はじめに
「大学で学んだ生命科学の知識を活かしたい」「新しい薬や技術で人々の健康に貢献したい」そんな熱い想いを持つ学生が集まるのがバイオ業界です。
最先端の技術が集結するこのフィールドは、理系学生にとって憧れの就職先の一つですが、その分、競争率は極めて高く、就職偏差値もトップクラスに位置しています。
「研究職は狭き門だと聞くけど本当?」「やはり博士号がないと厳しいの?」といった不安を感じている方も多いでしょう。
今回は、バイオ業界の就職偏差値ランキングをテーマに、業界のリアルな難易度や、難関を突破するための具体的な戦略について解説します。
就職偏差値とは
企業の人気や採用難易度を偏差値形式で数値化した指標です。
学生の間での志望度、企業の採用倍率、業界での地位などを総合的に加味して算出されます。
特に人気企業や大手企業ほど高い数値となる傾向があり、毎年注目されています。
就職先を選ぶ際の目安として活用されることが多いですが、あくまで参考指標のひとつに過ぎません。
バイオ業界の就職偏差値ランキング
バイオ業界の就職偏差値は、全業界の中でもトップクラスに位置しており、特に研究開発職においては「超難関」と言っても過言ではありません。
武田薬品工業やアステラス製薬といった大手製薬メーカー、味の素やキリンといった大手食品・飲料メーカーの研究職は、偏差値ランキングでSS〜Sランクに相当します。
旧帝大や有名国立大学の大学院修士・博士課程修了者がメインの競争相手となるため、単なる学歴だけでなく、高度な研究成果や専門性が求められます。
また、採用人数が極端に少ないことも特徴です。
事務系総合職に比べて技術系職種、特に基礎研究職の採用枠は非常に限られており、数名の枠に数百人、時には千人以上の優秀な学生が殺到します。
実質的な倍率が数百倍になることも珍しくなく、非常にハイレベルな争いが繰り広げられるのが、バイオ業界の就職偏差値の実態です。
【バイオ業界】SSランク(就職偏差値78以上)
- 創薬・再生医療など高度な生命科学研究を扱い、専門性と社会的インパクトが極めて大きい
- 難関国立大・大学院レベルの研究バックグラウンドが必須となるケースが多い
- 外資・国内大手の研究職は選考倍率が非常に高く、志望者のレベルも突出している
- 給与・研究設備・キャリア形成の観点で業界トップクラスの待遇
【80】武田薬品工業(創薬研究)
【79】第一三共(創薬・低分子研究)
【78】中外製薬(抗体医薬・バイオ医薬品)
SSランクはバイオ医薬の最先端を担う大手製薬研究職が中心で、世界水準の研究環境が用意されている。
高難度の専門試験・研究プレゼン・英語面接などが課され、入社後も高度な研究が求められます。
院生比率が高く、研究テーマと企業の研究領域が一致していることが重要です。
将来はリード研究者やグローバルプロジェクトに携わるキャリアが開けます。
【バイオ業界】Sランク(就職偏差値75〜77)
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- 大手製薬メーカーの研究職・MR・生産技術職が中心
- 研究開発だけでなく、品質管理・製造部門も高い専門性を持つ
- 安定性が高く、福利厚生・教育体制が整備されている
- 生命科学系学生の人気が非常に高く、倍率が高め
【77】アステラス製薬(創薬・研究)
【76】エーザイ(研究・品質管理)
【75】大塚製薬(製品開発・生産技術)
Sランクは大手製薬の安定した基盤を持つ職種が多く、研究〜製造まで幅広いキャリアが開ける点が魅力。
研究職は専門性と英語力が求められ、業務系(MR・生産技術)もコミュニケーション力とロジックが評価されます。
就職後は専門領域を深めながらキャリアを積み、管理職やグローバル案件に携わる道もあります。
学生からの人気が高いため、早期選考への参加が鍵となります。
【バイオ業界】Aランク(就職偏差値70〜74)
- CRO(受託研究機関)や再生医療系スタートアップなど成長性の高い企業が中心
- 研究補助・解析・品質管理など、研究の基盤を支える職種が多い
