの意見を上が汲み取り、経営に活かしていく、という企業も増えてきました。

どういった態度で上司に接していくかをイメージすることも就職してから役に立ってきます。

その他、企業がどのようなやり方で社員を評価しているかも聞いておきましょう。

最近の企業はさまざまなチェックシートを作ったうえで社員を評価し、待遇を決めることが増えてきています。

あらかじめそういう評価の情報を聞いておけば、それに合わせたスキルを磨いておくことができるでしょう。

ここまでは質問すべきことを中心に取り上げてきましたが、一方で聞くべきでない質問も存在します。

たとえばこの企業は転職に対して寛容に取り扱ってくれるか、といったことを質問してしまったら、OBの機嫌も悪くなってしまうでしょう。

なにより転職を前提にしていることがバレてしまったら、採用の合否にも響きかねません。

失礼に当たることはなるべく避けるほうが無難です。

下記では、OB訪問で聞くべき質問やNGな質問などをご紹介しておりますので、あわせてご確認しておいてくださいね。

まとめ

就活をするうえで就活生にとっての最大の目標は内定を得ることです。

内定が得られなくては仕事をすることができません。

しかしながら、就職することはあくまでも通過点であってその先には長い人生が待ち受けています。

内定を得ることだけに必死で、いざ就職したらやる気がなくなってしまった、となったら本末転倒でしょう。

そうならないためにも就活の段階で未来予想図を作っておくことは大切になります。

OB訪問はそれを作るうえで欠かせない参考材料ですから、ぜひ体験してみてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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