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【インサイドセールスの志望動機】インサイドセールスとは
近年、特にIT業界やSaaS(Software as a Service)企業を中心に、営業活動の効率化と分業化が進んでいます。
その中で急速に需要が高まっている職種が「インサイドセールス」です。
インサイドセールスとは、その名の通り「内勤営業」を指し、電話やメール、Web会議ツールなどを活用して、顧客と非対面でコミュニケーションを行う営業手法、またはその役割を担う職種のことです。
従来の外回り営業(フィールドセールス)が顧客先へ訪問して商談を行うのに対し、インサイドセールスは社内にいながら営業活動を行います。
学生の皆さんの中には、「テレアポ(テレフォンアポイントメント)と同じではないか」と考える人もいるかもしれません。
しかし、インサイドセールスの役割は単にアポイントを取ることだけではありません。
見込み顧客(リード)との関係を構築し、興味関心を高め、受注確度の高い状態でフィールドセールスに引き継ぐという、マーケティングと営業の橋渡し役として重要な機能を担っています。
ここでは、インサイドセールスの具体的な業務内容や、これからの時代に求められる理由とその特徴について詳しく解説します。
営業プロセスの全体像における戦略的な立ち位置を理解していきましょう。
インサイドセールスの業務内容
インサイドセールスの主な業務は、マーケティング部門が獲得した見込み顧客に対してアプローチを行い、ニーズや課題をヒアリングして、商談の機会を創出することです。
具体的には、展示会やWebサイトへの問い合わせで得た顧客リストに対して架電やメール送付を行います。
ここで重要なのは、顧客の状況に合わせて適切な情報提供を行い、購買意欲を醸成する「リードナーチャリング(見込み顧客の育成)」です。
すぐに契約につながらない顧客であっても、定期的にコンタクトを取り続け、タイミングを見計らって商談を打診します。
また、顧客の課題感や予算、導入時期などを詳細にヒアリングし、その情報(BANT条件など)をSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)に入力・管理することも重要な業務です。
この情報をもとに、フィールドセールスがスムーズに商談に入れるよう準備を整えます。
単に数を打つだけでなく、顧客一人ひとりの反応を分析し、アプローチの方法やタイミングを最適化していくことが求められます。
つまり、インサイドセールスは高度なコミュニケーション能力と情報管理能力を駆使して、営業成果を最大化するための司令塔のような役割を果たしているのです。
インサイドセールスの特徴
インサイドセールスの最大の特徴は、データドリブン(データ駆動型)な営業活動である点です。
従来のアポイント獲得は個人の感覚や根性に頼る部分が多くありましたが、インサイドセールスでは「どの顧客に」「いつ」「どのような内容で」アプローチすれば成果が出るかを、過去のデータに基づいて分析・実行します。
通話時間、架電数、アポイント獲得率、メール開封率などの数値を可視化し、PDCAサイクルを高速で回しながら改善を続けることが求められます。
この科学的な営業アプローチは、現代のビジネスにおいて非常に重視されるスキルです。
もう一つの特徴は、効率性の高さです。
移動時間が不要なため、1日に数十件から時には百件近い顧客と接触することが可能です。
これにより、少人数で広範囲の顧客をカバーできるため、企業にとってもコストパフォーマンスの高い営業手法として定着しつつあります。
また、オンラインでのコミュニケーションが中心となるため、画面越しに相手の感情を読み取ったり、声のトーンだけで信頼を獲得したりする非対面特有の対話スキルが磨かれます。
これは、リモートワークが普及した現代社会において、どのような職種でも役立つ汎用性の高い能力と言えるでしょう。
【インサイドセールスの志望動機】インサイドセールスの魅力
インサイドセールスを志望する学生が増えているのは、単に「外回りがなくて楽そう」といった理由からではありません。
むしろ、営業職としてのキャリアをスタートさせる上で、非常に効率よくスキルアップできる環境が整っている点が評価されています。
ビジネスの最前線で顧客の声に触れながら、同時にマーケティング的な視点も養えるこの職種は、将来的に営業のエキスパートを目指すだけでなく、マーケティング職やカスタマーサクセス、さらには事業企画などへキャリアを広げるための登竜門としても最適です。
また、分業体制が明確な組織では、個人の成果が数字としてクリアに評価されやすく、若手のうちから実績を積み上げやすいというメリットもあります。
自分の工夫がダイレクトに数字に反映される面白さは、ビジネスパーソンとしての自信につながります。
ここでは、就活生の皆さんが志望動機を構成する際にアピールすべき、インサイドセールスの具体的な魅力を3つの観点から深掘りしていきます。
市場価値の高い人材へと成長できるポテンシャルを感じ取ってください。
営業としての基礎力と市場価値が高まる
インサイドセールスは、営業活動の入り口を担うため、顧客との初期接点におけるコミュニケーション能力が徹底的に鍛えられます。
特に、顔が見えない相手に対して、短時間で信頼を得て、本音や課題を引き出すヒアリング能力は、あらゆるビジネスシーンで通用する強力な武器となります。
電話やオンライン会議では、ごまかしが効きません。
論理的な話し方、相手のニーズを汲み取る傾聴力、的確な質問力といった営業の基礎体力を、圧倒的な場数を通じて短期間で身につけることができます。
さらに、インサイドセールスの経験者は転職市場でも非常に需要が高まっています。
多くの企業がインサイドセールス部門の立ち上げや強化に力を入れているため、即戦力となる経験者は引く手あまたです。
また、この職種で培った「顧客の課題を言語化する力」や「効率的に成果を出すためのプロセス設計力」は、将来フィールドセールスに進む場合でも、あるいはマネジメント職に就く場合でも、大きなアドバンテージとなります。
ポータブルスキル(持ち運び可能な能力)を獲得し、自身のキャリアの選択肢を広げることができる点は、大きな魅力と言えるでしょう。
データに基づいた科学的なアプローチができる
従来の「足で稼ぐ営業」とは異なり、インサイドセールスはデータを武器に戦う知的な職種です。
SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)ツールなどの最新テクノロジーを駆使し、顧客の行動履歴や属性データを分析してアプローチを行います。
「なぜアポイントが取れたのか」「なぜ断られたのか」を感覚ではなくデータで振り返ることができるため、論理的思考力が自然と養われます。
この分析力と改善力は、これからのビジネスパーソンに必須の素養です。
また、マーケティング部門と連携して施策の効果検証を行うことも多く、営業という枠を超えてマーケティングの知見を得る機会も豊富にあります。
「どのようなコンテンツを発信すれば顧客の関心が高まるか」といった視点を持つことで、単なる売り込みではない、顧客にとって価値のある提案ができるようになります。
ビジネスを数字で捉え、戦略的に攻略していくゲームのような面白さを感じられるのも、インサイドセールスの醍醐味です。
データを活用して再現性のある成果を出せる人材になれることは、あなたのキャリアにとって大きな財産となるはずです。
多くの顧客と接点を持ち効率的に成長できる
移動時間がないインサイドセールスは、フィールドセールスに比べて圧倒的に多くの顧客と接触することができます。
1日に何十人もの経営者や担当者と会話をする機会があり、その分だけ多様な業界知識やビジネストレンドに触れることができます。
この圧倒的な行動量は、成長のスピードに直結します。
成功体験も失敗体験も短期間で数多く積み重ねることができるため、PDCAサイクルを回す回数が多くなり、成長曲線が急角度になるのです。
また、社内のフィールドセールスと連携することも多いため、先輩社員の商談スキルやクロージング技術を間近で学ぶ(あるいは録画データなどで確認する)機会も豊富です。
自分の獲得したアポイントがどのように受注につながったかを確認することで、商談全体の流れを理解することができます。
効率的に経験値を稼ぎ、密度の濃い時間を過ごすことができる環境は、成長意欲の高い学生にとって理想的なフィールドです。
短期間でプロフェッショナルとしての視座を獲得できる点は、インサイドセールスならではの魅力です。
【インサイドセールスの志望動機】インサイドセールスに向いている人
インサイドセールスは、ツールを活用した効率的な営業手法ですが、最終的に成果を左右するのは「人」の力です。
画面や受話器の向こうにいる相手の心情を想像し、適切なコミュニケーションを取れるかどうかが重要になります。
また、大量の行動量とデータの管理を両立させる必要があるため、性格的な向き不向きもはっきり出る職種です。
自分がこの仕事を楽しめるか、活躍できるかを判断するためには、求められる資質を正しく理解する必要があります。
一般的に、インサイドセールスには「聞く力」と「マメさ」、そして「切り替えの早さ」が求められます。
派手なプレゼンテーション能力よりも、相手の話に耳を傾け、信頼関係を築く力の方が重視される傾向にあります。
ここでは、インサイドセールスで活躍している人に共通する特徴を3つ紹介します。
これらの要素が自分の性格や強みと合致しているかを確認し、自己分析の結果と照らし合わせながら志望動機を練り上げていきましょう。
相手の状況を想像し傾聴できる人
非対面でのコミュニケーションでは、相手の表情や職場の雰囲気を視覚的に捉えることが難しいため、声のトーンや間(ま)、言葉の選び方から相手の状況を敏感に察知する能力が必要です。
「今、忙しそうだな」「この話題には興味がありそうだな」といった微細な変化を感じ取り、臨機応変に対応を変えられる人はインサイドセールスに向いています。
一方的に話し続けるのではなく、相手の話を引き出す高い傾聴力と想像力が成果の鍵を握ります。
顧客は必ずしも最初から自社の課題を認識しているわけではありません。
対話を通じて顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを掘り起こすことが、インサイドセールスの腕の見せ所です。
「それは具体的にどのようなことですか?」「その課題によってどのような影響が出ていますか?」と深掘りする質問を投げかけ、相手に寄り添いながら課題解決の糸口を一緒に探せる人こそが、真の信頼を勝ち取ることができます。
相手本位のコミュニケーションを自然と行える人は、高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
コツコツと継続し改善を繰り返せる人
インサイドセールスの業務は、地道な作業の連続でもあります。
毎日一定数の架電やメール送付を行い、その結果を正確にシステムに入力するというルーチンをこなさなければなりません。
華やかな商談の裏には、こうした地道な積み重ねがあることを理解し、コツコツと継続できる忍耐力と規律性を持つ人が向いています。
一発逆転を狙うようなギャンブラー気質よりも、日々の行動目標を着実に達成していく真面目さが評価される世界です。
しかし、単に同じ作業を繰り返すだけでは不十分です。
「昨日はこのトークスクリプトで反応が悪かったから、今日はここを変えてみよう」「この業界には午前中よりも夕方に電話した方がつながりやすい」といったように、日々の活動から学び、微修正を繰り返す探究心も必要です。
地道な作業の中に改善の種を見つけ、それを実行に移すことを楽しめる人、いわゆる「改善マニア」的な資質を持つ人は、インサイドセールスで飛躍的に成長することができます。
情報整理とデータ分析が得意な人
インサイドセールスは、顧客に関する膨大な情報を扱います。
ヒアリングした内容を整理し、フィールドセールスに分かりやすく伝えるためには、情報を構造化して記録する能力が欠かせません。
また、自分の活動データを客観的に分析し、次のアクションプランを立てる際にも、数字に対する強さが求められます。
感覚に頼るのではなく、事実やデータに基づいて論理的に判断できるロジカルな思考回路を持つ人は、この職種に非常に適しています。
例えば、顧客との会話の中で出てきたキーワードを拾い集め、「この顧客は今は検討段階だが、3ヶ月後には決裁権を持つ担当者が動く可能性が高い」といった仮説を立て、システムに記録しておく。
こうしたマメな情報管理ができるかどうかが、チーム全体の成果を左右します。
雑然とした情報を整理整頓し、誰が見ても分かる形に残すことができる几帳面さや、複数のタスクを並行して処理できるマルチタスク能力がある人は、現場で重宝される人材となるでしょう。
【インサイドセールスの志望動機】インサイドセールスに向いていない人
インサイドセールスは魅力的な職種ですが、すべての人に適しているわけではありません。
特に、従来型の営業スタイルや、特定の働き方に強いこだわりを持っている場合、ミスマッチが起こる可能性があります。
入社後に「思っていたのと違う」と後悔しないためにも、どのような性格や志向性の人がこの仕事に苦労する傾向があるのかを知っておくことは重要です。
マイナス面も理解した上で、それでも挑戦したいと思えるかどうかが、志望度の強さを測るバロメーターになります。
ここでは、一般的にインサイドセールスには不向きとされる特徴を3つ挙げます。
これらに当てはまるからといって絶対に活躍できないわけではありませんが、業務の中でストレスを感じる場面が多くなることは覚悟しなければなりません。
もしこれらの特徴に自分が当てはまると感じる場合は、克服するための対策を考えるか、あるいはフィールドセールスなど他の職種も視野に入れて検討することをおすすめします。
対面での深い関係構築にこだわりたい人
インサイドセールスは基本的に非対面でのコミュニケーションが中心となります。
そのため、「直接会って相手の目を見て話したい」「食事や接待なども含めて深く人間関係を構築したい」という強いこだわりがある人には、物足りなさを感じる環境かもしれません。
画面越しや電話越しでは伝えきれない熱意や、空気感を共有することで生まれる一体感を重視するタイプの人にとっては、インサイドセールスのドライにも見える効率的なプロセスがもどかしく感じられることがあります。
また、インサイドセールスは商談のアポイントを獲得し、フィールドセールスにつなぐところまでが主な役割となるケースが多いです(企業によってはクロージングまで行う場合もありますが)。
そのため、最終的な契約の瞬間に立ち会えないことや、顧客と長期にわたって伴走し続けることが難しいことに寂しさを感じる人もいます。
「最初から最後まで自分で担当したい」という完結型の仕事への欲求が強い人は、役割分担が明確なインサイドセールスではモチベーション維持が難しい場合があります。
断られることに過度なストレスを感じる人
営業職全般に言えることですが、特にインサイドセールスは「断られること」が日常茶飯事です。
1日に何十件も電話をかければ、その多くは不在であったり、ガチャ切りされたり、「結構です」と冷たく断られたりします。
こうした拒絶反応に対して、いちいち深く傷ついてしまったり、人格を否定されたように感じてしまったりする人は、精神的に消耗してしまいます。
気持ちの切り替えが苦手な人にとって、この仕事は非常にタフなものになるでしょう。
断られることは仕事の一部であり、自分への否定ではないと割り切る強さが必要です。
「次はどうすれば話を聞いてもらえるか」とポジティブに捉え直すことができれば成長につながりますが、失敗を引きずって次の電話をかけるのが怖くなってしまうようでは、業務が滞ってしまいます。
感情の起伏が激しく、ネガティブな感情を長く引きずる傾向がある人は、メンタルコントロールに相当な努力が必要になる職種であることを理解しておく必要があります。
変化のないルーチンワークだけを好む人
インサイドセールスにはコツコツとした継続力が必要だと述べましたが、それは「何も考えずに同じ作業を繰り返すこと」とは違います。
相手の反応に合わせてトークを変えたり、新しいツールを導入したり、アプローチの手法を常にアップデートしていく必要があります。
そのため、マニュアル通りの定型業務だけを淡々とこなしたい人や、変化や工夫を求められるのが苦手な人には不向きです。
顧客の状況や市場のトレンドは常に変化しており、昨日うまくいった方法が今日も通じるとは限りません。
常に「もっと良い方法はないか」と考え、試行錯誤を繰り返す主体性が求められます。
指示されたことだけをやる受け身の姿勢や、現状維持を好む安定志向が強すぎる人は、成果が出せずに苦しむことになります。
インサイドセールスは、ルーチンワークのように見えて、実はクリエイティブな工夫が絶えず求められる動的な仕事なのです。
【インサイドセールスの志望動機】志望動機を作成する際のポイント
インサイドセールスの志望動機を作成する際には、単なる憧れや興味だけでなく、この職種の本質を理解していることを示す必要があります。
採用担当者は「なぜこの学生はインサイドセールスを選んだのか」「なぜうちの会社なのか」「長く活躍してくれるか」という点を見ています。
特に、近年人気の職種であるため、表面的な理解で志望してくる学生も多く、ライバルと差別化するためには具体的かつ論理的な構成が不可欠です。
ここでは、説得力のある志望動機を作るための4つのステップを紹介します。
これらはエントリーシートだけでなく、面接で深掘りされた際にも役立つ思考のフレームワークとなります。
自分の経験や価値観と、企業の求める人物像をしっかりと結びつけ、「あなたを採用する理由」を明確に提示できるように準備しましょう。
なぜ「インサイドセールス」かを明確にする
まず、「なぜ営業職の中で、あえてインサイドセールスなのか」という問いに明確に答える必要があります。
フィールドセールスや一般的な事務職との違いを理解した上で、インサイドセールスならではの魅力(効率性、データ活用、顧客接点の多さなど)に惹かれた理由を語りましょう。
例えば、「アルバイト経験で、多くのお客様と接する中でニーズを引き出すことにやりがいを感じたため、圧倒的な顧客接点を持てるインサイドセールスを志望した」といったように、原体験と結びつけると説得力が増します。
また、「将来的にはマーケティングや事業開発にも携わりたいと考えており、そのために顧客の声を最も多く聞けるこのポジションで市場感覚を養いたい」というように、キャリア戦略の一環として選択していることを伝えるのも有効です。
単に「内勤が良いから」という消極的な理由ではなく、積極的な選択理由を提示してください。
その企業でなければならない理由を伝える
「インサイドセールスができるならどの会社でもいい」と思われないよう、その企業独自の強みや特徴に触れることが重要です。
企業によってインサイドセールスの役割(アポ獲得のみか、商談まで行うか、カスタマーサクセスに近いか)や、扱う商材(SaaS、人材、広告など)は異なります。
企業のWebサイトや採用ページを読み込み、「The Model」型の組織体制を導入しているか、どのようなツールを使っているかなどをリサーチしましょう。
例えば、「御社はインサイドセールスを単なるアポ獲得部隊ではなく、戦略的なマーケティング組織として位置づけており、そこに魅力を感じた」や、「御社の〇〇というプロダクトは顧客の課題解決に直結しており、その価値を一人でも多くの人に届けたい」といった具体的な志望理由を述べます。
企業理解の深さを示すことで、志望度の高さをアピールできます。
自身の強みがどう活かせるかを示す
インサイドセールスに求められる資質(傾聴力、継続力、分析力など)と、自分の強みがマッチしていることを証明します。
学生時代の経験から、具体的なエピソードを交えてアピールしましょう。
「塾講師のアルバイトで、生徒一人ひとりの学習状況を分析し、個別のカリキュラムを作成して成績を上げた経験(分析力・課題解決力)」や、「テニス部のマネージャーとして、部員のモチベーション管理や練習メニューの改善に粘り強く取り組んだ経験(継続力・サポート力)」などが考えられます。
重要なのは、「その強みがインサイドセールスの業務でどう再現されるか」を言語化することです。
「私の持つ〇〇という強みは、御社のインサイドセールスにおける××という業務で活かせると考えています」と接続することで、採用担当者はあなたが活躍する姿をイメージしやすくなります。
入社後のキャリアビジョンを描く
最後に、入社後の目標やキャリアビジョンを語ることで、長期的に貢献する意思があることを示します。
インサイドセールスはキャリアパスが多様な職種です。
「まずはインサイドセールスのプロとしてトップの成績を残したい」という短期的な目標に加え、「将来的にはインサイドセールス組織のマネジメントを担いたい」「現場の声を活かして商品企画に関わりたい」といった中長期的なビジョンも描いておきましょう。
ビジョンを語ることで、向上心や成長意欲があることをアピールできます。
ただし、あまりにも現実離れした目標や、すぐに部署異動したいといった内容は避けるべきです。
あくまで「インサイドセールスでの経験を土台として」成長していきたいという姿勢を見せることが、好印象につながります。
【インサイドセールスの志望動機】志望動機を伝える際の注意点
志望動機を伝える際には、内容だけでなく、その伝え方やニュアンスにも注意が必要です。
インサイドセールスに対する誤った認識や、ネガティブな動機が見え隠れすると、一気に評価を下げてしまう可能性があります。
特に、この職種は「きつい」「大変」という側面もあるため、そこに対する覚悟がないと判断されれば採用には至りません。
ここでは、多くの就活生が陥りがちな3つの失敗パターンを解説します。
これらを反面教師として、プロフェッショナルな視点を持った志望動機を作成しましょう。
自分の書いた文章や想定問答を振り返り、採用担当者の視点で厳しくチェックしてみてください。
どの企業・組織でも通じる内容にしない
「成長できる環境があるから」「研修制度が整っているから」といった理由は、どの企業でも言えることです。
また、「顧客の課題解決がしたい」というのも、すべての営業職に当てはまります。
このような汎用的な志望動機は、「うちじゃなくてもいいよね」と判断される典型例です。
必ず、その企業の固有名詞や独自のエピソードを盛り込んでください。
例えば、その企業が導入している特定のセールステック(営業ツール)への関心や、その企業がターゲットとしている市場(例:DX化が遅れている建設業界など)への課題意識など、具体的な要素を入れることで、あなただけのオリジナルな志望動機になります。
「なぜ御社なのか」という問いに対する答えが、志望動機の核となります。
単なる「テレアポ」と混同しない
インサイドセールスとテレアポは似て非なるものです。
テレアポが「数打ちゃ当たる」戦法でアポイントの量だけを追うのに対し、インサイドセールスは「見込み顧客の育成」や「商談の質」を重視します。
志望動機の中で「とにかく電話をかけまくってアポイントを取ります!」「ガッツには自信があります!」といった精神論ばかりを強調すると、「インサイドセールスの戦略的な側面を理解していない」と思われてしまうかもしれません。
もちろん行動量は重要ですが、それ以上に「質」や「戦略」への意識を示すことが大切です。
「顧客の温度感に合わせて適切な情報提供を行い、確度の高い商談を創出したい」といった表現を用いることで、インサイドセールスの本質を理解していることをアピールしましょう。
受動的な姿勢や楽さを求めていると思わせない
「外回りがなくて楽そうだから」「体力に自信がないから内勤がいい」といった理由は、絶対に口にしてはいけません。
インサイドセールスは精神的にもタフさが求められる仕事であり、決して楽な仕事ではありません。
消極的な理由で選んでいることが伝わると、採用担当者は「すぐに辞めてしまうのではないか」と懸念します。
また、「教えてもらえる」「成長させてもらえる」といった受動的な姿勢(「~してもらう」マインド)もマイナスです。
企業は学校ではありません。
自ら学び、自ら成果を出す意思を示しましょう。
「効率的な環境で、自らPDCAを回して最速で成長したい」というように、主体的でポジティブな言葉に変換して伝えることが重要です。
【インサイドセールスの志望動機】インサイドセールスの志望動機例文
最後に、これまでの解説を踏まえた志望動機の例文を3つ紹介します。
これらはあくまで参考例ですので、自分の言葉や経験に合わせてアレンジしてください。
それぞれ異なるアピールポイント(課題解決、目標達成、効率化)を軸に作成していますので、自分の強みに最も近いものを選んで参考にしてください。
例文1:課題解決・ヒアリング力アピール(300字程度)
貴社の「顧客の成功を第一に考える」という営業方針に共感し、インサイドセールス職を志望します。
私は塾講師のアルバイトで、生徒や保護者との対話を通じて潜在的な悩みを聞き出し、個別の学習プランを提案することで退会率を半減させた経験があります。
この経験から、表面的なニーズだけでなく、対話の中から真の課題を見つけ出すことの重要性を学びました。
貴社のインサイドセールスは、単なるアポ獲得ではなく、顧客への深いヒアリングを重視していると伺いました。
私の強みである「傾聴力」と「課題発見力」を活かし、顧客にとって価値ある商談機会を創出することで、貴社の事業成長に貢献したいと考えています。
例文2:目標達成意欲・継続力アピール(300字程度)
私は、目標に向かって粘り強く努力し、確実に成果を出すことができる点に強みがあり、貴社のインサイドセールス職を志望しました。
大学の部活動では、広報担当としてWebサイトからの集客数向上に取り組みました。
アクセス解析をもとに毎日記事を更新し、反応が悪ければすぐに改善するというPDCAを回し続けた結果、入部希望者を前年比1.5倍に増やすことができました。
インサイドセールスにおいても、行動量を担保しながらデータを分析し、アプローチ手法を改善し続ける「泥臭さ」と「論理性」の両方が必要だと考えています。
私の持つ継続力と改善力を活かし、貴社の営業目標達成の原動力となりたいです。
例文3:効率化・データ活用アピール(300字程度)
IT技術を活用して営業活動を科学する貴社の先進的な取り組みに惹かれ、志望しました。
私は大学のゼミでデータ分析を専攻しており、客観的な数値に基づいて戦略を立てることに面白さを感じています。
貴社が導入している最新のMAツールやSFAを活用し、インサイドセールスとして「誰に、いつ、何を」伝えるのが最適かを分析・実践したいと考えています。
従来の根性論ではなく、データドリブンなアプローチで再現性の高い営業モデルを構築することは、私の得意分野です。
ファーストキャリアとして貴社で営業のプロフェッショナルとしての基礎を築き、将来的にはマーケティング視点を持った営業リーダーを目指します。
まとめ
インサイドセールスの志望動機を作成する鍵は、この職種が持つ「戦略性」と「専門性」を正しく理解することにあります。
単なる電話番ではなく、企業の成長を加速させるエンジンのような役割であることを認識し、そこに自分の強み(傾聴力、分析力、継続力など)がいかにフィットするかを論理的に伝えてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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