間違った敬語に注意!面接での正しい言葉遣い解説

間違った敬語に注意!面接での正しい言葉遣い解説

スキルがありやる気もあるのに、なぜかいつも面接で落ちてしまう人はいませんか?もしかするとそういう人は、面接中の言葉遣いがよくないのかもしれません。

面接官は、マナーの有無をはじめその人の印象を判断する基準として言葉遣いもしっかり見ています。

正しい言葉遣いについて学んでいきましょう。

面接での言葉遣いであなたの印象が決まる

言葉遣いには、普段の生活がとてもよく表れます。

家族や友人に横柄な物言いをしている人は、面接のときだけ正しい言葉遣いをしようとしても無理なのです。

ふとした瞬間に、日常の生活態度が出てしまいます。

つまり、言葉遣いによってその人の印象が決まるともいえるわけです。

面接官は面接をすることで、働く意欲だけでなくその人の人間性もしっかりと見ています。

いくら仕事ができそうでも、人に対して上から目線の人では働きにくい職場もあるものです。

自社にふさわしい人間であるかどうかも、面接では評価されるのです。

さらに、社会人として働くにあたって、あまりにも言葉遣いがなっていなければ仕事にも悪影響が出ます。

会社側としても、正しい敬語を使えない人間を雇うのは恥ずかしいでしょう。

こうした点からも、面接でどのような言葉遣いをしているかが重視されるのです。

面接での基本的な言葉遣いのマナー

質疑応答も多い面接では、マナーのある話し方が大切といえます。

基本的な言葉遣いができていない学生があまりにも多いことに、頭を悩ませている面接官がいることも事実です。

面接で話すときにはどのような言葉を使うのが正しいのか見ていきましょう。

一人称の注意点

一人称とは、自分のことの言い表し方です。

普段家族や仲間と喋るときには、自分のことは「わたし」、男性であれば「僕」や「俺」と言う人がほとんどでしょう。

その他にも、「当方」や「自分」と表現する人もいるかもしれません。

面接では、いざ社会に出て働き出したときと同じ一人称を使うことが大切です。

ビジネスマンとして使うべき一人称は、「わたくし」です。

面接官に対しても、意見を述べるときには「わたくしは」と切り出すようにしましょう。

「わたし」と言う人もいますが、「わたくし」のほうが完璧な言葉遣いです。

「わたくし」と言うことで、社会人になる覚悟のようなものも感じられます。

「わたくし」というのは男女共に使う改まった言葉遣いです。

面接の練習をする際にも、「わたくし」という言い方を習慣付けたいものです。

文末の基本マナー

面接官の質問に対していろいろと答える際に、文末表現は丁寧語を使うようにします。

「です」「ます」調が一般的な丁寧語の文末であり、面接でもこの言い方が適しています。

ついつい話が勢いに乗ってくると、「〇〇なんですよ」などと馴れ馴れしい言い方をしてしまう人も見られますが、これはNGです。

さらに丁寧な言い方をするのであれば、「おります」と締めくくるとよいでしょう。

「しています」ではなく「しております」という表現です。

企業のことを何と呼ぶ?

相手先の企業のことは、面接ではどのように呼べばよいのでしょうか。

正しい言い方は、「御社」です。

「弊社」と言う人もいますが、弊社というのは「自社」と同じ意味合いがあり、その会社に所属している人間が使う言葉になります。

面接の場では面接官側が使う言い方です。

面接を受ける側が「弊社」と呼ぶのは間違いになるので気を付けましょう。

企業名を出して話すのも、あまりよいマナーとはいえません。

「御社のコンセプトに関しまして」というような言い方を心掛けたいものです。

敬語の基本:尊敬語・謙譲語の違い

ビジネスマナーでは、単に言葉遣いが丁寧なだけではいけません。

大切なのは、正しい日本語を使うことです。

ビジネスの場では敬語を適切に使い分けることが重要なマナーとなりますので、正しい敬語が自然に身に付くまで訓練する必要があります。

特に注意が必要なのが「尊敬語」と「謙譲語」の使い分けです。

これがきちんとできていると非常によい印象を与えますし、それだけで面接官の記憶に残る確率も高くなります。

ただ日本語の乱れが深刻化している現代では、みんなが当たり前のように使っている言葉でさえ間違っているケースも多いため、安易に周囲の真似をするのも問題でしょう。

まずはそれぞれの意味からきちんと理解したうえで、正しい敬語を身に付けることが肝心です。

尊敬語とは

言葉のとおり、相手を尊敬して使う言葉です。

つまり、相手がすることや相手のものを丁寧に表現するのが主旨のため、自分や身内に対して使うのは大きな間違いです。

名詞については「御(お)」をつけた形でおおむね表現できます。

たとえば「名前」なら「御名前」になりますし、「会社」なら「御社」になるのは当然理解しているでしょう。

動詞については非常にたくさんの言葉があり、元の言葉とはまったく異なる表現がいくつもあります。

たとえば「来る」は「いらっしゃる」や「お見えになる」、「お越しになる」といったような表現があります。

「言う」は「おっしゃる」、「食べる」は「召し上がる」など、日常的な行動すべてに尊敬語があると考えましょう。

通常あまり使わない言葉もありますので、とっさのときにも自然に口から出て来るように、普段から使い慣れておくことが重要です。

尊敬語例

尊敬語の例としては、

  • いらっしゃる(来る)
  • お見えになる(来る)
  • お越しになる(来る)
  • おっしゃる(言う)
  • 召し上がる(食べる)
  • ご覧になる(見る)
  • ご指導(教える)

が挙げられます。

謙譲語とは

謙譲の意味は、へりくだることです。

つまり、自分や身内のことをへりくだって表現するのが主旨ですから、相手に対して使うのは大変失礼にあたります。

自分や身内のものに「御」をつけることはしませんので、社員なら自分の会社のことは「弊社」と表現します。

「言う」は「申し上げる」、「食べる」は「いただく」「頂戴する」といった表現になり、これは常に相手より下に位置する心構えの現れです。

普段敬語を使い慣れていない人が丁寧に話そうとすると、尊敬語は使わなければならないと思う一方、謙譲語の方がおろそかになる人が大変多いです。

面接でよく使う言葉としては、「会う」=「お目にかかる」、「見る」=「拝見する」、「聞く」=「伺う」などたくさんの動詞がありますので、しっかり身に付けましょう。

謙譲語例

謙譲語の例としては、

  • 伺う(行く)
  • 参る(行く)
  • 拝見する(見る)
  • 申し上げる(言う)
  • いただく(もらう)
  • お目にかかる(会う)
  • 伺う(聞く)
  • 頂戴する(もらう・食べる)

が挙げられます。

【面接の言葉遣い】間違えやすい敬語

敬語を使いこなせるようになるには、訓練あるのみです。

英語の勉強と同じく語学ですから、とにかく正しい言葉と使い方を覚えてパターン学習をしましょう。

気を抜くと敬語を忘れてしまうのは困りますが、間違えて覚えたり、無意識に普段の言葉を使ってしまうのも問題です。

面接でよくある間違い例を紹介しておきましょう。

たとえば「あとで連絡する」という場合、「後ほど連絡いたします」というのが正解です。

この場合「いたします」のほうは出てきても、「あとで」を「後ほど」に変換し忘れる例が多いでしょう。

同じように、「少々」や「少し」という表現をすべきところを、つい「ちょっと」と言ってしまう学生も多いです。

たとえば待っていてほしい場合、「ちょっとお待ちいただけますか」というのは後半はよいのですが、前半が間違っています。

正解は「少々お待ちいただけますか」「少しお待ちください」が正解ですので、些細な言葉でも気をつける練習をしましょう。

このほかにも忘れやすいのが「すみませんが」=「恐れ入りますが」という言葉や、「大丈夫です」=「問題はございません」といった表現です。

もちろん、すみませんや大丈夫ですといった言葉も丁寧な言葉ではあるのですが、これらは尊敬語ではありません。

尊敬語は常に相手を尊敬する気持ちを持つことで、自然に口から出て来るようになります。

相手をリスペクトする気持ちを忘れないようにしましょう。

ただ近年はそれとは真逆に、敬語を不用意に重ねる二重敬語の問題も指摘されています。

二重敬語は敬語を組み合わせて使うことで、実は皇室など国として非常に位の高い方に対してのみ使う、最大級の特別敬語です。

一般社会で使うことはありませんし、ビジネスシーンで使用するのは不適切ですので、これも間違い敬語として覚えておきましょう。

たとえば「おっしゃる」という言葉遣いは間違いで、正解は「おっしゃる」です。

「社長のおっしゃった言葉に大変感動いたしました」ではなく、「社長のおっしゃった言葉に大変感動いたしました」となります。

「おっしゃる」と「られる」はそれぞれ敬語ですので、重ねることなく使いましょう。

同様に「お伺いする」も間違いで、これも「伺う」だけで十分ですが、「御社にお伺いします」と表現してしまう学生は多いのではないでしょうか。

就活生が面接で注意すべき言葉遣い

面接では緊張も重なり、つい普段の喋り方をしてしまう就活生も多いものです。

厳しい面接官の場合、そうした敬語のミスやおかしな言葉遣いをすると減点されることもあります。

以下にありがちな言葉遣いのミスを挙げるので、減点されないように気を付けましょう。

「えーっと」「あのー」などの言葉の癖をなくす

フラット語とも呼ばれる喋り方の癖は、面接で少し戸惑ったときなどに出てしまいがちです。

話を切り出す度に、「えーっと」「あのー」と言っているとテンポも遅くなります。

面接官は聞きづらいですし、口調によってはやる気がなくマイペースに感じられてしまいます。

「えーっと」という口癖が出ないようにするには、事前に言いたいことをしっかりとまとめて発表練習をしておくとよいでしょう。

極端な方言やなまりは直す

就活は地方から出てくる学生もいます。

どうしてもその土地の方言やなまりが出てしまうこともありますが、面接では標準語に近い話し方をすることが基本です。

強い方言は意味がわかりにくいこともありますし、言いたいことを誤解されても残念なものです。

できるだけ過度ななまりは決して喋るようにしましょう。

語尾を伸ばさない

女性に多いのですが、必要以上に語尾を伸ばして喋る癖のある人がいます。

語尾だけでなく、話の途中でも「〇〇でー、〇〇なんですぅー」といった具合に、とにかく語尾を伸ばしてしまうのです。

この喋り方は、聞いている側には子どもっぽくて甘えたの性格に映ります。

また、のんびりしていて臨機応変にテキパキ動けない印象を持たれるかもしれません。

社会人として働くには、人間として自立していなければ乗り越えられないこともたくさんあります。

職種によってはスピードが求められることもあるでしょう。

のんびり屋で子どもっぽい印象を与えてしまうと評価が下がるので気を付けたいものです。

語尾を伸ばす口調は、性格とは関係なく癖になっているケースもあります。

普段友達や家族と喋るときから、語尾は伸ばさない心掛けをしておくとよいでしょう。

ですます調で会話する

面接で守るべき言葉遣いとして「ですます調」で話すことは基本です。

男性では、「~っす」というように「ですます」を省略した話し方が癖付いている人もいますが、軽い雰囲気に映ってしまうのでよくありません。

落ち着いた言い方で丁寧な「ですます調」で話すことが大切です。

「アレ」などの抽象的な表現は避ける

「こそあど言葉」という便利な物言いがあります。

「アレ」というのも抽象的で便利な言い方ですが、本人にとっては何を意味するのかわかっていても、他人にはわからないこともあります。

誤解されるかもしれませんし、きちんと説明しないことは相手に対して不親切ともいえます。

「コレが」「アレが」とこそあど言葉を多用すると、仕事の意欲が面接官に伝わりにくくなってしまうのです。

質疑応答は、できる限り具体的に数字なども使いながら話すようにしたいものです。

大きな声で目を見て話す

面接では緊張のあまり、普段よりも小さな声になってしまう人も多いです。

また恥ずかしくて面接官の目を見ることができない人もいるでしょう。

しかしながら面接官は、目の輝きも見ています。

しっかりとギラギラ情熱的な瞳を向けて自分の想いを語る就活生に対しては、やる気を感じるはずです。

目を見ずに小声で話す人には、自信がなく消極的な印象を抱いてしまうのは仕方ありません。

面接では相手の目を見て、胸を張って大きな声で喋りましょう。

普段から、キレイな言葉遣いや正しい敬語を身に付けておけば、オドオドすることもなくより自信を持って大きな声で発言できるのではないでしょうか。

挨拶はハキハキと

面接室に入室してから退室するまで、すべて面接官は見ています。

部屋に入ったなら、ハキハキと大きな声で挨拶をして名乗り、面接が終わって退室するときにも「本日はありがとうございました」としっかり挨拶しましょう。

元気な挨拶は、見ているほうも気持ちよいですし社会人としてのマナーの有無の判断にもつながります。

使ってはいけない間違った敬語一覧

就活生が間違いがちな言葉遣いは具体的にどのようなものがあるでしょうか?

間違えやすい敬語をいくつか説明していきます。

なるほど・たしかに

「なるほど」、「たしかに」は間違った言葉遣いです。

もし肯定したい場合は、

「おっしゃる通りです」

などと言い換えましょう。

よろしかったでしょうか

「よろしかったでしょうか」も響き的な違和感がないため間違えがちです。

接客のアルバイトなどでよく耳にするかもしれません。

正しくは「よろしいでしょうか」です。

そのため、もし確認を取る際は、「よろしいでしょうか」を利用しましょう。

大丈夫です

何か質問された際、「大丈夫です」と答えるのはNGです。

「大丈夫です」はどちらの意味でも受け取れます。

そのため相手との認識に齟齬合生じてしまうかもしれません。

もし承諾する際は、「かしこまりました」「問題ありません」などと言い換え、否定する際は「結構です」などの言い換えを心がけましょう。

了解です

これは有名かもしれません。

「了解」は対等な関係性の場合使われる敬語です。

何気なく「了解です」「了解しました」などと企業に向けて言うと、失礼にあたってしまいます。

「了解しました」は「かしこまりました」「承知しました」に言い換えましょう。

~になります

物を渡すとき「~になります」などというかもしれません。

しかしこれも間違いです。

「書類になります」を言い換えると「書類です」になります。

基本的に「なります」は「です」に言い換えましょう。

また、「参考になります」も正しくありません。

この場合「参考になりました」が正しい言葉遣いです。

~させていただく

「~させていただく」も間違った言葉遣いです。

基本的には「~します」などで言い換え可能です。

相手の許可が必要で、それを受けることによって自身に特益がある場合は「させていただく」という表現が使えます。

例えば、「参加させていただく」は正しい表現というわけです。

正しい敬語に改善する方法

しみついてしまった間違った敬語をその場しのぎで直すことは難しいです。

正しい敬語に改善する方法を説明します。

正しい敬語を身につけて面接で好印象を獲得しましょう。

積極的に敬語を使おう

まずは積極的に敬語を使う機会を増やすことです。

敬語をたくさん使うことにより意識して正しい敬語が身につくようになります。

敬語を積極的に使って、自然に敬語を使えるようにしましょう。

バイト敬語になってないか要確認

アルバイト経験がある人は、バイト特有の敬語になってしまうことがあります。

「よろしかったでしょうか」などもバイト敬語でありがちなミスです。

アルバイトで使用している敬語は意外と間違った認識で使用している可能性がありますから、今一度意識してみてください。

態度の印象も大事

面接時、敬語とあわせて重要なのが、話す・聞く際の姿勢です。

先にも述べた通り、大きな声で目を見て話すなどの姿勢の工夫も大事になります。

小さな声で自身なさげに話すとどうしても印象が良くありません。

好印象を獲得できる態度も合わせて研究できると良いです。

まとめ

正しい言葉遣いや敬語を学び実践することは、面接を突破するためだけでなく、その後の仕事にも必ず役に立ちます。

「ですます調」での話し方練習や語尾を伸ばさない心掛けなど、できることから始めてみましょう。

正しい言葉遣いをマスターして、就活を成功させたいものです。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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