【業界研究】大手出版社4社の特徴と一覧!ランキングや平均年収・特徴を徹底比較!

【業界研究】大手出版社4社の特徴と一覧!ランキングや平均年収・特徴を徹底比較!

【業界研究】大手出版社の4社一覧!ランキングや平均年収・特徴を徹底比較!

出版業界とは

出版業界とは、出版社(企画・制作)や取次(流通)、書店(販売)から成る業界です。

書籍・雑誌などを世に送り出すことで情報発信や文化形成の役割を担っています。

現在は、紙媒体の市場が縮小する一方、電子書籍市場が急成長しています。

さらに、アニメや漫画、グッズ化といったクロスメディア展開も活発です。

出版業界はビジネスモデルの変革期にあり、デジタル戦略やコンテンツの多角的な活用が進められています。

ビジネスモデル

出版業界は企画・編集・制作・流通・販売を通じて収益を上げるビジネスモデルです。

紙媒体の市場が縮小している影響で書籍や雑誌の販売だけでなく、電子出版やIP活用による収益も拡大しています。

IPとはIntellectual Propertyの略称であり、日本語に訳すと知的財産です。

出版社が持つ著作権を商品開発やプロモーション、ライセンス供与などの事業活動に利用して収益を得る方法です。

たとえば、漫画のキャラクターを使ったグッズ展開やゲーム開発などが挙げられます。

出版業界は紙の出版物だけではなく、さまざまな角度から収益を得ていることを理解しておきましょう。

業界・企業研究の際に役立つからです。

就職難易度

出版業界の就職難易度は高いとされています。

就活生からの人気に対して、採用人数が少ないからです。

出版業界大手の講談社を例にします。

2023年度の採用人数は27名、2024年度は22名でした。

日本を代表するECサイトを持つ楽天グループの2024年の新入社員数は343名です。

事業規模に差があるため簡単に比較するのは困難ですが、採用人数の違いは一目瞭然です。

「学生時代に読んだ漫画を編集したい」「もともと本が好き」といった就活生が集まるため、必然的に採用倍率が高くなる傾向にあります。

曖昧な志望動機や具体性のない自己PRでは不採用になる可能性が高いため、事前準備に力を入れる必要があることを覚えておきましょう。

参考:数字で知る講談社|株式会社講談社

参考:楽天にようこそ! 2024年春新卒入社式に密着|楽天グループ株式会社

出版業界の仕組み

出版業界の就職を目指すなら出版業界の仕組みについて理解しておきましょう。

出版業界のどのポジションに属する企業に就職するかによって、仕事内容や求められるスキルは異なります。

「出版業界はどこも一緒」と考えていると、志望企業に適した志望動機が作成できません。

結果、ありきたりな志望動機になり、内定獲得が遠ざかるので注意してください。

出版社

出版社は、書籍や雑誌を市場に送り出す中心的な役割を果たします。

主な業務は、読者や時代のニーズを捉えた企画を立案し、著者への執筆依頼、原稿の編集・校正を経て、最終的な書籍や雑誌を制作することです。

出版物の販売促進やコンテンツの二次利用に関する著作権管理も担います。

近年ではクロスメディアが活発化しています。

クロスメディアとは、出版した書籍をテレビCMやインターネット広告、SNSなどの複数のメディアを活用し、販売を促進する戦略です。

それぞれのメディアの特徴や強みを活かすことで、出版物は単なる商品ではなく、文化的な価値を持つコンテンツとして社会に提供されます。

出版取次

出版取次は出版社と書店を結ぶ流通の要です。

役割は、出版社が制作した大量の出版物を効率的に集約し、全国の書店へ迅速かつ適切に配本できるよう物流を管理することです。

日本の出版業界特有の委託販売制度において、在庫管理や代金決済を代行することで、書店の仕入れリスクを軽減し、販売機会の最大化を支えています。

委託販売制度とは、出版社が書店に出版物の販売を依頼します。

もし、売れ残りが発生した場合、出版取次を通じて出版会社に返品される仕組みです。

委託販売制度があることで小さな書店であっても在庫リスクを負わずに販売できるため、幅広い読者に購入機会を提供できます。

書店

書店は読者と出版物が出会う場です。

主な役割は、流通した出版物を陳列し、読者に販売することです。

近年では、出版社や取次と連携し、販売促進も担当します。

たとえば、著者によるトークショーやサイン会、ポップ作成、フェア開催などです。

書店は読者と著者、出版社との交流の場としても機能しているのが特徴です。

店頭での販売動向や読者からの要望といった市場のニーズを収集するのも書店の務めです。

現場で得た情報を出版社へフィードバックすることで、今後の企画や制作を決める材料になります。

読者の動向を1番近くで観察できるのが書店です。

出版社や出版取次と連携することで、より良い出版物の作成に貢献しています。

編集プロダクション

編集プロダクションは、出版社が手がける制作業務の一部を代行する専門組織です。

出版社と契約し、企画の具体化や記事の執筆、編集、デザイン、印刷用データ作成といった専門性の高い制作プロセスを一括して請け負います。

出版社は、編集プロダクションに業務を委託することで、自社のリソースを企画やマーケティングなどの中心業務に集中させることが可能です。

編集プロダクションは、専門的なスキルとノウハウで、質の高い出版物を効率的にサポートする役割を担います。

また、編集プロダクションは出版社と違い、版権を持たないのが特徴です。

版権とは出版物の複製・販売を独占する権利を指します。

つまり、編集プロダクションは、出版社の良きパートナーとして存在しています。

大手出版社4社の特徴

続いて、大手出版社4社の特徴を解説します。

出版業界を目指すのであれば、大手の存在は無視できません。

出版業界全体を理解し、把握するのに役立ちます。

つまり本章を最後まで読むことで、出版業界の現状と将来を予測することが可能です。

「出版業界に興味はあるけど、将来性はあるの?」と感じている就活生は、ぜひ参考にしてください。

1.集英社

集英社は1926年8月に設立された日本を代表する出版会社です。

社員数は2024年時点で771名と会社の規模としても大きなものとなっています。

集英社については、以下の表をご覧ください。

特徴 若年層向けのエンタテインメント 従来の枠に囚われない自由な発想
社風・環境 新しいアイデアを形にするスピード感を大切にする環境
求められる人物像 流行を敏感に察知し企画に落とし込む能力 常に新しいヒットを生み出そうとするチャレンジ精神

集英社は、大手出版社でありながら日々進化を続ける企業です。

また、スラムダンク奨学金やマンガ家サポートナビ、一ツ橋文芸教育振興会などスポーツや文芸の推進を支援する取り組みも実施しています。

参考:2026年度定期採用|株式会社集英社

2.講談社

講談社は“「おもしろくて、ためになる」を世界へ”を合言葉に活動する出版社です。

1909年の設立以降、漫画や書籍、雑誌と幅広い出版物を世に送り出しています。

講談社については、以下の表をご覧ください。

特徴 安定感と堅実な編集方針 多様なジャンルに対応する柔軟性
社風・環境 裁量労働制やリモートワークを用いた柔軟な職場環境
求められる人物像 面白いを追求し、世界に届ける熱意 多様なプロフェッショナルとの協働力

講談社は、2026年度入社の採用を「才能と、働こう」にしています。

つまり、あなたが持つ才能と著者や関係会社が持つ才能を掛け合わせることで、より良い作品を世に送り出そうとしています。

参考:2026年度入社定期採用サイト|株式会社講談社

3.小学館

小学館は2022年に創刊100周年を迎えた企業です。

小学館は時代の先をいく企業を目指し、新しい才能の発掘に力を入れています。

たとえば、小学館児童出版文化賞や小学館漫画賞などです。

小学館については、以下の表をご覧ください。

特徴 子ども向けの雑誌や漫画を中心に展開
社風・環境 採用選考において、出身大学・学部・学科を選考材料にしない 多様なバックグラウンドを持つ受験者を平等に評価
求められる人物像 単に本が好きだけでなく、仕事としてやり遂げる能力 結果を出すための覚悟を持っている人

小学館も出版業界を代表する企業の1社です。

「大手=採用倍率が高い」と感じる就活生は多いでしょう。

しかし、応募にあたって出身大学の記載欄がありません。

つまり、足切りされるリスクがないため、チャレンジする価値はあります。

参考:小学館の取り組み|株式会社小学館

4.KADOKAWA

KADOKAWAは、出版はもちろんのこと映画やアニメ、ゲームなどにも力を入れている企業です。

デジタル化とグローバル展開に注力し、イノベーションを継続的に生み出すことを目指しています。

KADOKAWAについては、以下の表をご覧ください。

特徴 メディアミックス戦略を積極的に取っている
社風・環境 フラットで多様な価値観を尊重する人間関係 個人の裁量が大きく、挑戦を歓迎する自由な環境
求められる人物像 価値創造者としての力と覚悟のある人 ・「創り出せる人」 ・「戦略的に物事を考えられる人」 ・「とことん好きがある人」 ・「自然体な人」 ・「忍耐力がある人」

KADOKAWAは、ほかの出版社と比較してメディアミックスに力を入れています。

自社にチームを持ち、出版以外にアニメの制作やSNS運用、多彩なキャスティングなど圧倒的なコンテンツ力があります。

参考:2026年度卒向け採用情報|株式会社KADOKAWA

出版業界の主な職種と仕事内容

出版業界の主な職種は以下の5つです。

編集者

制作・校閲

ライター

営業

広告・宣伝

書籍が出版されるまでには、さまざまな過程があります。

出版会社に就職したからといって、すべてを担当するわけではなく、適性に合わせて配属が決まります。

どの職種に就くことになったとしても、あなたの強みを発揮するために仕事内容を把握しておきましょう。

仕事内容を無視した就活は後悔につながるので注意してください。

編集者

編集者は、書籍や雑誌のコンテンツ制作における中心的な役割を担います。

主な仕事は、時代のニーズや読者の関心を捉えた企画立案です。

企画が通れば、著者の選定と執筆を依頼します。

原稿を受け取った後は内容の構成や表現を調整する原稿調整も仕事です。

さらに、制作スケジュール全体の管理も担当します。

印刷所やデザイナーなど多くの関係者と連携しながら、作品の品質と方向性を決定し、完成まで導く仕事です。

編集者は文章力だけではなく、クリエイティブな発想力やコミュニケーション能力、マネジメント能力などが必要です。

また、トラブルを見越した綿密な計画を練り上げる力も役立つスキルになります。

制作・校閲

制作・校閲の職種は、出版物の品質と体裁を担保する仕事です。

編集者が調整した原稿や素材にもとづき、書籍や雑誌のデザインやレイアウトを決定し、印刷に適したデータの作成を行います。

作成にあたって文字のフォントやサイズ、行間、段落の設定、画像の配置、余白の取り方など細部にわたって検討されます。

校閲では出版物に差別表現や読者を不快にする内容がないかチェックします。

日本では表現の自由が認められていますが、限界があるからです。

たとえば、内容を読み込み事実確認をしたり、誤字脱字がないか調べたりします。

読者に正確で美しい出版物を届けるため、細部にわたる品質管理を担います。

ライター

ライターは、出版物の内容となる文章そのものを創造する専門家です。

書籍や雑誌の記事、コラム、Webコンテンツなど、さまざまな形式で文章を執筆します。

執筆に際しては、テーマに関する専門知識の収集や関係者への綿密に取材し、情報やメッセージを読者に分かりやすく、魅力的に伝える文章を構成します。

ただ、文字を羅列するのではなく、読者に伝えたい内容を精査し、魅力的な文章を作り上げるための技術が必要です。

編集者の意向や企画のコンセプトに沿って、コンテンツの核となる情報を作り上げる役割も担います。

競合他社の文章を読んで研究したり、読者に響く言葉が何か研究したりする職種です。

営業

営業職は、制作された出版物を市場に流通させ、売上を確保する役割を担います。

主な顧客は書店や出版取次です。

営業に配属されると顧客に新刊の紹介や発注を交渉します。

出版物を置いてもらえないと売上にならないので責任が大きい仕事です。

さらに、各店舗の立地や客層に合わせた陳列方法の提案や販売戦略・販促企画の立案と実施も仕事です。

つまり、自分が扱う出版物の強みがどこにあるのか、理解しておく必要があります。

編集や制作といった他部署とも密に連携することが大切です。

書店から売上や顧客情報などのフィードバックを収集し、社内の編集部門に共有することも重要な業務です。

営業は市場と制作部門をつなぐ役割を果たすことを覚えておきましょう。

広告・宣伝

広告・宣伝職は、出版物の認知度を拡大し、販売を促進する役割を担います。

具体的な活動としては、新聞・雑誌・Webなど各種メディアへの広告企画の立案・出稿があります。

さらに、SNSでの情報発信、読者との接点を作るイベント企画、マスメディアへの情報公開なども実施します。

プロモーション活動を通じて、ターゲット読者に魅力を伝え、書店での購入や電子版の利用へと導くことが目的です。

また、広告を出した結果を測定するのも仕事です。

広告・宣伝は成果が出るのに時間がかかります。

つまり、日々の業務で情報を集めながら次の作戦を練る必要があります。

広告・宣伝はプロモーションして終わりではないため注意してください。

出版業界の魅力とやりがい

出版業界の魅力とやりがいは以下の3つです。

読者に影響を与えることができる

自分の携わった作品を作ることができる

自分の好きなことに携われる

出版業界に就職を考えている就活生は、業界の魅力とやりがいを把握しておきましょう。

仕事がつらくなった際に心の支えになるからです。

本章で紹介する内容を読み、共感できる部分がないかチェックしてください。

あなたなりの魅力を見つけることで、自己PRや志望動機の作成にも役立ちます。

読者に影響を与えることができる

出版業界の魅力の1つに、自分の編集や企画した作品を通じて、読者に影響を与え、社会的な役割を果たす点があります。

出版物は読者に対して有益な情報を発信しているからです。

たとえば、書籍や雑誌は知識や教養、娯楽を提供します。

出版物を読んだ人々の思考や価値観を形成する力を持っています。

編集者や企画者として、時代が必要とするテーマを取り上げたり、特定の社会問題に光を当てたりすることで、読者の行動変容や議論を喚起することが可能です。

「社会問題に一石を投じたい」「社会に役立つ情報を発信したい」と考える就活生にとっては、やりがいのある仕事になります。

自分の携わった作品を作ることができる

出版業界では1冊の本を作り上げる過程に深く関わります。

あなたが企画したものが具体的な形として世に残る達成感を味わえる点が魅力です。

企画の立案から著者との二人三脚での制作、デザインや印刷の手配、そして書店に並ぶまでのすべてのプロセスに携わります。

完成した書籍は、形として永続的に残り、世代を超えて読まれ続ける可能性があります。

また、読者にとって人生の支えになる1冊になることもあるでしょう。

書籍には時代を超えて語り継がれるだけのパワーがあるからです。

文化的な遺産を創り出す経験は、ほかの多くの業界では得られない貴重なやりがいです。

「形に残る仕事がしたい」「目に見える成果がほしい」と感じる就活生は、出版業界に向いています。

自分の好きなことに携われる

出版業界は、あなたの興味や関心がある分野を仕事にできる点に大きな魅力があります。

趣味と仕事が一体化するからです。

また、出版業界には文学や芸術、歴史、教育、ビジネス、エンターテイメントなど、幅広い専門分野が存在します。

働きながら時間をかけて、好きなことや探求したいテーマを見つけることが可能です。

さらに、あなたの知的好奇心や情熱を源泉として企画を立てられるため、モチベーションを高く維持できます。

趣味や専門知識がそのまま仕事の質につながる、自己実現性の高い環境です。

ただし、適性や採用時期によっては希望通りの配属にならない可能性があるので注意してください。

出版業界の動向

選考を受ける前に出版業界の動向を押さえておきましょう。

入社後の仕事に影響があるからです。

出版業界は、スマートフォンや電子書籍の登場で岐路に立たされています。

出版業界=安定の業界ではありません。

入社した時点は好調でも5年、10年経つと業界は変化します。

変化の流れに遅れないためにも、まずは現在の出版業界の動向を理解してください。

紙媒体の縮小と電子出版の拡大

出版業界は現在、紙媒体の市場が縮小傾向にあります。

一方で、電子出版(電子書籍・電子コミック)の需要が急速に拡大しています。

公益社団法人全国出版協会の出版科学研究所が2025年1月に公表したデータによると、2024年の出版市場は紙は前年比で5.2%減、電子は5.8%増でした。

背景にはスマートフォンやタブレットといったデバイスの普及により、読者が時間や場所を選ばず手軽に読書を楽しむようになったためです。

電子コミックが市場成長を牽引しており、出版社は紙とデジタルの両方に対応するハイブリッドな出版戦略へとシフトしています。

デジタル化が進んだことで、書店は在庫リスク・返品コストの削減につながっています。

参考:出版指標|公益社団法人全国出版協会出版科学研究所

グローバルへ市場拡大

日本の出版コンテンツ、とくに漫画やアニメの原作は、海外市場での需要が急増したことにより海外展開を進めています。

内閣官房が公表したデータによると、アニメの海外売上は上昇傾向にあります。

2015年では279億円だった売上が、2022年には651億円に達しました。

背景は「ドラゴンボール」「ポケットモンスター」などが継続的に放送されたからです。

そこで出版社は国内に留まらず、海外への市場拡大を強力に推進しています。

具体的な動きとして、人気作品の多言語翻訳出版や海外の出版社・配信事業者との共同制作・事業提携が増加しています。

結果、国内市場の縮小を補い、コンテンツの価値を世界規模で最大化するビジネス構造への転換を図っている最中です。

参考:基礎資料|内閣官房

IPビジネスの導入

IPビジネスの導入も忘れてはいけない項目です。

人気作品のコンテンツそのものが持つ価値を多角的に活用し、収益を生み出すモデルです。出版業界では、本を売るだけでなく、ヒット作の映像化(映画・ドラマ・アニメ)、キャラクターを活用したグッズ展開、ゲームやイベントとのメディアミックスを積極的に進めています。

人気アニメと外食チェーン店がコラボするCMを見た経験がある就活生は多いでしょう。

出版社は、出版物を起点として収益源を多様化し、作品の認知度とファン層を拡大させています。

とくに大手出版社は、IPを戦略的に運用する創造的な基盤作りを進めています。

出版業界の向いてる人

出版業界に向いているのは、以下の4つに当てはまる人です。

本が好き

スケジュール管理が得意な人

好奇心旺盛な人

柔軟性がある人

出版業界に就職するにはあなたの強みを活かすことが大切です。

本章で紹介する要素を自覚し、就活で利用することで選考を有利に進められます。

ただし、言葉をそのまま伝えるだけでは不十分です。

解説内容を最後までチェックしていただき、就活に使えるレベルにまで仕上げてください。

本が好き

出版社は「本が好き」という情熱が大前提となる業界です。

日頃から書籍や雑誌、漫画などの作品に親しみ、読むだけでなく、作品や著者の背景に強い関心を持っている人に適しています。

好きという感情が、埋もれている才能を発掘したり、売れる企画のアイデア源になったりします。

また、長時間にわたる編集作業や困難な状況を乗り越えるための原動力となり、仕事へのモチベーションにすることが可能です。

さらに深い読書経験は、良質なコンテンツを見抜く審美眼を養います。

しかし、周囲の就活生も同じく本が好きな人材です。

そのままでは差別化できません。

オリジナリティがあるエピソードを伝えて、面接官の印象に残るように工夫してください。

スケジュール管理が得意な人

出版社は締め切りが極めて多い業界です。

書店に並び発売される日から逆算し、編集・印刷・流通させる必要があるからです。

たとえば編集者は、執筆依頼から校正、印刷所への入稿、発売日など、複数の案件で多くの締め切りを同時に管理する必要があります。

そのため、計画的に業務を進められる能力は必須です。

予期せぬトラブルや原稿の遅延が発生しても、冷静に優先順位をつけ、関係者(著者、ライター、デザイナー、印刷所)と正確に調整し、最終的な期日を厳守しなければなりません。

勉強するにあたって期日を決めて取り組めた経験や提出物に遅れた経験がない人は、自信を持って応募してください。

好奇心旺盛な人

読者のニーズを満たすために、日々新しいコンテンツを生み出す出版社では、飽くなき好奇心と探求心が必要です。

世の中の新しいテーマや社会の動き、ニッチな専門分野にアンテナを張り、必要な情報を吸収し続ける意欲が必要です。

好奇心は、斬新な企画の種を見つけるだけでなく、著者や専門家への取材を成功させ、読者にとって価値ある情報を提供するのに役立ちます。

普段から「なぜ?」を追求し、自ら行動して知識を獲得できる積極的な人が求められます。

ジャンルに関係なく書籍を読んだ経験があり、SNSを日常的に利用し情報を集めることが好きな人に向いている業界です。

柔軟性がある人

柔軟性は出版業界に欠かせない要素です。

編集や制作の過程では、計画通りに進まないことが頻繁に起こります。

たとえば、著者の都合によるスケジュールの変更やデザインやレイアウトの急な修正、市場の変化による企画内容の微調整などです。

働いていると予期せぬ変化に直面することが多々あります。

そのため、状況に応じて臨機応変に対応できる柔軟さが必要です。

自分のこだわりを持ちつつも、関係者の意見を尊重し、最善の結果を得るために柔軟な発想と対応力で問題解決にあたれる人が活躍できます。

部活動でメンバーの仲を取り持った経験やアルバイト先で急な変更に対応した経験がないか振り返ってください。

出版業界の就職対策

出版業界に就職したいなら、以下の4つを対策として取り組んでください。

業界研究

企業研究

OB・OG訪問

インターンシップ参加

出版業界の特徴を理解したものの、どうやって対策すればいいかわからない就活生は多いでしょう。

本章では今日から取り組める対策を紹介します。

あなたが「これならできそう!」と感じたものから挑戦してください。

最終的にはすべて対策することをおすすめします。

内定獲得の確率を少しでもアップさせるためです。

業界研究

まずは、業界研究からスタートさせてください。

あなたの価値観にマッチし、あなたの理想が実現できる業界か確かめるためです。

とくに出版業界の就職は競争率が高い傾向があります。

そこで、業界全体の知識を徹底的に深めることで、周囲の就活生との差別化になります。

たとえば、出版の仕組み(委託・再販制度)や紙媒体の縮小、電子出版の拡大といった最新の動向を正確に理解してください。

結果、出版業界の現状と課題を踏まえた具体的な志望理由や変化に対応できる自己PRを作成できます。

本が好きというだけでなく、業界の未来を見越した視点があることを示してください。

「業界研究のやり方がわからない」と感じた就活生は、こちらの記事が役に立ちます。

業界研究をスムーズにする無料テンプレートを配布しています。

【無料テンプレ】業界研究ノートの作り方とは?書くべき項目と作成例も一挙紹介

企業研究

オリジナリティがある志望動機を作成するには、企業研究が欠かせません。

本が好きな気持ちだけでは競合他社にも通用する内容になります。

大手・中堅を問わず、出版社ごとの得意なジャンル、主要な代表作、編集方針を徹底的に調べてください。

たとえば、文芸に強いのか、エンタメコミックに強いのか、デジタル展開に積極的なのかなど、各社の個性を把握します。

次に、あなたの持つ専門性や発想が、志望企業の文化や今後の方向性とどのように合致するかを確認してください。

志望企業との相性を理解することで、選考でアピールできるエピソードが思いつきます。

企業研究を一気に進めたい就活生は、以下の記事がおすすめです。

出版業界の就職偏差値をまとめているので時間短縮になります。

【27卒最新版】出版業界の就職偏差値ランキング!人気出版社の入社難易度と内定を勝ち取るコツを徹底解説

OB・OG訪問

OB・OG訪問は、志望企業のリアルを知るのに最適な取り組みです。

実際に業界で働く先輩社員の話を聞くことは、公式ホームページや企業説明会では得られない情報を得る貴重な機会です。

訪問を通じて、職種ごとのリアルな仕事内容や職場の雰囲気、残業時間、求められる能力などをチェックしてください。

OB・OG訪問は、入社後のミスマッチを防ぐとともに、選考過程で「この会社でなければならない理由」を説得力のあるエピソードを交えて伝えることが可能です。

実体験をもとに話せるため具体性のある内容になります。

OB・OG訪問について詳しく知りたい就活生は、以下の記事も参考にしてください。

OB・OG訪問に必要な知識が理解できます。

【これでバッチリ】OB訪問ではマナーが大事!OB訪問のマナーの基本を徹底解説!

インターンシップ参加

インターンシップは積極的に参加してください。

インターンシップは、実際の業務を体験する絶好の機会です。

就活に必要な情報や経験が一度に収集できます。

企画立案や原稿編集の模擬体験を通じて、あなたの適性や仕事への向き・不向きを見極められます。

また、現場の社員と交流することで業界理解が深まり、志望度や企業への熱意を高めることが可能です。

インターンシップの経験は、選考の際に具体的なエピソードや業務イメージを語るための強力な裏付けとなります。

志望企業がインターンシップを開催していれば、勇気を出して応募してください。

応募にはエネルギーが必要ですが、数ヶ月後にはあなたを支える貴重な経験になります。

インターンシップについて詳しく調べたい就活生は、以下の記事を読んでください。

インターンシップに参加する意図が理解できます。

【27卒向け】冬に開催されるインターンの特徴とは?参加のメリットや注意点を徹底解説!

よくある質問

出版業界に就職するうえでよくある質問を紹介します。

就活は1人で行動することが多いため、不安や疑問が残りやすい環境です。

「このままでいいのか?」「周囲はどんなことを考えているんだ?」と思う就活生は多いでしょう。

本章では、直接企業に確認するまでもないけれど、気になる質問を集めました。

よくある質問を確認し、自信を持って就活に臨めるようにしてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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