はじめに
IT業界は変化が激しく、企業研究も一筋縄ではいきませんよね。
特に「〇〇コンサルティング」と「〇〇システムズ」のように、名前が似ている企業の違いに悩む学生さんは多いです。
今回は、そうした企業研究の「?」を解消するため、アビームコンサルティングのDNAを持ちつつ、独自の強みを発揮する「アビームシステムズ」に焦点を当てます。
この記事を読めば、アビームシステムズがどんな会社で、どのような人材を求めているのかが具体的に理解できるはずです。
あなたの企業選びの軸を明確にするためにも、ぜひ最後までお付き合いください。
【アビームシステムズはなんの会社】アビームシステムズはどんな会社なのか
アビームシステムズは、「ITコンサルティング」と「ものづくり(製造業)」という二つの強力なDNAを受け継ぐITサービス企業です。
少し分かりにくいかもしれませんが、世界的なコンサルティングファームのノウハウと、日本の製造業を支えてきた現場の知見、その両方を併せ持つハイブリッドな存在だとイメージしてください。
彼らが目指しているのは、単なるシステム開発会社ではありません。
お客様の経営課題や事業戦略に深く寄り添い、共に考え、ITの力でそれを実現していく「Real Partner(リアルパートナー)」であることを経営理念に掲げています。
IT戦略の立案からシステムの設計・開発、そして導入後の保守・運用に至るまで、一貫したサービスを提供できるのが大きな特徴です。
愛知県に本社を構え、特に製造業をはじめとする多くのお客様のビジネス革新を、ITプロフェッショナルとして支え続けています。
【アビームシステムズはなんの会社】アビームシステムズの仕事内容
アビームシステムズの仕事内容は、非常に多岐にわたります。
彼らが掲げる「Real Partner」という理念は、お客様のITに関するあらゆる課題に対応することを意味しているからです。
具体的には、企業の経営戦略を実現するためのITコンサルティングから、日々の業務を支えるシステムの開発・運用保守まで、まさに「上流から下流まで」全てのフェーズをカバーしています。
これは、新卒で入社する皆さんにとって、ITプロフェッショナルとして幅広いスキルとキャリアを積める環境があることを示しています。
例えば、経営層と対話しながらIT戦略を練る仕事もあれば、最先端の技術を駆使して新しいソリューションを生み出す仕事、安定稼働を支えるインフラを構築する仕事もあります。
次のセクションでは、これらの多様な仕事内容を、具体的な事業領域に分けてもう少し詳しく見ていきましょう。
自分の興味や強みがどの領域で活かせるか、想像しながら読み進めてみてください。
ERPサービスと業務アプリケーション開発
アビームシステムズの中核を担う事業の一つが、ERP(統合基幹業務システム)サービスの提供です。
ERPとは、企業の「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源を一元管理し、経営の効率化を図るためのシステムのことです。
特に同社は、中部・関西・東北地区でトップクラスのサービス提供力を誇り、多くの企業の経営基盤を支えています。
ここでの仕事は、お客様の業務プロセスを深く理解し、どの業務をどのようにシステム化すれば最適かを考え抜き、導入から運用までをサポートすることです。
また、ERPだけでなく、お客様固有の課題を解決するためのオーダーメイドの業務アプリケーション開発も得意としています。
ここでは、お客様の「こんなことがしたい」という要望を形にするため、要件定義から設計、開発、テストまで一貫して携わります。
現場のニーズを的確に捉えるヒアリング能力と、それをシステムに落とし込む技術力の両方が求められる、やりがいのある仕事です。
新技術・DX支援サービス
現代の企業にとって、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は待ったなしの課題です。
アビームシステムズは、この最先端領域でもお客様の「Real Partner」として活躍しています。
具体的には、IoT(モノのインターネット)で工場の機械稼働データを収集・分析したり、AI(人工知能)を活用して需要予測の精度を上げたり、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で定型業務を自動化したりと、新しい技術を駆使したソリューションを提供します。
この分野の仕事は、まだ世の中にない新しい価値を生み出す面白さがあります。
お客様自身も明確な答えを持っていない課題に対して、最新の技術トレンドを学びながら、「こんな技術を使えば、こんな未来が実現できるのではないか」と提案し、実証実験(PoC)を繰り返しながら形にしていきます。
変化を楽しみ、新しい知識をどん欲に吸収できる人にとって、非常に刺激的なフィールドと言えるでしょう。
インフラソリューションとAMO/ITOサービス
どれほど優れたアプリケーションやDX戦略も、それを支える強固な「土台」がなければ成り立ちません。
アビームシステムズは、システムの基盤となるインフラソリューションの領域でも高い専門性を発揮しています。
クラウドサービスの導入支援、5Gなどの最新ネットワーク技術の活用、そして日々巧妙化するサイバー攻撃からお客様の経営資源を守るセキュリティ対策など、企業活動の「安心・安全」を支える仕事です。
また、AMO(アプリケーション・マネジメント・アウトソーシング)やITO(ITアウトソーシング)サービスも提供しており、これはお客様のシステム運用・保守業務をアビームシステムズが代行・最適化するサービスです。
システムを「作って終わり」ではなく、稼働後も安定して使い続けられるようにサポートし、さらなる改善提案も行います。
縁の下の力持ちとして、お客様のビジネスを長期的に支えたいという志向を持つ人に適した領域です。
コンカレント・エンジニアリングと組込ソフト開発
アビームシステムズが持つ「ものづくり」のDNAが色濃く表れているのが、この二つの領域です。
コンカレント・エンジニアリング・サービスとは、主に製造業のお客様を対象に、製品の設計・開発プロセスそのものを見直し、ITの力で効率化(開発期間の短縮やコスト削減)を実現するコンサルティングに近い仕事です。
お客様の業務プロセスに深く入り込み、現場の課題を根本から解決していきます。
一方、組込ソフト開発サービスは、自動車や家電、産業機器など、私たちが日常的に触れる「モノ」に搭載されるソフトウェアを開発する仕事です。
これらの製品が正しく、安全に動作するための根幹を担うため、非常に高い品質と信頼性が求められます。
日本の「ものづくり」をITの力で直接的に支えたい、あるいは自分が開発したソフトウェアが搭載された製品が世の中に出ていくことに喜びを感じる人にとって、魅力的な分野でしょう。
【アビームシステムズはなんの会社】アビームシステムズが選ばれる理由と競合比較
多くのIT企業が存在する中で、なぜアビームシステムズはお客様から選ばれ続けるのでしょうか。
その理由は、同社が持つ独自の立ち位置と提供価値にあります。
単にシステムを開発するだけでなく、コンサルティングファーム由来の「課題解決力」と、製造業の現場を知り尽くした「業務ノウハウ」を融合させている点が、他のSIer(システムインテグレーター)との大きな違いです。
お客様のビジネスに深く寄り添い、「Real Partner」として長期的な関係性を築きながら、経営戦略の実現から日々の業務改善までを一気通貫でサポートできる体制が、お客様にとっての大きな安心感と価値につながっています。
このセクションでは、アビームシステムズの強みや、就活生の皆さんが気になるであろう競合他社との違いについて、もう少し具体的に掘り下げていきます。
企業研究を深める上で重要な比較ポイントを一緒に確認していきましょう。
「コンサルティング×ものづくり」の独自のDNA
アビームシステムズが持つ最大の強みは、その成り立ちに由来する「コンサルティング」と「ものづくり」という二つのDNAです。
多くのIT企業がどちらか一方に強みを持つ中で、同社はこの両方を高いレベルで兼ね備えています。
コンサルティングのDNAは、お客様の表面的な要求に応えるだけでなく、その背景にある真の経営課題は何かを突き止め、最適なIT戦略を立案する力につながっています。
一方、ものづくりのDNAは、製造業の複雑な業務プロセスや現場のニーズを深く理解し、理論倒れではない、地に足のついた実践的なシステムを構築する力として発揮されます。
このハイブリッドな強みこそが、お客様から「アビームシステムズになら任せられる」と信頼される源泉であり、他のIT企業にはない独自の価値となっています。
「Real Partner」としての上流から下流までの一貫体制
アビームシステムズが選ばれるもう一つの大きな理由は、IT戦略の立案(最上流)から、システムの企画・設計、開発・導入、さらには導入後の運用・保守(最下流)まで、全てのフェーズをワンストップでサポートできる一貫体制にあります。
一般的なコンサルティングファームは戦略立案が中心で、実際のシステム開発や運用は他社に委託するケースも少なくありません。
また、開発専門のSIerは、戦略フェーズに関われないこともあります。
しかしアビームシステムズは、「Real Partner」としてお客様のビジネスに長期的に伴走するため、これら全てを自社で手掛けます。
これにより、戦略と実行の間にズレが生じにくく、お客様の課題解決に向けて最後まで責任を持った支援が可能になります。
就活生の皆さんにとっても、キャリアの中で上流から下流まで幅広い経験を積める環境は、大きな魅力と言えるでしょう。
アビームコンサルティングや他SIerとの違い
就職活動において、アビームシステムズとアビームコンサルティングの違いは、多くの学生が疑問に思う点でしょう。
両社はもともと同じルーツを持ちますが、現在は異なる役割を担っています。
アビームコンサルティングは、より経営戦略や業務改革といった「最上流のコンサルティング」に特化しています。
一方、アビームシステムズは、コンサルティングの知見も持ちつつ、ITの「実行・実現」部分(システム開発、インフラ構築、運用保守)により重きを置いたITサービス企業です。
また、トヨタ系SIer(トヨタシステムズなど)や他の独立系SIerと比較した場合、アビームシステムズは特定のメーカーや系列に縛られず、多様な業界のお客様(特に製造業)にサービスを提供している点や、前述の「コンサルティング×ものづくり」のDNAを持つ点が特徴となります。
自分のキャリアで「戦略立案」を極めたいのか、「ITによる実現」を追求したいのか、よく考えてみると良いでしょう。
充実した研修制度と働きやすさ
お客様から選ばれる企業であるためには、社員が成長し、いきいきと働ける環境が不可欠です。
アビームシステムズは、その点でも就活生にとって魅力的な要素を備えています。
特に研修制度は非常に充実しており、新入社員研修はもちろんのこと、配属後も継続的にスキルアップできるプログラムが用意されています。
特筆すべきは、アビームコンサルティングが提供する高度な研修プログラムの一部を受講できる機会もある点です。
これにより、ITスキルだけでなく、コンサルタントとしての論理的思考力や課題解決能力も磨くことができます。
さらに、フルフレックスタイム制度や在宅勤務制度の導入など、柔軟な働き方をサポートする環境づくりにも力を入れており、ライフイベントに合わせて長く働き続けられる基盤が整っています。
こうした社員の成長と働きやすさへの投資が、結果としてお客様への高いサービス品質につながっています。
【アビームシステムズはなんの会社】アビームシステムズの求める人物像
ここまでアビームシステムズの事業内容や強みを見てきましたが、では、同社はどのような人物を求めているのでしょうか。
企業が求める人物像を知ることは、ミスマッチを防ぎ、自分自身がその環境で輝けるかを判断する上で非常に重要です。
アビームシステムズが掲げる経営理念は「Real Partner」。
これは、お客様と真摯に向き合い、信頼関係を築き、共に課題を解決していくという強い意志の表れです。
したがって、単にITスキルが高いだけでなく、人間的な魅力や高い倫理観、そしてチームとして動ける協調性が求められることは想像に難くありません。
また、同社は「コンサルティング」と「ものづくり」のDNAを持つと同時に、DX支援など変化の激しい分野も手掛けています。
そのため、現状に満足せず、常に新しい知識や技術を学び続ける意欲も不可欠でしょう。
以下で、同社が公式に発信している情報や、これまでの分析から見えてくる具体的な人物像について解説していきます。
経営理念「Real Partner」に共感できる人
アビームシステムズが最も重視しているのは、経営理念である「Real Partner(リアルパートナー)」に深く共感できることです。
これは、お客様を単なる「取引先」としてではなく、ビジネスの成功を共に目指す「仲間」として捉え、長期的な信頼関係を築いていく姿勢を意味します。
そのため、目先の利益や技術力の誇示にとらわれず、常にお客様にとって何が最善かを考え、誠実に行動できる人が求められています。
また、パートナーであるためには、お客様のビジネスや業界動向を深く理解しようと努める知的好奇心も必要です。
お客様の課題を「自分ごと」として捉え、その成功を心から喜び、失敗した時は共に悩み、次の一手を考えられる。
そんな、「お客様の側に立ち続ける」という強い意志を持っているかどうかが、まず問われるポイントとなるでしょう。
自ら考え行動し、周囲を巻き込める人
アビームシステムズの選考では、「自分で考え行動し、結果(成果)を残した経験」や「苦労した場面をどう乗り越えたか」といった質問がよくなされます。
これは、同社が主体性とリーダーシップを非常に重視していることの表れです。
ITプロジェクトは、予期せぬトラブルや困難に直面することが日常茶飯事です。
そんな時、指示を待つのではなく、自ら課題の原因を分析し、解決策を考え、周囲に働きかけて実行に移せる人材が不可欠なのです。
ここでいうリーダーシップとは、必ずしも「リーダー」の役職を経験したことだけを指すわけではありません。
チームの中でどのような立場であれ、自分の役割を全うしつつ、チーム全体の目標達成のために何ができるかを考え、積極的に貢献しようとする姿勢こそが求められています。
高い視座と「こだわれる」探究心を持つ人
アビームシステムズは、社員に対して「こだわれる人」であってほしいと発信しています。
これは、二つの意味を含んでいると考えられます。
一つは、提供するITサービスの品質に対する徹底的なこだわりです。
お客様のビジネスを支えるシステムに、妥協は許されません。
細部にまで気を配り、より良い品質を追求し続けるプロフェッショナルな姿勢が求められます。
もう一つは、自分自身の成長に対するこだわり、すなわち高い視座と継続的な探究心です。
IT業界の技術革新は非常に速く、昨日までの常識が今日には通用しなくなることもあります。
常にアンテナを高く張り、新しい知識やスキルをどん欲に吸収し続ける「学び続ける力」がなければ、お客様の「Real Partner」として価値を提供し続けることはできません。
変化を恐れず、むしろ楽しむくらいの気概が必要でしょう。
【アビームシステムズはなんの会社】アビームシステムズに向いてる・向いていない人
アビームシステムズの求める人物像が見えてきたところで、次は「自分は本当にこの会社に向いているのだろうか」という視点で考えてみましょう。
どんなに優れた企業でも、その社風や働き方が自分に合わなければ、入社後に苦労することになってしまいます。
逆に、自分の価値観や得意分野と、会社が求めるものが一致していれば、大きなやりがいを感じながら成長できるはずです。
アビームシステムズは、「Real Partner」としてお客様と長期的な関係を築き、チームワークを重視しながら上流から下流まで一貫してITサービスを提供します。
このキーワードから、どのような人が活躍でき、どのような人がミスマッチを起こしやすいかが見えてきます。
このセクションでは、これまでの分析を踏まえ、アビームシステムズに「向いている人」と「向いていない人」の傾向を具体的に解説していきます。
自分自身の性格やキャリアプランと照らし合わせながら、自己分析の参考にしてください。
【向いている人】顧客と長期的な信頼関係を築きたい人
アビームシステムズの仕事の根幹には、「Real Partner」という理念があります。
これは、一度きりのプロジェクトで終わるのではなく、お客様のビジネスに深く寄り添い、何年にもわたって信頼関係を築きながらサポートし続けることを意味します。
したがって、「ありがとう」という言葉を直接聞ける距離感で、特定の顧客とじっくり向き合いたいと考えている人には最適な環境です。
システムを導入して終わりではなく、その後の運用・保守や更なる改善提案を通じて、お客様のビジネスの成長を長期的に見届けることができます。
人の役に立つことを実感し、深いリレーションシップの中でこそ力を発揮できるタイプの人は、アビームシステムズで大きなやりがいを見つけられるでしょう。
逆に、次々と新しい顧客やプロジェクトを短期間で渡り歩きたいという志向の人には、物足りなく感じる側面もあるかもしれません。
【向いている人】チームで協力して大きな成果を出したい人
アビームシステムズは、求める人物像の一つに「チームワークを大切にする」ことを挙げています。
ITプロジェクト、特に同社が手掛けるような大規模なシステム構築は、決して一人では成し遂げられません。
多様な専門性を持つメンバーがそれぞれの強みを持ち寄り、お互いにリスペクトし、補完し合いながら一つの目標に向かって進むことが不可欠です。
そのため、個人プレーで成果を出すことよりも、チーム全体としていかにパフォーマンスを最大化できるかを考え、行動できる人が向いています。
仲間と議論を交わしながらより良いものを創り上げていくプロセスを楽しめる人や、縁の下の力持ちとしてチームを支えることに喜びを感じる人にとって、同社の風通しの良い「チームワーク」を重んじる文化は、非常に働きやすい環境と感じられるはずです。
【向いていない人】開発や運用・保守には一切関わりたくない人
アビームシステムズは、戦略立案から運用・保守まで「上流から下流まで」一貫して手掛けることを強みとしています。
これは、新卒入社の段階から、システムが実際にどのように作られ、どのように動いているのか、その「手触り感」のある現場を経験できるチャンスが多いことを意味します。
しかし裏を返せば、「コンサルティング業務『だけ』をやりたい」「自分は戦略立案や要件定義だけに関わり、実際の開発や地道な保守業務はやりたくない」と考えている人には、ミスマッチが生じる可能性があります。
もちろん、キャリアを積む中で上流工程の比重は高まっていきますが、お客様の「Real Partner」であるためには、現場を知らずして最適な提案はできないという考え方が根底にあるからです。
ITの「実行・実現」部分も含めて、幅広くスキルを身につけたいという意欲が重要です。
【アビームシステムズはなんの会社】アビームシステムズに受かるために必要な準備
アビームシステムズが自分に合っているかもしれない、挑戦してみたいと感じたら、次はいよいよ選考突破のための準備です。
同社は「Real Partner」という理念のもと、チームで成果を出せる、主体性と探究心を持った人材を求めています。
したがって、選考対策も、これらのキーワードを軸に据えて進める必要があります。
単に「ITスキルを学びたい」というだけでは、「なぜアビームシステムズなのか」という問いに答えることは難しいでしょう。
同社のビジネスモデルや企業文化を深く理解し、自分がその中でどのように貢献できるのかを具体的に示すことが求められます。
エントリーシート(ES)の設問も、学生時代の経験を通じて、あなたの「人となり」や「思考プロセス」を深く知ろうとする意図が感じられるものになっています。
付け焼き刃の対策ではなく、これまでの自分をしっかりと振り返り、自分の言葉で語れるように準備することが合格への鍵となります。
なぜ「コンサル」でなく「システムズ」なのかを言語化する
アビームシステムズの選考を受ける上で、ほぼ間違いなく問われるのが「なぜアビームコンサルティングではなく、アビームシステムズなのか」という点です。
両社の違いを正しく理解し、自分が「システムズ」を志望する理由を明確に説明できなければなりません。
例えば、「戦略立案という『絵を描く』段階だけでなく、ITという具体的な手段を用いて『絵を形にする』実行・実現のフェーズまで一貫して携わりたい」といった説明が考えられます。
また、「システムが稼働した後もお客様に寄り添い、運用・保守を通じて長期的にビジネスを支えていく仕事に魅力を感じる」というのも、システムズならではの志望動機になるでしょう。
上流から下流まで手掛ける同社の強みと、自身のキャリアプランや価値観がどう結びつくのか、深く掘り下げておく必要があります。
求める人物像に合致する「チームでの経験」を整理する
アビームシステムズは「チームワーク」を非常に重視しています。
そのため、ESや面接では、個人として達成した成果よりも、チーム(部活動、サークル、アルバイト、研究室など)の中で、あなたがどのように考え、行動し、貢献したかというエピソードが非常に重要になります。
特に「自分で考え行動し、結果(成果)を残した経験」や「一番苦労した場面と、それをどう乗り越えたのか」といった設問は、あなたの主体性や課題解決能力、周囲との協調性を見るためのものです。
単に「リーダーでした」という役職をアピールするのではなく、「チームの目標達成のために、どのような課題があり、自分はそこで何をすべきだと考え、周囲(先輩、後輩、同僚)をどう巻き込みながら、最終的にどのような結果(または学び)を得たのか」を具体的に語れるように整理しておきましょう。
IT業界の動向と「Real Partner」の理念を結びつける
アビームシステムズはITサービス企業であり、お客様のDX推進などを支援しています。
したがって、IT業界の基本的なトレンド(クラウド、AI、IoT、セキュリティなど)について、新聞やニュースで概要を掴んでおくことは最低限必要です。
その上で大切なのは、それらの技術動向と、同社の「Real Partner」という理念を結びつけて考えることです。
例えば、「AI技術が急速に進化する中で、多くの企業が『どう活用すればいいか分からない』という課題を抱えている。
だからこそ、技術を押し付けるのではなく、お客様のビジネスを深く理解し、真の課題解決につながるAI活用法を『共に考える』リアルパートナーの存在が不可欠になる」といった形で、自分なりの仮説や考えを構築しておくと、志望度の高さや思考の深さを示すことができます。
【アビームシステムズはなんの会社】アビームシステムズの志望動機の書き方
選考準備の中でも、特に頭を悩ませるのが「志望動機」ではないでしょうか。
アビームシステムズの志望動機を作成する上で重要なのは、前セクションで準備した「なぜシステムズなのか」「チームでの経験」「IT業界への理解」といった要素を、自分自身の「言葉」で再構築することです。
内定者の志望動機を見ると、「上流から下流まで関われる」「研修制度が充実している」「勤務地が確約されている」といった魅力が挙げられていますが、それらを「理由」として並べるだけでは、採用担当者の心には響きません。
大切なのは、それらの魅力が「なぜ、あなたにとって重要なのか」そして「それを活かして、アビームシステムズで何を成し遂げたいのか」を具体的に示すことです。
あなたの過去の経験と、アビームシステムズという未来(舞台)が、一本の線で繋がるような、論理的で情熱のこもったストーリーを組み立てていきましょう。
軸:「Real Partner」としてどう貢献したいかを具体化する
志望動機の「核」となるのは、やはり経営理念「Real Partner」への共感と、それに対して自分がどう貢献できるかというビジョンです。
まずは、「なぜ自分は、お客様と長期的に寄り添う『Real Partner』という働き方に強く惹かれるのか」、その理由を自分自身の経験から見つけ出す必要があります。
例えば、「アルバイト先で、常連のお客様との対話を通じて潜在的なニーズを汲み取り、感謝された経験」など、ささやかなことでも構いません。
その経験から学んだ「深く関係性を築くことの喜び」と、アビームシステムズの理念を結びつけます。
その上で、「私はこの強みを活かし、お客様の業務に深く入り込み、ITの専門家として、そしてビジネスパートナーとして、お客様の〇〇といった課題を解決したい」というように、入社後の貢献イメージを具体的に述べることが重要です。
経験:ITへの関心と「チームでの実績」を紐づける
次に、なぜIT業界、そしてアビームシステムズなのか、その説得力を高めるために、あなたの過去の経験を紐づけます。
IT未経験者や文系学生の場合、「ITスキルがないこと」を不安に思う必要はありません。
それよりも、「なぜITに興味を持ったのか」というきっかけや、「新しいことを学ぶ意欲」を示すことが大切です。
例えば、「大学のゼミでデータ分析に触れ、情報が持つ力に可能性を感じた」といったエピソードでも良いでしょう。
さらに重要なのが、求める人物像でもあった「チームでの経験」です。
「チームで課題を乗り越えた経験」と「アビームシステムズの仕事(プロジェクト)」との共通点を見出し、「私はチームでこそ力を発揮できる人間であり、それは御社のプロジェクト推進においても活かせると確信している」という流れを作ることで、志望動機に厚みを持たせることができます。
例文:【アビームシステムズ 志望動機】
私が御社を志望する最大の理由は、お客様と長期的な信頼関係を築き、ビジネスの成功を最後まで伴走支援する「Real Partner」という経営理念に深く共感したからです。
私は学生時代、飲食店のアルバイトリーダーとして、チームの課題解決に取り組みました。
当初、スタッフ間の連携不足でクレームが多いという課題がありましたが、私は一人ひとりと対話し、業務マニュアルの改善と定期的なミーティングを提案・実行しました。
その結果、チームの一体感が高まり、お客様からの「ありがとう」という言葉も増え、課題を根本から解決する喜びと、チームで成果を出すことのやりがいを学びました。
御社が、コンサルティングの知見を持ちながらも、ITの「実行・実現」から「運用・保守」まで一貫して手掛け、お客様のビジネスに深く入り込んでいる点に、私の経験と通じる魅力を感じています。
ITは未経験ですが、御社の充実した研修制度で貪欲に知識を吸収し、持ち前の「傾聴力」と「課題解決力」を活かして、一日も早くお客様の真のパートナーとして貢献したいと強く願っています。
【アビームシステムズはなんの会社】アビームシステムズについてよくある質問
ここまでアビームシステムズについて詳しく解説してきましたが、企業研究を進める中で、まだ細かな疑問や不安が残っているかもしれません。
特に、名前が似ている企業との関係性や、実際の働き方、キャリアについては、なかなか情報が得にくい部分もありますよね。
このセクションでは、就活生の皆さんからよく寄せられる質問や、私が就活アドバイザーとして「ここは押さえておくべき」と考えるポイントについて、Q&A形式で解説していきます。
企業説明会やOB・OG訪問で質問する前の最終確認としても役立ててください。
皆さんの「最後のひと押し」の不安を解消できれば幸いです。
Q1. アビームコンサルティングとの関係性や違いは?
A1. もともと同じルーツを持つ企業グループですが、現在は役割が異なります。
アビームコンサルティングは、経営戦略の立案や業務改革といった「最上流のコンサルティング」を主軸としています。
一方、アビームシステムズは、コンサルティングのDNAを持ちつつも、IT戦略の実現(システム設計・開発)から運用・保守まで、ITサービスを「実行」する部分により強みを持つITサービス企業です。
「戦略を描く」のがコンサルティング、「戦略をITで形にし、支え続ける」のがシステムズ、とイメージすると分かりやすいでしょう。
キャリアプランとして、戦略立案を極めたいならコンサルティング、ITの実行と長期的な顧客伴走に魅力を感じるならシステムズ、という選択が考えられます。
Q2. 配属や勤務地(転勤)について教えてください。
A2. アビームシステムズは、愛知県名古屋市に本社を構え、他にも東京や大阪などに拠点を持っています。
新卒採用においては、勤務地(特に名古屋本社での勤務)が確約されていることが多く、これは地方出身者や特定の地域で働きたい学生にとって大きな魅力となっています(※最新の採用情報を必ずご確認ください)。
配属については、入社後の新入社員研修期間中に、本人の希望や適性、各部門のニーズを総合的に判断して決定されるのが一般的です。
ERP、業務アプリケーション、インフラ、組込ソフトなど、事業領域が幅広いため、自分がどの分野に興味があるのかを研修期間中にアピールすることも重要になるでしょう。
Q3. 文系出身者やIT未経験でも活躍できますか?
A3. 全く問題ありません。
実際にアビームシステムズの社員インタビューなどを見ると、文系出身でIT未経験からスタートし、第一線で活躍されている先輩社員がたくさんいます。
同社が充実した研修制度(アビームコンサルティングの研修も受講可能)を用意しているのは、まさにITスキルやプログラミング経験の有無よりも、入社後の「学び続ける意欲」や、お客様の課題を理解し、解決に導く「論理的思考力」「コミュニケーション能力」といったポテンシャルを重視しているからです。
大切なのは、ITを「手段」として、お客様の課題解決にどう貢献したいかという「意志」です。
Q4. 研修制度やキャリアパスはどのようなものですか?
A4. アビームシステムズは、社員の成長を支える研修制度に非常に力を入れています。
入社後数ヶ月間にわたる新入社員研修では、ビジネスマナーやITの基礎知識、プログラミングの初歩などを体系的に学びます。
配属後も、OJT(オンザジョブトレーニング)による先輩社員のサポートはもちろん、階層別研修や専門スキル研修、アビームコンサルティングの研修プログラムへの参加など、継続的にスキルアップできる環境が整っています。
キャリアパスとしては、まずはITプロフェッショナルとして技術や業務知識を深め、将来的にはプロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)としてチームを率いる道、あるいは特定の技術や業務領域を極めるスペシャリストとしての道など、多様なキャリアを描くことが可能です。
まとめ
今回は、「アビームシステムズ」という企業について、その事業内容から強み、求める人物像、そして選考対策まで、多角的に掘り下げてきました。
アビームシステムズは、単なるシステム開発会社ではなく、「コンサルティング×ものづくり」のDNAを持ち、お客様の「Real Partner」としてIT戦略の立案から実行・保守までを一貫して支える、非常にユニークで強力なITサービス企業であることがお分かりいただけたかと思います。
チームワークを大切にし、お客様と長期的な信頼関係を築きながら、上流から下流まで幅広い経験を積みたいと考えている就活生にとって、非常に魅力的な環境が整っていると言えるでしょう。
この記事を読んで「挑戦してみたい」と感じた方は、ぜひ「なぜコンサルティングではなく、システムズなのか」を自分の言葉で語れるよう、自己分析と企業研究をさらに深めてみてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート











