【26卒最新】総合商社の売上高/年収/就職人気ランキングを徹底解説

【26卒最新】総合商社の売上高/年収/就職人気ランキングを徹底解説

総合商社は、日本を代表する企業群であり、幅広い分野において世界中で活躍しています。

エネルギー、金属資源、消費財、金融サービスなど多岐にわたる事業領域を持つこれらの企業は、グローバルなビジネス展開や投資活動を通じて、経済の発展に寄与しています。

本記事では、総合商社就職人気ランキングや平均年収の比較を解説するとともに、総合商社業界の現状と求められる人材像についても考察します。

この記事を読んでわかること

・総合商社の定義・概要

・総合商社の各項目ランキング

・総合商社で働くメリット・デメリット

この記事をおすすめしたい人

・総合商社への応募を検討している人

・総合商社の業界研究をしたい人

・自分が総合商社に向いているか知りたい人

目次目次を全て表示する

総合商社とは

総合商社とは様々な商品やサービスを取り扱い、世界中で貿易や投資活動を行う企業のことを指します。

総合商社の特徴はその事業領域の広さと多様性にあり、エネルギーや金属資源、化学品、繊維、機械、金融サービスなど多岐にわたる分野で事業を展開しています。

また、取引先や顧客のニーズに応じて、商品の供給だけでなくプロジェクトの企画や投資、物流、ファイナンスなど、幅広いビジネス支援を行うことが可能です。

総合商社は単なる貿易会社にとどまらず、ビジネス全体を包括的にサポートするパートナーとして、様々な場面で重要な役割を担っています。

その市場規模は非常に大きく、5大商社の営業収益の合計の業界規模は61兆0832億円(参照:各社IR資料)となっています。

解説:「五大商社」とは

5大商社とは、日本を代表する主要な総合商社の中でも特に規模が大きく、業界で高い影響力を持つ5つの企業を指す。日本においては、三菱商事株式会社、三井物産株式会社、伊藤忠商事株式会社、住友商事株式会社、丸紅株式会社の5社。

解説:専門商社とは

専門商社とは特定の商品や分野に特化して事業を展開する商社のことを指します。

定義として、扱う商品の売上が全体の50%以上を占めることが挙げられます。

この特化性が専門商社の最大の特徴であり、総合商社と比較すると事業領域は狭いものの、その分、特定分野における専門知識やノウハウが非常に豊富です。

この強みは顧客に対してより深い価値提供が可能となり、競争優位性を高める大きな要因となります。

専門商社は取扱商品の分野に精通しているため、業界内での人脈やネットワークが充実しています。

例えば、化学製品を専門とする商社であれば、化学メーカーや研究機関との密接な連携を通じて、顧客が求める製品を最適な形で提供することができます。食品や機械部品などを扱う商社でも同様に、その分野特有の課題に対してきめ細やかな対応が可能です。

【総合商社】項目別ランキング一覧

総合商社を項目別にランキングづけしました。

是非以下の3つのランキングを参考にして、企業分析をしてみましょう。。

総合商社の売上高ランキング

総合商社の売上高ランキングについて紹介します。

企業名 営業利益/純利益(円)
三井物産 13兆3249億/19兆5679億
三菱商事 19兆5676億/9640億
伊藤忠商事 14兆0299億/8017億
丸紅 14兆0299億/8017億
住友商事 14兆0299億/8017億

*参照:四季報業界地図

総合商社の平均年収ランキング一覧

続いて、総合商社における平均年収のランキングを紹介します。

それぞれの企業の年収がどの程度のものか、確認してみてください。

順位 企業名 平均年収
1位 三菱商事 1939万円
2位 三井物産 1784万円
3位 伊藤忠商事 1730万円
4位 住友商事 1659万円
5位 丸紅 1594万円
6位 双日 1208万円
7位 兼松 1204万円
8位 佐藤商事 1130万円
9位 阪和興業 1105万円
10位 稲畑産業 1059万円
11位 第一実業 1027万円

*参照:四季報

ランキングから言えることとして、総合商社が国内で非常に高い給与水準を誇ることが挙げられます。

また、国際的な取引や多様な業種への関与が深い企業が上位に名を連ねているのも特徴の1つと言えます。

これらの企業は世界中の市場で取引を行い、多岐にわたるビジネス領域に関わることが共通点です。

総合商社の多くはエネルギーや資源といった大規模プロジェクトから商品や消費財、インフラ、金融サービスなどの幅広い分野で事業を展開しています。

この多様性こそが収益の安定性を確保し、経済の変動に対する強い耐性を持つ要因となっており、従業員の高い年収を支える基盤となっているのです。

総合商社の就職人気企業ランキング一覧

続いて、総合商社の就職人気ランキングを見てみましょう。

順位 企業名
1位 伊藤忠商事
2位 三菱商事
3位 丸紅
4位 三井物産
5位 住友商事
6位 国分グループ
7位 阪和産業
8位 双日
9位 豊田通商
10位 兼松

*参照:四季報より24卒就職人気企業ランキング

総合商社が他の業界の企業と比較しても圧倒的な人気を誇っていることは明らかです。

上位には伊藤忠商事、三菱商事、丸紅、三井物産、住友商事といった大手総合商社が名を連ねており、これらの企業は安定した高収益と多様なキャリアパスがあるため、多くの学生からの支持を集めています。

総合商社が人気を集める理由は、グローバルなビジネス展開や多様な業種に携われる機会が豊富であること、そして高い給与水準と福利厚生の充実です。

他の業界の企業と比較しても人気度が高く、倍率も高いということは入念な対策をしなければならないということでもあります。

商社を目指す方は特に就活の対策をしっかりと行うようにしましょう。

総合商社の人気5社を紹介!

上記のランキング上位の人気総合商社5社について解説していきます。

企業の特徴を理解して、企業研究に役立ててください。

三井物産

基本情報
  • 会社名: 三井物産株式会社
  • 設立年: 1876年
  • 本社所在地: 東京都千代田区丸の内1-2-1
  • 代表者: 社長 堀田 康之
  • 従業員数: 約45,000人(グループ全体)
  • 上場市場: 東京証券取引所プライム市場

*参照:三井物産HP

三井物産は日本を代表する総合商社の1つであり、世界各地で多岐にわたる事業を展開しています。

特に鉄鉱石や液化天然ガスなどの資源分野に強みを持ち、エネルギーと金属資源の取引で業界をリードしています。

主な事業分野
  • エネルギー:石油・ガスの開発、液化天然ガス(LNG)の供給などを行う
  • 金属資源:鉄鉱石や石炭、非鉄金属の取引・開発
  • 化学品:化学製品の製造・流通
  • 機械・インフラ:機械設備、電力・インフラ関連プロジェクト
  • 消費・サービス:食料、繊維、情報通信、流通などの多岐にわたる事業

営業利益は13兆3249億円、純利益は19兆5679億円を誇り、豊富な資源ビジネスの経験を活かして安定した収益基盤を築いています。

資源関連のプロジェクトでは炭鉱から生産、物流、マーケティングまで一貫して取り組むことで効率的なオペレーションを実現しているのも特徴です。

また、資源だけでなく化学品、食品、機械、金融サービスなど、多岐にわたる事業を行っています。

また、アジアを中心に農業関連事業の拡大やインフラ開発の推進を積極的に行っているのも特徴の1つです。

そして、デジタル化の進展に伴い、新たなテクノロジーを活用したビジネスの変革にも取り組んでいます。

三菱商事

基本情報
  • 会社名: 三菱商事株式会社
  • 設立年: 1950年
  • 本社所在地: 東京都千代田区丸の内2-3-1
  • 代表者: 社長 垣内 威彦
  • 従業員数: 約86,000人(グループ全体)
  • 上場市場: 東京証券取引所プライム市場

*参照:三菱商事HP

三菱商事は総合商社の中でも特に規模が大きく、液化天然ガスや銅事業で強い存在感を示しています。

営業利益は19兆5676億円、純利益は9640億円に達しており、資源分野を中心に安定した収益を確保しています。

主な事業分野
  • 天然ガス:LNGの開発・供給を中心に事業展開
  • 金属資源:鉄鉱石や銅、アルミニウムなどの取引・開発
  • 石油・化学品:石油や化学製品の貿易および製造
  • 機械:産業機械、車両、航空機の販売・リース
  • 食品・消費材:食品、飲料、日用品などの製造・流通
  • 電力・インフラ:電力事業、再生可能エネルギー、インフラの開発

三菱商事の強みは液化天然ガスをはじめとするエネルギー関連事業で、アジアや中東などの戦略的地域において供給網を構築し、世界中の需要に応えています。

また、銅の生産や取引においても世界有数の規模と技術力を誇り、鉱山開発から精錬、販売に至るまで一貫したサービスを提供しているのも特徴の1つです。

非資源分野でも三菱商事は大きな影響力を持っています。

例えば、三菱自動車をはじめとする自動車事業や、コンビニエンスストアのローソンなどの消費関連事業、そして金融やインフラの場面でも広範な事業展開をしています。

この多様な事業のポートフォリオにより、資源価格の変動などの外的リスクに対しても安定した経営を維持しているのです。

解説:「非資源分野」とは

石油、ガス、鉱物などの「資源」に直接関連しない事業や産業分野を指す。非資源分野は、商社の事業ポートフォリオを多様化し、資源価格の変動に左右されにくい安定した収益源として重要な役割を果たしている。

伊藤忠商事

基本情報
  • 会社名: 伊藤忠商事株式会社
  • 設立年: 1949年
  • 本社所在地: 東京都港区北青山2-5-1
  • 代表者: 社長 石井 敬太
  • 従業員数: 約130,000人(グループ全体)
  • 上場市場: 東京証券取引所プライム市場

*参照:伊藤忠商事HP

伊藤忠商事は総合商社の中でも消費者に最も近い川下領域の事業を中心に成長してきた企業です。

営業利益は14兆0299億円、純利益は8017億円に上り、消費財やアパレル、食品などの領域で強みを発揮しています。

主な事業分野
  • 繊維:アパレル製品、繊維素材の製造・販売
  • 食料:農産物、食品、飲料の製造・流通
  • エネルギー・化学品:石油、ガス、化学製品の取引・開発
  • 住生活:不動産、住宅関連商品、建築材料の販売
  • ICT・金融:情報通信技術、金融サービスの提供
  • 機械:自動車、航空機、産業機械の販売およびリース

特に流通や小売、製造などのサプライチェーン全体を自社でコントロールすることにより、効率的で柔軟なビジネスモデルを構築しています。

伊藤忠商事は多国籍企業との協業や戦略的なM&Aを通じて、国内外での事業拡大を推進し、グローバルな市場での競争力を高めています。

また、川下領域の事業だけでなく、リテールからアグリビジネス、インフラ事業まで幅広く手掛けています。

例えば、アパレルではブランド運営と流通の最適化に注力し、食品分野では農産物の生産から流通、販売まで一貫したサービスを提供しています。

また、DXの取り組みも進め、AIやIoTを活用した効率化と新たな価値の創出に取り組んでいるのも特徴です。

丸紅

基本情報
  • 会社名: 丸紅株式会社
  • 設立年: 1949年
  • 本社所在地: 東京都千代田区大手町1-4-2
  • 代表者: 社長 柿木 真澄
  • 従業員数: 約45,000人(グループ全体)
  • 上場市場: 東京証券取引所プライム市場

*参照:丸紅HP

丸紅は海外を中心に展開する発電事業で業界トップ級の地位を誇る総合商社です。

営業利益は7兆2505億円、純利益は4714億円に上り、特にエネルギーインフラ事業において強みを発揮しています。

主な事業分野
  • エネルギー:石油、ガス、再生可能エネルギーの開発および供給
  • 金属資源:鉄鉱石、非鉄金属、貴金属の取引および開発
  • 化学品:化学製品、肥料、合成樹脂の製造・販売
  • 食料・農業:農作物、食品、飲料の流通・生産
  • 輸送機器:自動車、航空機、船舶の販売・リース
  • インフラ:電力事業、通信インフラ、都市開発プロジェクトの展開

丸紅の発電事業はアジア、中東、アフリカなど多様な地域で運営されており、再生可能エネルギーやガス火力発電など、多岐にわたるエネルギーソリューションを提供しています。

これにより、世界中でエネルギーの安定供給を支える重要な役割を果たしているのです。

丸紅の事業は発電にとどまらず、農業、化学品、金融サービスなど多方面に広がっています。

特に農業関連事業では穀物の生産、貿易、食品加工など一貫した供給チェーンを構築しており、食料の安定供給にも貢献しています。

また、化学品分野では高度な技術を活用した製品開発や物流の最適化を行い、グローバルな市場での競争力を維持しているのも特徴の1つです。

住友商事

基本情報
  • 会社名: 住友商事株式会社
  • 設立年: 1919年
  • 本社所在地: 東京都千代田区大手町2-3-2
  • 代表者: 社長 堀 洋一
  • 従業員数: 約65,000人(グループ全体)
  • 上場市場: 東京証券取引所プライム市場

*参照:住友商事HP

住友商事は総合商社の中でも特に多様なビジネスを展開しており、テレビ通販などのメディア事業が業績を支えています。

営業利益は6兆9103億円、純利益は3863億円に達しており、消費者としての幅広い事業領域が安定的な収益源となっています。

主な事業分野
  • 金属資源:鉄鉱石、石炭、非鉄金属の取引・開発
  • 輸送・建設機械:自動車、建設機械、船舶の販売・リース
  • エネルギー:石油、ガス、再生可能エネルギーの開発および供給
  • 化学品・エレクトロニクス:化学製品、電子材料、半導体の製造・販売
  • 生活関連:食品、飲料、医薬品、日用品の流通・販売

住友商事はメディア関連事業だけでなく、自動車、インフラ、金属、化学品、生活関連など多岐にわたる事業を展開しています。

特にインフラ事業では電力、通信、投資開発などのプロジェクトを世界中で展開し、社会基盤の整備に貢献しているのも特徴の1つです。

また、住友商事はESGを重視した事業運営を行い、環境への配慮や社会貢献活動を積極的に進めているのが特徴の1つと言えます。

例えば、再生可能エネルギーの分野では風力発電や太陽光発電のプロジェクトを通じて、脱炭素社会の実現にも貢献しています。

総合商社の仕事内容/ビジネスモデル

総合商社のビジネスモデルは、多岐にわたる業務を包括しています。

主に、商品の輸出入や調達を行うトレーディング部門と、資金を投じる事業投資部門の2つに大きく分けられます。

トレーディングでは、各国のサプライヤーとバイヤーの仲介を通じて仲介料を得て利益を生み出し、

事業投資では、特に資源分野やインフラ開発など、長期的な視野に立ったプロジェクトに投資し、利益を追求します。

トレーディング

トレーディングは、商品の輸出入や国内外での販売・調達を行う業務です。

各国のサプライヤーとバイヤーを繋ぎ、仲介料を得て利益を上げるのが主な収益源です。

商社は、商品の流通におけるリスク管理や為替変動の対応などを行い、国際貿易のスムーズな運営をサポートしています。

事業投資

事業投資は、企業やプロジェクトに対して資金を提供することで利益を得るビジネスです。

特に、資源開発やインフラ整備といった長期的なプロジェクトへの投資が多く、リスクは高いものの、大きなリターンが期待できるのが特徴です。

総合商社の事業領域

総合商社の事業領域は、主に資源分野非資源分野に分かれています。

資源分野では、資源の採掘や生産に関連する川上領域を担当し、非資源分野では、加工や流通、消費に関連する川下領域を担います。

資源分野(川上領域)

資源分野、いわゆる川上領域とは、石油、ガス、金属などの資源の採掘や生産に関わる事業を指します。

資源の探査から抽出までを行い、その後の流通プロセスの基盤を形成する重要なビジネス領域です。

非資源分野(川下領域)

非資源分野は、川下領域とも呼ばれ、資源を加工し、流通させる業務に携わる分野です。

製品の販売や流通、消費者向けのマーケティングなど、最終的な消費プロセスを担う重要な事業領域です。

総合商社の職種

総合商社の職種は、総合職一般職に大きく分かれます。

総合職は、幅広い業務に携わる職種で、国内外問わずさまざまなプロジェクトに従事し、早期から海外赴任の可能性があります。

一方で、一般職は、事務やサポート業務を中心に企業内での安定した業務を担当します。

総合職

総合職は、幅広い業務に携わり、国内外を問わずさまざまなプロジェクトに従事します。

早期から海外赴任のチャンスがあり、国際的なビジネス経験を積むことが期待されます。

一般職

一般職は、主に事務やサポート業務を担当する職種です。

企業内での安定した業務をこなし、総合職と連携しながら業務を支援します。

総合商社で働くメリット

続いて、総合商社で働くメリットについても紹介します。

様々なメリットがありますが、特に代表的なものは以下の2つです。

以下の2つのメリットはどのような総合商社にも当てはまるものであるため、複数の企業を選択肢に入れている方も参考にしてみてください。

福利厚生が手厚い

総合商社で働く大きなメリットの1つが、福利厚生の充実です。

総合商社では従業員の生活や働きやすさを支えるための手厚い福利厚生制度が整備されています。

年間休日が多く設定されているほか、有給休暇の取得率が高く、長期休暇制度を利用してリフレッシュする社員も多いです。

また、育児休暇や介護休暇といった家庭の事情に配慮した制度も整っており、特に女性社員が働き続けやすい環境が整備されています。

さらに、家賃補助や住宅手当も充実しており、生活の基盤を安定させるためのサポートが手厚いのが特徴です。

こうした福利厚生が離職率の低さに直結しており、総合商社では第二新卒(入社3年目まで)の離職率が約5%と非常に低い水準に抑えられています。これは全国平均の約31.8%と比較しても極めて優れた結果です。

給与が高い

総合商社の魅力として最も多く挙げられるポイントの1つが、給与水準の高さです。

全国平均の年収が約450万円であるのに対し、総合商社の平均年収は1300万円を超えています。

この差は一目瞭然であり、総合商社が高収入を提供する職種であることが分かります。さらに、30代で年収1000万円を超える社員も多く、キャリアを積むことで着実に給与が上がる仕組みが整っています。

新卒初任給においても、全国平均が約24万円であるのに対し、総合商社では30万円を超える企業も珍しくありません。

このような高水準の給与は従業員のモチベーション向上に寄与するだけでなく、優秀な人材を惹きつける大きな要因となっています。

総合商社の給与が高い理由としては取り扱う事業規模の大きさと多様性が挙げられます。

国内外で多岐にわたるビジネスを展開しており、大型プロジェクトをリードする役割を果たしています。

そのため、プロジェクトの成功によって得られる利益が社員に還元される仕組みが確立されているのです。

総合商社で働くデメリット

もちろん、総合商社で働くにあたってはメリットばかりではありません。

以下のようなデメリットも存在しているため、しっかりと確認した上で、自分が本当に総合商社で働きたいか考えてみてください。

特に、転勤が多いことで入社後に後悔するパターンが多いため、自分は本当に定住できなくても問題ないか考えておいてください。

家賃補助・住宅手当がない企業がある

総合商社で働くデメリットの1つとして、家賃補助や住宅手当が支給されないケースがあることが挙げられます。

一般的には総合商社は高収入であるため、給与の中に住居関連の補助が含まれているとされる企業が多いです。

しかし、それゆえに家賃補助や住宅手当が別途支給されない企業も存在します。

住居補助がない場合には、給与がいくら高くても実質的な所得が減少する可能性があるため、企業ごとの福利厚生制度を確認することが重要です。

また、一部の企業では独身寮や社宅制度が提供されるケースもありますが、これも全員が利用できるわけではありません。

転勤が多い

総合商社で働く上で避けられないデメリットの1つが、転勤の多さです。

総合商社は国内外に広範なネットワークを持ち、多岐にわたる事業を展開しているため、社員にはさまざまな地域での経験が求められます。

したがって、国内転勤はもちろんのこと、海外拠点への転勤も頻繁に発生します。

特に海外拠点の場合、文化や言語の違いに適応しながら新しい業務を遂行する必要があり、大きな負担を感じることも少なくありません。

また、新しい土地での生活環境に慣れるには時間がかかるため、精神的な負担を伴うケースもあります。

転勤が多いことは経験値を高めるチャンスでもありますが、頻繁な異動が苦手な人にとってはデメリットとなり得るのです。

総合商社を目指す際には、転勤を受け入れられるかを事前に考え、自分のキャリアビジョンと照らし合わせて検討しましょう。

残業が多い

総合商社では業務量が多いため、長時間労働が発生しやすいです。

特に繁忙期や大型プロジェクトの進行中には連日遅くまで働かなければならない場合もあります。

また、顧客が海外企業の場合、時差の影響で夜間や早朝に対応を求められることがあり、休日でも予定が入ることも多いです。

勤務時間が不規則になることが多いため、ワークライフバランスは二の次になることが少なくありません。

一部の企業では働き方改革を進める中で残業時間を減らす取り組みも行われていますが、業界全体で激務というイメージは依然として残っています。

総合商社に向いている人

続いて、総合商社に向いている人の特徴について紹介します。

以下のような特徴が当てはまる場合は、ほとんどの場合、総合商社に向いていると言えるでしょう。

また「1つも当てはまる要素がない」という方でも、就活本番までに改善に向けて今から取り組み始めれば、十分に間に合います。

ただし「他の業界も選択肢に入れており、何としてでも総合商社で働きたいというわけではない」ならば、他の業界を中心に据えてみても良いかもしれません。

協調性がある人

総合商社で活躍するためには協調性が欠かせません。

商社の仕事は社内外の多くの関係者と連携しながら進めるプロジェクトが多いため、周囲との円滑なコミュニケーション能力が求められます。

取引先との交渉や社内のチームメンバーとの調整、さらには海外のパートナー企業とのやり取りまで、さまざまな立場や価値観を持つ人々と協力する場面が多くあります。

自分の意見を主張するだけでなく、相手の意見を尊重し、柔軟に対応する姿勢が重要です。

協調性がある人は異なる立場の人々の意見を取り入れながら最善の方法を模索することができ、プロジェクトの成功に貢献します。

また、チーム全体の士気を高める役割を果たすことも可能です。

体力がある人

総合商社で働くには体力があることも重要な要素の1つです。

大型プロジェクトの進行や繁忙期の長さ、さらには海外取引先との時差を考慮した業務など、通常よりも負担が大きいスケジュールで働くことが少なくありません。

特に残業や休日出勤が発生する場合が多いため、長時間にわたる業務に耐えられる体力が求められます。

また、国内外への出張や、複数の現場を訪れることが多い商社では移動や異動が頻繁に発生するため、身体的な疲労に対する耐性が必要です。

体力がある人は長時間労働や不規則なスケジュールにも対応でき、業務を安定的に遂行できます。

海外勤務に興味がある人

総合商社での仕事は海外勤務や海外取引が大きな特徴の1つです。

したがって、海外勤務に興味を持ち、異文化環境でのキャリアを築きたいという意欲がある人に向いています。

商社は世界中に拠点を持ち、グローバルに展開しているため、入社後に海外への転勤を命じられる可能性が高いです。

つまり、現地の文化やビジネス習慣を理解し、柔軟に適応できる能力が求められます。

また、海外の取引先やパートナー企業との交渉では語学力だけでなく、異文化コミュニケーションのスキルが必要となります。

また、海外での経験はキャリアアップにも大いに役立ちます。

グローバルな視点や現地で培った人脈は帰国後の業務でも大きな強みとなり、将来のキャリアにおいて貴重な資産となるでしょう。

総合商社に適性がある人の特徴についてはこちらの記事でさらに詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

総合商社で働くために必要なスキル

総合商社で働くためには、体力・精神力コミュニケーション能力、そして語学力や海外知識が必要です。

業務は多岐にわたり、労働時間も長く、体力と精神力が特に求められます。

体力/精神力

総合商社では、労働時間が長く、業務量も多いため、体力と精神力が求められます。

長期間のプロジェクトに取り組む際の持続力が重要です。

コミュニケーション能力

社内外問わず、多くの人との細やかなコミュニケーションが求められるため、コミュニケーション能力は必須です。

取引先との交渉やチーム内での円滑なやり取りが求められます。

語学力/海外知識

総合商社では、海外勤務や国外取引先とのやり取りが頻繁にあるため、語学力は必須です。

海外のビジネス文化や経済情勢にも精通していることが望まれます。

総合商社と関わりの深い業界

総合商社は多様な業界と深く関わり合いながら事業を展開しています。

総合商社と関わりの深い業界
  • 自動車
  • 航空機
  • 石油
  • 鉄鋼
  • コンビニ業界

これらの業界は商社の事業の根幹を支える重要なパートナーであり、各業界の発展とともに商社のビジネスも成長しています。

自動車業界では車両の輸出入だけでなく部品供給や販売網の構築、さらには新興市場への進出支援など幅広い役割を果たしています。

また、電気自動車や自動運転技術といった次世代モビリティに対応するための戦略的投資も進めています。

石油や鉄鋼業界とも深く関わりがあり、商社は資源の供給支援を行う重要な存在です。

航空機業界では航空機のリースや部品供給、保守サービスなど幅広いサービスを提供し、業界の効率的な運用をサポートしています。

また、コンビニ業界においては食品や日用品の供給を通じて、運営を支えています。

このように、総合商社は幅広い業界と密接に連携して、各業界の発展を支えるビジネスパートナーとしての役割を担っています。

総合商社に新卒で内定するためのポイント

続いて、総合商社に新卒で就職したいと考えている方のために、具体的な対策方法やポイントなどについて紹介します。

以下の3つを意識した上で就活に取り組むことで、総合商社から内定を得られる可能性を高められるはずです。

ぜひそれぞれのポイントを参考にしてみてください。

総合商社に入りたい理由を明確にする

総合商社は多岐にわたる事業展開やグローバルな活動範囲が魅力的ですが、だからこそ、なぜ総合商社を志望するのかという理由を具体的に説明しなければなりません。

単に「グローバルな仕事がしたい」「幅広い分野で活躍したい」という抽象的な理由では不十分です。

自分自身の就活の軸を明確にし、その軸がなぜ総合商社に合致しているのかを詳細に説明する必要があります。

例えば「過去の経験を通じて、多様な業界にまたがるビジネスに興味を持った」「国際的なプロジェクトに関わりたい」といった具体的なストーリーを盛り込むことで、説得力のある志望動機を構築できます。

さらに、自分の将来のビジョンや価値観が、総合商社の事業内容や企業文化とどのように合致しているかを明確にすることも、面接官に強い印象を与えるポイントとなります。

商社以外の選考も受けて経験値を積む

総合商社はその魅力から、倍率が非常に高く、競争が激しい業界です。

内定を得るためには、商社の選考だけに集中するのではなく、他の業界や企業の選考も受け、面接や自己PRのスキルを磨くことが大切です。

他の業界や企業の選考を経験すれば、様々な視点やフィードバックを得ることができ、自分の強みの再確認にもつながります。

特に、コンサルティング業界やメーカーなど、総合商社と同様にグローバルな視点を持ちつつ、異なる事業領域を持つ企業での選考経験を積むことで、より広い視野と深い理解を持った状態で商社の選考に臨むことができます。

また、商社以外の業界との比較を通じて、自分が本当に商社に適しているかを再確認できるだけでなく、自分にとっての商社の魅力が何かもさらに明確にできるため、第一志望の選考でも自信を持って臨むことができるでしょう。

ガクチカと志望動機を洗練させる

商社を目指す人にとって、他の応募者との差別化が極めて重要です。

そのため「ガクチカと志望動機を、いかに洗練された形で述べられるか」が選考突破の大きな鍵となります。

ガクチカでは単に経験を語るのではなく、その経験を通してどのような能力を発揮し、どのように成果を得たのかを具体的に説明することを心がけましょう。

特に総合商社の場合、リーダーシップ、問題解決能力、そしてグローバルな視点が求められるため、そうした要素をエピソードに組み込むことで、他の就活生との差別化が可能です。

また、志望動機に関しても、なぜその商社でなければならないのか、具体的な事業やプロジェクトを例に挙げて語ることで説得力が増します。

このように、インパクトと中身のある自己PRを作り上げることが、総合商社の選考において他の就活生に一歩差をつけるポイントと言えるのです。

総合商社に入社したい人向けの注意点

総合商社で働く際には、いくつかの注意点があります。

特に、キャリアプランが描きにくい点や、営業職の激務が挙げられます。

キャリアプランが描きづらい

総合商社では、年次が高いほど責任の重いプロジェクトを任されることが多く、キャリアの見通しが立てにくい点があります。

長期間を見据えたキャリア形成が求められます。

営業職は特に激務

営業職は、商談でスケジュールが埋まる中で自分の仕事を進める必要があり、残業も多く、激務になりがちです。

効率的な時間管理が求められます。

総合商社への就職が狙える志望動機の例文

続いて、総合商社を目指す人におすすめの志望動機の例文を紹介します。

志望動機本体だけでなく、エピソードや入社後の貢献など、どのような構成でどのような印象を与えるために書かれているかを参考にしてみてください。

総合商社の志望動機例文①

貴社を志望する理由は、様々な地域にビジネスを展開し、グローバルに展開される幅広い事業領域に魅力を感じたからです。

私は大学時代に海外留学を経験し、異なる文化やビジネス慣習に触れる中で、多様な視点から物事を考える力を養いました。

特に、現地でのインターンシップを通じて、異なる市場ニーズに柔軟に対応し、事業を展開する重要性を実感しました。

貴社であれば、私が培った国際的な視点を活かし、様々な地域の新規ビジネスの開拓に貢献できると考えています。

貴社の広範なネットワークとダイナミックな事業展開を通じ、グローバル規模での価値創造に寄与することが、私のビジネスマンとしての目標です。

総合商社の志望動機例文②

貴社を志望する理由は、総合商社の中でも特に多角的な事業展開を行っており、貴社で働くことが私のビジネスマンとしての成長に最適だと考えたからです。

大学でのゼミ活動では、特に企業戦略に関する研究を行い、多様な業種にわたるビジネスモデルを学びました。

この経験を活かして、複数の分野にまたがる事業展開に挑戦できる環境で働きたいと考えるようになりました。

貴社であれば、私が学んできた経営知識を幅広い分野で応用し、迅速な事業拡大や新規ビジネスの立ち上げに貢献できると考えています。

将来的には、事業の統括や新規プロジェクトの推進に携わり、貴社に貢献し続けられる人物でありたいと考えています。

総合商社の志望動機例文③

私が貴社を志望する理由は、世界規模での課題解決に挑む姿勢に強く共感したからです。

私は大学時代に環境問題をテーマに研究を行い、特に再生可能エネルギーの普及に関心を強く持っています。

研究を通じて気候変動やエネルギー問題の深刻さを実感し、持続可能な社会を実現するためには、企業がグローバルな視点で積極的に行動することが必要であると考えるようになりました。

貴社は環境保護や持続可能なビジネスモデルを意識した多様な事業展開を行っており、特に再生可能エネルギー分野の積極的な取り組みに大きな魅力を感じています。

私自身、大学で得た知識を活かし、貴社の再生可能エネルギー事業の拡大や新たな技術の導入を推進し、貴社が掲げる持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。

総合商社に就職したい人からよくある質問

総合商社に強いとされる大学は、特に東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学など、全国のトップレベルの大学です。

しかし、総合商社は幅広い大学から採用しており、大学名だけでなく、学生の個々の能力や経験が重視される傾向にあります。

総合商社のインターンは、夏と冬に開催されることが多いです。

特に、夏のインターンは早期選考につながるケースがあり、インターンを通じて企業にアピールするチャンスとなります。

総合商社の早期選考は、例年3年生の夏から秋にかけて行われます。

インターンに参加することで早期選考に呼ばれることが多いため、インターンへの参加が重要です。

総合商社の内定は、早い人では4年生の春から夏にかけて出ることがあります。

特に、インターンを経て早期選考に進んだ場合、他の企業よりも早めに内定が出る傾向があります。

総合商社の面接は、通常3〜5回程度行われることが多いです。

複数回にわたる面接で、学生の能力や適性が細かく評価されます

総合商社内定のためには徹底的に企業研究をしよう

この記事では総合商社における様々な情報をデータを用いて解説しつつ、総合商社に向いている人の特徴や関わりの深い業界などについて紹介しました。

総合商社は非常に年収が高く、条件が良い業界ではありますが、その分競争率が非常に激しいです。

したがって、質の高い志望動機や自己PRなどを提出する必要がありますが、コツを理解せずに取り組むのはスマートな対策方法とは言えません。

以下の記事では総合商社の志望動機を書くコツについて詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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