新卒で就活をするとグループディスカッションをする機会があるでしょう。新卒で就活をして内定を勝ち取るには、グループディスカッションは避けて通れません。
しかし、グループディスカッションのやり方がよく分からず苦手に感じている人も多いです。ここでは、グループディスカッションのやり方について解説していきます。
目次[目次を全て表示する]
グループディスカッションは何のためにする?
グループディスカッションはそもそも何のために行われるのでしょうか?
まずは企業の思惑を知って、グループディスカッションを成功に収めましょう。
企業はコミュニケーション力を見ている
企業はコミュニケーション力やリーダーシップなど、学生の人柄を見ています。
グループディスカッションは面接よりも、効率的に学生の人柄を垣間見ることができます。
グループディスカッションではコミュニケーション力やリーダーシップ、統率力などを見られていることを意識して発言しましょう。
グループディスカッションの役割は
グループディスカッションでは、テーマを与えられて、テーマに関して自由に討論するやり方で行うことが多いです。
しかし、学生がただ自由に自分の意見を述べていたのでは、効率的に討論を進められません。
決まった時間の中で議論を深めて結論を出すには役割を決める必要があります。
グループディスカッションでは最初に簡単な自己紹介をしてから、役割を決めます。
自分の性格と合っている役割があれば、積極的に名乗り出ましょう。
グループディスカッションの対策法は就活市場にもいくつか書いてあります。一度目を通して参考にしてみるといいでしょう。
リーダー
リーダーが一番企業の印象にのこりやすい役割です。
リーダーはその場をまとめてみんなの発言を管理し、結論に促す役割のことです。
自らも意見を発言しますが、他のメンバーに自分の意見を押しつけるような態度をとってはいけません。
メンバーの意見を聞きつつ、自分の意見も発言するような具合です。
メンバーの間で意見が割れたときなどに、リーダーとしての手腕を発揮できるでしょう。
つまり、一番目立つうえに一番大変かもしれません。
他の役割の人と協力してグループディスカッションを成功させるためには上手にコミュニケーションをとることが必須になります。
責任は重いですがその分上手く進行できたときに自信に繋がる上、企業の印象にも残りやすいのでぜひチャレンジしてみてください。
司会
司会はリーダーシップの強い人に向いている役割です。
他のメンバーの意見を聞きながら、議論を進めていきます。
なるべく多くのメンバーが納得できる形で結論に導きます。
司会を務める人は、必ずしも自分の発言した意見を結論にする必要はなく、どちらかというと中立的な立場をとるのが望ましいでしょう。
また、メンバーの人たちが平等に発言しやすい状況を作るのも、司会の大事な役割です。あまり意見を発言できない人には意見を求めてみましょう。
司会は一見リーダーの役割と似ています。
しかし人数に余裕があれば司会は別に作った方が良いでしょう。
司会はグループディスカッションの進行に大きく役立ちます。
司会もリーダーと同じくメンバーをよく観察する必要があります。
時間が来たらいったんまとめて次に促すことなどをする必要があり、タイムキーパーやリーダー、書記へも目を向けて発言しなければなりません。
意外と大変なお仕事なので、焦らず視野を広く持てる人が向いています。
タイムキーパー
タイムキーパーはグループディスカッションの重要な要点です。
後の項目で詳しくお話しますが、グループディスカッションでははじめに時間配分を決めるのが一般的な流れです。
タイムキーパーは時間を管理する役割です。
グループディスカッションでは、あらかじめ決められた時間の中で結論を導き出さなければなりません。
時間配分を行い、次に進んだ方が良さそうな場合には司会者や他のメンバーの人たちに伝えます。
しかし、議論が白熱するとどうしても時間を言い出しづらくなります。
タイムキーパーがいないと議論が白熱したときなどに、議論内容をまとめる段階へ進めず終了してしまうこともあるでしょう。
タイムキーパーを務める人も自分の意見を発言するため、議論が盛り上がったときなどに時間をオーバーしないように注意しなければなりません。
タイムキーパーはその時間配分に則った進行を手助けする役割なのです。
そのためきちんと責任をもって、時間である事を時間通りにすすめる俯瞰性を持った学生が向いているといえるでしょう。
書記
書記はその名の通り皆の発言を書き留める係です。
書記はメンバーの発言内容を記録する役割です。
記録した内容は司会者や他のメンバーと共有します。
結論を導き出すときに、発言内容の記録が役立つでしょう。
また、他のメンバーと同様に自らの意見の発言も行います。
書記も一見目立たない役割ですが、実は大事な作業を行っているのです。
書記はリアルタイムで進行する議論の要点だけをまとめてメモします。
結論や発表にもこの書留が大きな役に立つのです。
全ての発言を書き留めるのは難しいですから、自分で要約する力を持っていなければいけません。
役割を持たなくてもOK
人数にもよりますが、グループディスカッションでは必ずしも役割を持って議論する必要はありません。
企業は役割と同時に議論の本質や発言の積極性などもみているのです。
役割を持たなくても議論に貢献すればいい評価を得られます。
クラッシャーにならないよう注意
クラッシャーとは、自分の意見を押し付けたり、ほかの人の意見に聞く耳を持たない人のことを指します。
つまりは議論の信仰を妨げる人ということです。
まずは人の意見を聞いて、冷静な視点で物事を考察するように心がけましょう。
グループディスカッションの進め方
グループディスカッションの全体的な流れを把握しておきましょう。
時間配分を最初に決めておく
最初に自己紹介をして役割を決めるところから始まります。
グループディスカッションでは時間配分を最初に決めておきましょう。
役割が決まると、すぐに自分の意見やアイデアを言いたくなる人もいますが、意見を出し合う前の段階で時間配分を決めておきましょう。
時間配分を最初に決定しておかないと、議論がまとまらないまま終わってしまう恐れがあります。
議論を詳しく設定
時間配分を決めたら、意見やアイデアを出し合います。
議論で出される議題は結構漠然としています。
そのためグループディスカッションのメンバーと話し合って焦点を絞って議論を進めていく必要があるのです。
グループディスカッションで出されるお題は、議論の対象があまり具体的でないケースも少なくありません。
例えば、コンビニの売上をアップさせるというお題が分かりやすい例です。
コンビニの立地や現在の売上などの情報は、お題では特に与えられていません。
そのため、どのような立地のコンビニを想定するのか、現在の売上はどのくらいという前提にするのか、あらかじめ設定しておく必要があります。
原因分析する場合も
また、お題によっては、最初に原因分析を行うやり方をとる場合も多いです。
例えば、高齢者を狙った詐欺を減らす解決策のようなお題だとします。
そもそもなぜ高齢者を狙った詐欺が起きるのか、原因分析をしておくとスムーズに議論が進むでしょう。
議論によっては原因を分析する必要があるケースも出てきます。
原因分析を行って議論する方が良い場合は原因分析を行ってください。
アイデアを話し合う
細かく制定したアイデアをメンバー同士で議論し合いましょう。
この時間が一番重要です。
議論の対象がはっきりして原因分析も行ったら、次はアイデアをどんどん出していく段階です。
良さそうな意見が思い浮かんだら、挙手して発言しましょう。
他の人は、発言内容に対して同意できるときは、相槌を打つなどします。
ただ、同意できない意見を言う人がいても、即座に否定してはいけません。
意見やアイデアを出す段階では内容の賛否はまだ議論せず、結論づけるための1つの判断材料として捉えます。
全ての人が満足に議論を終えられるように時間には注意しながらディスカッションを進行してください。
まとまった意見を元に結論づけて、最後に発表を行うというのがグループディスカッションのおおまかな流れです。
発表準備
ある程度の意見が集まってきたら、書記の人が記録しているメモを見ながら、意見をまとめて整理しましょう。
十分に意見やアイデアが出たら、整理しましょう。
似た内容の意見を1つにまとめたり、対立する意見で双方の妥協点を模索したりする段階です。
グループディスカッションでは合意形成が高く評価されます。
強引に多数決で決めようとするよりも、異なる意見を持つ者同士が歩み寄って、お互いに納得する形で結論づけるのが望ましいです。
そして、結論の方向性が決まったら、発表できる形にします。
グループディスカッションでは発表もかなり大事です。
議論が上手くいっても発表がいまいちだと評価は下がってしまいます。
意見がまとまって整理できた段階で気を抜いてしまわないように注意しましょう。
グループディスカッションの上手な時間配分
グループディスカッションでは、あまり慣れていないメンバーで行うと時間が足りなくなってしまうことがよくあります。
最初に時間配分を行うため、設定した時間配分の通りに進めれば問題ないと考えている人もいるでしょう。
しかし、実際のところは、なかなか設定した時間配分通りには進められません。
議論が白熱すると、設定した時間を大幅に過ぎてしまうこともあります。
激しく議論を交わしていると、タイムキーパーの人も時間が過ぎていることを言い出しにくいでしょう。
少し時間をオーバーしたことで、次の段階やその次の段階でも設定した時間よりずれ込むことがよくあります。
そのため、グループディスカッションで時間配分を設定する際にはずれ込むことをあらかじめ想定したやり方が大切です。
時間がずれ込んでしまった場合には、他のところでずれ込んだ分の時間を削る必要があります。
タイムキーパーの人は、設定した時間よりもずれ込んでいることを司会者や他のメンバーに伝えましょう。
また、全体の時間を全て配分するのではなく、1、2分程度は残しておくといいかもしれません。
時間配分例
グループディスカッションが全体で30分なら、お題の定義づけや原因分析に5分、アイデアの出し合いに6分、アイデアの整理に5分くらい配分することが多いです。
後半は結論をブラッシュアップするのに7分程度、プレゼンテーションの準備で6分程度配分します。結論の方向性が決まってからも、かなり時間が必要だと認識しておきましょう。全体の半分くらいの時間が経過した段階で、結論の方向性が決まっていなければなりません。
また、最初に時間配分を決める段階で、何分も経過してしまうケースも見られます。時間配分を完璧に行おうとした場合にありがちなことです。時間配分を決めるのに時間がかかっていたのでは、本末転倒であるため注意しましょう。
グループディスカッションでの発表
グループディスカッションの評価対象は、議論のやり方だけではありません。
発表のやり方も評価に大きく関係します。
発表は1分程度で済ませなければならないため、長々と発表するのではなく重要な箇所だけ端的に伝える必要があります。
最初に結論を言い、次に理由を説明して具体例を挙げます。
最後に再び結論を述べるという順番が基本です。
結論を端的に述べてから、理由を説明します。
理由もあまり長々と説明している時間はないため、かなり簡潔にまとめておかなければなりません。
説明しなくても当然分かるようなことは極力省きます。
理由として述べたことに関する具体例を1つか2つ程度挙げると、説得力が増すでしょう。
論理的に考えたのか示すことができます。そして、最後に結論を再び述べましょう。
ただ、1分程度の非常に短い時間で発表しようとしても、慣れていないと時間をオーバーしてしまうかもしれません。
結論を端的にまとめてあっても、実際に発表できるかどうかは別です。
そのため、発表前にリハーサルを行うといいでしょう。
できれば時間配分の際にも、リハーサルの時間をあらかじめ確保しておくのが望ましいです。
リハーサルを行えば、他のメンバーの人たちから発表に関してアドバイスを受けられます。
グループディスカッションの発表のコツ
グループディスカッションの発表のコツを紹介します。
グループディスカッションでは最初に結論を述べて簡潔に伝えたり、一人称に私ではなく、私たちという言葉を使ったりといろいろなコツがあります。
また、自分だけではなく、周囲と強調して結論を導き出すことの重要性も理解しておく必要があるでしょう。
さらに、事前に論理的な話をするための準備を整えておくことができれば、グループディスカッションが成功に終わる可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
その1:結論を最初に述べる
グループディスカッションにおいても、結論から最初に述べることは重要になってきます。
グループディスカッションの時間も限られているので、簡潔に伝えたいことから述べるのはとても重要です。
最初に伝えたいことをしっかりとアピールすることができれば、最悪でも自分が伝えたいことが伝わらないということはなくなります。
最初に結論を述べて、その後に理由を述べていけば、多少伝えるのが下手だったとしても、結論が先に伝わっているので、聞いている側としては納得解を得やすいというメリットがあります。
「これがこうで、あれがああだから、こうなった。」というような結論を最終的に導き出すような話し方をしてしまうと、予想以上に長くなってしまうことがありますので、注意しましょう。
散々、喋って自分が伝えたいことが伝わらないという最悪な状況は避けたいものです。
また、最初に結論を言ったら、最後にこれがこうだからこう思うという結論を念押ししましょう。
こうすることによって、より相手に結論の部分が伝わりやすくなるのです。
その2:一人称は私ではなく"私たち"
グループディスカッションをすると、どうしても自分が1番目立ちたいという人がいます。
しかし、グループディスカッションにおいてはこれはやってはいけないことだと言えるでしょう。
そこで重要になってくるのが、グループディスカッションでは一人称を私ではなく、私たちにすることです。
こうすることによって、みんなで導き出した意見というのを強調することができるのです。
また、私よりも私たちという言葉を使ったほうが全体に連帯感が生まれやすくなりますので、チームワークを最大限に発揮して、良い結果が生まれやすくなります。
就活におけるグループディスカッションでは、周囲をライバルだと考えてしまいやすいですが、この場合は周囲を仲間だと思うことが重要になってくるのです。
そう考えれば、私ではなく、私たちであることが重要だと言えるでしょう。
グループディスカッションを求めるという企業は、大小はあれど、なんらかの形でチームワークを求めています。
ここは自己主張よりも協調性でいきましょう。
その3:自分だけでなくほかのメンバーにもフォーカスを当てる
グループディスカッションのコツは、自分だけではなく、他人にもフォーカスを当てることです。
グループディスカッションの目的は、グループが一丸となってなんらかのものを作り上げることです。
これは会社が製品をチームワークで作り上げることに似ていますので、自分だけが目立っていても意味がありません。
グループディスカッションにおいて他人をフォーカスするためには、他人の意見に同調するのがおすすめです。
他人の意見をさりげなく褒め、他人の意見に同調しつつ、私はこうやったらさらに良くなるといった意見をすることによって、お互いの評価が高まるような方向に持っていくのです。
また、グループディスカッションの中で、あまりフォーカスされていないメンバーを見つけたら、率先して、フォーカスしてあげるようにするのも良いでしょう。
こういった気配りが評価されれば、採用される可能性が出てきます。
グループディスカッションでは、協調性を求められ、他人の力を引き出すようなことができれば、これはかなりの評価ポイントと言えるでしょう。
その4:論理的な構成で話せる準備をする
グループディスカッションで重要なのは、簡潔に話すこともそうですが、論理的な構成で話すことも重要になってきます。
論理的な話をするためには、ある程度の準備が必要になってくると言えるでしょう。
そこで重要になってくるのが、結論を導き出すための話の構造です。
なんらかの結論があったとして、そう言えるという根拠をいくつか用意してください。
この根拠があるからこそ、このような結論になるという構成で話をすることができれば、より論理的に話せるようになるでしょう。
グループディスカッションの場合は、結論の根拠の根拠まで用意すれば、十分だと言えます。
根拠という材料を使って、結論に近い根拠を導き出します。
そして、その根拠を使って結論を導き出すような段階的な構造になっていれば、論理的な話をすることができるでしょう。
その5:ネガティブワード禁止
グループディスカッションで注意すべきはネガティブワードを出さないことです。
グループディスカッションでネガティブワードを出してしまうと、自分だけではなく他人のグループディスカッションの台無しにしてしまう可能性があります。
ネガティブは新たなネガティブを生み出してしまう可能性がありますので、必ずポジティブなワードを出すようにしてください。
ついつい癖でネガティブなワードを出してしまう人もいますので、そういった癖が出てしまわないように注意しましょう。
まとめ:グループディスカッションの苦手を克服!
グループディスカッションは短い時間で結論を導き出し、発表まで行わなければなりません。時間の使い方が鍵を握ると言えます。
時間が足りなくなったことがある人は、どこで時間をロスしたのか分析し、次に繋げましょう。最初は上手くできず時間がかかってしまっても、場数を踏むうちに慣れていく人が多いです。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート