はじめに
多くの面接で、面接官から「あなたの長所を教えてください」と聞かれます。
この質問にスムーズに答えるためには、前もって自分なりの答えを準備しておく必要があります。
面接官の質問意図も踏まえて、ベストな答えを見つけ出しましょう。
【長所の回答一覧】面接で企業があなたの長所を聞く理由
面接官が長所を聞く理由は2つあります。
応募者が自分のことを客観的に捉えることができているか、そして自分たちが採用したいターゲットと合っているかを知るためです。
自己分析ができているかどうかを確認するため
自分のことを客観的に捉えることのできる人は、自分で考えて行動できる人です。
仕事でも言われたことだけをするのではなく、課題にも自分から取り組み、乗り越えられる人材だと評価されます。
長所が言えるということは自己分析がきちんとできているということですから、仕事の課題を見出す能力にも長けています。
目の前の問題に気付かずにやりすごすようなことはなく、面倒なことでもきちんと取り組んで成果を出してくれるでしょう。
また、自分の長所を把握していて、実際に職場に配属されたあとどのように活躍できるかをイメージできる人はとても優秀です。
面接官は長所だけでなく短所も聞くことがありますが、さまざまな仕事に向き合い、克服する努力ができる人材かを見たいと考えています。
採用ターゲットと相違がないか確認するため
長所を聞くことで入社後の働き方をイメージすることができますが、特に本人に自覚があり、得意とする分野がある場合、採用ターゲットとのマッチングも図ることができます。
求めるポストに合う見込みがあるか、もしくは社風と合うか、相性を見ることでミスマッチを減らすという意味合いもあります。
たとえば周囲の空気に合わせることを得意とする人物は、チームワークをモットーとする企業や部署にはうってつけでしょう。
反面、自己主張や独自性が強く求められるベンチャー企業では、自社には合わないと考えるかもしれません。
同じ長所であっても企業側の採用ターゲットと合わなければ評価は大きく変わりますので、そこはあらかじめ理解が必要です。
【長所の回答一覧】長所の見つけ方
長所は誰にでもありますし、面接官の質問には必ず意図がありますので、長所を聞かれてないと答えることだけはしてはいけません。
謙遜のつもりかもしれませんが、採用面接に行くということは自分自身をセールスプロモーションしに行くということです。
ウリのない商品ではセールスプロモーションになりませんから、聞かれたら必ず明確に答えられるよう、事前に準備しておいてください。
そのためにはまず、自分の長所の見つけ方を知ることが大切です。
短所から書く
謙遜を美徳とする日本では、自分の短所はわかっても、長所はなかなか見つからないという人が少なくありません。
そんなときには、短所から長所を導き出すのもよい手段でしょう。
実は長所短所は裏返しの関係だとよくいわれます。
たとえば、優柔不断が短所だという人は、それを柔軟性という長所に結び付けることができます。
一つのことに没頭しすぎるという短所は、集中力の高さや努力家という長所に変えることができるでしょう。
このように一見短所に感じられることを、別の側面から見て長所に捉えることは可能です。
おせっかいはコミュニケーション能力へ、仕切り屋は調整能力へと変わります。
心配性は計画性の高さへ、神経質は几帳面さへ変わるでしょう。
どんな傾向であれ、自分の中にどのような特性があるかを客観的に捉え、それをポジティブ変換すれば長所に変えることができます。
自己分析をする
ポジティブ変換するにも、まずは自分の中にどんな傾向があるかを知る必要があります。そのために大切なのが自己分析です。
なかなか自分で自分を分析するのは容易ではありませんが、自身を理解するために一度は自分の棚卸に取り組んでみましょう。
また、たとえ長所がたくさん見つかっても、面接でアピールすべきは一つなので、一番強くアピールできる長所一つに絞り込むことが大切です。
親や友人に聞く
自己分析と合わせて、自分をよく知る人へのヒアリングもしてみましょう。
親や友人に、自分でも気づいていない長所短所を教えてもらうのです。
自分と相手との関係性によって、見えてくるものは大きく変わるはずです。
少々怖い気もしますが、信頼できる相手から改めて聞くことで、大きく視界が開けることも珍しくはありません。
ただ、聞くときには真摯に耳を傾けることが大切ですので、口は挟まず聞きに徹しましょう。
【長所の回答一覧】長所をアピールする際にオススメの文章構成
長所をアピールする際、それを文章に書き起こすのが苦手な人もいるでしょう。
そんな場合のために、オススメの文章構成例をご紹介します。
これをひとつのテンプレートとして、文章を埋める形で、あなたの長所を上手く表現してみてください。
ただ、実際に面接で長所を聞かれた際は、自分なりの言い方に直してアピールすることも大事です。
このような流れにそいながら、あなたらしさが伝わる表現で面接官にアピールしましょう。
結論:私の長所は〇〇です(アピールポイント)
あなたの長所を面接官にアピールする際は、まず長所、つまり自分のウリを言い切りましょう。
簡潔でいいので、最初にドンっとあなた自身のいいところを伝えてください。
長所以外に「強み」などを言ってもいいでしょう。
ただし、長所といっても、ありきたりな言い方では、面接官にもあまり強い印象を与えられません。
あなたの長所が忍耐力なら、そのまま言うのではなく、「いい結果を出すために継続的に努力を重ねられるところです」などと自分なりに言い換えるのがいいでしょう。
履歴書の自己PRでもそうですが、面接では、最初の第一印象が評価に大きく影響するといわれています。
最初の言い切りがよければ、その後の質問にも自信を持って答えられるでしょう。
理由:なぜならば、〇〇という経験で〇〇ということがあったからです
最初に長所を言ったら、次は、その根拠・理由を述べます。
あなたにどんな能力があっても、それを根拠として伝えられる経験がなければ、自己PRとして説得力がありません。
あなたの長所が忍耐力だとするなら、忍耐力を長所として述べた理由を、経験とともに簡潔に伝えてください。
根拠として挙げる経験については、あなたが学生時代にやっていた部活やサークル、アルバイト、習い事、学校の勉強、課題、受験など、自分の経験を振り返ってみましょう。
それを踏まえ、自分は何が得意なのか、自分にどんな力があって何ができるのかを洗い流してみてください。
エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました
経験の中で伝えたいエピソードと長所の理由が決まったら、そのエピソードの概要を伝えましょう。
そのエピソードの中で、成功したりわかりやすく結果が出たりしている場合は、エピソードを挙げるときに盛り込みましょう。
また、具体的な数字や期間を出すと、より内容に説得力が増します。
「売り上げが20%増加した」というような結果だけでなく、忍耐力を強調したいなら「どのくらいの期間努力したか」、協調性をアピールしたいなら「どのくらいの期間で何人との関係を築き上げたのか」などを伝え、よりエピソードに深みを出しましょう。
問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
その経験の中で直面した問題や課題があるなら、そのことを述べます。
その経験でどんな課題・問題・目標があり、それに対してあなたが行動したこと、努力したこと、それにより解決したことを明確にし、わかりやすく説明しましょう。
ただ、エピソード自体の説明を多くしすぎるのはNGです。
これは、就活生にはありがちな失敗でもあります。
エピソードを語ることに力を入れすぎて、本当に伝えたかった「強み」を語りきれないのは、決していい自己PRではないでしょう。
あくまでそのエピソードはあなたの長所の裏付けでしかなく、面接官もあなたの経験したエピソードそのものを聞きたいわけではありません。
「過去の経験を通しどんな力を発揮したのか、身につけたのか」「自社で働くときに、その強みをどう活かせるのか」など、あくまでエピソードは補助的な意味で利用しましょう。
行動:私は〇〇と考え、〇〇を行いました
次に、その課題に対してどんな行動や工夫をしたのか、詳細を説明します。
これは、できるだけ具体的に述べることが必要です。
「必死に努力した結果、〇〇の成果をあげられました」などの言い方では、面接官には何も伝わりません。
「工夫した」「話し合った」などの言い方もNGです。
あなたがその課題を解決するために、具体的にどう努力・工夫したのかを伝えることが、何よりも大切です。
それを伝えることで、あなた自身が仕事にどう取り組む人間なのかが、相手側にも伝わります。
また、何故その行動をとったのか、という根拠も述べると、さらに論理的な回答になります。
それを伝えられれば、あなたが課題や問題に対し、論理的な思考で計画的に行動できる人なのだとわかってもらえるでしょう。
結果:その結果、〇〇となり、〇〇に大きく貢献しました
あなたの行動や工夫、努力によって、課題がどう解決したのか、どの解決によりどんな結果に結びついたのかを、わかりやすく述べましょう。
できれば具体的な数字を盛り込むことで、より説得力のあるアピールができます。
また、「あなたの行動があったからここまで頑張れた」と言われたなど、他人から言われた感謝の言葉などがあれば、エピソードとして述べてみましょう。
面接官に印象に残る自己PRができます。
あなたが課題に取り組む中で、どんな成果を出したのかを、面接感にわかりやすく伝えてください。
結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
最後に、その経験を活かして、面接を受けている会社で、どう貢献できるかを述べましょう。
ただ長所を述べるだけでなく、「この経験で活かされたこの長所は、こんな風にあなたの会社で活かすことができる」と、自分なりに考えて伝えてください。
そのためには、自己分析とともに、企業分析を徹底しましょう。
企業分析をする中で、この会社のこのような部分で自分は貢献・活躍できる、とわかってくるので、しっかりと下調べをすることが大切です。
【長所の回答一覧】就活で代表的な長所17選!長所の一覧を紹介
では、実際に就活で長所について聞かれた際は、どのような長所を挙げれば良いのでしょうか。
面接で聞かれた時に使える長所には「自分1人で発揮できる力」と「チームの中で発揮できる力」の2つに分けられます。
企業で働く際は、個人的に仕事を進めていくのに必要な力、チーム内を円滑にする力、どちらも大変重要です。
ここでは、長所をこの2つのタイプに分けてご紹介します。
これを参考にして、企業にとってどれだけ自分が良い人材であるかアピールしてください。
自分1人で発揮できる力
あなたが一人の時でも発揮できる力について詳しく解説していきます。
長所を考える際にはぜひ参考にしてください。
私の長所は「行動力」です
企業にとって物事を考え、実際に行動に移せる能力はとても貴重です。
口で言っているだけでなく実際に自分から動いた結果、よい成果を得られたエピソードを伝えましょう。
仕事で課題へ取り組み、より早く成果を出すことに努力できる人材といえます。
行動力を長所として話す際の例文はこちら
▶長所は行動力です!内定に近づく長所の作り方
私の長所は「持続力」です
入社後、長く働き続けてくれる人材は現代の企業において貴重な存在です。
課題があっても簡単に逃げ出さず、コツコツとチャレンジし続けたことで成果を出したエピソードをまとめてみましょう。
一つのところで学び続ける意欲がある人材と評価してもらえます。
継続力を長所として話す際の例文はこちら
▶自己PRで継続力は使われやすい?他の就活者との差をつけるための方法とは?
私の長所は「リーダーシップ」です
率先して人前に立ち、積極的に物事に取り組むことができるのと同時に、周りへのフォローも忘れない人物です。
自分が統括する立場でありながら、周りの協力を得て物事を達成できたエピソードを伝えるとよいでしょう。
リーダーシップを長所として話す際の例文はこちら
▶就活面接の自己PR、リーダーシップはアピール材料になる?
私の長所は「チャレンジ精神・実行力」です
方向を間違うと、なんでも新しいことをやってみるだけの人になってしまいますので、成果を得るために事前に計画し、結果分析を行える資質もアピールしましょう。
成果を得るために周囲を巻きこむ能力もエピソードで伝えられるとよいでしょう。
チャレンジ精神を長所として話す際の例文はこちら
▶就活面接の自己PR、チャレンジ精神はアピール材料になる?
私の長所は「計画性」です
スケジュールの順守は企業にとって非常に重要な課題ですので、いかに計画性を持って行動できるかはとても有効なアピールになります。
事前に段取りを組み、臨機応変な対応もできたことで締め切りが守れたといったエピソードを伝えましょう。
計画性を長所として話す際の例文はこちら
▶就活面接の自己PRの長所を計画性はアピール材料になる?
私の長所は「負けず嫌い」です
失敗すると我慢できないということではなく、失敗をバネに成功を導く能力があることをアピールする必要があります。
目標を達成することができず悔しい思いをしたので、次の機会までに改善し、達成したといったエピソードがよいでしょう。
負けず嫌いを長所として話す際の例文はこちら
▶【例文付き】長所は負けず嫌いです!面接で長所を答える際の3つのポイント
私の長所は「向上心」です
一定の成果を得てもそこで満足せず、より高い成果を目指すことは企業命題でもあります。
現状に満足せずさらによい成果を得るために情報を分析し、より良い成績をおさめたエピソードが最適です。
向上心を長所として話す際の例文はこちら
▶就活面接の自己PR、長所である向上心はアピール材料になる?
私の長所は「責任感」です
仕事をするうえで負わなければならないのは、個人の責任だけではありません。
自分の目標に対する責任だけでなく、チームや組織全体の目標達成のために労力を惜しまないで働いたエピソードを伝えましょう。
責任感を長所として話す際の例文はこちら
▶【例文付き】自己PRで「責任感」をアピールするための攻略マニュアル
私の長所は「努力家」です
努力家はどんな企業でも好印象で受け止められる長所です。
ただ、何かに努力したというだけでは面接官に伝わりにくいので、努力によって得られた成果も具体的に伝えられるエピソードが必要です。
努力家を長所として話す際の例文はこちら
▶就活面接の自己PR、努力家はアピール材料になる?
私の長所は「集中力」です
集中力は仕事にとって大事な要素ですが、具体的にどんな強みなのかを定義して語る必要があります。
エピソードでは、どうやって集中力を身に付けたかに要点を絞ると、具体性が増して説得力が生まれます。
集中力を長所として話す際の例文はこちら
▶就活面接の自己PR、集中力はアピール材料になる
私の長所は「素直」です
現代では素直さは非常に企業評価が高いのは事実です。
ただ、具体的で根拠のあるエピソードが必要ですので、身近な体験から素直さが伝わる例を探しておきましょう。
印象操作でストーリーを作っても見破られますので、実体験を盛り込むことが重要です。
素直さを長所として話す際の例文はこちら
▶就活面接の自己PR、素直はアピール材料になる?
チームの中で発揮できる力
就職してから1人で仕事をする機会は非常に少ないです。
そのためチームの中で発揮できる長所は非常に重要になります。
私の長所は「協調性」です
どんな仕事も一人の力では納められませんので、職場で協調性を持って働くことは必要です。
一人ではなし得なかったことが、周りと協力することでよい成果を出せたといったエピソードを伝えましょう。
協調性を長所として話す際の例文はこちら
▶内定獲得するために!面接で長所の協調性をアピールする方法
私の長所は「忍耐力」です
単に長く耐えることが忍耐力ではなく、なんらかの成果を得るために粘り強く耐えられることが重要です。
野球やサッカーを10数年続けて来たということではなく、何を目標にどのように続けたかが重要です。
どんな局面でどのように考えて行動したかがわかるエピソードを伝えましょう。
忍耐力を長所として話す際の例文はこちら
▶就活面接の自己PR、忍耐力はアピール材料になる?
私の長所は「気配り・思いやり」です
気配りや思いやりは少々曖昧なイメージを持たれるケースもありますので、エピソードが重要です。
自分には思いやりがありますというと印象がよくないので、たとえば周りの人の困りごとに気づいて行動することができるといったアピールがよいでしょう。
気配りを長所として話す際の例文はこちら
▶【例文付き】気配りを長所で話す際の3つのポイント
私の長所は「コミュニケーション能力」です
相手の立場で考え、必要な情報をわかりやすく相手に伝えることで、相手に疑問や不明を残さないことが一番重要なポイントです。
単におしゃべり上手という意味ではありませんので、エピソードは相手に耳を傾けたことで信頼を得た内容が適しています。
コミュニケーション能力を長所として話す際の例文はこちら
▶就活面接の自己PR、コミュニケーション能力はアピール材料になる?
私の長所は「明るい」です
笑顔でいるだけが明るさではありませんので、しっかり考えた笑顔であることが大切です。
たとえばチアリーディングのように、効果を考えた振る舞いであることがポイントです。
また、その明るさをどのように仕事に活かすかも考えておきましょう。
明るいを長所として話す際の例文はこちら
▶明るい性格を長所として自己PRする!履歴書の参考にできる例文4つ
【長所の回答一覧】長所のNG例
面接は一発勝負であり、定められた短い時間の中でいかに自分をPRできるかが問われます。
数えるほどしかない回答回数の中で仕事とは関係のない長所を誇ってしまったり、または求められていない能力を提示してしまったりしていては非常にもったいないです。
そのため、質問に対し面接官がどういった意図を持っているかを常に意識しながら的確に回答していく必要があります。
自分の長所を聞かれた際に多くの方々が陥りやすいミスを以下にまとめました。
仕事とは関係のない長所
明るい性格が長所であったとしても、それは個人の性格や人格の問題であって仕事をするうえではあまり関係がありません。
もちろん明るい性格であることは褒められるべきですが、面接の場において求められるかはまた別の話です。
就職希望者が会社に合うかどうかを重視して面接官は合否を判断します。
それをアピールする場にて仕事とは関係のない長所を示してしまうのは大きなマイナスです。
長所をアピールする際は、それが業務にどう活用されるかを意識しましょう。
NG例文:明るい
「私は幼少期より周囲から『明るい性格だ』と言われ、自分でもその自覚があります。
この性格のおかげで今まで多くの友人に恵まれ、またはじめての場所へ行ってもすぐに現地の方と打ち解けられました。
私の明るさはその場にいるだけで周囲を笑顔にさせる力があると評されています。
御社へ入社した後もこの性格を維持し、あらゆる方々と良好な関係を結びたいと思っています。」
NG例文:足が速い
「小学校の頃にクラブ活動をはじめて以降、私は現在まで陸上競技に励んできました。
マラソンから砲丸投げまであらゆる競技を試しましたが、その中でも特に相性が良かったのが短距離走でした。
100メートルや200メートルそうにて級友に負けたことはなく、大学時代も陸上部に入り活躍しました。
足が速いということは私にとって大きな自信であり、誇るべき長所だと捉えています。」
求める能力とミスマッチとなる長所
たとえば、会社が研究職を募集しているとします。
研究の内容にもよりますが、時間をかけて結果を出すような部署の場合、リーダーシップや積極性といった長所はミスマッチといえるでしょう。
また、同じ会社でも長所によって希望する部署、配属される部署が変わってくる場合もあります。
自分の長所を活かせる仕事に就きたいと思うなら、その企業をよく調べることも大事です。
NG例文:研究職に積極性をアピール
「御社で研究職へ就くにあたり、サッカー部時代に培った積極性を活かしていきたいと考えています。
サッカー部の部員は誰もが積極的で、自分のプレーにて目立ちたいという気概に溢れています。
その中にいながらも成績を収めるためには、自ら前へ前へと進んでいきアピールすることが重要です。
研究職を担う場合でも、周りの仲間と良好な関係を維持しつつ、自分が望むことをしっかりと示していきます。」
NG例文:仕事を重視する企業にプライベートとの両立をアピール
「社会人の一員として仕事を担うことを意識し、過去の前例を活かそうと考える長所を活かしていきます。
かつては安泰とされていた大企業も、時代の変化に対応できず業績を落としたり倒産したりしているのが現在です。
そのような状況において、社会の動向に合わせてフレキシブルに変われるベンチャー企業こそが就職すべき先だと考え求人に応募しました。
採用された際には過去の失敗事例を調べ、それと同じようなことが起こらないように気をつけていきます。
最も避けるべきは場をかき回すことであり、集団の一人として溶け込むことこそが社会においては重要だと私は考えています。」
社風に合わない長所
能力と長所が合うかどうか以前に、その社風と自分の長所が合うかどうかもポイントです。
個人の能力を重要視したベンチャー企業などでは、積極性や行動力が問われるでしょう。
反対に、チームで動くような企業では協調性や柔軟性を備えた人材でないと成り立ちません。
このように自分の就職したい会社の社風が自分と合っているかも見極めることが必要になるでしょう。
NG例文:老舗企業に革新的な思想をアピール
「私は学生時代、自らサークルを立ち上げて新しい活動を展開しました。
その経験から得たバイタリティを、安定した経営から官公庁からも信頼を得ている御社にて活用したいと考えています。
御社で働くにあたり、既存の考えや風習を鵜呑みにせず、それが本当に正しいかをまずは考える私の長所が活かされると捉えています。
社会のグローバル化が進む現在において、旧態依然とした体制を維持していては国際競争に勝てません。
御社へ就職した暁には新世代としての視点を活用し、それまで行っていなかったことを提案していきます」
NG例文:仕事を重視する企業にプライベートとの両立をアピール
「私の長所を一つあげるとすれば、あらゆることに興味を持つことです。
寝る間を惜しんで稼ぎ、利益を積極的に得ていこうとする御社を合同説明会で見つけ、就職を希望しました。
社員の方々からは誰もが積極性と仕事への意欲を感じられ、そのパワフルさは非常に魅力的に感じます。
私は多趣味で、休日は毎日出かけるほか、帰宅しても本を読んだり映画を観たりすることを好みます。
また趣味でできた友人も多く、数人で連れ立って頻繁に旅行へ出かけています。
趣味は生きがいであるからこそ、就職後もそれを大切にしたいと考えています。」
社会人として当たり前な長所
公共の場所でのマナーを守る、時間を守るなどは社会人として当然のことです。
マナーを守れない人は周囲の人に不快感を与えますし、時間を守れない人はチーム全体の足を引っ張ります。
こういったことは社会人ならできて当たり前であって、できると言ってもそれは長所とは呼べないのではないでしょうか。
そんな当たり前のことは長所なのか、と思われてしまいかえって不利になってしまうおそれがあります。
本当に長所と言えるようなことなのか再確認しておきましょう。
NG例文:当たり前なことをアピール
私は幼少期からしつけに厳しい両親の元で育ちました。
おかげでどこに行っても恥ずかしくないマナーを身につけられたことが、今の自分の自信につながっています。
今でも誰かに会ったら必ず挨拶をし、何かしてもらった時は必ずお礼を言うように心がけています。
食事をした時なども「食べ方がきれい」など褒めてもらえることが多いです。
お客様の接待でも失礼のないように振る舞える自信があります。
就職したらたくさんの人と一緒に業務を進めていくことになるでしょう。
私はいつでもマナーをきちんと守るので、誰かを不快にさせることはありません。
一緒に業務を進めていく人たちが全員気持ち良く仕事ができるように、就職しても挨拶とお礼だけは欠かさないようにしたいです。
NG例文:遅刻をしない
私の自慢は学生時代に遅刻をしたことがないということです。
いつでも時間に余裕を持って行動するように心がけているため、たとえ大雪の日でも遅刻せずに済んでいます。
待ち合わせをした時も必ず15分前には着くようにしているため、周囲に人から感心されることが多いです。
実際に仕事を始めたら、時間に追われる日々になると思います。
しかし、私は就職しても常に時間に余裕を持って行動し、決められた時間は必ず守るようにしたいです。
忙しくなれば分刻みのスケジュールになるかもしれませんが、私が遅れてしまうだけでお客様やチームに多大な迷惑をかけてしまうでしょう。
そうならないように、常に時計を見ながら遅刻しないように余裕を持った行動を意識していきたいと思います。
長所を肩書きに頼る
アルバイト先のバイトリーダーだった場合やサークルの部長、もしくは団体の代表などの経験をアピールする人もいます。
リーダーや部長、代表の経験など、なんらかの肩書きを持っている人はすごそうに見えるという人もいるでしょう。
肩書きを持っていた人には、仕事ができそうなイメージがあり、リーダーシップにも期待してしまいます。
しかし、肩書きにばかりに頼って肝心の中身が伴っていなければ説得力はありません。
肩書きに見合うだけの力があるのか、自分を見直すことも大切です。
NG例文:肩書きばかりのアピール
私は学生時代にアルバイトとサークルの両方に力を入れていました。
その頑張りが評価され、アルバイト先ではバイトリーダーに抜擢され、サークルでは部長を任されています。
どちらも人数が多いためまとめていくのが大変ですが、もともとメンバーどうしの仲が良いため今のところ大きな問題はありません。
バイトリーダーと部長を同時に経験したことで、チームをまとめていく難しさとうまくいった時の達成感を知りました。
就職した後もチームの一員として働くことになるでしょう。
その時もこの経験を活かして、チームワークに貢献できるように努力していきます。
メンバーに支えられてこそリーダーシップを発揮できると思うので、チーム内の輪も大切にしたいです。
NG例文:ボランティア団体
私は大学2年時に友人と立ち上げたボランティア団体のリーダーを務めています。
最初は小さな団体でしたが、今では学外のメンバーも抱えるほどの規模になりました。
規模が大きくなるにつれて、リーダーとしてほかの団体と交流する機会が増え、自分を成長させられたと思っています。
歓迎会の幹事を引き受けた時も、どういったお店に行きたいのかというリサーチから始めたので、参加者全員に喜んでもらえる会になりました。
御社に就職できましたら、この経験を活かして積極的にマネジメント業務に関わっていきたいと考えています。
さまざまな個性と能力を持ったメンバーが自分の長所を活かし足りないところは補い合えるようなチームを作りたいです。
そのためには、私のリーダー経験がきっと役立つに違いありません。
まとめ
就活で面接官が長所を聞くのは、きちんと自己分析ができているか、求める人材に合っているかを知るためです。
自分の強みとする点を一点だけ絞り込み、PREP法を用いて実際のエピソードなどを盛り込みながら、説得力ある受け応えができるようにしておきましょう。