【特徴8選】エネルギー業界に向いてる人・向いてない人とは?職種や仕事内容まで徹底解説!

【特徴8選】エネルギー業界に向いてる人・向いてない人とは?職種や仕事内容まで徹底解説!

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はじめに

電力、ガス、石油といったエネルギーは、私たちの日常生活と産業活動すべてを支える、社会にとって不可欠な基盤です。

近年、地球温暖化対策としての脱炭素化、再生可能エネルギーへの移行、電力自由化など、エネルギー業界は100年に一度と言われる大転換期を迎えています。

このダイナミックに変化する業界で活躍するためには、どのような資質が求められるのでしょうか。

本記事では、エネルギー業界への就職を目指す新卒就活生に向けて、業界の具体的な仕事内容、主要な職種、そして「向いている人・向いていない人」の特徴について詳細に解説します。

【エネルギー業界に向いてる人】エネルギー業界とは

エネルギー業界とは、電気、ガス、石油、再生可能エネルギーなどのエネルギー資源の「開発・調達」「発電・製造・精製」「供給・販売」に関わる全ての事業領域を指します。

主要なプレイヤーは、電力会社、ガス会社、石油元売会社に加え、近年急速に拡大している再生可能エネルギー事業者や、新電力・新ガス会社などです。

この業界の最大の特徴は、高い公共性と、地政学的なリスクを含む大規模なスケール感です。

脱炭素化という世界的な課題に対応するため、技術革新とビジネスモデルの変革が不可欠であり、安定供給と環境保全の両立を追求しています。

この導入部分では、エネルギー業界における具体的な仕事内容を掘り下げていきましょう。

エネルギー資源の調達・開発

エネルギーの安定供給の出発点となるのが、石油、LNG(液化天然ガス)、石炭、ウランなどのエネルギー資源の調達と、再生可能エネルギー資源(太陽光、風力、地熱など)の開発です。

資源調達部門では、国際市場の動向や地政学的なリスクを分析し、長期的な安定供給とコスト効率を両立させるための契約交渉や資源開発プロジェクトへの投資を行います。

この業務には、グローバルな視点と高度な経済分析能力、そしてリスクを管理する能力が求められます。

特に、新規の再生可能エネルギー発電所の建設地点選定や許認可取得もこの領域に含まれます。

発電・製造・供給インフラの建設・運用

調達した資源を、人々に利用可能なエネルギー(電気やガス)に変換し、安定的に届けるためのインフラの建設と運用は、極めて重要な仕事です。

電力会社では、発電所(火力、原子力、再生可能エネルギー)の建設・保守、送電線・変電所の維持管理を行います。

ガス会社では、LNG基地の管理やガス導管の敷設・保安を担当します。

これらの仕事は、高い工学的な専門知識に加え、大規模なプラントやインフラの安全を担保する徹底した管理能力と責任感が求められます。

長期にわたり安定稼働を維持するための技術が不可欠です。

小売・販売と新サービスの企画

エネルギー自由化以降、消費者や企業に対して、従来の電力・ガス供給に加えて、付加価値の高い新しいサービスを販売することが重要になっています。

小売・販売部門では、市場のニーズに応じた最適な料金プランの設計、省エネコンサルティング、そして太陽光発電設備や蓄電池などの関連設備の提案・販売を行います。

新サービス企画部門では、IoTやAIを活用した新しいエネルギーマネジメントサービスなどを開発します。

市場の競争環境を理解するマーケティング能力と、顧客のニーズを捉える企画力が求められる、ビジネスの最前線となる業務です。

環境対策・カーボンニュートラルの推進

脱炭素社会の実現に向け、エネルギー業界は二酸化炭素排出量の削減という大きな使命を負っています。

環境対策部門では、再生可能エネルギー導入拡大の計画立案、CO2排出権取引、そして水素やアンモニアといった次世代エネルギー技術の研究開発への参画などを行います。

これは、エネルギーの安定供給という責務を負いながら、同時に地球環境保全にも貢献するという、現代のエネルギー企業に不可欠な役割です。

長期的な視点と、環境工学や国際的な政策に関する知識が重要です。

【エネルギー業界に向いてる人】エネルギー業界の主な職種

エネルギー業界は、大規模なインフラを扱う技術的な専門職から、自由化市場における競争戦略を担うビジネス職まで、非常に多様な職種が存在します。

特に近年は、脱炭素化とDXの推進に伴い、新しい専門性を持つ人材の採用が増加しています。

ここでは、エネルギー業界を支える主要な職種に焦点を当て、それぞれの仕事内容と求められるスキルセットについて詳しく解説します。

技術職(プラント・インフラエンジニア)

技術職は、エネルギーの発電所、精製所、送配電網、ガス導管などの大規模インフラの設計、建設、運用、保守を担う専門家です。

火力発電所のタービン制御、原子力発電所の安全管理、送電網の安定化、ガス導管の保安管理など、工学的な専門知識と現場での実践力が求められます。

特に、インフラの安全と安定供給に直結するため、高い規律意識と、異常を未然に防ぐための緻密な点検・分析能力が不可欠です。

機械、電気、土木、化学工学などのバックグラウンドが活かされます。

営業・エネルギーコンサルタント職

営業・エネルギーコンサルタント職は、法人顧客や自治体に対し、電力・ガスの最適な供給プランや省エネソリューションを提案する役割を担います。

自由化市場において、顧客のエネルギーコスト削減やCO2排出量削減といった課題に対し、蓄電池や再生可能エネルギー導入など、オーダーメイドの提案を行います。

エネルギーに関する専門知識はもちろん、顧客の経営状況や設備状況を深くヒアリングし、技術的な内容を分かりやすく説明できる提案力が必須です。

資源調達・トレーディング職

資源調達・トレーディング職は、国際的な市場で燃料(LNG、石油など)の仕入れや販売、そして電力・ガスの市場取引を行う専門職です。

世界情勢や為替変動、需給バランスといった複雑な要因を分析し、最適なタイミングと価格で資源を確保・運用することで、会社の収益を最大化する責任を負います。

高度な経済分析能力、リスク管理能力、そしてグローバルな交渉力が求められます。

金融工学や国際経済の知識が活きる、ダイナミックな職種です。

再生可能エネルギー開発・企画職

再生可能エネルギー開発・企画職は、太陽光、風力、バイオマス、水素などの新しいエネルギー源の事業化を推進します。

具体的には、新規発電所の候補地選定、許認可取得、資金調達、そして事業性の評価などを行います。

規制や政策動向を理解する能力と、複数の関係者(地域住民、行政、金融機関など)との複雑な調整を行うプロジェクトマネジメント能力が求められます。

脱炭素社会の実現に向けた挑戦を牽引する、未来志向の職種です。

【エネルギー業界に向いてる人】エネルギー業界に向いてる人の特徴

エネルギー業界は、高い公共性と技術的な専門性が要求されるため、特定の資質を持つ人が特に活躍しやすい傾向があります。

就職を検討している皆さんは、自身の適性を客観的に判断することで、自己PRや志望動機を具体的かつ説得力のあるものにできるでしょう。

ここでは、エネルギー業界で成功するために必要な、責任感と技術的志向の両面から見た具体的な特徴を4つに分けて解説します。

社会インフラを支える強い責任感と使命感がある人

電力、ガスといったエネルギーの供給は、一瞬たりとも止めることが許されない社会の生命線です。

エネルギー業界で働くということは、人々の生活と産業活動を裏側から支えるという、極めて重い責任と使命感を持つことを意味します。

自分の仕事が公共の利益に直結していることを自覚し、高い緊張感とプロ意識を持って業務に臨める人が不可欠です。

地道な安全管理や保守作業に徹底的に取り組める姿勢が求められます。

変化を恐れず、新しい技術や規制に柔軟に対応できる人

エネルギー業界は、電力自由化、再生可能エネルギーの導入、脱炭素化など、構造的な大転換期にあります。

従来の安定的なビジネスモデルから、市場競争と技術革新を前提とした新しいモデルへの移行が求められています。

既存の枠組みに囚われず、新しい技術動向(例:水素、蓄電池、AI)や規制の変化を積極的に学び、ビジネスモデルの変革に挑戦できる柔軟な思考を持つ人が、この変革期を牽引できます。

大規模なプロジェクトを推進する計画性と忍耐力がある人

発電所や送電網の建設、資源開発プロジェクトなどは、計画から稼働までに数年、数十年に及ぶ長期にわたる大規模なものです。

そのため、長期的な視点に立って緻密な計画を立案し、予期せぬ困難や規制の変更にも粘り強く対応し続ける忍耐力が必要です。

すぐに成果が出なくても、目標達成に向けてコツコツと地道な努力を続けられる人が、巨大インフラを扱うこの業界で力を発揮できます。

安全とコンプライアンスを最優先する規律意識がある人

エネルギーインフラの運用には、事故やトラブルを未然に防ぐための厳格な安全基準と法規制が伴います。

技術職はもちろん、経営層に至るまで、安全と法令遵守(コンプライアンス)を何よりも優先する高い規律意識が不可欠です。

定められた手順やマニュアルを厳格に守り、リスクを過小評価せずに徹底的に排除する姿勢を持つ人が、この業界の基本です。

正確性と規律を重んじる誠実さが求められます。

【エネルギー業界に向いてる人】エネルギー業界に向いてない人の特徴

エネルギー業界は、高い公共性と安全性が求められるため、仕事の進め方や環境に馴染むのが難しい側面があります。

自身の資質と業界の特性とのミスマッチを防ぐためにも、「向いていないかもしれない人」の特徴を客観的に把握しておくことは重要です。

ここでは、エネルギー業界が求める規律、長期的な視点、そして社会的な責任という観点から、仕事に馴染みにくい可能性がある人の特徴を具体的に解説します。

公共の安全に対する責任感が薄い人

エネルギーインフラの管理・運用におけるわずかなミスや手抜きが、大規模な停電やガス供給の停止、さらには重大な事故に直結する可能性があります。

そのため、自分の仕事が公共の安全に与える影響の重大性を理解せず、責任感が薄い人は、この業界のプロフェッショナルとしては致命的です。

「誰かがやってくれるだろう」という依存的な考え方や、リスクを軽視する傾向がある人は、この業界には向いていません。

短期的な成果や変化を強く求める人

発電所や資源開発といったプロジェクトは、計画から実現までに数年~数十年という長い時間を要するため、短期間で目に見える大きな成果を出すことは稀です。

また、インフラの運用・保守は、地道で継続的な点検・メンテナンスが中心となります。

すぐに成果や派手な変化を強く求め、長期的な視点での地道な努力を嫌う人は、この業界の仕事の進め方にフラストレーションを感じやすいでしょう。

物事の本質を長期的に捉える視点が求められます。

ルールや手順を無視した自己流を好む人

エネルギーインフラの安定稼働と安全は、確立された厳格なマニュアルや手順の遵守の上に成り立っています。

技術職や現場管理職において、自己判断で定められた手順を省略したり、ルールを無視して独自のやり方を好む人は、予測不能なトラブルを引き起こすリスクがあります。

「なぜこのルールがあるのか」を理解した上で、厳格にそれを守る規律が求められるため、自由な発想や行動を過度に優先する人は、この環境には馴染みにくいでしょう。

専門知識の学習や技術の習得に消極的な人

エネルギー業界、特に技術部門では、電気、機械、土木、化学など、高度な専門知識が求められ、さらに再生可能エネルギーやDX技術など、新しい分野の知識も常にアップデートしていく必要があります。

入社後の専門知識の学習や、技術資格の取得に消極的で、自己成長への意欲が低い人は、技術革新のスピードについていけず、プロフェッショナルとしての役割を果たすことが難しくなります。

知的好奇心と継続的な学習意欲が必須です。

【エネルギー業界に向いてる人】エネルギー業界のやりがいや魅力

エネルギー業界で働くことは、社会の根幹を支えるという公共的なやりがいと、世界的な課題である脱炭素化に挑戦するという未来志向の魅力に満ちています。

大規模なインフラを動かすスケール感や、高度な技術に触れる環境は、就活生にとって大きなキャリアの動機付けとなるでしょう。

ここでは、エネルギー業界で働くことで得られる主要なやりがいや、具体的なキャリア上のメリットを4つの観点から解説します。

地球規模の脱炭素化と社会変革に貢献できる

エネルギー業界は、地球温暖化対策の最前線に立ち、再生可能エネルギーの普及や水素・アンモニアといった次世代エネルギー技術の開発を通じて、カーボンニュートラル社会の実現という世界的な課題に貢献しています。

自分の仕事が、未来の社会や地球環境をより良くすることに繋がっているという強い実感を味わえることは、この業界で働く最大の魅力の一つです。

巨大インフラを動かすプロジェクトのスケール感

発電所、ガス基地、送配電網といったエネルギーインフラは、数千億円、数兆円規模の投資を伴う、極めて大規模なプロジェクトです。

技術職、企画職、資源調達職のいずれであっても、このような巨大なインフラの建設、運用、またはそれを支えるサプライチェーンの根幹に関わることになります。

社会を動かす大きなスケール感と、その一端を担うという達成感は、他の業界では得難いものです。

高い公共性に基づく安定したキャリア基盤

電力、ガスといった生活インフラは、社会に不可欠であり、収益基盤が比較的安定しています。

これにより、社員は腰を据えて長期的な視点で専門性を高め、キャリアを築くことが可能です。

また、自由化や脱炭素化が進む中でも、インフラの安全確保や技術的な専門性は普遍的に求められるため、身につけた専門スキルは市場価値の高いものとなります。

グローバルな市場・技術交渉の最前線に立てる

石油やLNGの調達、および再生可能エネルギーのサプライチェーンは、国際的な市場や地政学的な状況に大きく影響を受けます

資源調達職や国際事業部門では、海外の資源国やメーカーとの交渉、国際的な規制対応など、グローバルなビジネスの最前線で活躍する機会が豊富にあります。

国際経済や地政学に関心がある人にとって、自分の知見を活かし、大きな取引を成立させることに大きなやりがいを感じられるでしょう。

【エネルギー業界に向いてる人】よくある質問

エネルギー業界への就職を目指す新卒就活生の皆さんが抱きやすい具体的な疑問や、選考における対策のポイントについて、ここではよくある質問形式で回答します。

業界特有の事情や、求められる人物像について理解を深め、自身の選考対策に活用してください。

文系でも技術部門で働けますか?

文系出身者が、発電所の運転管理やインフラの建設・保守など、工学的な専門知識を直接必要とする技術職に就くことは難しいです。

しかし、技術系部門の戦略企画、広報、あるいは再生可能エネルギー事業の許認可・渉外といった、技術とビジネスの橋渡しをする職種で活躍する機会はあります。

入社後も、技術的な内容を理解するための継続的な学習意欲を示すことが、選考突破において非常に重要となります。

資格は就職活動で有利になりますか?

エネルギー業界の就職活動において、必須となる資格はありませんが、技術職であれば電気主任技術者やエネルギー管理士、土木施工管理技士などの関連資格は、専門知識と学習意欲の証明として有利に働く場合があります。

また、ビジネス職であれば、TOEICなどの語学力は、資源調達や国際事業において評価されます。

ただし、資格そのものよりも、「資格取得に至るプロセスで何を学び、それを仕事にどう活かしたいか」を具体的に説明できることが重要です。

勤務地は都市部に限定されますか?

エネルギー業界の勤務地は、職種や企業によりますが、発電所、ガス基地、油田などの生産・供給拠点は、都市部から離れた場所に立地していることが多いため、地方や僻地での勤務となる可能性が高いです。

特に技術職は、初期配属やその後のキャリアで製造・保全現場での勤務経験が求められることが一般的です。

本社での企画・営業職であれば都市部勤務が中心となりますが、転勤や地方勤務の可能性については、企業説明会などで具体的に確認しておくことが重要です。

エネルギー自由化後も安定性は維持されますか?

電力・ガス自由化により、市場競争は激化しましたが、大規模なインフラ設備を持つ既存の主要企業は、依然として安定供給の責任と、強固な事業基盤を持っています。

自由化は、むしろ新しいサービス開発や再生可能エネルギーへの投資機会を生み出しており、変化に対応し、多角化を進めている企業は今後も安定性を維持すると考えられます。

ただし、市場の動向を分析し、競争優位性を生み出せる戦略的な人材がより求められるようになっています。

おわりに

本記事では、新卒就活生の皆さんが、エネルギー業界の仕事内容、職種、そして「向いている人・向いていない人」の特徴を深く理解できるよう、具体的な情報を提供しました。

エネルギー業界は、公共の安全という重い責任と、脱炭素化という未来に向けた挑戦を両立させる、ダイナミズムに満ちたフィールドです。

強い責任感、長期的な視点、そして変化を恐れずに学ぶ意欲を持つ人にとって、自身の能力を最大限に発揮し、社会の根幹に貢献できるキャリアが期待できます。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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