社会は人と人との繋がりで成り立っています。
仕事も人と人で成立し、違う業界や違う企業の人と関係を構築するのは難しく、それが楽しくもあります。
そんな、仕事において大切である人脈ですが、人同士の繋がりを育むのが上手い人と下手な人が当然存在します。
もしも自分にはそういった才能がある、と感じているのであれば、人脈構築力を自己PRでアピールしたいと思いますよね。
ですが企業にとって、人脈構築力がある人材はどのように判断されるのか、そしてもしもアピールするのであればどのようにするのが効果的なのか、といったことを今回はご紹介します。
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【人脈が広いことをアピール】人脈の広さは自己PRできる?
新卒の就職活動において、自己PRでどのような強みをアピールすべきか悩む学生は少なくありません。
特に、人脈の広さという特性は、一見すると直接的な業務スキルとは異なるため、企業にどう評価されるのか疑問に感じるかもしれません。
しかし、人脈の広さは、単なる知り合いの多さではなく、その背後にあるコミュニケーション能力や信頼構築力、情報収集力といった本質的な能力を示す重要な要素となり得ます。
企業は、学生が持つこうした潜在的なポテンシャルに注目しています。
人脈構築力が評価される
企業が新卒採用において人脈構築力を評価するのは、それが現代のビジネス環境において不可欠な能力だからです。
単に多くの人と知り合いであるだけでなく、多様な背景を持つ人々と良好な関係を築き、維持できる能力は、プロジェクトの推進、新たなビジネスチャンスの創出、そして組織内外の連携強化に直結します。
例えば、部署を横断した協力が必要な場面や、顧客との長期的な信頼関係を築く必要がある営業職、あるいは社外の専門家との連携が求められる開発職など、あらゆる職種において人脈構築力は高い価値を持ちます。
困難な課題に直面した際に、適切な情報や助言を得るために、自ら積極的にネットワークを広げ、それを活用できる人材は、企業にとって大きな財産となるでしょう。
【人脈が広いことをアピール】企業が自己PRを聞く理由
企業が新卒の自己PRを重視する背景には、単に学生のスキルや経験を知るだけでなく、多角的な視点からその人物像を深く理解したいという意図があります。
自己PRは、学生が自身の強みや特性をどのように認識し、それを企業でどう活かしたいと考えているのかを示す重要な機会です。
特に、人脈の広さといった一見抽象的な強みであっても、企業はそこから学生の潜在能力や将来性を読み取ろうとします。
自己PRを通じて、学生が企業文化に適合するか、入社後にどのような成長を遂げる可能性があるかを見極めようとしているのです。
自己分析ができているか見るため
企業が自己PRを聞く理由の一つに、学生がどれだけ自己分析を深く行えているかを確認する目的があります。
自己分析がしっかりできている学生は、自身の強みや弱み、興味関心、そして将来の目標を明確に理解しています。
人脈の広さを自己PRする際も、単に知り合いが多いと述べるだけでなく、なぜ人脈を広げることができたのか、その過程でどのような努力や工夫があったのか、そしてその人脈が自分にどのような影響を与え、何を学べたのかを具体的に説明できるかが重要です。
自己分析が不足していると、表面的なアピールに終始し、企業が求める本質的な能力や思考力を伝えることができません。
自身の特性を客観的に捉え、それを論理的に説明する能力は、入社後も問題解決や自己成長に不可欠な要素となります。
人柄や価値観を知るため
自己PRは、学生の個性や内面を知るための貴重な情報源です。
企業は、履歴書やESに書かれた情報だけではわからない、学生の人間性や仕事に対する価値観、そして周囲との関わり方を深く理解したいと考えています。
人脈の広さをアピールする際には、どのような人々と、どのような目的で関係を築いてきたのか、その中でどのような喜びや困難を感じ、どのように乗り越えてきたのかを具体的に語ることで、学生の人柄が浮き彫りになります。
例えば、多様なバックグラウンドを持つ人々と積極的に交流する姿勢や、相手の意見を尊重し、共感する能力、あるいは困難な状況でも諦めずに信頼関係を築こうとする粘り強さなど、人脈形成の過程で培われた人間性が伝わります。
企業は、こうした人柄や価値観が、自社の社風やチームワークに良い影響を与えるかどうかを見極めようとしています。
自社にマッチした人材か見るため
企業は、自社の文化や事業内容に合致する人材を求めています。
自己PRを通じて、学生が企業の求める人物像とどれだけ合致しているかを確認します。
人脈の広さをアピールする際、単に多くの人と知り合いであるという事実だけでなく、その人脈をどのように形成し、どのように活用してきたのかを具体的に説明することで、学生の行動特性や思考パターンが明らかになります。
例えば、チームで協働する機会が多い企業であれば、多様な意見をまとめ、調整する能力が評価されるでしょう。
また、新規事業の立ち上げに積極的な企業であれば、既存の枠にとらわれず、新たなつながりを生み出す開拓精神が評価されるかもしれません。
企業は、学生が持つ人脈構築のプロセスや、そこから得られた学びが、自社のビジネスモデルや組織風土にどのように貢献できるかを慎重に見極めようとしています。
入社後の活躍ビジョンを見るため
自己PRは、学生が入社後にどのように活躍したいと考えているか、そのビジョンを企業に伝える場でもあります。
人脈の広さをアピールする際には、それが単なる過去の経験に留まらず、入社後に具体的にどのような形で業務に貢献できるのかを示すことが重要です。
例えば、営業職であれば、既存顧客との関係強化だけでなく、新たな顧客開拓に自身のネットワークを活かしたいという意欲を伝えることができます。
企画職であれば、多様な業界の専門家との連携を通じて、革新的なアイデアを生み出したいと語ることも可能です。
企業は、学生が自身の強みをどのように仕事に結びつけ、具体的な成果を出すイメージを持っているかを確認することで、入社後のモチベーションや成長意欲、そして長期的なキャリアプランを評価します。
明確な活躍ビジョンを示すことで、企業は学生が自社で働くことに真剣であると感じ、採用への期待が高まります。
【人脈が広いことをアピール】自己PRで人脈構築力をアピールするポイント
自己PRで人脈構築力を効果的にアピールするためには、単に人脈が広いと述べるだけでは不十分です。
企業が知りたいのは、その広さの背景にあるあなたの能力や、それが将来どのように企業に貢献できるかという点です。
具体的なエピソードを交えながら、人脈を築く過程で培ったコミュニケーション能力や課題解決能力、そしてそれをどのようにビジネスに活かしていきたいのかを明確に伝えることが重要です。
単なる知り合いの多さではなく、質の高い関係性を築ける能力としてアピールしましょう。
入社後はどう活かすのか伝える
自己PRで人脈構築力をアピールする際、最も重要なポイントの一つは、入社後にその能力をどのように活かして企業に貢献するのかを具体的に伝えることです。
過去の経験で培った人脈構築のスキルが、入社後の業務でどのように役立つのか、具体的な職種や業務内容と関連付けて説明しましょう。
例えば、営業職であれば、新規顧客開拓や既存顧客との関係深化に、自身のネットワークを活かして情報収集や課題解決に貢献できるとアピールできます。
企画職であれば、多様な業界の専門家との連携を通じて、新しいアイデアやソリューションを生み出すことに貢献できるといった具体的なビジョンを示すことが効果的です。
企業は、学生が自身の強みをビジネスの成果に結びつけるイメージを持っているかを重視します。
さらにどう伸ばしていくのか伝える
人脈構築力をアピールする際には、現状の能力に満足せず、入社後もさらにその能力をどのように発展させていくのかという意欲を示すことも重要です。
企業は、常に成長し続ける人材を求めています。
入社後にどのような新しい人脈を築きたいか、あるいは既存の人脈をどのように深めていきたいか、具体的な目標や計画を伝えることで、あなたの学習意欲や向上心をアピールできます。
例えば、特定の業界の専門家とのネットワークを広げたい、異業種交流会に積極的に参加して知見を深めたい、あるいは社内の様々な部署の人々と連携を強化し、組織全体のパフォーマンス向上に貢献したいといった具体的な展望を語ることで、企業はあなたの長期的な成長ポテンシャルを感じ取ることができます。
常に自己成長を追求する姿勢は、企業にとって大きな魅力となります。
【人脈が広いことをアピール】過去経験別自己PR例文3選
自己PRで人脈構築力を効果的にアピールするためには、具体的なエピソードを交えることが不可欠です。
ここでは、部活動・サークル活動、アルバイト、そしてゼミでの経験に焦点を当て、それぞれの場面でどのように人脈を築き、それを活用して成果を出したのかを具体的に示す例文を紹介します。
これらの例文は、あなたの経験に合わせてカスタマイズすることで、より説得力のある自己PRを作成するためのヒントとなるでしょう。
単なる知り合いの多さではなく、その背後にあるあなたの行動力や課題解決能力を強調することが重要です。
部活・サークル
私は大学の〇〇部で、人脈構築力を活かし、チームの目標達成に貢献しました。
新入生勧誘活動では、例年、入部希望者が少ないという課題がありました。
そこで、私は新入生だけでなく、他大学の同じ競技の学生やOB・OGにも積極的に連絡を取り、部の魅力を伝えるための合同練習会や交流会を企画しました。
SNSを活用して広報活動を強化し、他大学の学生やOB・OGとのネットワークを広げた結果、例年の2倍以上の新入生が入部し、チーム全体の活性化に繋がりました。
この経験を通じて、多様な立場の人々と信頼関係を築き、目標達成に向けて協力体制を構築する重要性を学びました。
この例文では、具体的な課題(新入生勧誘の課題)に対して、人脈構築力をどのように活用したか(他大学の学生やOB・OGとの連携、合同練習会・交流会の企画)を明確に示しています。
単に人脈が広いだけでなく、それを具体的な行動と成果(新入生が2倍以上入部)に結びつけている点が評価されます。
また、経験から得られた学び(信頼関係構築と協力体制の重要性)を述べることで、入社後の再現性もアピールできています。
私は〇〇部で多くの友人がおり、部活外でも様々なイベントに積極的に参加することで、非常に顔が広いです。
誰とでもすぐに打ち解けて仲良くなれるため、入社後も新しい環境にスムーズに馴染み、すぐに周囲と良好な関係を築ける自信があります。
このNG例文では、単に友人が多い、顔が広いという事実を述べるだけで、それがどのように具体的な成果に繋がったのか、あるいはどのような能力の裏付けがあるのかが不明確です。
人脈の広さそのものが目的化しており、ビジネスシーンでどのように活かせるのかが伝わりません。
また、すぐに会社に馴染めるという漠然とした表現では、企業が求める貢献意欲や具体的な行動力が感じられません。
抽象的な表現に終始せず、具体的なエピソードとそこから得られた学びを伝えることが重要です。
アルバイト
私はカフェでのアルバイト経験を通じて、顧客との信頼関係構築と情報共有の重要性を学び、人脈構築力を培いました。
常連のお客様の顔と好みを覚え、積極的に話しかけることで、お客様との間に個人的な信頼関係を築きました。
ある時、新商品の導入に際し、お客様から直接、率直な意見や改善点をヒアリングし、それを店長にフィードバックしました。
その結果、お客様のニーズに合った商品改良が実現し、売上向上に貢献できました。
この経験から、顧客との深い関係性がビジネスの成功に不可欠であることを実感し、傾聴力と提案力を向上させることができました。
この例文では、アルバイトという身近な経験から、顧客との関係構築を通じて人脈形成のスキルをアピールしています。
単なる接客ではなく、お客様の意見をヒアリングし、それを業務改善に繋げた具体的な行動と成果(商品改良、売上向上)が示されています。
これにより、人脈の広さが単なる社交性だけでなく、情報収集力や課題解決能力に繋がっていることを効果的に伝えています。
傾聴力や提案力といった具体的な能力もアピールできています。
私はアルバイト先の飲食店で、毎日多くのお客様と接する中で、非常にたくさんの方々と顔見知りになりました。
私がシフトに入っていると、お客様の方から積極的に話しかけてくださることが多く、私自身もお客様との会話を楽しんでいます。
このNG例文では、お客様と顔見知りになったという事実のみが述べられており、それがどのように業務に貢献したのか、あるいはどのような能力を培ったのかが全く伝わりません。
単に話しかけてくれるという受動的な姿勢では、主体的に人脈を構築し、それを活用する能力があるとは評価されにくいでしょう。
企業が知りたいのは、その人脈がビジネスにおいてどのような価値を生み出すかという点です。
具体的な行動や成果、そこから得られた学びを明確にすることが重要です。
ゼミ
私は〇〇ゼミで、専門分野における人脈構築力を発揮し、研究活動の質向上に貢献しました。
私の研究テーマは、学内で先行研究が少なく、情報収集に苦慮していました。
そこで、私は教授の紹介や学会への参加を通じて、他大学の著名な研究者や企業の研究開発担当者に積極的にアプローチし、意見交換の機会を設けました。
特に、ある企業の担当者からは、最新の業界動向や実務における課題について貴重な示唆をいただき、自身の研究に新たな視点を取り入れることができました。
この経験により、専門分野におけるネットワークの重要性を痛感し、自ら積極的に情報を取りに行く行動力と、専門家と対等に議論できる論理的思考力を養うことができました。
この例文では、ゼミという学術的な環境において、専門分野の人脈構築力をアピールしています。
研究上の課題(先行研究の少なさ)に対し、どのように人脈を広げたか(他大学の研究者、企業担当者へのアプローチ)を具体的に示し、それが研究の質向上(新たな視点の獲得)という成果に結びついている点が評価できます。
単なる交流ではなく、専門的な情報収集や議論を通じて、自身の能力(行動力、論理的思考力)を向上させたことが明確に伝わります。
私は〇〇ゼミに所属し、ゼミの活動を通じて多くのゼミ生や先輩方と親睦を深め、良好な関係を築くことができました。
ゼミの飲み会やイベントにも積極的に参加し、皆と楽しく交流する時間を大切にしていました。
このNG例文では、ゼミ内での人間関係に終始しており、それが学業や研究、あるいは自身のスキルアップにどのように繋がったのかが全く示されていません。
単に仲良くなった、楽しく過ごしたという事実だけでは、企業が求める主体性や専門性、そしてビジネスに活かせる能力をアピールすることはできません。
ゼミでの経験を通じて、どのような課題に直面し、どのように人脈を活用して解決したのか、具体的なエピソードとそこから得られた学びを明確に伝える必要があります。
人脈を構築した実績を増やそう
より具体的に人脈構築力をアピールするためには、今までの経験で人脈を広げてきたことの実績を話すのが効果的です。
例えば、部活やサークルに所属し、人脈を増やすためにどう努力したかということを順序立てて説明すると分かりやすいです。
そして人脈を広くするために、どのように行動したかなど具体的なエピソードを踏まえてアピールすることで、相手に自分の能力を分かりやすくイメージしてもらうことができます。
苦労した点、気にしていた点、人脈を構築するためのポイントなども披露できると好ましいです。
その実績が多く、具体性が高ければ高いほど説得力のある自己PRになるでしょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート