【27卒最新】研究職の就職偏差値ランキング！高偏差値企業の特徴や序列と突破するための対策法

はじめに

今回は、理系学生なら一度は憧れる「研究職」にスポットを当てます。

「自分の研究で世界を変えたい」「新しい技術を生み出したい」という熱い想いを持つ皆さんが目指すこの職種ですが、その就職偏差値は全職種の中でもトップクラスに位置します。

「修士じゃないと無理？」「学会発表の実績は必要？」そんな不安を持つ皆さんのために、研究職のリアルな難易度と、狭き門をこじ開けるための戦略を徹底解説します。

就職偏差値とは

学生の間での志望度、企業の採用倍率、業界での地位などを総合的に加味して算出されます。

特に人気企業や大手企業ほど高い数値となる傾向があり、毎年注目されています。

就職先を選ぶ際の目安として活用されることが多いですが、あくまで参考指標のひとつに過ぎません。

研究職の就職偏差値ランキング

研究職の就職偏差値は、業界を問わず全体的に「極めて高い」のが最大の特徴です。

これは、応募者の大半が大学院（修士・博士）卒であり、そもそもスタートラインに立つための学歴要件が高いことが理由です。

特に製薬業界の創薬研究や、総合化学メーカーの基礎研究所などは、旧帝大クラスの博士号取得者がライバルとなるため、偏差値は日本の就職市場における最高峰と言っても過言ではありません。

一方で、食品や化粧品などの消費財メーカーは、学歴以上に「倍率」が異常に高く、数百倍の競争を勝ち抜く必要があるため、違った意味での難関となります。

単純な学力だけでなく、高い研究能力と運の両方が求められるのが研究職の偏差値の特徴です。

【研究職】SSランク（就職偏差値78以上）

SSランクは研究実績が採用に直結し、大学・大学院での成果が強く評価される領域である。

創薬や基礎科学など、成果が出るまで長期間を要するテーマが多いため、継続力と専門性が求められます。

企業研究所は博士号必須または相当レベルを求められるケースが一般的です。

採用倍率は極めて高く、準備には研究計画・面接ポスター・英語面接対策が必要になります。

【研究職】Sランク（就職偏差値75〜77）

研究職の就職偏差値ランキングから見る業界別の傾向

研究職と一口に言っても、業界によって求められる専門性の深さや、採用のトレンドは全く異なります。

就職偏差値ランキングを正しく読み解くには、「アカデミックな専門性が重視される業界」なのか、それとも「商品への応用力や発想力が重視される業界」なのかを見極める必要があります。

ただ闇雲に大手企業の研究職を受けるのではなく、自分の研究スタイルや強みがどの業界の傾向とマッチするかを知ることが、内定への近道です。

ここでは、特に人気が高い4つの主要業界について、ランキングから読み取れる採用傾向と難易度の質について詳しく解説していきます。

製薬・バイオ業界の傾向

研究職の就職偏差値において、頂点に君臨するのが「製薬業界」や「バイオ業界」です。

武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共などの大手製薬メーカーの創薬研究職は、採用数が極めて少ない上に、求められる専門性が非常に高度です。

近年では、従来の低分子医薬品からバイオ医薬品へとトレンドがシフトしており、修士卒だけでなく博士（Ph.D.）取得者を積極的に採用、あるいは優遇する傾向が強まっています。

そのため、学部卒での採用はほぼ絶望的であり、修士卒であっても超難関大学院での顕著な研究実績がなければ書類選考すら通過しないことが珍しくありません。

研究能力そのものが企業の生命線であるため、学生というよりも「一人の研究者」としての実力がシビアに評価される、まさにエリートが集うフィールドです。

食品・飲料業界の傾向

味の素、サントリー、明治などの「食品・飲料業界」は、学生にとって身近な商材を扱うため、理系学生のみならず文系学生のようなマインドを持つ理系学生からも絶大な人気を誇ります。

その結果、就職偏差値は「倍率の高さ」によって押し上げられています。

採用人数は各社数名から多くて数十名程度ですが、そこに万単位のエントリーが殺到するため、実質的な倍率は数百倍に達することもあります。

製薬業界ほどアカデミックな業績のみを重視するわけではなく、チームでの協調性や、「おいしさ」を追求する感性、マーケティング視点なども総合的に評価されるのが特徴です。

農学系、生物系、化学系など幅広い専攻の学生が応募するため、ライバルの層が厚く、内定を勝ち取るのは至難の業と言えるでしょう。

化学・素材（BtoB）業界の傾向

旭化成、東レ、三菱ケミカルなどの「総合化学メーカー」や素材メーカーは、日本のモノづくりを支える根幹であり、研究開発費への投資も積極的です。

この業界の研究職は、高分子、有機合成、無機材料など多様な専攻を受け入れているため、製薬業界に比べると間口は広い傾向にあります。

しかし、BtoBの優良企業が多く、安定性と高い給与水準を知り尽くした「情報感度の高い優秀な理系院卒」がこぞって応募してくるため、就職偏差値は依然として高い水準を維持しています。

特に、近年は半導体材料や環境配慮型素材（バイオプラスチックなど）の研究開発に力を入れている企業が多く、これらの分野に関連する研究を行っている学生にとっては、自身の専門性を武器に戦えるチャンスの多い業界でもあります。

化粧品・トイレタリー業界の傾向

資生堂、花王、コーセーなどの「化粧品・トイレタリー業界」の研究職は、化学や生物学の知識はもちろんですが、トレンドを捉える感性や消費者心理への理解も求められます。

特に化粧品の研究開発は、皮膚科学などの基礎研究から、実際の使用感を作り込む処方開発まで多岐にわたります。

女子学生からの人気が圧倒的に高いのも特徴で、華やかなイメージとは裏腹に選考は極めて熾烈です。

「こんな商品を作りたい」という熱意だけでなく、それを科学的にどう実現するかという論理的思考力が問われ、プレゼンテーション能力の高さも評価の大きなウェイトを占めます。

採用人数が絞られていることが多く、少数精鋭の採用となるため、一人ひとりの個性やキャラクター（社風とのマッチング）も厳しく見られる傾向にあります。

研究職の就職偏差値が高い理由

「研究職」という職種は、なぜこれほどまでに就職偏差値が高く、多くの理系学生にとって「高嶺の花」となってしまうのでしょうか。

その背景には、企業経営における研究開発の位置付けや、需給バランスの構造的な要因が深く関係しています。

理系学生の数に対して、研究職のポスト（席）の数は圧倒的に少なく、構造的に買い手市場になりやすい職種なのです。

ここでは、研究職の就職難易度を押し上げている主な理由について、4つの視点から深掘りして解説します。

現実を直視し、対策を練るための材料にしてください。

圧倒的に少ない採用枠（ポスト不足）

最大の理由は、シンプルに「採用人数の少なさ」です。

営業職や生産技術職、SE（システムエンジニア）などが数十名〜百名単位で採用されるのに対し、研究職の採用は大手企業であっても一桁、多くて二桁前半というケースが少なくありません。

企業にとって研究所は、将来の利益を生み出すための投資部門ですが、直近の売上を作るわけではないため、人件費を無尽蔵にかけることができないのです。

限られた座席を巡って、全国の大学院から優秀な学生が争奪戦を繰り広げるため、自然と倍率は跳ね上がり、偏差値が高くなります。

特に基礎研究に近い部署ほど採用枠は狭まり、内定を得ることは宝くじに当たるような難易度になることもあります。

高度な専門性と学歴要件（修士・博士前提）

研究職は、入社直後からプロの研究者としての素養が求められます。

そのため、応募資格自体が「修士了以上」となっている企業が多く、学部卒の学生はそもそもエントリーすらできないケースが大半です。

さらに、大手企業の人気研究所ともなれば、旧帝大や難関国立大の研究室出身者が応募者のマジョリティを占めます。

単に大学院を出ているだけでなく、「どの研究室で、どのような指導教官の下で、どのような成果を出したか」というアカデミックな背景まで見られるため、選考のハードルは非常に高くなります。

博士号取得者の採用も増えており、学生時代の積み上げがダイレクトに評価に直結するシビアな世界です。

マッチングの難易度（専門性の一致）

営業職などポテンシャル採用が中心の職種とは異なり、研究職は「学生の専門性」と「企業が求めている技術領域」がマッチしているかどうかが合否を大きく左右します。

どれほど優秀な学生であっても、その学生の研究テーマが企業の方針と全く関係なければ、採用される確率は低くなります。

逆に言えば、ニッチな分野であっても、企業が注力したい領域と合致していれば内定の可能性は高まります。

この「マッチング」は運の要素も強いため、一社の選考に落ちたからといって実力不足とは限りませんが、志望企業に合わせて自分の研究の応用可能性をアピールする高度なプレゼン能力が必要となり、これが就職偏差値を高める要因となっています。

恵まれた待遇と研究環境への憧れ

企業の研究職は、大学のアカデミックポストに比べて経済的に安定しており、かつ潤沢な研究予算を使って最先端の設備で研究ができるという、研究者にとって理想的な環境です。

平均年収も他の職種に比べて高い傾向にあり、福利厚生も充実しています。

「好きな研究を続けながら、安定した生活も手に入れたい」と考える理系学生にとって、これ以上ない魅力的な選択肢であるため、トップ層の学生がこぞって志望します。

また、フレックスタイム制や裁量労働制などが導入されていることが多く、自由度の高い働き方ができる点も人気を後押ししており、優秀な人材が集結する要因となっています。

研究職の高偏差値企業に内定するための対策

超難関である研究職の内定を勝ち取るためには、単に研究室に籠もって実験をしているだけでは不十分です。

企業は「研究ができる学生」ではなく、「研究を通じてビジネスに貢献できる人材」を求めています。

研究能力が高いことは大前提として、それをどう社会に還元できるかという視点を持つことが、ライバルとの差別化に繋がります。

ここでは、高偏差値企業の研究職を目指すために、今日から取り組める実践的な対策を4つ紹介します。

「研究概要書」を誰が読んでもわかるように磨く

研究職の選考で最も重要な書類が「研究概要書」です。

しかし、多くの学生は専門用語を羅列し、同じ分野の人にしか伝わらない内容書いてしまいがちです。

面接官（特に人事担当者や異なる分野の研究員）は、あなたの専門分野のプロではありません。

専門用語を噛み砕き、「研究の背景（なぜやるのか）」「独自の工夫点（あなたは何をしたのか）」「成果と社会的意義（何の役に立つのか）」を、文系の人でも理解できるように論理的に構成することが必須です。

わかりやすい資料は、それだけで「伝える力がある」「論理的思考力が高い」という評価に繋がり、選考通過率を劇的に高めます。

「研究職」と「開発職」の違いを理解し適性を示す

就活生は「研究開発職」と一括りにしがちですが、企業の中では「研究職（基礎・応用研究）」と「開発職（製品開発・技術開発）」は明確に役割が異なります。

研究職は0から1を生み出す深堀り力が、開発職は1を100にするスピード感や調整力が求められます。

自分がどちらに向いているのか、そして志望企業がどちらの人材を求めているのかを正しく理解しましょう。

「私は一つのテーマを突き詰めるのが得意なので基礎研究」「私は技術を製品という形にして世に出したいので開発職」といったように、自分の適性と志望職種をリンクさせて語ることで、ミスマッチがないことをアピールしてください。

学会発表・論文などの「客観的成果」を作る

研究職の選考では、やはり「研究実績」は強力な武器になります。

もし修士1年の段階で学会発表や論文投稿のチャンスがあるなら、貪欲に挑戦してください。

まだ結果が出ていない場合でも、「学会発表に向けてどのようなプロセスで実験計画を立てているか」を語れることが重要です。

企業が見ているのは、成功した結果そのものよりも、壁にぶつかった時にどう考え、どう工夫して乗り越えようとしたかという「研究プロセスにおける行動力」です。

日々の研究活動の中でPDCAサイクルを回した具体的なエピソードを整理し、困難に対する耐性と問題解決能力を証明できるようにしておきましょう。

コミュニケーション能力と協調性を強調する

「研究職＝黙々と実験する仕事」というイメージは大間違いです。

企業の研究はチームプレーであり、マーケティング部門や製造部門、特許部門など、多くの人と連携して進めます。

そのため、独りよがりな研究者は敬遠されます。

面接では、研究室でのゼミや共同研究において、周囲とどのように議論し、協力関係を築いてきたかをアピールしましょう。

「後輩の指導に力を入れた」「他分野の研究室と意見交換をして新しい視点を取り入れた」といったエピソードは、組織で働く適性があることの証明になります。

高い専門性と、円滑なコミュニケーション能力の両輪が揃って初めて、内定への扉が開きます。

研究職の就職偏差値に関するよくある質問

研究職を目指す理系学生から、毎年のようによく相談される悩みや疑問にお答えします。

噂に惑わされず、正しい情報を知って戦略的に就活を進めてください。

Q. 学部卒で研究職に就くのは不可能ですか？

A. 大手メーカーの基礎研究職などは修士以上が必須要件であることが多いですが、絶対に不可能というわけではありません。

食品メーカーや中堅・中小メーカーの「開発職」や「生産技術職」に近い領域であれば、学部卒でも採用のチャンスは十分にあります。

また、推薦枠などで学部卒を受け入れている企業もあります。

ただし、ライバルは院生になるため、彼らに負けないだけの基礎学力やポテンシャル、そして「なぜ大学院に行かずに就職するのか」という明確な理由を語れる準備が必要です。

視野を広げて、BtoBの中堅優良企業なども探してみることをお勧めします。

Q. 専攻分野が企業の事業内容と違っても応募できますか？

A. 応募可能ですし、内定の可能性もあります。

企業は学生の現在の専門知識そのもの（即戦力性）を評価する場合と、研究に取り組む姿勢や基礎的な科学的素養（ポテンシャル）を評価する場合があります。

特に化学・素材メーカーなどは、異なる分野の知見を融合させてイノベーションを起こしたいと考えているため、畑違いの専攻でも歓迎されることがあります。

大切なのは「自分の研究で培った考え方や手法が、御社のこの分野にどう応用できるか」という仮説を持ってアピールすることです。

むしろ、異分野であることを逆手に取って、新しい視点を提供できる人材として売り込みましょう。

Q. 博士課程に進むと就職に不利になりますか？

A. 以前は「博士は使いにくい」と言われた時代もありましたが、現在は状況が変わりつつあります。

特に製薬、化学、素材、AI・情報系などの高度な技術系企業では、博士号取得者を「高い専門性と問題解決能力を持つ高度人材」として積極的に採用する動きが活発です。

ただし、博士課程に進むなら「アカデミックな研究」だけでなく、「企業でどう活躍するか」というキャリア視点を持つことが不可欠です。

専門性に閉じこもらず、広い視野と柔軟性を持っていることを示せれば、むしろ修士卒よりも好待遇で迎えられるチャンスが広がっています。

Q. 「学校推薦」を使えば確実に内定をもらえますか？

A. 残念ながら、今は「推薦＝合格」の時代ではありません。

特に人気大手企業の研究職では、学校推薦を持っていても面接で普通に落ちる「後付け推薦（内定が決まってから推薦状を出す）」や、推薦応募でも倍率が高いケースが増えています。

推薦はあくまで「選考の初期段階をスキップできる」「面接官に真剣度を伝えられる」程度のチケットだと考え、自由応募と同じくらいの危機感を持って対策を行う必要があります。

「推薦だから大丈夫」と油断して準備不足で臨むと、痛い目を見ることになるので十分に注意してください。

まとめ

研究職の就職偏差値は確かに高く、狭き門です。

しかし、それは裏を返せば、あなたの研究への情熱と努力が正当に評価される、やりがいに満ちたフィールドであるとも言えます。

偏差値という数字に萎縮するのではなく、自分の専門性が活かせる場所はどこか、研究で培った「考える力」をどうアピールするかを戦略的に練り上げてください。

監修者

柴田貴司

明治大学院卒業後、就活メディア運営｜自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート