【現状】公務員と民間就活、27卒は「専願」か「併願」どっちがいい?
「公務員試験の勉強だけで手一杯なのに、民間企業も受けるなんて無理かもしれない」と不安に思う学生は非常に多いものです。
特に27卒の皆さんが直面している就活市場は、民間企業の選考がかつてないほど早期化しており、周囲の友人が早々に内定を獲得し始めると、どうしても焦りが生じてしまうでしょう。
このまま公務員一本に絞ってリスクを取るべきか、それとも保険として民間も受けておくべきか。
この選択に正解はありませんが、市場の環境を正しく理解し、自分のキャパシティと相談しながら戦略を決めることが、納得のいく進路への第一歩となります。
【27卒のトレンド】公務員就活の変化と「SPI方式」の拡大
近年の公務員試験における大きな変化として見逃せないのが、「教養試験の廃止」や「SPI方式の導入」を行う自治体が急増しているというトレンドです。
従来の公務員試験といえば、独自の科目を広範囲にわたって勉強する必要がありましたが、最近では民間企業の就活対策で使われるSPIスコアを利用できる試験が増えています。
これはつまり、民間企業向けの対策がそのまま公務員試験にも活かせるチャンスが広がっていることを意味します。
この変化をうまく利用すれば、学習コストを抑えながら併願を成功させることも十分に可能です。
民間企業の就活は「超早期化」が進行中
民間企業の採用活動は年々早まっており、大学3年の夏からインターンシップに参加し、その流れで冬には早期選考を受けて内定が出るというケースが主流になりつつあります。
この「超早期化」は、公務員試験の本番である大学4年の春から夏という時期とは大きくズレています。
このタイムラグは一見するとスケジュールの管理が難しい要因に見えますが、捉え方によっては大きなメリットにもなり得ます。
なぜなら、公務員試験の勉強が本格化する前の大学3年のうちに民間の内定を一つでも確保できれば、精神的な余裕を持って本命の試験に臨めるからです。
ただし、早期選考の波に乗り遅れてしまうと、公務員試験の直前期に対策が重なり負担が増すため、早めの情報収集が欠かせません。
公務員と民間就活のスケジュール比較!両立可能なスケジュールとは
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公務員試験と民間企業の就活を併願する際、多くの学生が直面する最大の壁、それが「選考スケジュールのズレ」です。
一般的に民間は大学3年の冬から春にかけてピークを迎えますが、公務員試験は大学4年の春から初夏が本番となります。
この時期の違いを正確に把握しておかないと、どちらも中途半端になりかねません。
無理なく両立させ、納得のいく結果をつかみ取るためには、まずは両者の動きを時系列で比較し、全体像をクリアにすることから始めましょう。
大学3年(夏)〜(秋)の動き方
この時期は、公務員・民間ともに基礎を固めるための助走期間と位置づけましょう。
民間就活では、サマーインターンシップに積極的に参加し、自分が興味のある業界や職種の目星をつけておくことが大切です。
現場の空気を肌で感じることで、志望動機もより具体的になります。
一方、公務員試験対策としては、主要科目の勉強を少しずつスタートさせましょう。
特に数的処理や憲法など、習得に時間がかかる科目から手を付けるのが鉄則です。
夏から秋にかけて学習習慣を確立し、インターンでの気づきを自己分析に反映させることで、両立に向けた土台が強固なものになります。
大学3年(冬)の動き方
大学3年の冬は、民間の早期選考と公務員試験の直前対策が重なる、まさに「魔の期間」と言えます。
精神的にも体力的にも負担が増す時期ですが、ここで戦略的に動けるかが勝負の分かれ目です。
おすすめの戦法は、この時期に民間企業への比重を一時的に高め、早期内定を一つでも確保しておくことです。
滑り止めとなる企業からの内定を持っているという事実は、本命の公務員試験に挑む際の強烈な安心材料になります。
もちろん勉強を完全にストップするのは危険ですが、面接対策などの実践経験を積むチャンスと捉え、まずは民間の選考を突破することに全力を注いでみてください。
大学4年(春)以降の動き方
いよいよ大学4年の春を迎えたら、気持ちを公務員試験モードへ完全に切り替えましょう。
ここからは、筆記試験の過去問演習と面接対策に圧倒的な時間を割く必要があります。
冬の間に民間企業から内定を得ていれば、焦りを感じることなく、落ち着いて目の前の課題に集中できるはずです。
特に近年は公務員試験でも人物重視の傾向が強まっているため、筆記対策と並行して模擬面接を繰り返すことが重要です。
民間就活で培った面接スキルを応用しつつ、公務員として求められる適性をアピールできるよう準備を整えましょう。
最後の追い込みが、合格への道を切り拓きます。
公務員と民間の就活両立は可能!「どっちつかず」を防ぐ3つの戦略
- 戦略1:公務員試験の「志望順位」と「試験形式」を整理する
- 戦略2:民間企業は「逆求人サイト」で効率的に持ち駒を作る
- 戦略3:ES・面接対策は「共通項」を見つけて使い回す
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざがありますが、戦略さえ間違えなければ、公務員と民間の両立は決して不可能なことではありません。
むしろ、両方を見ることで視野が広がり、より自分に合ったキャリアを選べる可能性も高まります。
しかし、無計画に進めると中途半端な結果に終わってしまうのも事実です。
ここでは、限られた時間と労力を最大限に活用し、「どっちつかず」の状態を防ぎながら効率的に内定獲得を目指すための、具体的かつ実践的な3つの戦術をご紹介します。
戦略1:公務員試験の「志望順位」と「試験形式」を整理する
まずは自分が受ける公務員試験の種類を整理し、対策にかかる時間を正確に見積もることが先決です。
例えば、国家公務員や地方上級のように専門試験が課される試験種を第一志望とする場合は、相応の学習時間が必要になるため、民間就活の比重は下げざるを得ません。
一方で、市役所などで増えているSPIや教養試験のみで受験可能な自治体をメインにするのであれば、民間対策との親和性が高く、両立のハードルはぐっと下がります。
このように、志望先の試験形式によって必要な勉強量は大きく異なるため、自分の持ち時間と相談しながら、無理のない範囲で併願スケジュールを組むことが成功の鍵となります。
戦略2:民間企業は「逆求人サイト」で効率的に持ち駒を作る
公務員試験の勉強時間を確保したい併願生にとって、自分から企業を探してエントリーする従来の就活スタイルは時間がかかりすぎるのが難点です。
そこでおすすめしたいのが、OfferBoxやキミスカといった「逆求人型サイト(スカウトサイト)」の活用です。
プロフィールを登録しておくだけで、あなたの経歴や自己PRに興味を持った企業からオファーが届くため、企業探しの時間を大幅に短縮できます。
公務員試験の勉強をしている間も、スカウトサイトが代わりに就活を進めてくれているような状態を作れるため、効率的に持ち駒を増やすことが可能です。
届いたオファーの中から、興味のある企業だけを選んで選考に進めば良いため、無駄な動きを省くことができます。
戦略3:ES・面接対策は「共通項」を見つけて使い回す
エントリーシートや面接で話す内容は、公務員と民間ですべてを変える必要はありません。
むしろ、「地域社会への貢献」や「課題解決能力」、「粘り強さ」といったエピソードは、どちらの選考でも高く評価される共通の要素です。
例えば、学生時代のボランティア活動やアルバイトでの経験を整理し、その中で培った強みを一つの「コア・エピソード」として磨き上げておけば、志望動機の細部を調整するだけで両方に使い回すことができます。
毎回ゼロから文章を考えるのではなく、汎用性の高い素材を用意しておくことで、ES作成や面接対策にかかる工数を劇的に削減し、その分の時間を筆記試験の勉強に充てることができるようになります。
27卒が今やるべき公務員試験対策|就活を有利に進める優先順位
公務員試験の範囲は膨大ですが、すべての科目を完璧にする必要はありません。
特に民間との併願を考えている場合、時間はさらに限られますので、得点効率の高い分野に絞って対策を進めることが合格への近道です。
闇雲に手を広げるのではなく、「どこで点を稼ぐか」という戦略を持つことが重要です。
ここでは、数ある対策の中でも特に優先度が高く、かつ民間就活やその後のキャリアにもプラスの影響を与えることができるアクションプランを具体的に解説します。
筆記試験対策は「数的処理」と「文章理解」から
公務員試験の教養科目において、最も配点が高く、かつ対策に時間がかかるのが「数的処理」と「文章理解」です。
この2科目は暗記科目とは異なり、一朝一夕で身につくものではないため、早い段階から毎日少しずつでも触れておく必要があります。
これらは民間企業のSPI試験とも内容が重複している部分が多いため、ここを重点的に対策することは、結果的に民間の筆記試験対策を兼ねることにもなり一石二鳥です。
まずは過去問を解いて自分のレベルを把握し、毎日1問でも解く習慣をつけることから始めましょう。
知識系の科目は直前期の詰め込みでも対応可能ですが、知能系の科目は早期からの積み重ねが合否を分けます。
面接対策は民間就活の「実戦経験」が最強の練習になる
公務員試験の二次試験以降で行われる面接は、最終的な合否を決める極めて重要なプロセスですが、独学での対策が難しい分野でもあります。
そこで有効なのが、民間企業の選考を「面接の実戦練習の場」として活用することです。
民間の選考で実際に面接官と対話し、予想外の質問に答えたり、自分の考えを分かりやすく伝えたりする経験を積むことは、模擬面接を何回繰り返すよりも遥かに高い学習効果があります。
本番特有の緊張感に慣れ、面接後のフィードバックや反省を次に活かすサイクルを回すことで、公務員試験の面接本番を迎える頃には、自信を持って堂々と話せるだけの対話力が身についているはずです。
就活で公務員と民間を併願するメリット・デメリット
ここまでは併願の進め方をお伝えしてきましたが、当然ながら良い面ばかりではありません。
自分の性格やキャパシティによっては、専願の方が向いている場合もあります。
重要なのは、メリットとデメリットの両方をフラットな視点で理解し、自分にとって納得感のある選択をすることです。
「みんなが併願しているから」と流されるのではなく、自分自身の心身の健康やキャリア観と照らし合わせながら判断してください。
ここでは、併願を選択する際に考慮すべきプラス面とマイナス面を整理して提示します。
メリット:精神的安定と視野の拡大
併願の最大のメリットは、やはり「全落ち」のリスクを回避できるという精神的な安定感にあります。
公務員試験は倍率が高く、どれだけ努力しても不合格になる可能性があるため、民間という別の選択肢を持っておくことは心の保険となります。
また、民間企業の選考を通じて様々な業界や職種に触れることで、改めて「なぜ自分は公務員になりたいのか」を客観的に見つめ直すきっかけにもなります。
広い視野を持って比較検討した上で選んだ道であれば、入庁後のミスマッチも防げるでしょうし、仮に民間企業に進むことになったとしても、納得してキャリアをスタートできるはずです。
デメリット:時間の分散と疲労
一方で、併願の最大のデメリットは、時間と体力の分散です。
筆記試験の勉強とエントリーシートの作成、面接対策を並行して行うには、高度なスケジュール管理能力とタフな精神力が求められます。
どちらも中途半端になってしまい、結果的にどちらからも内定が得られないという「二兎を追う者は一兎をも得ず」の状態に陥るリスクもゼロではありません。
また、休む間もなく動き続けることで疲労が蓄積し、体調を崩してしまっては本末転倒です。
併願を選ぶのであれば、あらかじめ「日曜日の午後は完全にオフにする」といった休息のルールを決め、オーバーワークにならないよう自己管理を徹底する覚悟が必要です。
【マインドセット】公務員=安定?就活軸で見直す「将来のキャリア」
最後に、皆さんに改めて考えてほしいことがあります。
それは、「なぜ公務員を目指すのか」という根本的な動機です。
もしその理由が「公務員=安定しているから」という一点だけならば、少し立ち止まって考えてみてください。
変化の激しい現代において、組織に所属していることだけが本当の安定とは限りません。
27卒の皆さんにとっての真の安定とは、どの組織に行っても通用する「個人のスキル」や「市場価値」を身につけることではないでしょうか。
民間企業でビジネスの最前線を経験し、スキルを磨くこともまた、将来の安定につながる一つの立派なキャリアです。
公務員という肩書きだけでなく、自分がどのような働き方をし、どんなスキルを身につけたいのかという視点で、就活軸を見直してみるのも良いでしょう。
まとめ:27卒の公務員就活は「柔軟性」が鍵!納得のいく進路を選ぼう
公務員と民間の併願は確かにハードですが、決して不可能な道ではありません。
大切なのは、自分のキャパシティを見極め、優先順位をつけて柔軟に動くことです。
まずは今日、自分が受けたい公務員試験の形式を確認し、並行してスカウト型の求人サイトに登録することから始めてみませんか?小さな一歩を踏み出すことで、漠然とした不安は具体的な行動計画へと変わります。
あなたの就職活動が、納得のいく未来につながることを心から応援しています。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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