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【セールスフォースはなんの会社】セールスフォースはどんな会社なのか
セールスフォース(Salesforce)は、一言でいうと「CRM(顧客関係管理)」の分野で世界トップシェアを誇る、クラウドベースのソフトウェア(SaaS)を提供している会社です。
企業が顧客との関係を築き、深め、管理していくためのあらゆるツールを、インターネット経由で提供しています。
例えば、営業活動を支援するシステム、顧客からの問い合わせを管理するシステム、マーケティング活動を自動化するシステムなど、企業の「顧客」に関わる業務全般をサポートしています。
「ビジネスのやり方を変革する」というビジョンのもと、多くの企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支える、IT業界のリーディングカンパニーの一つです。
【セールスフォースはなんの会社】セールスフォースの仕事内容
セールスフォースと聞くと、最先端のIT企業というイメージが先行するかもしれませんが、その中身は多様な職種によって支えられています。
企業(お客様)の課題を解決し、成功に導く(カスタマーサクセス)という共通の目標に向かって、様々な役割の社員が連携して働いているのが特徴です。
具体的にどのような仕事があるのでしょうか。
新卒採用においても募集されることが多い、代表的な職種をいくつか見ていきましょう。
それぞれの職種がどのように連携し、お客様のビジネスに貢献しているのかを理解することは、企業研究や自己分析において非常に重要です。
自分が入社した場合、どのポジションでどのように活躍したいかを具体的にイメージしながら読み進めてみてください。
セールスフォースの仕事内容:営業(アカウントエグゼクティブ)
セールスフォースの「営業」は、単に製品を売るだけではありません。
お客様である企業の経営課題や業務上の悩みを深くヒアリングし、セールスフォースの多彩な製品(サービス)を組み合わせて最適な解決策を提案する、ソリューション営業が中心です。
特に「アカウントエグゼクティブ」と呼ばれる営業職は、担当する企業(アカウント)の成功(サクセス)に責任を持ち、長期的な関係性を築きながら、お客様のビジネス成長を支援するパートナーとしての役割を担います。
そのためには、自社製品への深い理解はもちろん、お客様の業界知識やビジョンを共有し、潜在的なニーズを引き出す高度なコミュニケーション能力が求められます。
また、新規顧客を開拓する役割と、既存顧客のさらなる成功を支援する役割に分かれている場合もあります。
企業のDXを最前線で推進する、非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。
セールスフォースの仕事内容:インサイドセールス(セールスディベロップメント)
「インサイドセールス」は、近年多くの企業で導入が進んでいる比較的新しい営業スタイルですが、セールスフォースはまさにその先駆けともいえる存在です。
主に電話やメール、Web会議システムなどを活用し、オフィスにいながらにして営業活動を行います。
特に新卒で配属されることが多い「セールスディベロップメント」という役割では、マーケティング部門が獲得した見込み顧客(リード)に対してアプローチし、お客様の課題を具体化しながら、セールスフォース製品への関心を高めていくことが主なミッションです。
そして、具体的な商談の機会(アポイントメント)を創出し、前述のアカウントエグゼクティブへと繋ぎます。
お客様との最初の接点となる非常に重要な役割であり、効率的かつ戦略的なアプローチが求められます。
最先端の営業手法を学び、論理的思考力やヒアリング力を鍛えることができるポジションです。
セールスフォースの仕事内容:カスタマーサクセスマネージャー
セールスフォースが非常に重視しているのが、「カスタマーサクセス(お客様の成功)」という概念です。
製品を導入して終わりではなく、導入後にお客様が製品を最大限に活用し、ビジネス上の成果を出せるように支援する専門の職種が「カスタマーサクセスマネージャー」です。
サブスクリプションモデル(月額課金制)が主流のSaaSビジネスにおいて、お客様に継続して利用してもらうためには、製品を通じて常に価値を提供し続ける必要があります。
カスタマーサクセスマネージャーは、お客様の利用状況を分析し、活用が進んでいない部分があればトレーニングを実施したり、新しい活用方法を提案したりします。
お客様のビジネスに深く寄り添い、長期的な信頼関係を築くことが求められる、コンサルタント的な側面も持つ仕事です。
セールスフォースの仕事内容:ソリューション・エンジニア
「ソリューション・エンジニア」(またはプリセールスとも呼ばれます)は、営業(アカウントエグゼクティブ)と密に連携し、技術的な側面から商談をサポートする専門職です。
お客様が抱える複雑な課題に対し、セールスフォースの製品でどのように解決できるかを技術的な知見に基づいて具体的に示します。
例えば、お客様の既存システムとの連携方法を設計したり、製品のデモンストレーションを通じて「こんなことができるのか」という具体的なイメージを持ってもらったりします。
文系出身者には難しく聞こえるかもしれませんが、高度なプログラミングスキルが必須というわけではなく、むしろ技術とビジネスの橋渡し役としての能力が重要です。
お客様の要望を技術的な要件に落とし込み、エンジニアチームに伝える役割も担うため、論理的思考力と高いコミュニケーション能力が不可欠です。
【セールスフォースはなんの会社】セールスフォース選ばれる理由と競合比較
世界中の多くの企業が、なぜCRMのパートナーとしてセールスフォースを選ぶのでしょうか。
CRM市場には、マイクロソフトやオラクル、SAPといった巨大IT企業も存在し、それぞれが強力な製品を提供しています。
その中でセールスフォースが長年にわたりトップシェアを維持し、多くの企業から支持され続けるのには明確な理由があります。
ここでは、セールスフォースの独自の強みと、競合他社と比較した際の際立った特徴について解説していきます。
企業研究において、その企業が市場で「なぜ選ばれているのか」を理解することは、志望動機を深める上で非常に重要です。
選ばれる理由:圧倒的な機能性と拡張性(プラットフォーム)
セールスフォースが選ばれる最大の理由の一つは、その圧倒的な機能性と拡張性にあります。
セールスフォースは単なる「営業支援ツール」ではなく、「Salesforce Platform」という強固な基盤(プラットフォーム)の上に、営業支援(Sales Cloud)、顧客サポート(Service Cloud)、マーケティング(Marketing Cloud)など、多彩なアプリケーションが乗っている構造をしています。
これにより、企業はまず営業部門で導入し、成果が出たらサポート部門、次にマーケティング部門へと、段階的に利用範囲を広げていくことができます。
さらに、「AppExchange」という世界最大のビジネスアプリのマーケットプレイスを持っており、セールスフォース標準機能だけでは足りないニッチなニーズにも、サードパーティ製のアプリを組み合わせることで柔軟に対応可能です。
この「プラットフォーム」としての戦略が、他社にはない大きな強みとなっています。
選ばれる理由:強力なエコシステムとコミュニティ
セールスフォースの強さは、製品力だけにとどまりません。
製品を取り巻く「エコシステム(生態系)」が非常に強力であることも、選ばれる大きな理由です。
エコシステムとは、セールスフォース本体だけでなく、導入を支援するコンサルティングパートナー、AppExchangeでアプリを提供するパートナー、そしてセールスフォースのスキルを持つ多くの技術者や管理者(Trailblazerと呼ばれる)たちの総体を指します。
何か困ったことがあっても、豊富な知識を持つパートナー企業のサポートを受けられたり、活発なユーザーコミュニティで情報を交換したりできます。
また、「Trailhead」という無料のオンライン学習プラットフォームが充実しており、誰もがスキルを習得しやすい環境が整っています。
この強力なエコシステムが、企業が安心してセールスフォースを導入・活用できる基盤となっているのです。
競合比較:マイクロソフトやオラクルとの違い
CRM市場におけるセールスフォースの主な競合としては、マイクロソフト(Microsoft Dynamics 365)やオラクル(Oracle CX)、SAP(SAP C/4HANA)などが挙げられます。
これらの競合も、それぞれが大企業向けの基幹システム(ERP)やデータベースで強みを持っており、それらとの連携を武器にCRM市場でもシェアを伸ばそうとしています。
マイクロソフトは、多くの企業が利用するOffice製品やTeamsとのシームレスな連携が強みです。
一方、セールスフォースの強みは、「CRM専業」としてスタートし、徹底的に顧客管理の分野を深掘りしてきた点にあります。
クラウドネイティブ(最初からクラウド前提で設計されている)であることの使いやすさや、前述したプラットフォームとしての柔軟性、イノベーションの速さにおいて優位性を持っています。
どの企業も「顧客中心」をうたっていますが、セールスフォースはその思想を最も早くから実践し、市場を牽引してきたリーダーであると言えるでしょう。
【セールスフォースはなんの会社】セールスフォースの求める人物像
高い成長を続け、世界をリードするセールスフォースでは、どのような人材が求められているのでしょうか。
外資系IT企業と聞くと、個人の成果を追求する「実力主義」のイメージが強いかもしれませんが、セールスフォースはそれだけではありません。
同社が非常に大切にしている独自の企業文化やバリュー(価値観)があり、それに共感し、体現できるかどうかが強く問われます。
ここでは、セールスフォースが公式に掲げているバリューや、選考を通じて見られるポイントを基に、新卒学生に求められる人物像を具体的に解説していきます。
自分がこれらの価値観に共感できるか、過去の経験と照らし合わせながら読み進めてみてください。
求める人物像:4つのコアバリューへの共感
セールスフォースは、「信頼(Trust)」「カスタマーサクセス(Customer Success)」「イノベーション(Innovation)」「平等(Equality)」という4つのコアバリューを掲げています。
これらは単なるスローガンではなく、日々のビジネス活動や社員の行動指針として深く根付いています。
まず「信頼」は、お客様や同僚、社会との関係におけるすべての基盤です。
次に「カスタマーサクセス」は、常にお客様の成功を第一に考える姿勢。
「イノベーション」は、現状に満足せず、新しい技術やアイデアで変革を恐れないこと。
「平等」は、すべての人を尊重し、多様性を受け入れる文化を指します。
選考では、これらのバリューに共感できるか、そして過去の経験(アルバイト、サークル、留学など)の中で、これらのバリューに通じる行動をとったことがあるかを問われることが多いでしょう。
求める人物像:変化を楽しみ、主体的に学べる人
IT業界、特にクラウドビジネスの世界は、技術の進化が非常に速く、市場のニーズも目まぐるしく変化します。
昨日まで最新だった知識が、今日にはもう古くなっていることも珍しくありません。
セールスフォースのような成長企業では、常に新しい製品やサービスが生まれ、組織のあり方も柔軟に変わっていきます。
このような環境では、変化を「脅威」ではなく「チャンス」と捉え、楽しめる前向きな姿勢が不可欠です。
また、会社が手取り足取り教えてくれるのを待つのではなく、自ら課題を見つけ、「Trailhead」などのリソースを活用しながら主体的に学び、スキルアップしていける「自走力」を持った人材が強く求められます。
学生時代の経験で、自ら目標を立てて学習した経験や、環境の変化に適応したエピソードがあれば、大きなアピールポイントになります。
求める人物像:チームワークを重視し、貢献できる人
セールスフォースは、「Ohana(オハナ)」というハワイ語で「家族」を意味する言葉を使い、社員同士の繋がりやチームワークを非常に大切にする文化(Ohanaカルチャー)を持っています。
個人の成果も重要ですが、それ以上にチーム全体で成果を出すこと、そしてお互いを助け合い、高め合うことを重視します。
営業、インサイドセールス、カスタマーサクセス、エンジニアなど、異なる役割のメンバーが密に連携しなければ、お客様の真の成功(カスタマーサクセス)は実現できません。
そのため、自分の役割に閉じこもるのではなく、周りを巻き込みながら物事を進められる協調性や、チームの成功のために自分は何ができるかを考え、率先して行動できる「フォロワーシップ」も高く評価されます。
サークル活動やグループワークなどで、チームに貢献した経験を具体的に語れるように準備しておきましょう。
【セールスフォースはなんの会社】セールスフォースに向いてる・向いていない人
セールスフォースは非常に魅力的な企業ですが、当然ながら「誰にとっても最高の職場」というわけではありません。
同社の文化や働き方、ビジネスのスピード感が、自分の価値観やキャリアプランと合うかどうかを冷静に見極めることが、入社後のミスマッチを防ぐ上で非常に重要です。
ここでは、これまでに解説してきた特徴を踏まえ、セールスフォースに向いている人の特徴と、ミスマッチになる可能性がある人の特徴を具体的に挙げていきます。
これは優劣ではなく、あくまで「相性」の問題です。
自分自身がどちらのタイプに近いかを考えながら、自己分析の参考にしてみてください。
向いている人:高い成長意欲と知的好奇心を持つ人
セールスフォースは、常に業界の最先端を走り続ける企業です。
新しいテクノロジー、新しい製品、新しい市場が次々と生まれます。
このような環境では、「学び続けること」が仕事の一部と言っても過言ではありません。
ITのトレンドや、お客様の業界動向、新しい営業手法など、学ぶべきことは無限にあります。
そのため、現状維持に満足せず、常に自分をアップデートしていきたいという高い成長意欲を持つ人や、未知の物事に対する強い知的好奇心を持つ人には、これ以上ない刺激的な環境と言えるでしょう。
無料の学習ツール「Trailhead」が充実していることからも、会社として社員の学びを強力にバックアップする姿勢がうかがえます。
向いていない人:安定志向で、変化を好まない人
逆説的になりますが、セールスフォースの「変化の速さ」と「成長への要求」は、人によっては大きなストレスになる可能性があります。
例えば、決められた業務を決められた手順でコツコツとこなすことにやりがいを感じる人や、頻繁な組織変更や役割の変更を好まない、安定志向の強い人には、あまり向いていないかもしれません。
また、セールスフォースのビジネスは無形商材であり、お客様の課題に合わせて柔軟にソリューションを提案する必要があるため、「マニュアル通りにやればよい」という仕事は少ないです。
自ら考え、行動し、変化に適応していくことが求められるため、受け身の姿勢では活躍が難しい環境であることは理解しておくべきでしょう。
向いている人:チームで大きな目標を達成したい人
セールスフォースは「Ohanaカルチャー」に象徴されるように、チームワークを非常に重視します。
個人の成果(インセンティブ制度もあります)も評価されますが、それ以上にチーム全体、会社全体の成功を喜び、お互いを称え合う文化が根付いています。
また、同社が取り組む課題は、一企業のDX支援に留まらず、社会課題の解決(1-1-1モデルと呼ばれる社会貢献活動など)にも及びます。
そのため、個人の力で完結する仕事よりも、多様なバックグラウンドを持つ仲間と協力し、議論を重ねながら、より大きな目標や社会的な意義のあることを成し遂げたいと考える人にとって、非常にやりがいを感じられる職場です。
【セールスフォースはなんの会社】セールスフォースに受かるために必要な準備
セールスフォースは新卒就活生から非常に人気が高く、当然ながら選考難易度も高い企業の一つです。
内定を勝ち取るためには、一般的な就活対策に加えて、「なぜセールスフォースなのか」を深く掘り下げ、同社が求める人物像に合致していることを具体的に示す準備が不可欠です。
ここでは、セールスフォースの選考を突破するために、学生時代に特に意識して取り組むべき準備について、具体的なアドバイスをします。
付け焼き刃ではない、本質的な企業理解と自己分析が合否を分ける鍵となります。
準備:徹底的な企業理解とバリューへの共感
まず最も重要なのは、セールスフォースという会社を徹底的に理解することです。
単に「CRM世界No.1」といった表面的な情報だけでなく、彼らが何を大切にし(コアバリュー)、どのような世界を実現しようとしているのか(ビジョン)を深く理解する必要があります。
特に「信頼」「カスタマーサクセス」「イノベーション」「平等」という4つのコアバリューは、選考のあらゆる場面で問われると考えてください。
自分がこれらのバリューに心から共感できるか、そして、自分の過去の経験(例:サークル活動で信頼関係構築に努めた経験、アルバイトで顧客の成功を第一に考えた経験など)と結びつけて、具体的に語れるエピソードを準備しましょう。
公式サイトやIR情報、経営陣のインタビュー記事などを読み込むことが第一歩です。
準備:「Trailhead」の活用と製品への理解
セールスフォースの選考を受ける上で、同社の製品やサービスについて全く知らない、というのは論外です。
しかし、BtoB(企業向け)の製品であるため、学生が普段触れる機会は少ないかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、無料のオンライン学習プラットフォーム「Trailhead」の活用です。
Trailheadでは、セールスフォースの製品知識だけでなく、ビジネスマナーやITの基礎知識まで、ゲーム感覚で楽しく学ぶことができます。
実際にTrailheadを使って学習し、バッジ(修了証のようなもの)を取得した経験は、入社後のキャッチアップの速さや主体性を示す強力なアピール材料になります。
すべてを網羅する必要はありませんが、少なくとも「セールスフォースとは何か」「CRMとは何か」といった基礎的なモジュールをいくつか完了させておくだけで、他の就活生と大きな差をつけることができるでしょう。
準備:ガクチカの「セールスフォース流」再解釈
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)のエピソードは、どの企業の選考でも必要ですが、セールスフォースの選考では、そのエピソードを「セールスフォースの求める人物像」に合わせて再解釈し、伝える工夫が必要です。
例えば、単に「サークルのリーダーとしてチームをまとめた」と話すのではなく、「チームの多様な意見を尊重し(平等)、共通の目標(カスタマーサクセス)に向かってメンバーの信頼関係構築に努めた(信頼)」といった形で、コアバリューと関連付けて語ることが有効です。
また、セールスフォースは結果だけでなくプロセスや、困難をどう乗り越えたか(イノベーション、主体的な学習)も重視します。
自分の経験を棚卸しし、どのエピソードがどのバリューに結びつくかを分析してみましょう。
【セールスフォースはなんの会社】セールスフォースの志望動機の書き方
セールスフォースの選考、特にエントリーシートや面接で最も重視されるのが「志望動機」です。
「なぜ他のIT企業ではなく、セールスフォースなのか」。
この問いに、自分自身の言葉で、論理的かつ情熱的に答えられなければなりません。
多くの学生が憧れる人気企業だからこそ、「よくある志望動機」では響きません。
ここでは、採用担当者の心をつかむ、具体的で説得力のある志望動機を構築するための重要な3つのステップを解説します。
このフレームワークに沿って、自分だけのオリジナルな志望動機を練り上げていきましょう。
志望動機の書き方:Step1「Why IT/SaaS?」で業界の軸を明確に
まず、志望動機の土台となるのが、「なぜIT業界、特にSaaS(Software as a Service)というビジネスモデルに興味を持ったのか」という点です。
IT業界は非常に幅広く、SIer、Webサービス、ハードウェアメーカーなど様々です。
その中で、なぜセールスフォースが属するSaaS(クラウドでソフトウェアを提供する)の分野に惹かれるのかを説明する必要があります。
例えば、「日本の企業の生産性を高め、DXを推進することに貢献したい」「サブスクリプションモデルで常にお客様と伴走し、成功を支援するビジネスモデルに魅力を感じる」といった、自分なりの明確な軸を示しましょう。
ここが曖昧だと、「他の業界でも良いのでは?」と疑問を持たれてしまいます。
志望動機の書き方:Step2「Why Salesforce?」で他社との差別化
IT/SaaS業界を志望する理由が固まったら、次が本丸です。
「なぜ競合他社(マイクロソフト、オラクル、あるいは国内のSaaS企業など)ではなく、セールスフォースでなければならないのか」。
ここで、前述した「選ばれる理由」や「コアバリュー」への理解が活きてきます。
単に「CRMで世界No.1だから」という理由だけでは不十分です。
例えば、「製品力だけでなく、お客様の成功に徹底的にコミットする『カスタマーサクセス』の思想に最も共感したから」「『Trailhead』で学びの機会を平等に提供する姿勢や、『1-1-1モデル』の社会貢献など、ビジネスの力で社会を良くしようとする企業文化(Ohanaカルチャー)に強く惹かれたから」といった、セールスフォース独自の強みや文化にフォーカスした理由が必要です。
志望動機の書き方:Step3「How can I contribute?」で入社後の貢献を誓う
最後に、セールスフォースに入社した後、自分自身がどのように貢献できるのかを具体的に示します。
ここでは、自分の強みや学生時代の経験と、セールスフォースの仕事内容(例えば営業職やカスタマーサクセス職)をリンクさせることが重要です。
例えば、「学生時代の○○の経験で培った課題発見力と信頼構築力を活かし、営業職としてお客様の潜在的なニーズを引き出し、最適なソリューションを提案することで、お客様のビジネス成功(カスタマーサクセス)に貢献したい」といった形です。
「自分の強み」と「セールスフォースのバリュー」、そして「入社後にやりたいこと」が一本の線で繋がるような志望動機を目指しましょう。
【セールスフォースはなんの会社】セールスフォースについてよくある質問
ここまでセールスフォースのビジネス内容や求める人物像について詳しく解説してきましたが、就活生の皆さんからは、他にも給与面や働き方、英語力など、気になる質問が寄せられます。
企業研究を進める上で、細かな疑問や不安を解消しておくことは非常に大切です。
ここでは、就活生から特によく聞かれる質問をピックアップし、就活アドバイザーの視点から実態に近い形でお答えしていきます。
ただし、制度は変更される可能性もあるため、最新の情報は必ず公式の採用情報や説明会などで確認するようにしてください。
よくある質問:年収や福利厚生はどうですか?
外資系企業ということで、年収水準を気にする学生は多いですね。
セールスフォースの給与体系は、基本給(ベースサラリー)に加えて、職種(特に営業職)によっては成果に応じたインセンティブ(コミッション)が支払われることが一般的です。
新卒の初任給も国内企業と比較して高い水準にあると言われています。
ただし、それ以上に注目すべきは、福利厚生や働きやすさの制度が非常に充実している点です。
例えば、柔軟な働き方をサポートするリモートワーク制度や、社員のスキルアップを支援する教育プログラム、ウェルビーイング(心身の健康)を保つための様々なサポートなどが手厚く用意されています。
「社員は家族(Ohana)」という考え方が、こうした制度にも反映されていると言えるでしょう。
よくある質問:英語力はどれくらい必要ですか?
外資系企業=英語が必須、というイメージがあるかもしれません。
結論から言うと、職種やポジションによりますが、入社時点での必須スキルとして高い英語力が求められるケースは、新卒採用ではそこまで多くはありません。
もちろん、社内の公用語が英語であったり、海外のエンジニアとやり取りしたり、グローバル企業の日本支社を担当したりする場合には、高い英語力が求められます。
しかし、まずは国内のお客様を担当する営業職やカスタマー"サクセス職であれば、流暢な英語力よりも、日本語での論理的思考力やコミュニケーション能力が重視される傾向にあります。
とはいえ、英語ができるに越したことはなく、入社後にキャリアアップを目指す上では、英語力(特に読み書き)は必ず必要になってくるスキルです。
Trailheadなど英語のドキュメントを読む機会も多いため、学習意欲は持っておきましょう。
よくある質問:残業やワークライフバランスはどうですか?
IT業界、特に成長中の企業と聞くと「激務」を想像するかもしれません。
セールスフォースも、お客様の成功のために全力でコミットする文化があり、時期や担当業務によっては忙しくなることも事実です。
しかし、会社としてはダラダラと長時間働くことを推奨しているわけではなく、むしろ効率的に成果を出すことを重視しています。
前述の通り、リモートワークやフレックスタイム(部署による)など、柔軟な働き方を推進する制度が整っており、社員が自律的にスケジュールを管理しやすい環境です。
また、ウェルビーイングを重視する文化があり、有給休暇の取得も推奨されています。
成果を出すためには集中して働く、しかし休む時はしっかり休む、というメリハリのついた働き方をしている社員が多い印象です。
まとめ
今回は、就活生に大人気のセールスフォースについて、「なんの会社か」という基本的なところから、具体的な仕事内容、選ばれる理由、求める人物像、そして選考対策まで、幅広く解説してきました。
セールスフォースは、CRMという強力なツールを通じて、世界中の企業のDXを支援し、「カスタマーサクセス」という概念を世に広めた、非常にイノベーティブな企業です。
その根底には「Ohana」や「コアバリュー」といった独自の文化があり、それに共感できる人にとっては、大きな成長とやりがいを得られる環境であることは間違いありません。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート











