はじめに
就活の軸に「成長」と定め、スタートアップ企業に就職しようと考えている就活生が増えてきております。
ただ、スタートアップ企業に就職して本当に成長できるのか不安ではないでしょうか?
この記事では、実際にスタートアップ企業で働かれている方に話をお伺いし、実際にスタートアップ企業で働くことによって成長ができるのか、その方たちのキャリアプランについてご紹介していきます。
【スタートアップは成長につながる?】スタートアップ企業とは
スタートアップ企業とは、設立して間もない企業のことを指します。
近年、スタートアップ企業は新しいことや、革新的な仕事に挑戦できる点で成長率が高いと注目されているのです。
たとえば、LINEやメルカリ、ZOZOTOWNなど、今では誰もが知っている企業もかつてはスタートアップ企業でした。
スタートアップ企業は急成長が期待できる組織のことでもあり、数年間で数千億円規模の価値評価が出る企業です。
組織の規模や設立年数などに限らず、急成長が見込める組織であればスタートアップ企業として見なされているようです。
ベンチャー企業との違い
「ベンチャー企業」と「スタートアップ企業」がどのように違うのか、いまいちわからないという方もいることでしょう。
スタートアップ企業はベンチャー企業と同一視されがちですが、ビジネスをどう展開していくかという「目標」が異なります。
スタートアップ企業の場合は、革新的なアイデアで0から市場での成長・活躍を目指します。
これは「0→1」を目指すようなものととらえられるでしょう。
一方、ベンチャー企業は既存のビジネスモデルから収益性を高め、規模の拡大を目標としている企業です。
スタートアップ企業とは異なり、「1→100」を目指すようなものといえます。
そのほかに、スタートアップ企業の方が年齢層は若い傾向が見られます
【スタートアップは成長につながる?】スタートアップで成長できる3つの理由
スタートアップ企業とベンチャー企業はまったく異なる目標を掲げていますが、成長という点でスタートアップ企業がより注目を集めているようです。
最近では、スタートアップ企業は一般的に他の企業形態よりも「成長できる」と言われるようになっています。
しかし、スタートアップ企業がそのようにいわれる理由は何なのでしょうか。
3つの理由を紹介しますので、スタートアップ企業がどのような特徴をもっているのかもあわせて理解していきましょう。
任される仕事の裁量権が大きい
まずは、裁量権の大きな仕事が任されるということです。
筆者も現在事業を立ち上げているとお話しましたが、新卒で入社し、配属先はいきなり新規事業でした。
このようにスタートアップに就職することで裁量権の大きな仕事を任される可能性は高いです。
ただし、1点注意点がございます。
会社にその事業のノウハウや立ち上げの経験がないまま事業の立ち上げを行うと、どう結果を出せばイメージができずにがむしゃらに働き続けて疲弊していく可能性があります。
そのようなことを起こさないためにも、選考を受ける段階で社員の方にお話をまずは聞いておくことが重要になります。
一緒に働く人のレベルが高い
2つ目のメリットは一緒に働く人のレベルが高いことがあげられます。
ある程度の規模感の企業であれば上司は年齢の近い人や部署の1個上の先輩になることが多いです。
ただスタートアップの場合は、社長や役員レベルの方があなたの直属の上司になることがございます。
「あなたの今は最も置く時間をともに過ごした5人の平均である」という言葉あるように、一緒に仕事をする方々のレベルの応じてあなたの標準レベルも高くなります。
よりスピード感をもってあなたのレベルを上げたいと考えるのであれば、より上層部の方と仕事ができるスタートアップ企業ではたらけることはメリットになります。
入社後、上司になる人のイメージがしやすい
最後のメリットはあなたの上司になる人がイメージしやすいということです。
大手企業であれば、説明会などに登壇した人事の方が魅力的であったとしても配属先が複数にあり、その人の元で働けるかどうかは運任せになることが多いです。
ただスタートアップ企業であれば、まだ会社の規模感が小さいからこそ説明会に登壇される方が上司になったり、人数が少ない会社だと、社長が新人教育やマネジメントを行っていることもあります。
そのため、誰のもとで働くかが明確なスタートアップ企業であれば、上司になる方がイメージしやすく、入社前と入社後のギャップが比較的少なくなります。
スタートアップ企業のデメリット
スタートアップ企業のデメリットは、大きく3つに分けられます。
まず1つ目は、「経営が安定していないことも多い」です。
スタートアップ企業では事業を優先するため、福利厚生が十分でないことが多い傾向にあります。
そのため、求人に記載されている仕事内容が充実していたとしても、たとえば住宅手当や通期手当などの充実度が低くなっている場合もあるのです。
また、給与が低く設定されていることもあるので、求人を選ぶ際は注意して確認した方が良いでしょう。
2つ目は、「教育制度が十分でない」ことがあげられます。
自ら学ぶ姿勢を求められるため、能動的な活動ができない人にとっては苦痛な時間が多くなるかもしれません。
最後の3つ目は、「業務量が多い」ことです。
スタートアップ企業は少人数で動いているケースが多くなっています。
そのため、異なる部署の仕事を掛け持ちすることも少なくありません。
業務量が多くなりやすいので残業時間が増え、長時間労働になりやすいデメリットもあります。
プライベートをきちんと充実させたい方にとっては避けた方が良いでしょう。
【スタートアップは成長につながる?】スタートアップ企業に向いている人
注目を集めるスタートアップ企業ですが、このような企業に向いている人には一体どんな特徴があるのでしょうか。
スタートアップ企業への就職が気になっている方は、ぜひ自分自身の性格や目標と照らし合わせながら、求人に応募するかどうかを検討してみましょう。
ただし、「向いている人」はあくまでそのような傾向がある人のことを指しています。
これから紹介する特徴はあくまで参考程度としてとらえ、自分の気持ちを第一に考えてください。
将来起業したい人
スタートアップ企業に向いているのは、将来の起業を見据えている人です。
最初から企業を成長させるという点を考えると、スタートアップ企業から得られるノウハウは、将来起業する際に活かせる点が多いでしょう。
また、少人数で働く傾向の強いスタートアップ企業では、複数の部署の仕事を掛け持ちする場合もあり、会社の基礎を学べる場としても考えられます。
仕事のスキルを向上させられるだけでなく、将来に向けた準備期間としてもかなり役立つはずです。
変化を楽しめる人
スタートアップ企業に向いている人は、将来起業をしたい人だけではありません。
さまざまな変化をポジティブに楽しめる人も、スタートアップ企業に向いているといえるでしょう。
スタートアップ企業は革新的なアイデアを活かし、成長することを目的としています。
流行に敏感になったり、創造力が求められたりするので、変化を楽しめる人にとってスタートアップ企業は刺激的な場となるはずです。
ルーチンワークなどが苦手な人は、スタートアップ企業に就職すると、自分の能力を存分に活かせるかもしれません。
粘り強く努力できる人
何事にも粘り強く努力できる人も、スタートアップ企業に向いているといって良いでしょう。
なかにはスタートアップ企業に華々しいイメージを抱いている方がいるかもしれませんが、実際は辛抱が求められる場面はたくさんあるようです。
比較的設立が間もない企業であることから、なかなか成果が出にくいこともあります。
そのようなときは、特にコツコツ努力する姿勢を求められるのです。
また、自ら学ぶことも求められるので、好奇心旺盛な人もスタートアップ企業には適しています。
積極的に学ぶ姿勢がないと、いつまで経っても成果をあげられず、思うような成績を残せません。
普段の仕事でも必要な姿勢ではありますが、スタートアップ企業ではより求められることを理解しておきましょう。
【スタートアップは成長につながる?】スタートアップ企業を志望する際のポイント
近年、スタートアップ企業への入社を目標に就職活動を行う人は増えているそうです。
スタートアップ企業には、たくさんの夢が詰まっていると思われるかもしれません。
スタートアップ企業に入ったからといって、必ずしも成長できるわけではないのです。
そのためスタートアップ企業の社員には、仕事に対して受け身にならず、自分から学ぶ姿勢を求められます。
また、企業によって運営の方向性も異なるため、求人を選ぶときはよく確認することが大切です。
企業の名前や仕事内容のみで志望してしまうと、入社後にミスマッチを引き起こすおそれがあります。
以下では、スタートアップ企業を志望する際のポイントを解説しますので、求人選びの参考としてぜひお役立てください。
なぜ成長したいのか?
そもそも、何のために、なぜ成長したいのか、それを実現するためになぜスタートアップ企業での成長を選んだのかを明確にしましょう。
スタートアップ企業は少人数でのスタートが多く、経営者と共同経営者的な存在の役員、数名の社員がいればいいほうです。
経営者や役員などは取引先の開拓などに躍起で、商談などで新人の指導に多くの時間を割けません。
社員も大手企業や中小企業などを辞めて転職してきた玄人肌の人や、こだわりの強い人が多く、相談しにくいタイプや細かく教えてくれるタイプではないことが少なくありません。
新卒は1人だけ、経験者採用が多く同世代もおらず、成長の原動力は自分自身にかかってくることが多いため、なぜ成長したいのかをしっかりと考えてから臨みましょう。
その企業で成長できると思った理由
大手企業や中小企業、メガベンチャーや成長を始めて安定してきたベンチャー企業ではなく、創設したばかりのスタートアップ企業を選んだのはなぜなのでしょうか。
その企業で成長できると思った理由を、明確にしてアピールできるようにしましょう。
将来、起業したいから、その企業に入ればノウハウがイチから学べると思ったという方もいるかもしれません。
一方、その企業が将来的に株式市場上場の目標を掲げていることを知り、最初の段階から関わって何年かかっても企業の成長に貢献したいと思ったからかもしれません。
スタートアップ企業なら何でもいいではなく、なぜその企業で成長できると思ったかを明確にしなければ、そもそもの就活の軸に定めた自分の譲れない部分が達成できないので注意が必要です。
成長したその先のビジョンは?
スタートアップ企業で成長した先には、どのようなビジョンがあるのでしょうか。
スタートアップ企業を目指そうという方は、将来的に自分も起業したいという方も少なくありません。
大手企業や中小企業で、「独立起業のために学びたい」とアピールすれば、自社をステップアップの材料にはされたくないと内定をもらえないリスクもあります。
ですが、スタートアップ企業の経営陣はあなたの気持ちが理解できるため、起業家精神のある人材はウェルカムなケースが多いです。
もちろん、経営者やその企業の目指すところ、求める人物像によっても異なります。
独立起業したい方もOKなスタンスなのか、それとも株式市場上場に至るまで一緒に会社を大きく成長させてくれる人を求めている企業なのかなど、しっかりと見極めましょう。
企業がなぜ将来ビジョンを尋ねるのかは、以下の記事をご確認ください。
【スタートアップは成長につながる?】スタートアップ企業のキャリアプラン
スタートアップ企業に入社したものの、就職後のキャリアについて悩む人もいるのではないでしょうか。
今のうちにスタートアップ企業に就職したあとのキャリアを考え、キャリアプランを練っておくと良いかもしれません。
特に、スタートアップ企業に就職する前に、どのようなキャリアを築いていくかを考えておきましょう。
スタートアップ企業に就職後の目指すべき姿の例を紹介しますので、参考にしたうえで自分自身の将来と向き合ってみてください。
企業で働き続ける
スタートアップ企業で働く人の中には、就職してからそのまま働き続けるというのも考えられるでしょう。
もし企業の中で働き続ける選択をした場合は、さまざまな部署の仕事を経験したり、新たな事業を起こしたりと大きい裁量権をもって行動できるはずです。
刺激のあるスタートアップ企業だからこそできる仕事はたくさんあります。
「自分が輝ける場所で新しいことに挑戦し続けたい」というような意思のある方は、スタートアップ企業で働き続けるのも良い選択肢といえるでしょう。
転職をする
スタートアップ企業に就職する人は、転職することを前提に入社する人も珍しくありません。
スタートアップ企業でノウハウやスキルを学んだあと、ほかの企業でそれを活かすというのも考えられます。
特に「新しい環境で自分を試したい」という理由でスタートアップ企業を志望した方には、良いキャリアプランになるかもしれません。
スタートアップ企業は規模が小さい段階から関われる点でいえば、ほかにないような多くの経験ができ、転職後は即戦力として活躍できることでしょう。
起業する
スタートアップ企業に就職したあと、起業する人も少なくありません。
起業することを目標に、スタートアップ企業で経験を積むことも考えられるでしょう。
スタートアップ企業での経験は、将来起業するうえでは欠かせない、スキルやノウハウなどがたくさん詰まっています。
つまり、一般の企業より多くの物事を学べる機会がたくさん用意されているのです。
起業を検討している人はスタートアップ企業への就職を考えてみても良いでしょう。
キャリアプランを立ててみよう
スタートアップ企業への入社を希望する場合は、面接でキャリアプランについて聞かれることもあります。
そのため、面接前に必ずキャリアプランをしっかりと立てておきましょう。
自分自身のキャリアプランをはっきり伝えられないと、面接官から「仕事に対して受け身だ」「計画性がない」と判断されてしまうおそれがあるのです。
また、スタートアップ企業で何を得るかを明確にすることで、自ずと努力すべき方向性がきっと見えてくるはずです。
まとめ
スタートアップ企業に入社すると本当に成長するのかは、あなたの将来なりたい像によって異なってきますが、新しいものを創る能力は間違いなく身につきます。
ただし、スタートアップで働くことはとてもやりがいがあり充実した毎日を過ごせますが、この将来なりたい像がないまま入社してしまうと、ただ働いているだけで自分の理想とは違うとイメージのギャップが生まれてしまい早期退職につながることがあります。
そのため、まずはあなたのキャリアプランを明確にしてから、就職先としてスタートアップ企業を選ぶようにしましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート