就活生にとって、インターンシップは役に立つ制度です。
職業体験をすることで仕事に対する理解を深めることができるだけでなく、ネットなどの情報だけではわからないインターンシップ先の会社の実情を知ることもできます。
しかし、インターンシップに参加するためには、書類審査や面接に合格する必要があります。
これらの審査にパスするためのポイントはいくつかありますが、その中でも志望動機をどのように書くかは重要なポイントです。
さまざまな業界がありますが、ここでは信用金庫のインターンシップに応募する場合の志望動機の書き方について紹介します。
インターンの選考には人事目線が重要!
希望するインターンシップから内定を得るには、人事目線で対策を考えられるかどうかが、カギを握っています。
信用金庫の中には、1次面接は人事、最終面接は会社役員が担当するという流れで採用を決めているところもあり、人事だけが採用に関わっているわけではありません。
ですが、人事は人材の採用を専門に取り扱っている部署であり、たとえ面接に人事以外の面接官を担当させていても、人事の評価を参考に最終決定をするというケースも少なくありません。
人事目線を理解することは、内定獲得に近づく第一歩と言えるでしょう。
人事目線とは?
人事目線とは、人事担当者が持つ、独自の採用基準です。
どんな採用基準を持っているかというのは、各企業や人事担当者、事業内容などによって異なりますが、共通している部分も多くあります。
インターンシップとして働く意欲の高さは、ほとんどの人事が持つ採用基準です。
働く気がない人をわざわざ企業は採用しません。
人事は働く意欲の高さを、志望動機を目安に判断します。
履歴書やエントリーシートには、志望動機を記入する欄が、必ずと言っていいほどあります。
人事は志望動機から、入社を希望する意欲の高さのほかに、志願者が持つ「その会社でなければならない理由」を読み取ります。
そのため表面的な志望動機を書いても、どこからか拾ってきた内容を書いてるだけだとして、一蹴されてしまうでしょう。
つまり、本気で志願しているわけではない、と見なされてしまいます。
人事はその学生に対し、就職後のポテンシャルを持っているかどうかを見ます。
長所や人柄などを知るために参考とされるのが、これまで経験してきたことです。
人事が重視するのは、結果の良し悪しではなく、経験から何を学んだかという点です。
志望動機に使うエピソードは、注意して選ぶ必要があります。
学生目線と人事目線の違い
人事担当者は、企業が求めている人材で、採用したら必ず承諾してくれ、即戦力となってくれる人材を求めています。
一方学生目線になると、状況はやや異なります。
学生側にとって企業は、応募したうちの一社という位置づけになっている場合が多くあります。
第1次志望ではなく、第2次志望であるかもしれません。
複数の会社から内定を受けたら、条件の良い方を選択します。
人事目線は、企業にとって利益になるかどうかを基準にしていますが、学生目線は、自分がやりたいかどうかという視点で企業を選択します。
この学生目線が強すぎると、自分のすごさややりたいことばかりアピールするようになり、人事目線とのギャップが大きくなります。
内定を得やすい志望動機を書くときは、学生目線ではなく人事目線になることが不可欠です。
学生目線をやめて、人事目線で物事を考えるには、インターンシップを希望する信用金庫の人事目線を理解することです。
一人でうまく行かない場合は、就活のサポートを専門とするプロから、志望動機の書き方についてアドバイスを得るなどの方法があります。
簡潔に相手の欲することのみを伝える重要性
信用金庫のインターンシップに応募するための志望動機の書き方について、いろいろな方法が紹介されています。
ですが一番大切なのは、「相手が知りたいことのみを簡潔に伝える」ということです。
人事は常に多くの仕事を抱え、時間内に処理する必要があります。
インターンシップの選考も、数ある応募の中から選ばなくてはなりません。
そのときに、何が言いたいのかよくわからない志望動機を書いてしまうと、内定がもらえるどころか、その時点で不採用になる確率が高くなります。
人事はありきたりな面接を望んでいません。
志望意欲や人柄が簡潔にわかれば良い、ということを忘れないようにしましょう。
志望動機を記入するスペースには限りがあり、「200文字以内で」というふうに指定されることもあります。
限られた文字数の中で良い志望動機を書くには、相手が知りたいことのみを簡潔に伝えるスキルが求められます。
まず信用金庫の特徴を理解する
信用金庫のインターンシップに応募する場合の志望動機の書き方のポイントの1つ目は、信用金庫の特徴をよく理解してから書くことです。
金融機関には、銀行や信用金庫、証券会社さらには保険会社まで含まれます。
単に金融系の仕事を体験したい、将来は金融機関に就職したいというだけでは、信用金庫のインターンシップ応募の志望動機としては弱いといえます。
なぜ銀行ではなく信用金庫を希望するのかを説明するにあたっては、信用金庫の位置づけや特徴を正しく理解しておくことが必要です。
その位置づけを踏まえることが志望動機を考える第一歩となるでしょう。
なぜ銀行ではなく信用金庫のインターンシップを選ぶのかを書く
信用金庫のインターンシップ応募の志望動機の書き方のポイントの2つ目は、なぜ銀行ではなく信用金庫のインターンシップに参加したいのかを明確に記載することです。
信用金庫の業務内容は地方銀行と似ています。
しかし、地域密着・地域に貢献という点が信用金庫の最大の特徴だといわれています。
営業範囲も限られていますので、地域とのつながりが深く、都市銀行や地方銀行が行わなかった融資でも信用金庫が対応することもあります。
そのため、志望動機として地域密着・地域貢献をする仕事に魅力を感じるという点を盛り込むことをおすすめします。
そのうえで、地域と自分の関係を説明できるとより説得力がある志望動機になるはずです。
なぜその信用金庫なのかを書く
なぜ信用金庫なのかを志望動機に盛り込めたとしても安心するのはまだ早いです。
信用金庫のインターンシップ応募の志望動機の書き方の3つ目のポイントとして、数ある信用金庫の中からなぜ応募先の信用金庫を選んだのかを志望動機として記載することも大切になります。
同じ地域の中で複数の信用金庫が営業をしている場合もあります。
そういった場合は、窓口での対応が良かったため好感を持ち興味がわいた、自宅を訪れた営業員の人柄がよかった、などの応募先の信用金庫と自分のエピソードを入れるとよいでしょう。
また、ニュースや新聞で報道されている応募先の信用金庫の活動に興味を持ったという内容も効果的です。
信用金庫ならどこでもよいと思われることがないようにすることがポイントです。
インターンシップで何を身につけたいかを書く
信用金庫のインターンシップ応募の志望動機の書き方の4つ目のポイントは、インターンシップで何を身につけたいかを記載することです。
インターンシップは職業体験ですが、就職に有利になるから、仕事の体験を少ししてみたかったからといった志望動機では採用担当者に響かないでしょう。
インターンシップに参加する理由として、就職後に即戦力になれるように少しでも今から勉強しておきたいなど、インターンシップに参加した場合には積極的に仕事体験をしそうだなと思わせる意欲を示すと効果的です。
採用担当者も、やる気が感じられない人よりも熱意を感じる人の方を採用したいと考えるのは自然なことです。
自分の将来にとってどのように役立てたいのかのイメージを持って志望動機を考えてみるとよいでしょう。
就活のプロの意見も取り入れる
インターンシップに合格するためには志望動機の書き方が重要です。
紹介した4つのポイントをおさえて志望動機を記載しましょう。
また、ジョブコミットなどの就活のプロの意見も取り入れてみるのも効果的です。
インターンシップをテーマにしたセミナーなどに参加してみることをおすすめします。
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字数別!採用担当者にウケる志望動機の例
信用金庫の人事担当者に好印象を与える志望動機を書くには、インターンシップを志望する意欲(「なぜ信用金庫なのか」「なぜその信用金庫のインターンシップを希望するのか」)、「志望するに至った経緯(エピソード)」「エピソードを通しての自分の考え」「インターンシップを通して得たいこと」)を伝えることがポイントです。
そのためには、信用金庫の特徴をよく理解して、数ある金融機関の中でなぜ信用金庫を選択したのかを明確にする必要があります。
インターンシップを希望する信用金庫についても事前調査を徹底し、なぜ他の信用金庫ではなくその信用金庫を希望するのかについて、明らかにしておきましょう。
その際志望動機を裏付けるエピソードを取り入れると効果的です。
インターンシップを経験する理由には個人差がありますが、その理由が学生目線にならないように気をつけましょう。
就職に有利になるから、興味があったから、というのではなく、インターンシップを通して将来就職したときにどう活かしたいかを伝えることが大切です。
インターンシップの志望動機に、文字規定が設定されていることがあります。
その場合、規定された文字内で書く必要がありますが、文字数きっちり書く必要はなく、少なくとも8~9割は埋めるようにしましょう。
例えば200文字以内と言われたら、最低でも160~180文字書くということになります。
ここでは志望動機によく指定される、200文字・300文字・400文字・500文字について、例文を交えながらそれぞれ説明します。
200文字
志望動機で設定される文字規定の中でも、一番少ないのが200文字です。
履歴書内に設定されている志望動機欄のサイズが約200文字と覚えておくと良いでしょう。
特徴
200文字は、人事採用担当にとって、手短に志望動機を把握できます。
書く方は、限られたスペースの中で志望動機を伝える必要がありますので、すべての要素を盛り込むのが難しく、苦労するかもしれません。
その反面、文字数が少ないので、簡潔に書くコツさえ覚えれば、簡単に書けるようになります。
200文字で書くときのコツ
志望動機を書くには、文字数が非常に制限されますので、限られた文字数の中で、効率良く伝えることがポイントです。
志望動機は「インターンシップ志望意欲」「志望するに至った経緯」「インターンシップを通して得たいこと」の3つに絞りましょう。
それぞれの項目を箇条書きにして書いた後、文章をつなげるとうまくいきます。
例文
私は経済面で地域の発展に貢献する信用金庫に興味を持ち、貴庫インターンシップへの参加を希望します。
私の家は代々事業を営んでおり、融資先の貴庫に対して、物心ついた頃から親しみを感じておりました。
大学では、経済学部で地域経済について学びました。
成人し、貴庫が、地元にあるどの地域金融機関よりも地域に根ざした活動を行っていることを知り、インターンシップを通して実践的な取り組みについて学びたいと考えております。
300文字
300文字は、人が1分間に話す文字数に相当すると言われています。
履歴書やエントリーシートの中には、300文字書き込めるスペースを持つものもあります。
特徴
200文字より字数が増えるため、やや余裕を持って志望動機を説明することが可能になります。
ですが、志望動機の文字規定の中では、文字数が少ない方に入りますので、気を許すと300文字内で書ききれない恐れがあります。
手書きで志望動機を履歴書に記入する場合、文字の大きさやスペースに注意しないと、枠からはみ出してしまうことも考えられます。
300文字で書くときのコツ
200文字同様「インターンシップ志望意欲」「志望に至った経緯」「インターンシップを通して得たいこと」に絞って書きます。
自分の経験など、自分の体験を盛り込みながら、志望理由を強化すると良いでしょう。
志望動機欄に書く際、スペースからはみ出さないよう気をつけることも大切ですが、文字が小さすぎると読みづらく、しっかり読んでもらえないことになる恐れがあります。
老眼の人事担当者が読むことを想定し、ある程度の大きさで書くようにしましょう。
例文
私が信用金庫に就職を希望しますのは、地域に根ざした融資を展開するという特徴を持っているからです。
中でも創業してから100年以上にわたり、一貫して地域経済の発展に尽力されてる貴庫の姿勢に深く感動し、貴庫が実施されている、インターンシップの参加を希望します。
私は大学時代経済学部で地域経済について学びました。
お金とサービスについて研究しているときに、貴庫が理想的な地域活性化モデルを実践されていることに大変興味を持ちました。
貴庫でのインターンシップでは、大学で学んだ知識と地域経済に抱く情熱を活かしたいと考えております。
そこで得た経験を将来の仕事に反映させ、地域社会に貢献したい所存です。
400文字
志望動機の文字制限で最も多いと言われているのが、400文字です。
200文字の2倍になりますので、簡潔にまとめた記述に、肉づけをしていく必要があります。
わかりやすく伝えるほかに、必要な情報が適度に盛り込まれた内容に仕上げることも求められます。
特徴
400文字は、情報がある程度盛り込まれ、読み切りやすい長さの文章です。
ある程度の長さがありますので、「結論(インターンシップの志望意欲)」「理由(志望する理由)」「エピソード(志望に至った経緯)」「結論(インターンシップを通して得たいこと)」と構成し、その骨組みに沿って書かれています。
400文字の志望動機は、伝えたいことについて、読み手にしっかりと説明することが可能です。
400文字で書くときのコツ
400文字の志望動機を書くときは、構成をしっかりと立て、それに絞って書くことがポイントです。
文字数があるので、自分の気持ちや希望ばかりなく、インターンシップを志望する信用金庫の経営理念やビジョン、事業内容などについて事前に調べておきましょう。
信用金庫は銀行とは異なる特徴を持つ金融機関です。
両者の違いが曖昧であるという場合は、信用金庫とは何かについてから理解することをおすすめします。
インターンシップ志望に至った経緯にエピソードを使用する場合、これまで体験してきたことから一番適切と思われるものを選ぶようにしましょう。
インターンシップを志望する意欲や仕事に対する希望が、その信用金庫が実施するインターンシップの内容と合致するよう、両者をすり合わせながら書き進めていくことがポイントです。
例文
地域経済活性に貢献したい仕事に携わりたいと考え、信用金庫に就職することを志望しております。
中でも一世紀以上にわたり、地元に根ざした融資を展開している貴庫インターンシップへの参加を希望します。
私の祖父と父は商売を営んでおり、子どもの頃何度も貴庫の担当者様が家を訪れ、祖父や父と話している姿を見かけました。
担当者様に対し、祖父と父は感謝の言葉を述べていることが印象に残っています。
お金を回すことは、人を幸せにすることに気づき、将来金融業界で仕事をしたいと思うようになりました。
信用金庫は、地元の中小企業を支援し、地域経済を活性化させる役目を担っています。
貴庫がかかげる「お客さまを大切にする」経営理念は、まさにそれに叶っており、私が考える、「支援することで人を笑顔にしたい」という思いと共通するものがあります。
貴庫のインターンシップに参加することで、融資を通した人とのつながりを体験し、将来の仕事に活かしたいと考えております。
500文字
500文字は、大人が1分間に読む文章の目安と言われています。
志望動機の中では中くらいの長さになります。
特徴
400文字よりもボリュームが出ますので、「志望意欲」「志望に至った経緯」「インターンシップを通して得たいこと」のほかに、エピソードから得た自分の考えについても、盛り込むことが可能です。
500文字は志望する理由だけでなく、志願者の持つ才能や長所、人柄などを人事担当者に伝えられる余裕が出てくるでしょう。
500文字で書くときのコツ
結論から書き始め、それを裏付ける理由、志望する経緯がわかるエピソードを挿入し、最後は抱負を伝えます。
500文字はさまざまな情報を組み合わせて書くことになりますが、全体のバランスをとることが大切です。
エピソードに力を入れすぎてしまうと、志望理由のアピールが弱まることになりますので注意が必要です。
文章が長くなると、話の一貫性が崩れやすくなります。
その信用金庫に志望する動機と、裏付ける情報が合致しているかどうか、確かめながら書き進めましょう。
文字数に満たない場合は、リサーチ不足が考えられます。
もう一度信用金庫やインターンシップを志望する信用金庫について調べ直すことをおすすめします。
例文
私は地域経済活性化に興味を持ち、そこに深く関わっている信用金庫の就職を希望しております。
地元の経済活動に積極的に取り組まれている、貴庫のインターンシップに参加を希望します。
高校生の頃から地域が抱えるさまざまな問題に興味を持ち始めました。
少子高齢化や財源確保など、問題を解決するためには地域経済活性化が有効で、地元企業の新事業支援や企業育成ファンドの融資を実施する、信用金庫の存在は不可欠です。
「地域を笑顔に」をモットーに、創業以来新しい融資制度を立ち上げ、エネルギー事業やPFI、海外子会社への出資など、地元経済の支援に積極的に取り組む貴庫の姿勢に感銘を受け、私も融資を通してお客さまを笑顔にしたいと強く思うようになりました。
高校・大学時代は地域活性化のボランティアに参加、微力ながら地域に貢献できることに喜びを感じ、人と協力して一つの目標に向かって努力することを学びました。
目標を達成することで得られる達成感が自信につながり、興味のあることに対し、積極的に取り組むようにもなりました。
地域経済活性化に長年取り組み続ける貴庫のインターンシップに参加することで、長年抱いていた、信用金庫での実務を体験し、地域社会に貢献する所存です。
まとめ
信用金庫のインターンシップを応募する際、提出する志望動機の書き方には、いくつかポイントがあります。
事前調査を徹底することと、人事目線になることは、志望動機を書くベースになる部分です。
志望動機には、基本的な構成がありますが、文字制限がある場合は、柔軟に対応しましょう。
文字数が少ない志望動機は、伝えるべき情報だけを簡潔に説明し、ある程度ボリュームのあるものに対しては、構成を組み立て、そこから外れないように書き進めることがポイントです。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート