総合商社を知らなくても「三菱」や「住友」といった名前を一度は聞いたことはあるでしょう。
総合商社は「就活生の憧れ」とも言われており、毎年の採用試験には多くの就活生が押し掛けます。
ではそんな総合商社とは一体どのような企業なのでしょうか?
今回は総合商社の基礎知識や業務内容、入社するための対策などについて詳しく説明していきたいと思います。
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総合商社の仕事とは?
学生の憧れといえば総合商社でしょう。
しかし実際総合商社一言で言ってもどのような仕事をしているのでしょうか?
総合商社の仕事内容について詳しくみていきましょう。
総合商社とは?
総合商社とは世界各地で幅広い商品を取り扱う企業のことです。
総合商社はが取り扱う商品はかなり幅広く、その種類の豊富さから「インスタントラーメンからミサイルまで」と揶揄されるほどです。
現在日本には総合商社が7社あり、いずれも誰もが聞いたことのあるような大企業となっています。
海外にも大規模な商社は存在していますが、それぞれ扱う商品の専門性が高い企業となっています。
H3:総合商社と専門商社の違いは?
商社は主に総合商社と専門商社の2種類に分類されます。
二つの商社の違いは主に取り扱っている商品の種類です。
専門商社はその名の通り取り扱っている商品に偏りがあります。
そのためその業界のニーズに応えやすい一面があり、商品を売るだけでなく、専門知識を活かして商品を開発する企業も存在します。
それに対し総合商社は先ほども説明した通り、制限なく膨大な種類の商品を取り扱います。
総合商社の仕事内容は?
総合商社の仕事してはどのようなものがあるのでしょうか?
総合商社の仕事は一般職と総合職の2種類に分けられます。
それぞれの仕事内容は以下のようなものになります。
一般職
外でバリバリ働く総合職に対して、社内で潤滑油的な役割を果たすのが一般職です。
契約書の作成・管理をしたり、商品の出荷・仕入れの手配、雑務など総合職のサポート的な仕事が主になっています。
社内でする仕事が多いため、基本的に転勤もなく、労働時間も短い傾向にあるため自分の時間を大切にしたいという方におススメです。
その代わり総合職に比べたら給料が若干少なく、他業界の一般職に比べたら作業量も多いため大変な仕事と言えるでしょう。
総合職
クライアントと積極的にやりとりし、スケールの大きな仕事にバリバリ取り組むことのできるのが総合職です。
海外勤務も多く、高収入のため離層的なサラリーマンと言えるでしょう。
かなり大変な仕事ですが、やりがいに満ち溢れた職種のため就活生にも人気の職業となっています。
総合商社の年収は?
総合商社の年収は他の業種に比べてかなりの高収入です。
日本五大商社の平均年収は以下のようになっています。
・三菱商事:1,396万円
・伊藤忠商事:1,383万円
・住友商事:1,255万円
・丸紅:1,221万円
・三井物産:1,213万円
五大商社全てが1000万円を超えているというというのは驚きですね。
さらに福利厚生も充実している企業も多く、総合商社は就活生に人気となっています。
日本の大手総合商社・五大商社
ここで日本の大手総合商社である五大商社をご紹介します。
それぞれどのような特徴があるのか、受けるときの参考にしてみてください。
三井物産
三井物産は明治時代に創業された総合商社で、日本で一番古い総合商社となっています。
現在の総合商社の原型を作ったとされており、様々な製品を貿易によって仕入れ・出荷するのも三井物産から始まりました。
現在では「金属」「機械・インフラ」「化学品」「エネルギー」「生活産業」「ICTなどの次世代・機能推進」の六事業を展開しています。
インフラや資源系の製品に強みを持っているようです。
丸紅
電気分野に強みを置いているのが大手総合商社の丸紅です。
元は伊藤忠商事と同一会社で戦後に伊藤忠商事と分裂し、丸紅という会社が生まれました。
現在では「生活産業」「エネルギー・金属」「電力・プラント」「素材」「輸送機」の五つの事業を展開しています。
近年では石油・ガスなどの事業で大幅に売り上げを減らしたことでも話題になりました。
三菱商事
資源分野・非資源分野を中心にしっかりとした基盤を持っており、日本の総合商社の中でトップの座に君臨しているのが三菱商事です。
現在では「地球環境・インフラ事業」「新産業金融事業」「エネルギー事業」「金属」「機械」「化学品」「生活産業」の7分野に特化しており、私たちの生活に必要不可欠な事業を展開しています。
海外に200近い拠点を構えており、日本だけでなく世界中に事業を展開している大規模なグループとなっています。
伊藤忠商事
1858年に伊藤忠兵衛によって創業された大手総合商社です。
麻布の販売が起源となっており、そのせいか繊維や食料分野で中国などのアジア圏で高いシェアを誇るなど素晴らしい実績を残しています。
現在は「繊維」「機械」「金属」「エネルギー・化学品」「食料」「情報・金融」「住生活」の6分野に関する事業を展開。
自社の利益だ気を追求するのではなく、売り手も買い手も世間も全てを豊かにしていくという「三方よし」の精神が現在でも受け継がれており、その教えに感銘を受けた人たちが多く活躍しています。
住友商事
住友商事は戦後に商事として発足した総合商社で、それ以前は銅山経営で住友財閥を築き上げました。
五大商社の中では最も発足が遅く、「遅れてきた商社」なんて呼び名もあったようです。
現在は「金属事業」「輸送機・建機」「環境・産業インフラ」「メディア・生活関連」「資源・化学品」の5分野に関する事業を広く展開しています。
堅実な経営を展開することで有名な住友商事は、様々な分野に力を注いでいます。
中でも近年創設されたメディア企業・ジュピターテレコムの「J:COM」は皆さんもご存知でしょう。
創設時期から受け継がれている「住友の事業精神」を経営理念に反映しており、信用第一としています。
総合商社に内定をもらうためには?
世の就活生に大人気の総合商社ですが、内定をもらうためにはどうすれば良いのでしょうか?
総合商社への内定の条件などを解説していきます。
インターンシップに参加する
総合商社に内定をもらうためにはインターンシップに参加することが最大の近道です。
総合商社の全てが毎年インターンシップを行っており、1〜5日間総合商社の業務を体験できる機会がありました。
そこで評価されると座談会や食事会に招待されたり、早期選考を受けることができたりと優遇されるそうです。
しかしこのインターンシップにも選考があり、倍率もとんでもなく高いそうです。
インターンシップに参加することができれば総合商社への内定に大きく近づきますので、希望者は応募してみることをオススメします。
エントリーシート(ES)が命運を分ける?
総合商社ではエントリーシート(ES)が特に重要な役割を果たすそうです。
毎年各総合商社には膨大な量のエントリーシート(ES)が送られてきます。
その中でしっかりと印象に残るようなエントリーシート(ES)を書くことができないと、面接にすら進むことができません。
総合商社のエントリーシート(ES)で必要な要素は
会社のビジネスモデルを理解している
他の総合商社との違いを理解している
なぜ総合商社でなくてはいけないのかを明確にする
以上3点になります。
このような要素を盛り込んで、「私はあなたたちが求めているような人材です!」とアピールすることが重要とになってきます
総合商社への就職を希望している方はエントリーシート(ES)に命をかけるくらい真剣に取り組んでください。
面接の準備を念入りにする
総合商社に限った話ではありませんが面接の準備は念入りにする必要があります。
総合商社の面接を受けた人の体験談によれば、面接ではエントリーシート(ES)の内容を深掘りするような質問が多いそうです。
エントリーシート(ES)の内容は再度しっかり確認しておき、エントリーシート(ES)の内容を深掘りされても対応できるようにしましょう。
またなぜ総合商社なのか?、なぜ御社に入社したいのか?をはっきりと答えられないと勝ち目はありません。
総合商社はかなり倍率の高い企業なので生半可な気持ちではすぐに落とされてしまいます。
一回の面接にも最大限の力を注ぎましょう。
学歴は必須?
大手総合商社の募集条件には大卒ということ以外は書かれていませんが、学歴フィルターを設定しているという噂は絶えません。
学歴フィルターとは特定大学の出身者以外の就活生を採用から除外するというもので、上位大学の学生しか説明会に参加できなかったり、書類選考で落とされてしまったりといった事態が起きます。
国立大学なら東大・京大、私立大学なら早慶上智といった名門校に在籍していなければその時点で落選してしまう可能性もあるのです。
もし上記のような大学に在籍していなくても、在学中の功績や意欲が評価され、選考に進めることもありますので諦めずに挑戦してください!
総合商社に向いている人とは?
「憧れの総合商社に入社したのに思っていたのと違った」なんて経験は絶対したくないですよね?
そのような目に遭わないように総合商社に適性がある人の特徴をまとめてみました。
最後まで諦めない
物事を最後までやり遂げる責任感を持った人は総合商社に適性があると言えます。
総合商社では業務が多岐に渡り、トラブルも頻発するため意志の弱い社員はどんどん脱落していってしまいます。
業務を最後までやり通す強い信念がある人なら総合商社の業務において活躍することができるでしょう。
チャレンジを恐れない
総合商社では様々な業務を請け負うことになります。
場合によっては自分の人生で体験したことがないような業務を経験するかもしれません。
そんな時にチャレンジ精神旺盛な人であれば、そんな状況も楽しみつつ、業務を遂行できるでしょう。
フットワークが軽い
大手総合商社は海外にも拠点を設けていますので、辞令で海外勤務を命じられる可能性もあります。
見ず知らずの土地で業務を全うするには臨機応変に行動できる、フットワークの軽さが必要不可欠でしょう。
海外でも勤務できる覚悟がある人は是非総合商社に挑戦してみてください。
まとめ
ここまで総合商社の概要や業務内容などについて詳しく説明してきました。
総合商社は様々な業務を請け負うため、それに耐えられる優秀な人材を常に求めています。
やりがいのある業務や待遇の良さから毎年多くの就活生たちが厳しい採用試験を受けるのです。
この記事を読んで、「総合商社に入社したい!」という確固たる意志を持て試験に臨むことができるという人は、是非総合商社を受けてみてください。