【例文あり】審査担当の志望動機の書き方とは?書く際のポイントや求められる人物像も解説

【例文あり】審査担当の志望動機の書き方とは?書く際のポイントや求められる人物像も解説

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【審査担当の志望動機】審査担当とは

金融業界やクレジットカード会社、リース会社などにおいて、顧客や取引先にお金を貸したり、サービスを提供したりしても問題ないかを判断する重要なポジションが「審査担当」です。

一見すると事務職のように思われがちですが、その役割は企業の心臓部とも言える「信用(クレジット)」を管理することにあります。

もし審査が甘ければ、貸したお金が返ってこない「貸し倒れ」が発生し、企業の経営は一瞬にして悪化してしまいます。

逆に厳しすぎれば、本来得られたはずの利益を逃すことになります。

この「リスク」と「利益」のバランスを見極め、企業の健全な成長を守る防波堤としての役割を担うのが審査担当です。

責任は重大ですが、経済活動の根幹である信用の供与(与信)を通じて、社会にお金が回る仕組みを支えるやりがいのある仕事です。

ここでは、審査担当の具体的な業務内容や、仕事の特徴について詳しく解説していきます。

冷静な判断力が求められる専門職としての側面を理解していきましょう。

審査担当の業務内容

審査担当の主な業務は、個人や企業からの申し込み内容に基づき、信用力を調査・分析し、契約の可否や利用限度額を決定することです。

個人の場合(BtoC)は、クレジットカードやローンの申し込みに対し、年収、勤務先、過去の借入状況(信用情報機関のデータ)などをチェックします。

これを「初期審査」と呼びます。

また、カード発行後も支払いが遅れていないかなどを定期的にチェックする「途上与信」も重要な業務です。

これらはシステムで自動化されている部分もありますが、微妙なラインの判断は人の目による精査が必要です。

一方、企業の場合(BtoB)は、取引先の財務諸表(決算書)を読み解き、経営状態や将来性を分析します。

「この会社は黒字だが現金が少ない」「業界全体の先行きが怪しい」といった情報を総合し、いくらまでならツケ払いを許可するか(与信枠の設定)を判断します。

時には営業担当者に追加情報のヒアリングを依頼したり、直接現地調査を行ったりすることもあります。

膨大なデータと規定を照らし合わせ、論理的かつ迅速に決裁を下すことが求められる、非常に知的で専門的な業務です。

審査担当の特徴

審査担当という仕事の最大の特徴は、営業部門との「健全な対立関係」にあります。

売上目標を達成したい営業担当者は「一人でも多くの顧客と契約したい」と考えますが、審査担当者は「危ない顧客とは契約できない」とブレーキをかける役割です。

そのため、社内であっても安易に迎合せず、客観的な事実に基づいて「No」と言える精神的な強さと中立性が求められます。

しかし、単に断るだけでなく、「この条件なら契約可能」といった代替案を提示し、営業と協力して成約を目指す姿勢も重要です。

また、法律や規制(割賦販売法、貸金業法など)を遵守する「コンプライアンスの守り手」としての側面も強いです。

個人情報の取り扱いに厳しいのはもちろん、反社会的勢力との取引排除など、社会的な責任を全うするためのゲートキーパーとしての役割も担います。

扱う案件は日々異なりますが、一つひとつの判断が会社の財務状況に直結するため、常に緊張感を持って仕事に取り組む必要があります。

デスクワークが中心ですが、社会情勢や経済ニュースに敏感でなければ務まらない、情報感度の高い仕事でもあります。

【審査担当の志望動機】審査担当の魅力

審査担当の仕事は、決して派手なスポットライトを浴びる仕事ではありませんが、金融やビジネスの仕組みを深く理解できる「玄人好み」の魅力があります。

企業の経営資源である「ヒト・モノ・カネ」のうち、「カネ」と「信用」に直接関わるため、ビジネスパーソンとしての市場価値を高めるための強固な基盤を築くことができます。

特に、財務諸表を読み解く力や、リスクを定量的に評価するスキルは、将来どのようなキャリアに進むにしても強力な武器となります。

また、自分の判断が会社の損失を防いだり、逆に将来性のある企業や個人の支援につながったりした時には、静かですが確かな達成感を感じることができます。

感情ではなく論理で仕事を進めたい人や、専門性を磨いて長く働きたい人にとっては、非常に働きやすい環境と言えるでしょう。

ここでは、就活生の皆さんが志望動機を考える際に核となる、審査担当ならではの魅力を3つの観点から深掘りします。

専門性と貢献性の両面から、その面白さを感じ取ってください。

財務や法律の専門知識が身につき市場価値が高まる

審査業務を通じて得られる最大の財産は、高度な金融リテラシーです。

特に法人審査を担当する場合、決算書の貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)を読み解き、企業の支払い能力を見極める財務分析スキルが必須となります。

これらの知識は一朝一夕で身につくものではありませんが、実務を通じて数多くの事例に触れることで、企業の状態を瞬時に把握するプロフェッショナルな眼が養われます。

これは、経理職や経営コンサルタントなどにも通じる汎用性の高いスキルです。

また、民法や倒産法、個人情報保護法といった関連法規の知識も自然と身につきます。

金融業界は規制産業であるため、法律に基づいた適正な業務遂行能力は非常に高く評価されます。

AIによる自動審査が進む中でも、複雑な案件や例外的な判断が必要な場面では、人間の専門知識が不可欠です。

審査のスペシャリストとしてキャリアを極める道はもちろん、その知識を活かして融資営業や経営企画へステップアップするなど、キャリアの選択肢が広がる点も大きな魅力です。

会社の利益と資産を守る「最後の砦」になれる

営業担当者がどんなに多くの契約を取ってきても、その顧客が代金を支払わなければ、会社にとっては売上どころか損失になってしまいます。

審査担当は、そのようなリスクを未然に防ぎ、会社の大切な資産を守る「最後の砦(ゲートキーパー)」です。

自分の冷静な判断一つで、数百万、数億円という損失を回避できた時の手応えは、審査担当ならではのものです。

守りの要として会社に貢献しているという自負を持って働くことができます。

また、単に守るだけでなく、攻めの側面もあります。

「この人は過去に延滞があるが、現在は安定した収入があり、完済の意志も固い」といった事情を汲み取り、適切な条件付きで審査を通すことで、顧客の生活を支え、会社の利益にも貢献できるケースがあります。

リスクをコントロールしながら利益最大化を目指すプロセスは、経営そのものに通じる視点が必要です。

会社の安定性を支えているという強い責任感とやりがいは、日々の業務のモチベーションになります。

客観的なデータに基づいた論理的な判断ができる

仕事において「感情」や「人間関係」に振り回されることなく、事実に基づいて判断を下せる点は、論理的な思考を好む人にとって非常に快適な環境です。

審査は「なんとなく良さそうだから」という曖昧な理由で行うことは許されません。

収入証明書、決算データ、信用情報機関の履歴といった客観的なエビデンスを積み上げ、誰が見ても納得できるロジックで結論を導き出す必要があります。

パズルを解くような知的面白さがある仕事です。

もちろん、グレーゾーンの判断に迷うこともありますが、その際も過去のデータや社内規定という「拠り所」があります。

情に流されず、事実を淡々と分析し、正解を導き出していくプロセスは、理性的で公平な性格の人に適しています。

自分の判断の根拠が明確であるため、結果に対して納得感を持って仕事ができるのも魅力です。

データ分析や数字の裏側にあるストーリーを読み解くことが好きな人には、知的好奇心を満たせる職場となるでしょう。

【審査担当の志望動機】審査担当に向いている人

審査担当は、適性や性格が業務のパフォーマンスに大きく影響する職種です。

いくら金融知識があっても、大雑把な性格の人や、情に流されやすい人には務まりません。

逆に、一見地味に見える作業の中に面白さを見出せる人や、ルールを遵守することに誇りを持てる人にとっては、天職となり得ます。

企業はお金を扱うプロフェッショナルとして、信頼できる人物を求めています。

したがって、面接やエントリーシートでは、単なる能力のアピールだけでなく、審査担当としての資質(性格的な向き不向き)を持っていることを示す必要があります。

ここでは、審査担当として活躍している人に共通する特徴を3つ紹介します。

自分がこれらの特徴に当てはまるかどうかを自己分析し、過去のエピソードと結びつけて説得力のある志望動機を作成してください。

細かい数字や情報の不整合に気づける几帳面な人

審査の現場では、提出された書類の数字や情報に誤りがないか、不正がないかを徹底的にチェックします。

「住所が本人確認書類と微妙に違う」「年収に対して借入額が不自然に多い」といった些細な違和感を見逃さないことが、リスク回避の第一歩です。

そのため、1円単位の数字のズレや、書類の不備などが気になって仕方がないような几帳面さと正確性を持つ人は、審査担当としての高い適性を持っています。

「神は細部に宿る」という言葉通り、審査における真実は細かなデータの中に隠されています。

大量の書類やデータを前にしても集中力を切らさず、コツコツと確認作業を続けられる持続力も必要です。

学生時代に会計係や事務作業のアルバイトなどで、ミスなく業務を遂行し周囲から信頼された経験がある人は、その緻密な実務能力を強くアピールすると良いでしょう。

感情に流されず冷静かつ公平な判断ができる人

審査の仕事では、情に訴えかけられる場面が少なからずあります。

「どうしてもお金が必要なんです」「この契約が取れないとノルマが達成できないんです」といった顧客や営業担当者の感情的な言葉に対し、同情してしまうと正しい審査ができません。

どんな状況であっても、ルールとデータに基づいて、ダメなものはダメと判断できる冷静さと公平性が求められます。

ドライに見えるかもしれませんが、それが結果的に会社と顧客を守ることにつながります。

これは冷徹であることとは違います。

相手の事情を理解した上で、それでもプロとして線を引くことができる強さのことです。

物事を客観的に捉えるのが得意な人や、周囲の意見に流されずに自分の考えを持てる人は向いています。

サークルやゼミでの話し合いにおいて、感情論ではなく事実に基づいて議論を整理し、解決に導いた経験などは、審査担当としての資質を示す良い材料になります。

正義感が強くルールや規律を遵守できる人

審査担当は、信用という形のない価値を扱うため、高い倫理観が求められます。

もし審査担当者が不正に加担したり、ルールを曲げたりすれば、会社の信用は地に落ちてしまいます。

そのため、「決められたことは守る」「不正は許さない」という強い正義感とコンプライアンス意識を持っていることが大前提となります。

真面目で誠実な人柄が、最も評価される職種の一つと言えるでしょう。

時には、売上を優先したい勢力からのプレッシャーを受けることもあります。

そんな時でも、「会社を守るためのルール」を盾にして、毅然とした態度を貫ける芯の強さが必要です。

楽な方に流されず、正しいことを正しいと言える誠実さは、金融機関で働く上で不可欠な要素です。

嘘をつかない、約束を守るといった当たり前のことを徹底できる信頼性の高い人物こそが、審査のプロフェッショナルとして成長していけます。

【審査担当の志望動機】審査担当に向いていない人

どのような職種にも向き不向きがありますが、審査担当の場合は特に「性格的な相性」が重要です。

ミスマッチを防ぐためには、業務のシビアな側面や、求められるスタンスを事前に理解しておく必要があります。

「金融=かっこいい」というイメージだけで志望すると、日々の地道な確認作業や、人に「No」を突きつけるストレスに耐えられなくなるかもしれません。

ここでは、一般的に審査担当には不向きとされる特徴を3つ挙げます。

これらに該当するからといって諦める必要はありませんが、自分の性格を客観的に見つめ直し、弱点をどう克服するか、あるいは自分の強みが活きる他の職種(例えば営業職など)がないかを検討する材料にしてください。

自分自身の幸福なキャリアのためにも、適性を冷静に判断しましょう。

直感や「なんとなく」で物事を決めてしまう人

審査は「根拠」がすべてです。

「この人はいい人そうだから返してくれるだろう」という直感や、「なんとなく大丈夫そう」という曖昧な感覚で審査を通すことは絶対に許されません。

もしそれで貸し倒れが起きた場合、なぜ審査を通したのかを論理的に説明できなければ責任を問われます。

そのため、論理的な思考が苦手な人や、感覚派で直感を重視するタイプの人には、審査の業務プロセスは窮屈で苦痛に感じられるでしょう。

すべての判断に対して「なぜ?」と問われた時に、客観的なデータで答えられる準備が必要です。

事実確認よりもスピードやノリを重視したい人、細かい裏付けを取る作業を「面倒くさい」と感じてしまう人は、重大なミスを引き起こすリスクが高いため、審査担当には不向きです。

エビデンスベースで動くことが求められる世界であることを理解しておく必要があります。

デスクワークやルーチンワークが苦痛な人

審査担当の仕事は、基本的にオフィス内でのデスクワークです。

一日中パソコンに向かい、書類やデータをチェックし、システムに入力するという作業が業務の大半を占めます。

外出して多くの人と会ったり、体を動かしたりすることが好きな人にとっては、変化が少なく閉塞感を感じる環境かもしれません。

静的な環境での作業が苦手な人には、ストレスが溜まりやすい職種です。

もちろん、社内での打ち合わせなどはありますが、基本的にはコツコツとした事務作業の積み重ねです。

同じような案件を淡々と処理し続ける持続力も必要です。

「毎日違う刺激が欲しい」「外に出てアクティブに働きたい」という欲求が強い人は、審査担当よりも営業職や企画職の方が適性を発揮できる可能性が高いでしょう。

地味な作業への耐性がないと、長く続けることは難しい仕事です。

相手に断ることや厳しい判断をすることに恐怖を感じる人

審査担当の宿命として、申し込みを「断る(否決する)」という業務からは逃れられません。

顧客の希望を叶えられないことを伝えたり、営業担当者が苦労して取ってきた案件を突き返したりすることは、精神的な負担を伴います。

「相手に悪い」「嫌われたくない」という気持ちが強すぎて、対立を極端に恐れる人は、この仕事に向いていません。

自分の判断が相手をがっかりさせることを受け入れ、それでも業務として割り切る強さが必要です。

八方美人で誰にでも良い顔をしたい人や、他人の感情に過度に共感して引きずってしまう人は、判断が鈍ったり、精神的に疲弊してしまったりするでしょう。

「嫌われる勇気」とまでは言いませんが、プロとして線引きをする強さが求められます。

【審査担当の志望動機】志望動機を作成する際のポイント

審査担当の志望動機を作成する際には、単に「金融に興味がある」「事務処理が得意」というだけでは不十分です。

採用担当者は「なぜ営業ではなく審査なのか」「リスク管理という責任の重い仕事を任せられる人物か」を厳しくチェックしています。

説得力のある志望動機にするためには、審査担当という仕事の特殊性を理解し、自分の性格や能力がいかにその役割に適しているかを論理的に説明する必要があります。

ここでは、他の候補者と差別化し、採用担当者に「この学生なら安心して任せられる」と思わせる志望動機を構成するための重要ポイントを解説します。

華やかなアピールよりも、実直さと信頼感を伝えることが鍵となります。

なぜ「審査担当」かを明確にする

まず最も重要なのは、数ある職種の中でなぜ「審査担当」を選んだのかという理由を明確にすることです。

「金融業界=営業」というイメージが強い中で、あえてバックオフィスである審査を選ぶからには、それ相応の理由が必要です。

「企業の成長を陰から支える守りの役割に魅力を感じた」「専門的な分析スキルを身につけて、論理的な判断で貢献したい」といった、審査独自の機能に焦点を当ててください。

また、「性格的に、最前線で売り込むよりも、一歩引いて全体を見渡し、リスクを管理する方が向いている」といった自己分析に基づいた理由は説得力があります。

ただし、単に「営業が嫌だから」という消極的な理由にならないよう、「正確性が求められる業務でこそ自分の力が発揮できる」というポジティブな適性として伝える工夫が必要です。

自身の「誠実さ」や「正確性」を具体的な経験で示す

審査担当に求められる最大の資質は「信頼」です。

そのため、学生時代の経験を通じて、自分が誠実で正確な仕事ができる人間であることを証明する必要があります。

サークルの会計係として帳簿を1円のズレもなく管理した経験、アルバイトでマニュアルを遵守しミスゼロを継続した経験、ゼミでの研究で膨大なデータを粘り強く分析した経験などは、非常に効果的なアピール材料になります。

派手なリーダーシップ経験やコンテストの優勝経験である必要はありません。

むしろ、地味でも責任感を持って役割を全うした経験の方が、審査担当の志望動機としては好まれます。

「私は〇〇の経験から、細部まで注意を払い、ルールを守り抜くことの重要性を学びました」というように、実務適性の高さをエビデンス付きで語れるようにしましょう。

志望する企業の事業領域(扱う対象)に触れる

審査といっても、クレジットカード、住宅ローン、消費者金融、法人融資、リースなど、企業によって扱う対象や審査のポイントは異なります。

志望企業の事業領域をリサーチし、その分野における審査の重要性や面白さに触れることで、企業研究の深さをアピールできます。

例えば、法人向けサービスの会社であれば、「企業の成長性を分析し、取引を通じて黒子として産業を支えたい」と伝えるのが有効ですし、個人向けサービスの会社であれば、「お客様のライフプランに寄り添いながら、過剰債務を防ぐことで健全な生活を守りたい」といった視点が響きます。

「何を審査するのか」を意識して志望動機を組み立てることで、入社後の活躍イメージを採用担当者と共有することができます。

【審査担当の志望動機】志望動機を伝える際の注意点

誠実さをアピールしようとするあまり、表現が消極的になりすぎたり、誤解を招く内容になったりしないよう注意が必要です。

審査担当は事務職の一種ではありますが、単なる作業員ではありません。

自ら考え、判断し、会社を守るという能動的な姿勢が求められます。

ここでは、多くの就活生が陥りがちな3つの失敗パターンを解説します。

これらを避けることで、よりプロフェッショナルで、頼りがいのある印象を与える志望動機に仕上げることができます。

書いた内容を読み直し、これらの注意点に抵触していないか、客観的な視点でチェックしてみてください。

どの企業・組織でも通じる内容にしない

「人々の生活を豊かにしたい」「社会貢献がしたい」といった大きな言葉だけで志望動機を構成するのは避けましょう。

これはどの業界、どの職種でも言えることであり、「なぜうちの会社の審査なのか」という問いへの答えになっていません。

必ず、その企業の具体的な事業内容や、独自の審査体制、企業理念などに触れ、「御社でなければならない理由」を盛り込んでください。

例えば、「御社はAI審査と人による審査を融合させており、効率性と柔軟性を両立している点に惹かれた」など、具体的な特徴を挙げることで、志望度の本気度が伝わります。

汎用的な定型文は、熱意がないと判断される原因となります。

コミュニケーションを避けたいという動機に見せない

「人と話すのが苦手なので、デスクワークの審査を志望します」というニュアンスが出てしまうと、マイナス評価になります。

前述の通り、審査担当は営業部門との調整や、場合によっては顧客へのヒアリングなど、高いコミュニケーション能力が求められる仕事です。

「黙々と作業したい」という内向きな姿勢ではなく、「正確な事務処理能力を活かしつつ、営業担当と連携して最適な与信判断を行いたい」というチームワークを重視する姿勢を見せることが重要です。

「内勤=誰とも話さない」という誤った認識を持っていると思われないように注意しましょう。

「勉強させてほしい」という受け身の姿勢を見せない

専門的な知識が必要な職種ですが、「入社して金融知識を勉強したいです」という受け身の姿勢を強調しすぎるのは良くありません。

会社は学校ではなく、あなたの労働に対して対価を支払う場です。

学ぶ意欲は大切ですが、それはあくまで「会社に貢献するために学ぶ」のであって、教えてもらうことが目的ではありません。

「独自の研修制度で専門性を高め」と言う場合でも、「それによって早期に正確な判断ができるようになり、貴社のリスク管理に貢献したい」と、貢献(Give)の視点で締めくくるようにしましょう。

自律的に学び、成長しようとする意欲を示すことが、採用担当者の期待に応えるポイントです。

【審査担当の志望動機】審査担当の志望動機例文

最後に、これまでのポイントを踏まえた具体的な志望動機の例文を3つ紹介します。

それぞれ「正確性・リスク管理」「論理的思考・専門性」「企業支援・社会貢献」という異なる切り口で作成しています。

これらはあくまでサンプルのため、そのまま使うのではなく、自分の経験や言葉に合わせてカスタマイズしてください。

あなたの人柄と適性が伝わる志望動機を作り上げてください。

例文1:正確性と責任感のアピール(300字程度)

私は、企業の信頼と資産を守る「最後の砦」として貢献したいと考え、貴社の審査職を志望します。

大学の学園祭実行委員会で会計責任者を務めた際、数百万円規模の予算管理を行いました。

伝票の不備や使途不明金を徹底的に調査し、不正やミスを未然に防いだ経験から、数字を通じて組織の健全性を保つことに強いやりがいを感じました。

貴社は業界の中でも特に堅実な経営と厳格な審査体制を持たれており、その姿勢に深く共感しています。

私の強みである「微細な変化も見逃さない注意力」と「ルールを遵守する責任感」を活かし、迅速かつ正確な審査業務を通じて、貴社の安定的な成長を支えたいと考えています。

例文2:論理的思考とデータ分析(300字程度)

客観的なデータに基づき、論理的な判断でビジネスを支えたいと思い、志望いたしました。

ゼミでは計量経済学を専攻し、統計データを用いて社会現象を分析する研究を行いました。

この過程で、感情や憶測ではなく、事実と数字に基づいて結論を導き出す重要性を学びました。

貴社の法人向け融資事業において、企業の財務データを読み解き、将来性を見極める審査業務は、私の知的好奇心と分析スキルを最も活かせるフィールドだと確信しています。

入社後は財務知識の習得に励み、リスクを最小限に抑えつつ、成長企業の機会損失を防ぐような、精度の高い与信判断ができるプロフェッショナルを目指します。

例文3:BtoB取引における黒子としての支援(300字程度)

私は、審査という業務を通じて、日本の中小企業の挑戦を黒子として支えたいと考えています。

実家が自営業を営んでおり、資金繰りや信用の重要性を身近に感じて育ちました。

この経験から、適切な与信管理こそが企業の存続と発展の鍵であると痛感しています。

貴社は中小企業向けの決済サービスに強みを持ち、独自の与信モデルで多くの企業の取引を支えています。

従来の銀行審査では評価されにくい企業の可能性を、貴社のデータ活用力で見出す姿勢に魅力を感じました。

私の持つ「相手の背景を想像する力」を活かし、単に可否を決めるだけでなく、企業のビジネスを止めない審査を実現したいです。

まとめ

審査担当の志望動機を作成するためには、まずこの仕事が「地味な事務作業」ではなく、「会社の命運を握るリスク管理の専門職」であることを正しく理解することが出発点です。

その上で、自分の持つ「正確性」「誠実さ」「論理的思考力」といった強みが、いかに審査業務に適しているかを具体的なエピソードと共に伝える必要があります。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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