はじめに
大学3年生になると、本格的に就職活動のことを考える時期となり、インターンを検討される方もいらっしゃることでしょう。
インターンを経験しておけば、実際にお仕事を経験できるので、将来の就職先を決める際にメリットとなることが多いです。
ただ、とりあえずインターンをやっておけば、それで良いということではありません。
何のために自分はインターンをやるのか、最初にその目的をはっきりさせておくことが大事なのです。
目標を明確化させておくことは、選考対策にもなります。
なぜインターンの選考に目的が必要なのか?
どうして、インターンの選考の際に、明確な目的が必要となるのでしょうか?
人事担当者や面接官は、学生を採用する際に、お仕事への意欲、人間性などを細かくチェックしています。
選考時に、インターンを受ける目的が明確をしておかないと、面接官に自分のやる気をアピールできなくなってしまうことでしょう。
行動や目的にズレが生じてしまうと、印象も悪くなってしまい、不採用になってしまう可能性もあります。
企業側も、やる気があって、優秀な人材かどうかを見極めたいという目標があってインターンを実施しています。
ですから、学生がインターンを受ける際には、選考の際に自分の目的をしっかりと立てておくことがとても大事になってくるのです。
人事は目的から何を見ている?
人事はインターンの選考時に学生の目標を参考にして、お仕事の能力、自社での適応性、コミュニケーション力、などさまざまなことをチェックしています。
とくに、行動と目的が一貫しているかどうかを重視して、採用活動を行っている企業は多いです。
また、企業は、目的に対する姿勢や人間性などについても、学生の態度を細かいところまでよく観察しています。
学生を受け入れる側の企業にとっても、採用などのコスト、インターン生へ研修など大変な手間がかかってしまいますから、やる気のない学生は採用したくありません。
ですから、インターンにエントリーする際には、これらの点を重視して、選考対策をしっかりと考えておくことが合格への近道となるのです。
行動と目的の一貫性
選考時には、行動と目的に対して、一貫性を持たせておくことが、とても大事です。
インターンを受ける目的、将来の目的などをはっきりと定めて、それを実現させるために自分はどんな行動を取ったら良いのかをよく考えておく必要があります。
インターンを受け入れる企業の人事は、自社の事業内容に興味を持ってくれて、やる気が高い学生を歓迎したいと思っています。
目的がはっきりしていないと、やる気がないという印象を人事に与えてしまいます。
また、目的と行動がズレていると、採用のミスマッチとなってしまいますから、企業側はこの学生にはインターンをしても意味がないと判断して、不採用となってしまう可能性が高くなってしまいます。
目的に対する姿勢から人となりをみる
企業の人事は、学生がどのような目的で、自社のインターンに参加しようとしているのかを見ています。
軸のある目的を持った学生であれば、やる気を持ってしっかり働いてくれるかもしれないと、人事は判断することでしょう。
また、企業の人事はインターン参加の目的から、その学生がどんな人となりをしているのかについても、よくチェックしています。
採用した後、自社のスタッフたちと打ち解けてたり、上手にコミュニケーションを取って仕事ができたりする人物かどうかを見極めたいと人事は思っているのです。
軸のある目的を持った学生であれば、入社後もうまく働いていけるイメージがつきやすくなるため、採用される可能性も高くなるかもしれません。
インターンをやる目的
インターンに参加する目的については、その会社の事業に興味がある、働きながらお金を稼いでみたい、実際のお仕事の流れを体験してみたいなど、人それぞれあることでしょう。
インターンに参加することによって、その後の就活が有利になるのではと期待している学生もいるかもしれません。
目的がはっきりしていない学生は、まずはインターン参加で一体何を得たいと思っているのかをよく考えてみることをオススメします。
どうしても、インターンに参加する目的がはっきりしない方は、こちらの記事も参考にしてみると良いでしょう。
https://shukatsu-ichiba.com/article/12212
インターンで何を得たいか?
インターンに参加して何を得たいのかを考えておくと、目標が明確化しやすくなります。
インターンを通してどんなことを実現したいのか、将来のキャリアプランを実現させる上でインターン参加がどんな意味を持つのかなどをよく考えておくと良いでしょう。
大学の友達たちがインターンをやっているから、とりあえず自分も参加しておこうなど思ってエントリーする学生もいるかもしれません。
しかし、曖昧な目的のままインターンにエントリーしても、人事には見抜かれてしまいます。
自分なりの目的をよく考えて、インターンで何を得たいかを考えるようにしてください。
得たい理由を明確に
インターンに参加することで、どんなことを得たいと思っているのかを明確化していくことは、とても大事です。
学生生活では体験できないことしてみたい、学校以外の人たちと出会って人脈をつくりたい、電話対応やマナーなど社会人として働く上で必要なスキルを身に着けたいなど、インターンを通して得たいことが、いろいろとあるはずです。
まずは、インターン参加で何を得たいのかを明確化するために、自分が思っていることをメモに書き出してみると良いでしょう。
得た先の自分を想像しよう
インターン参加で何を得たいのかが明確になったら、次は、その先の自分をイメージしてみてください。
インターンの経験を活かして、将来はどのような道に進みたいのか、どんな働き方をしたいのかなど、いろいろと考えてみると良いでしょう。
そして、そのイメージを実現させるために、どんな行動を取ったら良いのかをよく考えるようにしてください。
そうすることで、目的と行動に一貫性が出るようになりますし、企業も自分に興味を持ってくれるようになるので、採用される確率も高くなっていきます。
期間別のインターンをやる目的
インターンと言って、数日から数週間程度の短期間から、半年以上の長期間まで、その期間はさまざまです。
インターンの期間については企業によってかなり異なっており、中には1年間のインターンを行っているところもあったりします。
インターンの期間に応じて、明確な目的を立てておくことも大事です。
短期インターン、長期インターンのそれぞれ特徴について、項目ごとに見ていきましょう。
長期インターン
長期インターンの期間については、3ヶ月程度となっています。
企業によっては、半年間、1年間など、より長い期間インターンを行っているところもあります。
また、とりあえず3ヶ月間を目安にしてインターンとして参加し、その成果を見てさらに期間を延長するという企業もあるようです。
長期インターンは大学3年生の4月くらいから募集が始まるケースが多いです。
早い企業だと、大学2年生の2月の段階で募集を行っているところもあります。
長期インターンの特徴
長期インターンの特徴は、3ヶ月以上と勤務期間が長いのが特徴です。
企業によっては、半年間から1年間くらいの勤務期間となっているところもあるので、より多くの経験を積むことができます。
長期インターンの期間は、もちろんお給料も支払われます。
お給料の額については、時給の場合は1,000円前後、日給の場合は5,000円〜1万円くらいが目安となっています。
また、営業職などインターンの職種によっては、インセンティブが受け取れるところもあります。
長期間インターンを行っている会社は増えてきており、中には大学1年生から受け入れているところも多いです。
職種についても、営業職、企画職、エンジニア職などいろいろとあり、インターンを行っている企業は研修制度も整っているところが多いので、安心して参加できます。
長期インターンをやる目的
長期間インターンは、3ヶ月から1年以上と期間が長いため、お仕事を通して社会で通用するスキルを身につく、職場の人たちやお客様との出会いを通して人脈が広がるなどいろいろなメリットが得られます。
大学生活やサークル活動以外の人たちと関わることによって、視野が広がりやすくなるのも、長期間インターンならではのメリットです。
オフィスワーク系のインターンであれば、電話応対の仕方、パソコンの操作方法、WordやExcelなどのオフィス向けソフトの使い方なども覚えることができます。
このようなメリットをいろいろと考えることで、長期間インターンに参加する目的が見えやすくなることでしょう。
短期インターン
短期インターンの期間については、1週間から2週間程度が多いです。
中には、1日だけの1dayインターンやサマーインターン、夏休みに開催されるサマーインターンなどもあったりしますので、気軽に参加できます。
短期インターンに関しては、これから就職活動を控えている大学3年生向けに開催されているものがほとんどで、開催している企業は大企業が中心です。
短期インターンの特徴
短期インターンの特徴は、最短で1日だけなど、期間が非常に短い点です。
夏休みや冬休みなど、学校が休みの期間に開催している企業も多いので、学業、サークル活動、他のアルバイトなどとも両立しやすいというメリットがあります。
また、期間が短いので、複数のインターンに参加することができ、いろいろな企業を知ることもできます。
ただ、短期の場合には、長期間インターンと違って、期間中のお給料が支払われないこともあります。
お給料がもらえる場合でも期間が短いので、働きながらお金を稼ぐことは難しいです。
お金はもらえないかもしれませんが、その分責任を問われることもないので、気楽に参加できるのが魅力です。
短期インターンをやる目的
短期インターンは、最短で1日、長くても2週間くらいの期間を定めている企業がほとんどです。
あっという間に終了してしまいますから、深く考えずに気軽に短期のインターンに参加してしまうと、何も得られなくなってしまうので注意が必要です。
どんな人たちが働いているのか、どんな社風なのかを知ることができるなど、短期間であっても得られることがいろいろとありますし、実際の仕事の流れの1部を見ることができるなど、短期間であってもいろいろなメリットがあります。
さらに、その会社とのコネクションもできますし、インターン参加者同士で仲良くなれるというメリットもあるのです。
短期インターンならではのメリットをよく考えて、その中で自分が何が得られるのかを具体的にイメージしてみると良いでしょう。
期間別インターンをやる目的例
インターンは、短期や長期間など、その期間によって得られるものが異なってきますので、インターンの期間別に目的を設定しておくことが大事です。
短期だから得られること、長期だから得られることをよく考えた方が、目標も立てやすくなります。
短期インターンと長期インターンの各期間別に、目的例をいくつかご紹介いたしますので、インターンへの参加を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
長期インターンの目的例
長期インターンへ参加する目的については、エントリーする企業の事業内容に合ったものにした方が良いでしょう。
また、自分がその企業の長期インターンの参加したいと思った理由についても、はっきり伝えるようにするのがポイントです。
①その企業の何に惹かれたのかを参加する目的にする
私が、長期インターンシップを志望した理由は、貴社の事業内容のについて、高い関心があったからです。
以前、大学の授業で、〇〇について学んだことがきっかけで、将来はその仕事に携わることができればと思いました。
貴社のインターンシップに参加させていただくことで、貴社に関する理解を深めて、さらにこの仕事に必要なスキルや知識についても、学びたいと考えています。
②なぜその企業のインターンシップを選んだのか
貴社の強みであるについて、もっと詳しく学びたいと考えて、インターンシップへの参加を志望しました。
このインターンシップを通して、なぜ貴社のサービスが多くのお客様に受け入れられているのかを知ることができればと思いました。
自分も、貴社のように人々に喜ばれるサービスを提供できるようになるために、いろいろなことを学びたいと考えています。
私は、大学の授業や実習で、〇〇について学んでおり、ある程度の経験と知識があります。
自分の力を試させていただきたく、応募いたしました。
また、貴社のインターンシップに参加することで、社会人として必要な経験も同時に身に着けたいと思ったのが志望の理由です。
短期インターンの目的例
短期インターンは参加者が多く、人気企業だと学生が殺到して、競争率が高くなってしまうことがあります。
インターンに採用されるためには、人事の目に留まりやすいような参加目的を考えておくと良いでしょう。
①人事の方が読みやすい文章にする
私は高校を卒業後、〇〇に興味を持ち将来はその仕事に就きたいと思い、大学に進学しました。
大学のゼミでは、〇〇について深く学ぶ機会があり、そこで得た知識を活かしたいと考えて、今回貴社のインターンシップに志望しました。
短期間で〇〇ができる貴社のインターンシップを通して、大学では学べないの実践的なスキルについても、いろいろと身につけたいと考えています。
また、私は貴社の事業内容にも以前から興味を持っていました。
貴社の企業理念に惹かれたことも、インターンシップを志望した理由の1つです。
インターンシップを通して、貴社の魅力についてもいろいろと知りたいと考えています。
②その業界への就職を希望していることをアピールする
私は、大学卒業後は、業界への就職を強く志望しています。
子供の頃から〇〇に対するあこがれがあり、大学進学後も、授業やゼミで〇〇を専攻して、詳しく学んできました。
貴社のインターンシップに参加することで、自分の実力を把握する良い機会になると思ったのが志望の動機です。
また、業界で活躍するために求められている知識や技術についても、詳しく知りたいと考えています。
私は、世界的なサービスである貴社の○○についても興味があります。
貴社のように、自分も人々の役に立つ仕事に携わってみたいと思ったことも、志望の動機です。
貴社のインターンシップに参加した経験を活かして、就職後もの勉強を続けていこうと考えています。
文字数別インターンをやる目的例
最後に、文字数別にインターンに参加する目的の例をご紹介します。
企業に目的をアピールする際には、あまり長すぎないようにして、できるだけ簡潔にまとめるのがポイントです。
やる気をアピールしてダラダラ長くしてしまうと、読む気が失せてしまうかもしれません。
具体的なエピソードなども入れておくと、人事の方の目に留まりやすくなり、興味を持ってくれる可能性があります。
さらに、そのエピソードから一体何を得たのかについても、アピールしておくと良いでしょう。
200文字
200文字で目的をアピール際には、できるだけ簡潔にしておくのがポイントです。
自分が一体どんなことに関心を持っているのか、インターンで何がしたいのかなどポイントを踏まえて、参加する目的をアピールしてみると良いでしょう。
また、主語と述語を明確にしておくのもコツです。
主語と述語がわかりやすいと、200文字程度の短い文章であっても、相手に内容が伝わりやすくなります。
①主語と述語をはっきりさせてさらに目的も伝える
私は、貴社の〇〇に興味を持っています。
貴社のインターンシップでは、を体験できるということで、実践的なスキルが身に着けられると思ったのが、志望の理由です。
貴社の強みとなっている〇〇についても、もっと詳しく知りたいと考えています。
私は、〇〇について学校で学んでおり、実践を通して社会で通用するスキルを身に着けたいと考えたのも、貴社のインターンシップを志望した理由です。
300文字
300文字程度で目的をアピールする際には、エピソードも加えておくのがオススメです。
大学の授業で学んだことをインターンの目的に絡めると、人事の方も納得しやすくなります。
勉強だけでなく、アルバイト経験、部活動やサークル活動などのエピソードも加えることで、どんな人物なのかもアピールしやすくなります。
ボランティア活動など、人の役に立つ活動などを書いておくのもオススメです。
①具体的なエピソードも加えて300程度でわかりやすくアピール
私が、貴社のインターンシップを志望した理由は、〇〇に関心を持っていたからです。
私は数年前に、〇〇という経験をしました。
そのときに貴社のサービスを利用したことがきっかけで、業界にも興味を持つようになったのです。
現在、大学の授業で、〇〇を専攻中しています。
学業を進める中で、知識だけでなく、実践を通して経験を積むことも大事だと思うようになりました。
貴社のインターンシップに参加することで、実務経験を積み、さらに貴社への理解がより深まると考えたのが、志望の理由です。
また、貴社のインターンシップを経験することで、社会人として求められる能力もしっかりと身に着けていきたいと思っています。
500文字
500文字程度で目的をアピールする際には、具体的なエピソードだけでなく、その経験から得たことなども加えておくのがオススメです。
そのエピソードから、何を感じたのか、その経験をどう活かしたのかをインターン参加の目的に絡めてアピールすれば、人事の方は成長が見込める人物かどうかを判断しやすくなります。
どのような成長につながったのかを、アピールしておくと良いでしょう。
①具体的なエピソードと自分の成長や企業の事業内容に絡めてアピール
私は、以前からに関心があり、〇〇を経験したいと考えて、貴社インターンシップを志望いたしました。
私が、〇〇に強い興味を持つようになったのは、大学2年生のときです。
大学2年生の夏休みに、アメリカへ短期留学をしました。
そのときに、〇〇に出会い、その仕事も興味を持つようになりました。
帰国後は、グローバルに活躍できる人材になりたいと思い、語学の勉強にもより力を入れて取り組み、〇〇の資格も取得しました。
世界各地に多くの拠点がある貴社ならば、留学経験や資格取得の勉強で学んだことも活かせるのではと思ったことも、インターンシップを志望した理由の1つです。
また、〇〇を体験できる貴社のインターンシップを経験することで、自分の実力を把握するチャンスにもなると考えて応募しました。
貴社のインターンシップを通して、より深く業務内容を勉強して、〇〇に関する実務経験を積んでいきたいと考えています。
率先して仕事に取り組みながら、社会人として必要なスキルも身に着けていくつもりです。
まとめ
以上、学生がインターンに参加する上での目的についていろいろとご紹介しました。
インターンと言っても、短期インターン、長期インターンなどいろいろとありますし、企業によってインターン期間や仕事内容も大きく異なっています。
インターンにエントリーする前に、まずは参加目的をよく考えて、何を得たいのかを明確化させておくことが大事です。
目的と行動に一貫性があれば、その企業の人事への印象も良くなりますし、採用される率も高くなることでしょう。