- 院卒が有利だが学部生でも挑戦できるポジションが多い
- キャリアの流動性が高く、製薬・食品・化学業界への転身もしやすい
【74】シミック(CRO)
【72】EPS(臨床開発支援)
【70】富士フイルム(バイオ医薬製造・解析)
Aランクはバイオ業界の成長を支える企業が多く、実務で技術を磨きながら実績を残せる点が特徴。
臨床試験支援・解析業務などは正確性と粘り強さが求められます。
研究開発だけでなく製造や品質管理など専門職が豊富で、安定したキャリアが描きやすいです。
若手のうちから幅広い経験を積みたい学生と相性が良い領域です。
【バイオ業界】Bランク(就職偏差値65〜69)
- 食品・化粧品メーカーの品質管理・生産管理など「バイオ応用型」の職種が中心
- 研究より実務寄りの仕事が多く、学部生でも挑戦しやすい
- 安定需要があるため長期的に働きやすい
- 実験基礎スキルがあれば評価されやすい
【69】花王(品質管理)
【67】味の素(食品バイオ技術)
【65】森永乳業(品質保証)
Bランクはバイオの基礎知識を活かせる実務職が中心で、難易度は穏やかで人気が高いライン。
食品・化粧品など生活に近い製品を扱うため社会貢献性が高いです。
品質管理は細かい作業が多いため、正確性や継続力が重視されます。
理系学生で安定志向が強い場合、最も現実的な選択肢となります。
【バイオ業界】Cランク(就職偏差値60〜64)
- 検査会社・受託分析企業などが中心で、ルーティンワークが多い
- 育成前提で採用されるため未経験でも挑戦しやすい
- 実験操作・データ整理などの基礎業務が多く安定している
- 勤務地が全国にあり働き方の選択肢が広い
【64】BML(臨床検査)
【62】SRL(検査サービス)
【60】地方検査センター
Cランクは検査・分析業務が中心で、安定したニーズに支えられた働きやすい領域。
ルーティン作業が多いため、丁寧さ・正確さ・継続力が求められます。
収入は落ち着いているがワークライフバランスが良い企業が多いです。
実務経験を積んでから製薬や食品業界へのキャリアチェンジも可能です。
【バイオ業界】Dランク(就職偏差値55〜59)
- 小規模の受託試験会社・検査補助などサポート業務が中心
- 専門性より勤怠・真面目さが評価されやすい
- 経験を積めば資格取得や他業界への転職がしやすい
- 理系未経験でも入門しやすい環境が整っている
【59】地方バイオ検査会社
【57】小規模分析センター
【55】検査補助企業
Dランクは専門性は低めだが、バイオ実務の基礎に触れながら働ける環境が多い層。
ルーティン作業を丁寧に進めることが求められ、未経験者でも挑戦しやすい。
キャリアの入り口として利用されるケースも多く、経験値を積みやすい。
安定した地域企業で働きたい学生にも適した選択肢です。
【バイオ業界】Eランク(就職偏差値50〜54)
- 検査補助・製造補助など簡易業務が中心で未経験でも始めやすい
- 指示通りの作業が多く、専門性は低く難易度も低め
- 転勤なし・ワークライフバランス重視の働き方がしやすい
- 資格取得支援がある企業も多くスキルの基礎が身につく
【54】食品検査企業
【52】化粧品品質管理補助
【50】バイオ関連作業スタッフ
Eランクは作業型のポジションが中心で、理系初心者でも挑戦しやすい層。
難しい業務は少ないが、丁寧さや継続力が求められます。
地元で働きながら手に職をつけたい学生にとって現実的な選択肢です。
経験を積めば品質管理・検査技師などへのキャリアアップも可能です。
バイオ業界の就職偏差値ランキングから見る業界別の傾向
バイオ業界と一口に言っても、その活躍のフィールドは医薬品から食品、化学、そして近年注目されるバイオベンチャーまで多岐にわたります。
それぞれの業界によってビジネスモデルが異なり、求められる専門性や競争の質も変わってきます。
就職偏差値ランキングを見ても、業界ごとの傾向を理解していなければ、自分に合った企業を見極めることはできません。
ここでは、主要な4つのセクターに分けて、それぞれの就職難易度や傾向を詳しく解説していきます。
製薬メーカー(医薬品・創薬)
バイオ業界の就職偏差値ランキングで常に最上位に君臨するのが、大手製薬メーカーの研究開発職です。
武田薬品工業、第一三共、中外製薬などがこれに該当します。
人々の命に直結する新薬を開発するという社会的意義の大きさと、全業界でもトップクラスの平均年収の高さが学生を惹きつけます。
ここの特徴は、応募者のほとんどが修士号以上の学位を持っており、博士号取得者も珍しくないという専門性の高さにあります。
選考では、学生時代の研究内容が企業の創薬ターゲットといかにマッチしているか、そして研究者としての論理的思考力が備わっているかが厳しく問われます。
研究職だけでなく、新薬開発のプロセスを管理する開発職(CRAなど)も人気が高く、こちらも高い倍率を誇ります。
グローバル展開が進んでいるため、英語での論文読解力やコミュニケーション能力も必須とされ、まさに知力と体力を兼ね備えたエリートたちが集うフィールドです。
食品・飲料メーカー(機能性食品・醸造)
味の素、明治、キリン、サントリーといった大手食品・飲料メーカーも、バイオ系の学生から絶大な人気を誇り、偏差値は極めて高い水準にあります。
これらの企業は、発酵技術や微生物制御、機能性素材の開発など、バイオ技術を核とした事業を展開しています。
食品メーカーの特徴は、BtoC企業としての知名度の高さゆえに、理系・文系問わず膨大な数のエントリーが集まることです。
特に研究職は「狭き門」の代名詞とも言われており、数千人の応募に対して採用は数十人というケースもザラにあります。
ここでは、専門的な研究スキルに加えて、「食」を通じて消費者にどのような価値を提供したいかというマーケティング視点も求められます。
親しみやすいイメージとは裏腹に、選考倍率は製薬メーカー以上に高騰することもあるため、徹底した対策と熱意のアピールが不可欠です。
化学・素材メーカー(バイオマテリアル・化粧品)
化学メーカーや繊維メーカーの中にも、バイオ技術を活用して化粧品原料やバイオプラスチック、医療機器などを開発している企業が多く存在します。
富士フイルム、花王、カネカ、東レなどが代表的です。
これらの企業のバイオ部門は、製薬や食品メーカーに比べて「隠れた優良企業」であることも多く、狙い目となる場合もありますが、大手企業自体の就職偏差値が高いため、決して簡単ではありません。
化学メーカーの強みは、バイオ技術と有機合成や材料工学などの異分野を融合させたイノベーションにあります。
そのため、自分の専門分野だけに固執せず、幅広い技術領域に関心を持てる柔軟な学生が好まれます。
素材という「中間財」を扱うため、最終製品のメーカー以上に幅広い業界と関われる点が魅力であり、BtoBビジネスならではの安定性と技術力の高さを重視する学生に人気のセクターです。
バイオベンチャー・受託研究機関(CRO/CMO)
近年、大学発のバイオベンチャーや、医薬品開発の一部を受託するCRO(開発業務受託機関)、製造を受託するCMOなどの存在感が増しています。
ペプチドリームやユーグレナなどが有名です。
大手企業に比べると就職偏差値という観点では落ち着いている場合もありますが、即戦力級の専門知識や、ベンチャー特有のスピード感に対応できる適応能力が求められるため、実質的な入社難易度は高いと言えます。
特に創薬系ベンチャーでは、特定のモダリティ(低分子、抗体、核酸など)に特化した高度な技術が必要とされ、博士号取得者が中心となって活躍しています。
大手企業のような手厚い研修制度は期待できない分、若手のうちから裁量を持って研究に没頭できる環境があります。
「安定」よりも「挑戦」や「技術へのこだわり」を重視する、尖った才能を持つ学生にとっては、大手以上に魅力的な選択肢となるでしょう。
バイオ業界の就職偏差値が高い理由
バイオ業界が「就職最難関」の一つとされるのには、単なる人気だけではない構造的な理由があります。
高度な学問的背景が必要とされる点や、産業としての特殊性が、選考のハードルを極限まで押し上げているのです。
なぜこれほどまでに内定を取るのが難しいのか、その背景にある4つの理由を深掘りしていきましょう。
現状を正しく理解することが、ライバルに差をつける第一歩です。
修士・博士課程修了がほぼ前提のハイレベルな競争
バイオ業界、特に研究開発職において最も大きな壁となるのが、求められる学歴・学位の高さです。
営業職などを除き、研究職のエントリー資格として「修士課程修了以上」を必須としている企業が大半であり、創薬研究などの高度な分野では「博士号取得者」が優遇される傾向も強まっています。
つまり、学部卒の段階で足切りされてしまうケースが多く、ライバルは全員が大学院生という非常にハイレベルな母集団形成がなされています。
大学院まで進学して研究に打ち込んできた学生たちは、論理的思考力やプレゼンテーション能力、そして専門知識において非常に高いレベルにあります。
その中で勝ち抜くためには、単に真面目に研究をしてきただけでなく、学会での発表実績や論文投稿など、プラスアルファの成果が求められます。
全員が優秀であることが前提の戦いであるため、少しの差が合否を分けるシビアな世界となっており、これが偏差値を押し上げる最大の要因です。
研究職の採用人数が極端に少ない
自動車や電機メーカーが技術職を数百人規模で採用するのに対し、バイオ・製薬・食品メーカーの研究職採用数は、大手企業であっても数十人、場合によっては数名という狭き門です。
これは、一つの製品(新薬など)を生み出すための開発期間が長く、少数の優秀な研究者が長期間プロジェクトに従事するスタイルが一般的だからです。
ポストが空きにくく、大量採用の必要性が低い構造になっています。
その一方で、生命科学系の学部・学科を持つ大学は多く、毎年多くの学生がバイオ業界を志望して就職市場に出てきます。
「限られた椅子」に対して「座りたい学生」が圧倒的に多いという需給バランスの不均衡が常に発生しており、倍率が数百倍に跳ね上がる原因となっています。
どんなに優秀な学生であっても、運やタイミングに左右される要素もあり、確実に内定を取れる保証がないのがこの業界の恐ろしさです。
高年収・高待遇で離職率が低い
製薬メーカーをはじめとするバイオ関連企業の多くは、利益率が高く、社員への還元も手厚い傾向にあります。
30代で年収1000万円を超えることも珍しくなく、福利厚生も充実しているため、非常に働きやすい環境が整っています。
一度入社すれば定年まで勤め上げる人も多く、離職率が極めて低いため、中途採用の枠もあまり広がりません。
この「ホワイト企業」としての評判が広まっているため、研究内容への興味だけでなく、安定した生活基盤を求めてトップ層の学生が集まります。
企業側も「長く活躍してくれる人」を慎重に選ぶため、研究能力だけでなく、人柄やコミュニケーション能力、ストレス耐性なども含めて総合的に判断します。
好条件が優秀な人材を引き寄せ、その優秀な人材同士が競い合うことで、さらに難易度が上がるというスパイラルが生じているのです。
高度な専門性と英語力が必須とされる
バイオ業界の研究開発は、世界中の研究者としのぎを削るグローバルな競争の中にあります。
そのため、最先端の論文を読み解き、国際学会で発表し、海外の研究所と共同研究を行うための英語力は必須スキルとみなされます。
TOEICのスコアはもちろんのこと、専門用語を駆使して英語でディスカッションできるだけの実践的な語学力が求められます。
また、技術の進歩が非常に速い分野であるため、学生時代に学んだ知識だけでなく、入社後も新しい技術(AI創薬、ゲノム編集など)をキャッチアップし続ける学習能力が必要です。
面接では、自分の研究分野以外の科学ニュースに対する見解を求められることもあり、科学者としての知的好奇心や感度の高さも試されます。
単なる勉強好きでは通用しない、プロフェッショナルとしての資質が問われる点が、偏差値を高くしています。
バイオ業界の高偏差値企業に内定するための対策
超難関であるバイオ業界ですが、決して攻略不可能なわけではありません。
高偏差値企業の内定者は、研究室での活動と並行して、戦略的な就活対策を行っています。
単に「実験が好き」というだけではなく、企業が求める「ビジネスのできる研究者」であることをアピールする必要があります。
ここでは、内定を勝ち取るために今すぐ実践すべき4つの対策を紹介します。
「専門外の人」にも伝わるように研究概要を磨く
面接官の全員が、あなたの専門分野に精通しているわけではありません。
特に一次面接や人事面接では、専門用語を羅列しただけの説明は「コミュニケーション能力不足」と判断されるリスクがあります。
自分の研究テーマについて、「背景(なぜやるのか)」「課題(何が難しいのか)」「工夫(どう乗り越えたか)」「成果と展望(社会にどう役立つか)」を、中学生でもわかる言葉で説明できるように徹底的に練習しましょう。
重要なのは、研究の「凄さ」そのものよりも、研究プロセスで培った「課題解決のアプローチ」を伝えることです。
予期せぬデータが出た時にどう考え、どう次の実験を設計したのか、その思考プロセスこそが企業が知りたいポイントです。
専門性とわかりやすさを両立させるプレゼンテーション能力は、研究職として他部署と連携する際にも必須のスキルであり、最大の武器になります。
企業ごとの「研究領域(モダリティ)」と強みを分析する
製薬会社一つとっても、「低分子医薬品」に強い会社、「抗体医薬品」に注力している会社、「核酸医薬品」や「遺伝子治療」に挑戦している会社など、得意とする技術領域(モダリティ)や疾患領域(がん、中枢神経、免疫など)は異なります。
「なぜ他社ではなく御社なのか」という志望動機を、この技術的な強みと絡めて語ることが必須です。
各社のパイプライン(新薬開発の候補品一覧)や中期経営計画、最近のプレスリリースをチェックし、その企業が今後どの分野に投資しようとしているかを把握してください。
「私の持っている〇〇の技術は、御社が今後注力する△△領域の開発に貢献できると考えます」といった提案型の志望動機が言えれば、評価は一気に高まります。
憧れではなく、戦力としてのマッチングを論理的に証明することが重要です。
インターンシップに参加して早期選考のチャンスを掴む
バイオ業界でも、近年はインターンシップ経由の早期選考が一般化しています。
特に研究職のインターンシップは、実際の研究所で数日間から数週間、社員と同じように実験やデータ解析を行う実践的な内容が多いです。
ここで高いパフォーマンスを発揮できれば、人事や現場社員の目に留まり、早期選考への優遇ルートに乗れる可能性が高まります。
インターンシップの選考自体も高倍率ですが、落ちてもともとという気持ちで積極的に応募しましょう。
エントリーシートの書き方や面接の練習になるだけでなく、企業の雰囲気を肌で感じる貴重な機会です。
また、参加できなくても、説明会や座談会で積極的に質問し、顔と名前を覚えてもらう努力も有効です。
待っているだけではチャンスは巡ってこないため、自分から情報を取りに行く行動力が大切です。
英語力のアピールとグローバル視点を持つ
前述の通り、英語力は大きな加点要素になります。
TOEICであれば700点以上、大手製薬を狙うなら800点以上を目安にしておくと安心です。
しかし、スコア以上に大切なのは「英語を使って研究することへの抵抗感のなさ」です。
「普段から英語論文を読んでいます」「留学生と英語でディスカッションしています」といった具体的なエピソードを用意しておきましょう。
また、バイオビジネスは規制産業でもあり、各国の法規制や市場動向を理解する必要があります。
世界的なヘルスケアのトレンドや、競合となる海外メガファーマの動きなどにもアンテナを張っておくと良いでしょう。
「日本だけでなく世界を舞台に活躍したい」という気概を見せることで、将来のリーダー候補として期待を持たせることができます。
バイオ業界の就職偏差値に関するよくある質問
最後に、バイオ業界を目指す学生からよく寄せられる質問にQ&A形式でお答えします。
理系特有の悩みや、進路選択に関わる重要な疑問を解消し、自信を持って就職活動に臨めるようにしましょう。
噂に流されず、正しい情報を知ることが成功への鍵です。
学部卒でも研究職に就くことはできますか?
結論から言うと、かなり厳しいですが「不可能ではありません」。
大手製薬メーカーや化学メーカーの基礎研究職は、募集要項で「修士以上」と明記されていることがほとんどです。
しかし、品質管理(QC)や品質保証(QA)、生産技術といった職種、あるいは食品メーカーの開発職などでは、学部卒でも採用されるケースがあります。
また、大手ではなく中堅メーカーや、特定分野に強みを持つ中小企業、受託分析会社などでは、学部卒の研究職採用を行っていることもあります。
どうしても研究職にこだわりたい場合は、視野を広げて企業を探すか、あるいは大学院進学を選択肢に入れることを強くおすすめします。
学部卒で挑む場合は、院生に負けない熱意とポテンシャル、そして基礎学力をアピールする必要があります。
文系でもバイオ業界に入るチャンスはありますか?
大いにあります。
バイオ・製薬業界には、研究職以外にも重要な役割がたくさんあります。
代表的なのが製薬会社のMR(医薬情報担当者)です。
医師や薬剤師に自社の薬の情報を提供する営業職で、文系出身者が多く活躍しています。
専門知識が必要ですが、入社後の研修が充実しているため、学ぶ意欲さえあれば文系でも医療の最前線に貢献できます。
その他にも、人事、経理、法務、広報、SCM(サプライチェーンマネジメント)など、会社の基盤を支える職種は文系がメインです。
特にバイオベンチャーでは、資金調達や事業開発といった経営に近いポジションで文系人材が求められることもあります。
「文系だから関係ない」と思わず、この業界で何を実現したいかを明確にすることで、道は開けます。
博士課程に進むと就職に不利になりますか?
かつては「博士は扱いづらい」と言われた時代もありましたが、現在は状況が変わりつつあります。
特に創薬研究などの高度な専門性が求められる分野では、博士号取得者を「即戦力の高度専門人材」として積極的に採用する企業が増えています。
大手製薬メーカーでは、研究職内定者の半数近くが博士課程修了者というケースもあるほどです。
ただし、漫然と博士課程に進めば良いわけではありません。
企業は「アカデミアの研究」と「企業の開発」の違いを理解している博士人材を求めています。
自分の研究に没頭するだけでなく、広い視野を持ち、チームで成果を出すコミュニケーション能力や柔軟性があることを示す必要があります。
博士ならではの深い思考力と専門性は、正しくアピールできれば最強の武器になります。
学歴フィルターはありますか?
残念ながら、バイオ業界、特に大手企業の技術職に関しては、学歴(学校名や研究室の実績)がある程度重視される傾向にあります。
これは、研究レベルの高さが大学の設備や指導教官の実績に依存する側面があるためです。
旧帝大や早慶、薬科大学の上位校などが採用実績の多くを占めるのが現実です。
しかし、それ以外の大学だと絶対に無理かというと、そうではありません。
特定の分野で突出した研究成果を上げている、学会で賞を取った、あるいはインターンシップで圧倒的な実力を見せたといった実績があれば、大学名は関係なく評価されます。
学歴を覆すだけの「個の力」と「実績」を作ることに注力しましょう。
学校名だけで諦める必要は全くありません。
まとめ
バイオ業界の就職偏差値は確かに高く、内定への道のりは険しいものです。
ライバルは皆優秀で、求められるスキルもハイレベルです。
しかし、人々の健康や生命、そして食の未来を支えるという仕事のやりがいは、何物にも代えがたいものがあります。
高い偏差値に恐れをなしてエントリーを躊躇するのではなく、まずは自分の研究や経験を振り返り、「自分には何ができるのか」「なぜこの業界で働きたいのか」を深く問い直してみてください。
専門性を磨き、相手に伝える努力を惜しまなければ、その熱意は必ず企業に届きます。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート











