ガクチカと自己PRの5つの重要な違いと書き分け方法を徹底解説

ガクチカと自己PRの5つの重要な違いと書き分け方法を徹底解説

「ガクチカと自己PRは何が違うの?」
「ガクチカと自己PRの内容は変えた方がいいの?」
「企業はガクチカと自己PRのどの箇所をチェックしているの?」

上記のように、ガクチカと自己PRの違いに迷っている就活生は多いでしょう。

本記事ではガクチカと自己PRの違いについて解説しています。

さらに、書き方や周囲の就活生との差別化するポイントも紹介します。

ガクチカと自己PRを使い分けたい就活生は、ぜひ参考にしてください。

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【ガクチカと自己PRの違い】ぶっちゃけガクチカと自己PRの違いがわからないのはやばい?

自己PRとガクチカはよく似ている部分もあるため、混同してしまうことも多いです。

しかし、選考が進んでいる中でいまだに両者の違いを理解できていない場合は、はっきり言って就活生として危機感を持つべきでしょう。

違いがわからずに話してしまうと、いずれ、面接などで的外れな回答をしてしまう恐れがあります。

本記事ではガクチカと自己PRの違いをわかりやすく解説しているため、とにかく早めに違いを理解し、アピールの失敗を回避しましょう。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)

柴田貴司
(就活市場監修者)

ガクチカと自己PRの違いを理解することは、選考を突破するうえで非常に重要です。本記事ではその違いを明確に解説しているため、混同している人は早めに整理しましょう。特に面接では的確なアピールが求められるため、適切に使い分けられるように準備が必要です。この記事を活用し、自信を持って選考に臨みましょう!

【ガクチカと自己PRの違い】5つの重要な違い

ガクチカと自己PRには、知っておくべき5つの重要な違いがあります。

以下の5つの違いは、企業の評価に直結する重要なポイントです。それぞれ理解して適切に使い分けましょう。

違い1:企業が知りたい内容の違い

ガクチカは「モチベーションの源泉と取り組み方」、自己PRは「強みと人柄」を企業が知りたがっています。

この違いを理解していないと、質問の意図と異なる回答をしてしまい、採用担当者に「理解力がない」と判断される危険性があります。

違い2:アピールすべき内容の違い

ガクチカは「過程と学び」を重視し、自己PRは「結果と活用方法」を重視する必要があります。

ガクチカで結果ばかりアピールしたり、自己PRで過程ばかり話したりすると、評価が下がってしまいます。

違い3:評価ポイントの違い

ガクチカは「将来性と成長可能性」、自己PRは「即戦力性と企業適合性」が評価されます。

企業はガクチカから将来の成長を、自己PRから現在の能力を判断しているため、アピールの方向性を間違えると効果的でありません。

違い4:文章構成の違い

ガクチカはSTAR法(状況・課題・行動・結果)、自己PRはPREP法(結論・理由・具体例・結論)が効果的です。

適切な構成で話すことで、採用担当者に伝わりやすい内容になり、印象も大幅に向上します。

違い5:エピソード選択の違い

ガクチカは「挑戦と努力のエピソード」、自己PRは「強みを発揮したエピソード」を選ぶべきです。

同じエピソードでも切り口を変えることで、それぞれの目的に合ったアピールが可能になります。

【ガクチカと自己PRの違い】就職活動における「ガクチカ」と「自己PR」の違い

就職活動におけるガクチカと自己PRは、伝える内容と企業が評価するポイントが違います。

以下の表にまとめたので、2つの違いが曖昧な就活生は参考にしてください。

  伝える内容 企業の評価ポイント
ガクチカ 学生時代に力を入れたこと 学生時代の経験が仕事に活かせるのか
自己PR 自分の強みや長所 強みや長所が仕事に活かせるのか

以降の章で、それぞれの違いについて詳しく解説します。

ガクチカと自己PRを適切に理解し、選考を有利に進めましょう。

「ガクチカ」とは

ガクチカとは、学生時代に力を入れたことの略称です。

企業は就活生の学生時代の取り組みを質問することで、目標達成能力や協調性、行動力などをチェックしています。

入社後、仕事をどのような姿勢で取り組む人物なのか判断するためです。

たとえば、企業は部活動に熱心に取り組んだと評価すれば、仕事も熱心に取り組んでくれるだろうと考えます。

そのため、ガクチカは成果と過程が重要です。

「取り組んだ理由」「身についた能力」「経験から得た学び」などを採用担当者にアピールしましょう。

ガクチカの題材は、自分なりに努力したと感じれば問題ありません。

全国大会出場や留学などの貴重な経験がなくても大丈夫です。

ガクチカを問われたら、学生時代の取り組みから得た学びを伝えましょう。

木下恵利

就活アドバイザー: 木下恵利

ガクチカは経験の大小ではなく、そこから得た学びが重要です。自分なりに工夫し、努力した経験を自信を持って伝えることで、説得力のあるガクチカになります。具体的なエピソードを交えて説明すると、より魅力的に伝わるでしょう。

「自己PR」とは

自己PRとは、自分の強みや長所、特性などを企業にアピールする時間です。

企業は自己PRを通して、就活生の入社意欲や今持っている能力をチェックしています。

企業が求める人物像とマッチしているか確かめたいからです。

就活生は事前の企業研究から、採用条件に当てはまる人材であることを伝えましょう。

たとえば、主体性を重要視する企業にエントリーしたと仮定します。

自己PRには自分が主体性を発揮したエピソードを盛り込みましょう。

ほかにも、チャレンジ精神を大切にする企業なら、自分が勇気を出して挑戦した経験を伝えてください。

企業の求める人物像と就活生の人柄を一致させることで、採用担当者から高い評価が得られます。

自己PRを質問された就活生は、自分が自信を持って言える能力をアピールしましょう。

小玉 彩華

就活アドバイザー: 小玉 彩華

自己PRは「企業の求める人物像」と「自分の強み」を結びつけることが重要です。企業研究を通じて、自分の強みがどのように活かせるかを考え、具体的なエピソードを交えて伝えましょう。

【ガクチカと自己PRの違い】ガクチカと自己PRの内容を被ってもいいの?

ガクチカと自己PRの内容は被っても問題ありません。

ただし、同じエピソードを使用する場合、視点を変えて説明しましょう。

企業が知りたがっている内容を網羅するためです。

企業は、ガクチカと自己PRで知りたい内容が異なります。

とくにガクチカと自己PRの両方を質問する場合、採用担当者は違う角度の答えを期待しているでしょう。

企業が自分の何を知りたがっているのか、きちんと理解したうえで作成してください。

ガクチカと自己PRは一貫性を作るべき?

ガクチカと自己PRの内容は、できる限り一致させましょう。

内容を一貫させることで、説得力が生まれるからです。

たとえば、テニスの話題を採用した場合は、テニスを軸に話を展開しましょう。

1つの話題でもアピールする角度を変えることで、違う内容になります。

しかし、無理に当てはめる必要はありません。

企業の社風や文化に沿った内容が好ましいからです。

多様性を大切にしたり、さまざまな能力を持った人物を優遇したりする場合は、ガクチカと自己PRは違ったエピソードにしてください。

自分が持つ多様な面を伝えられるため、企業の求める価値観に合致するでしょう。

基本的にはガクチカと自己PRに一貫性を持たせつつ、作成する中で違和感があれば別の話題にしてください。

【ガクチカと自己PRの違い】企業が見ているポイント

企業が見ているポイント
  • ガクチカ
  • 自己PR

ガクチカと自己PRで企業が見ているポイントは異なります。

質問する意図が違うためです。

企業の考えを適切に理解し、使い分けるようにしましょう。

ガクチカと自己PRを混同すると、一度の面接で両方質問されると回答に困ることになります。

以降の章ではそれぞれの違いを詳しく解説します。

ガクチカと自己PRから企業が何を知りたがっているのか、興味のある就活生は参考にしてください。

ガクチカ

ガクチカは、取り組みの過程や課題解決力、成長のプロセスが重視されます。

企業はガクチカの回答から能力や人柄、モチベーションの源泉を確かめたいからです。

単なる結果だけでなく、目標達成のための努力や工夫も評価対象になります。

そのため、ガクチカのエピソードは大きな成果が残せなくても問題ありません。

全国大会優勝やインターンシップで活躍した経験は、必ずしも必要なわけではないため安心してください。

自分で立てた目標を達成するために努力したことを伝えましょう。

また、努力した過程も詳しく説明してください。

結果のみを伝えても再現性がなく、高評価を得るのが難しいからです。

学生時代に得た学びが仕事にも役立つことを証明しましょう。

自己PR

自己PRは、就活生の強みや長所が見られています。

企業は自己PRの回答から就活生の性格や価値観、自社との相性を見極めたいからです。

そのため、自分の強みが仕事でどう活かせるかを示すことが重要です。

具体的なエピソードを交え、入社後に貢献できるイメージを伝えましょう。

もし自分の強みが柔軟性であれば、柔軟性を用いることで企業にどう貢献できるのかアピールしてください。

たとえば「入社後は柔軟性を活かし、部署同士の連携が円滑になるようサポートしたいです」となります。

自分の強みを強調するだけでは内定獲得につながりません。

採用担当者には、自分を採用するメリットを伝えるようにしましょう。

【ガクチカと自己PRの違い】ガクチカと自己PRの差別化ポイント

ガクチカと自己PRを差別化するポイントは以下の2つです。

差別化するポイント
  • 求められる意図に沿った構成で答える
  • 異なる強みや経験を活かして伝える

採用担当者からの質問には意図があります。

就活は、意図に沿って回答することが重要です。

質問を理解する力やコミュニケーション能力が見られているからです。

本章ではガクチカと自己PRを差別化するポイントを解説するので、それぞれの作成に役立ててください。

求められる意図に沿った構成で答える

まずは、求められる意図に沿った構成で答えましょう。

的外れな回答では、採用担当者から理解力やコミュニケーション能力が低いと判断されるためです。

ガクチカを質問された際は、ガクチカを質問した意図をくみ取った回答にしましょう。

ガクチカの質問に対して、自己PRを回答すると、企業の求める要素が明らかになりません。

そのため、事前に企業が見ているポイントを理解しておきましょう。

企業が知りたい情報を的確に伝えることでスムーズな会話ができます。

面接はテンポよく話すことで会話にリズムが生まれます。

その結果、自分の強みをうまく話せるでしょう。

面接は緊張する時間ですが、採用担当者は何が知りたいのか、理解したうえで回答してください。

異なる強みや経験を活かして伝える

異なる強みや経験を活かして伝えましょう。

自分の強みを多面的にアピールできるからです。

ガクチカでは柔軟性、自己PRではリーダーシップをアピールするなど、別々の強みを伝えてください。

もちろん、一貫性を生むためにガクチカと自己PRを同じ内容にしても問題ありません。

自分の強みをより強調できるでしょう。

さらに、同じ内容でも別角からアプローチすることで、より効果的なアピールが可能です。

たとえば、アルバイトで題材を統一してもガクチカで柔軟性、自己PRでリーダーシップについて触れることで、自分の強みがより多く伝えられます。

就活では柔軟な発想で自分の魅力を採用担当者に説明してください。

【ガクチカと自己PRの違い】ガクチカの書き方

本章ではガクチカの書き方を解説します。

以下の3点を意識することで魅力的なガクチカになるでしょう。

ガクチカの書き方
  • 具体的なエピソードを選ぶ
  • 成果だけでなく過程を詳述する
  • 学びや成長を明確に伝える

ガクチカは学生時代の経験を話します。

過去の体験が主軸になるため、時間に余裕のある時に振り返っておきましょう。

ガクチカをこれから作成する就活生は、本章を参考にしてください。

具体的なエピソードを選ぶ

まずは、具体的なエピソードを選びましょう。

自分が持つ能力や人柄を説明する際の根拠になるからです。

シンプルに学生時代の経験を伝えるだけでは、採用担当者の印象に残りません。

また、説得力のないガクチカになります。

自分が取り組んできた内容を、誰が聞いても想像できるものにしましょう。

もし野球に注力したのであれば、練習内容やチームメイトとの関係性について述べてください。

ただし、エピソードは企業が求める人物像にマッチさせましょう。

採用担当者から「自社との相性がいい」と評価されるためです。

企業研究する中で、どういった人材を求めているのか明らかにしておきましょう。

成果だけでなく過程を詳述する

成果に加えて過程も伝えましょう。

採用担当者は、就活生がどのような考えを持って取り組んだのかに興味があるからです。

目標達成するにあたって、乗り越えた壁や苦労した点を伝えましょう。

もちろん成果にならなかったものでも問題ありません。

自分なりに努力したものの、うまくいかないこともあるでしょう。

その場合、改善点や将来近い状況になった際に、どう対応するのか伝えてください。

失敗から得られる経験があるからです。

ガクチカで失敗談を話すのは勇気が必要になります。

しかし、採用担当者は成功か失敗の2択で評価しないため安心してください。

ガクチカではプロセスを伝えて、学生時代に得た学びをアピールしましょう。

学びや成長を明確に伝える

ガクチカは学びや成長を明確に伝えてください。

採用担当者は、就活生の将来性や成長性に注目しているためです。

たとえば「チームワークの重要性を学びました」「柔軟性を身につけました」などが例に挙げられます。

学生時代の経験から何を得たのかまで説明しましょう。

取り組みの結果、得るものがなかった就活生は向上心がないと思われる危険性があります。

採用担当者は将来、成長する見込みがない就活生を採用しようと考えません。

企業側に採用するメリットが少ないからです。

自分を採用する価値がある人材だと判断してもらうためにも、ガクチカでは何を学んだのかセットで伝えてください。

成長意欲、入社意欲をアピールして内定獲得につなげましょう。

【ガクチカと自己PRの違い】自己PRの書き方

続いて、自己PRの書き方を解説します。

以下の3点を意識して作成してください。

自己PRの書き方
  • 自身の強みを明確にする
  • 強みを裏付ける具体的な事例を示す
  • 企業での活かし方を提案する

自己PRは自分の強みや長所を伝える必要があります。

採用担当者から「内定を出したい」と思われる内容にしましょう。

ガクチカとは違った書き方になるため、本章の解説を参考にしてください。

自身の強みを明確にする

まずは、自身の強みを明確にしてください。

自己PRは自分の強みをアピールする場だからです。

採用担当者も就活生の長所を知るために、自己PRを質問します。

自分について認識するには自己分析が欠かせません。

自分の性格や特徴、価値観などを明らかにしましょう。

自己分析するなら専用ツールの使用がおすすめです。

質問に回答するだけで、AIが自分の強みを教えてくれます。

所要時間は5〜10分程度で完了するため、忙しい就活生でも問題ありません。

自己分析は自己PRを始め、ガクチカや志望動機の作成などにも役立ちます。

就活の基本になるため、最初に取り組みましょう。

強みを裏付ける具体的な事例を示す

次に強みを裏付ける具体的な事例を示しましょう。

自分の強みを象徴するエピソードを盛り込むことで、自己PRに説得力が生まれます。

たとえば、忍耐力をアピールしたいなら、1つの物事にコツコツと取り組んだ経験が候補になります。

ほかにも、継続して取り込んだことがあれば積極的にアピールしましょう。

資格の勉強やゼミの研究などは具体的な事例になります。

自分の過去を振り返り、最適なエピソードがないか確認しましょう。

また、実体験をもとにすることで、オリジナリティがある自己PRになります。

周囲の就活生との差別化になるため、採用担当者の印象に残るでしょう。

自己PRは、自分の強みを詳しく説明できる経験を記載してください。

企業での活かし方を提案する

最後は、企業での活かし方を提案してください。

企業に対して自分を採用するメリットが伝えられるからです。

もし向上心をアピールしたい就活生は、向上心が仕事にどう活きるのか考えましょう。

採用担当者は自社に貢献できると評価すれば、内定獲得に近づきます。

たとえば「向上心を活かしてチームに好影響を与えます」と伝えることで、採用担当者にアピールできます。

また、活かし方を考える際は、事業内容や経営方針を研究しておきましょう。

企業の求める人物像に近づけることで、高評価を得やすくなるためです。

自己PRの最後には「入社後は〜」から始めて、自分の強みが活きる場面を伝えましょう。

【ガクチカと自己PRの違い】効果的な書き分け方法3選

ガクチカと自己PRを効果的に書き分けるための具体的な方法を3つご紹介します。

多くの就活生が「内容が似通ってしまう」「違いが曖昧で面接官に伝わらない」という悩みを抱えています。

しかし、以下の3つの方法を実践することで、同じエピソードでも明確に差別化され、それぞれの目的に応じた効果的なアピールが可能になります。

方法1:時系列の使い分け

ガクチカは「過去の経験」を軸に、自己PRは「現在の能力と未来の貢献」を軸に構成しましょう。

ガクチカでは学生時代の具体的な取り組みとそこから得た学びを中心に記述します。

「なぜその活動に取り組んだのか」「どのような困難があったのか」「どう乗り越えたのか」「何を学んだのか」という過去の経験を時系列で整理してください。

一方、自己PRでは現在持っている強みと入社後の活用方法を中心に構成します。

「現在どのような能力を持っているのか」「その能力をどう発揮できるのか」「入社後どのように貢献できるのか」という現在から未来への流れで書くことで、明確な差別化が図れます。

この時系列の使い分けにより、採用担当者は過去の成長プロセスと未来の活躍イメージの両方を具体的に理解できるようになります。

方法2:アピールする角度の変更

同じエピソードでも、ガクチカは「プロセス重視」、自己PRは「結果と能力重視」で書き分けます。

例えばアルバイトリーダーの経験を使う場合、ガクチカでは問題解決の過程と学びを詳しく説明します。

「スタッフのモチベーション低下という課題に対して、まず個別面談を実施し、次にチーム目標を設定し、最終的に連帯感を生み出した」といったプロセスを重視した構成にしてください。

一方、自己PRではリーダーシップという強みとその効果を中心に構成します。

「私の強みはチームを巻き込むリーダーシップです。アルバイトでは売上20%向上を実現し、この能力を御社のプロジェクト推進でも発揮したい」といった結果と能力を前面に出した内容にします。

このように同じエピソードでも切り口を変えることで、一貫性を保ちながら効果的な差別化が可能になります。

方法3:企業のニーズとの接続方法

ガクチカは「成長ポテンシャル」、自己PRは「即戦力性」をアピールして企業のニーズに応えましょう。

企業はガクチカを通して「入社後にどのように成長していくか」を判断したいと考えています。

そのため、ガクチカでは「失敗から学ぶ力」「挑戦する姿勢」「困難を乗り越える粘り強さ」といった成長につながる要素を強調してください。

「最初は失敗続きでしたが、原因分析と改善を繰り返すことで最終的に目標を達成できました」という学習能力をアピールする構成が効果的です。

一方、自己PRでは「現在活用できるスキル」や「企業への具体的貢献方法」を前面に押し出します。

「私のコミュニケーション能力は、御社の営業部門で顧客との信頼関係構築に即座に活用でき、売上向上に貢献できます」といった即戦力性を示す内容にしてください。

この使い分けにより、将来性と現在の能力の両方をバランス良くアピールでき、企業の採用ニーズに的確に応えることができます。

【ガクチカと自己PRの違い】回答を作成する際の注意点

回答を作成する際の注意点は以下の3つです。

回答を作成する際の注意点
  • 自己分析を行う
  • 企業の求める人物像を理解する
  • 客観的な視点を取り入れる

ガクチカと自己PRは、思いつきで書くだけでは不十分です。

自分では問題ないと考えていても、採用担当者からするとマイナス評価につながる可能性があります。

本章で解説する注意点を理解し、減点を回避するようにしましょう。

自己分析を行う

回答を作成する際の注意点の1つ目は、自己分析を行うことです。

自分の強みや長所、価値観を明確にするためです。

また、自己分析はガクチカと自己PRの両方に役立ちます。

とくにガクチカと自己PRで、一貫性をアピールしたい就活生には欠かせません。

ガクチカと自己PRに関連性が生まれ、一貫性を持つ根拠になります。

自己分析は、就活の土台になる作業です。

すべての対策の基本になります。

自己分析をおろそかにすると自己理解が足りず、やりたい仕事やキャリアプランが曖昧になるでしょう。

さらに、採用担当者に自分の強みや長所を説明できません。

面接対策やエントリーシートの作成に時間をかけたい気持ちは理解できます。

しかし、まずは自己分析を徹底しましょう。

企業の求める人物像を理解する

回答を作成する際の注意点の2つ目は、企業の求める人物像を理解することです。

企業ごとに求める人物像が異なるためです。

たとえば、主体性を重要視する企業にエントリーしたと仮定します。

自己PRで協調性をアピールしてしまうと、高評価を受けるのが難しくなります。

企業の価値観と就活生の価値観が違うためです。

企業が求める人物像を調査するには、公式ホームページや企業説明会が有効です。

募集要項に求める人物像に関する記載があるため、理解しておきましょう。

また、企業説明会は採用担当者に直接質問するチャンスがあります。

気になる点があれば質問してみましょう。

手に入れた情報を活用することで、魅力的な自己PRになります。

客観的な視点を取り入れる

回答を作成する際の注意点の3つ目は、客観的な視点を取り入れることです。

自分では気がつかない点を指摘してもらえるためです。

たとえば、大学のキャリアセンターや就活エージェントに添削してもらいましょう。

就活のプロからの意見を受けることで、より精度の高いものになります。

ほかにも、誤字脱字や文章構成をチェックしてもらえます。

自分の脳内では情報が整理されているため、内容が理解できます。

しかし、初めて読む人は就活生の価値観や人間性を知りません。

誰が読んでも内容を理解してもらうためにも、第三者視点を利用しましょう。

より伝わりやすいエピソードや具体例を採用してください。

【ガクチカと自己PRの違い】ガクチカの例文

ここからは、ガクチカの例文を複数紹介していきます。

ガクチカと自己PRの違いを確かめるうえでは、例文をもとに、アピール内容やアプローチの相違点を知ることも重要です。

今回紹介するガクチカ例文では、以下のエピソードを題材として取り上げています。

ガクチカ例文
  • 部活の例文
  • アルバイトの例文

「違いとして重要なポイントはわかったが、実際に見てみないと違いをうまく比較できない」と感じた人は、例文をぜひ参考にしたうえで、ガクチカ作成につなげてください。

部活の例文

例文

私が学生時代に力を入れたことは、高校サッカー部でのチーム再建です。

当時のチームは、個々の技術は高いものの組織としてのまとまりに欠けており、試合で思うような結果を出せませんでした。

そこで私は基礎練習を強化するとともに、戦術ミーティングを積極的に行うことを提案し、メンバー同士の意思疎通を深めることに取り組みました。

その結果、チームの結束力が高まり、大会では県ベスト8という成果を収めることができました。

この経験から、目標達成のためには個人の努力だけでなく、チーム全体の協力が不可欠であることを学びました。

入社後も周囲と積極的にコミュニケーションを取りながら、組織全体の成果を最大化できるように努力を続けたいと考えます。

アルバイトの例文

例文

私が学生時代に力を入れたことは、飲食店でのアルバイトにおける業務効率化です。

アルバイト先の店舗では、混雑時にオペレーションが滞ることが多く、提供の遅れが課題となっていました。

そこで私は、アルバイトリーダーとしてスタッフ間の役割分担を見直し、注文・配膳・片付けの動線を整理することで作業効率を向上させました。

結果、ピーク時の待ち時間を30%削減させることに成功し、お客様満足度の向上にもつながりました。

この経験から、業務課題を把握し、改善策を実行する力を身につけました。

入社後も現場の状況を的確かつスムーズに分析し、業務改善の提案・実行を通じて、より高品質なサービスの提供に貢献したいと考えています。

【ガクチカと自己PRの違い】自己PRの例文

続いて、今度は自己PRの例文をチェックしていきましょう。

ガクチカと自己PRの違いがわからないときは、ガクチカ例文とあわせて、自己PR例文も見たうえで違いとなるポイントを比較することが大切です。

紹介する例文の中では、以下の強みをアピールポイントとして強調しています。

自己PR例文
  • コミュニケーション能力
  • リーダーシップ

いずれも自己PRではよく使われる強みなので、自己PRを作成する際は積極的にチェックしておきましょう。

コミュニケーション能力

例文

私の強みは、相手に寄り添ったコミュニケーション能力です。

飲食店でのアルバイトでは、お客様の満足度がなかなか上がらないことが課題でした。

そこで私は、もっとお客様とコミュニケーションを取りながら親しみのある接客を心がけようと考え、常連のお客様の好みを覚えました。

そのうえで先回りしておすすめを提案し、喜んでいただく機会を増やしていきました。

また、スタッフ間の情報共有を積極的に行い、総合的な面での業務効率化を実現しました。

結果、お客様から感謝の言葉をいただくことが増え、お客様アンケートでは高評価をいただくことが多くなりました。

入社後もコミュニケーション能力を活かし、お客様やチームメンバーと円滑な関係を築くことで、より良いサービスを提供できるよう努めます。

リーダーシップ

例文

私の強みは、周囲を巻き込むリーダーシップです。

大学ではイベントサークルの代表を務め、組織運営に携わりました。

当初、サークルの参加率低下が課題となっており、メンバーのモチベーション向上が必要だと感じました。

そこで私は新しい活動を企画し、定期的に意見交換の場を設けることで、メンバーの意見を反映したイベントを実施しました。

その結果、参加率が大幅に向上し、より活気のあるサークルを作ることができました。

実際にメンバーからも、「以前よりも企画が面白くて参加しやすくなった」との声をもらうことができました。

入社後も強みであるリーダーシップを活かし、周囲と協力しながら意見を取り入れ、チームの活性化に貢献したいと考えています。

【ガクチカと自己PRの違い】ガクチカや自己PRがない時の対処法3選

ガクチカや自己PRがない、取り上げられるようなエピソードを持っていない…と困ったときは、適切な対処法を実践してアピール内容を考える必要があります。

ガクチカ・自己PRがないときの対処法は以下のとおりです。

対処法
  • 日常生活や小さな経験からエピソードを見つける
  • これから取り組めることを考え、経験を作る
  • 他の人の例を参考にしながら、自分の強みを見つける

エピソードが見つからない人は、小さな成功体験や自分にとって当たり前のことなどを見逃している可能性があります。

まずは、自己分析の一環として以上の対処法を試し、アピールにつながることを積極的に探してみましょう。

1. 日常生活や小さな経験からエピソードを見つける

就活でアピールできるガクチカ・自己PRがないときは、日常生活や小さな経験からエピソードを探すと良いでしょう。

特別な経験がなくても、アルバイトや趣味、授業での取り組みなどがガクチカや自己PRになります。

普段自分が関わっていることであれば、エピソードとして取り上げられることはさまざま思い浮かぶはずです。

目標を持って努力したことや工夫した経験、苦労して乗り越えた経験などを振り返ってみましょう。

なお、自己評価を低くしがちな人は、当たり前に取り組んでいることだからこそ「アピールできるエピソード」としてとらえられない場合もあります。

ガクチカや自己PRがないときは、当たり前と考えて見逃しているエピソード・経験はないかどうかもチェックしてみましょう。

2. これから取り組めることを考え、経験を作る

就活で伝えられるガクチカや自己PRがない人は、これから取り組めることを考えたうえで、経験を作ると良いでしょう。

これまでの経験を振り返った結果、どうしても思い当たるエピソードがなかったときは、この方法が効果的です。

短期的でも挑戦できることに積極的に取り組み、新たな経験を積むことで、アピールポイントを作りましょう。

これから経験できることで、ガクチカや自己PRに使えることは例えば以下が挙げられます。

経験の例
  • ボランティア活動
  • 資格取得
  • インターンシップ
  • 大学の研究活動

就活に備えてこれらの経験を積む場合は、ぜひ自ら動いて、さまざまな学びを得て成長することが重要です。

新たに経験を作れば、エピソードの要点もスムーズに説明できるようになるはずです。

3. 他の人の例を参考にしながら、自分の強みを見つける

就活でアピールできるガクチカや自己PRがない場合は、他の人の例を参考にしながら、自分の強みを見つけると良いでしょう。

先輩や友人のガクチカ・自己PRを参考にすれば、実際に周りの人がどのような点を強みにしているのかがわかります。

自分に当てはまる経験を探し、アピールできる強みの発見につなげることが大切です。

先輩や友人のガクチカ・自己PRを見せてもらう機会がないときは、ネット上でとにかくたくさんのガクチカ・自己PRの例文に触れ、自分に近いものを探すこともおすすめといえます。

また、周囲の人に自分の長所を聞くのも効果的です。

自分が認識できていない強みやアピールポイント、成功体験などを聞ける可能性があるため、可能な場合は親しい友人や家族などに「他己分析」を頼んでみましょう。

【ガクチカと自己PRの違い】よくある質問

ガクチカと自己PRを作成するにあたって、よくある質問をまとめました。

就活は基本的に1人で作業する時間が多いため、正しい方向に進んでいるのか気になるでしょう。

不安や悩みを解消したい就活生は、本章を参考にしてください。

ガクチカと自己PRの内容は変更するようにしましょう。

企業ごとに求める人物像が違うためです。

たとえばA社はチャレンジ精神を重要視しています。

一方でB社は協調性を大事にしていると仮定します。

A社とB社は同じ業界であっても、求める人物像が違うため、企業ごとに内容を修正しましょう。

もし、内容を変えずに提出すると選考で不利になります。

企業が求める人物像にマッチしないためです。

確かに企業ごとに内容を変えるのは、時間がかかります。

忙しい就活生にとっては大変な作業になるでしょう。

しかし、就活は自分の人生に大きく関わります。

納得のいく就活にしたい就活生は、時間を作って内容を修正してください。

ガクチカと自己PRは一般的に400文字程度になります。

ただし、企業によって文字数は大きく異なるため指示に従いましょう。

企業からの指示を無視してしまうと、マイナスな印象になるため、注意してください。

たとえば、400文字に対して文字数が200文字しかないのは避けましょう。

反対に600文字のように制限を大幅に超えるのもNGです。

選考を受けるにあたって、企業からの指示を理解していない証拠になります。

ガクチカや自己PRを作成する際は、企業からの説明を読み込んでおきましょう。

内容を読んでもらう前に減点されないように注意してください。

嘘はバレます。

面接で深掘り質問されると矛盾や違和感が生まれるためです。

採用担当者は就活のプロです。

何十人、何百人と就活生を見ています。

話ぶりや仕草から嘘を見抜くでしょう。

嘘がバレずに入社できたとしても、勤務中も嘘をつき続ける必要があります。

また、入社後に嘘が発覚すると社内で過ごしづらくなるでしょう。

その結果、早期退職につながるかもしれません。

就活の努力が水の泡になるため、最初から嘘をつかないことをおすすめします。

そして、嘘をつかなくても内定は獲得できます。

きちんと対策することで、自分にあった企業に出会えるでしょう。

自分を良く見せたい気持ちは理解できますが、就活で嘘はつかないようにしてください。

ガクチカでは以下の経験が効果的です。

  1. 課題解決に直接関わった経験
  2. リーダーシップを発揮した経験
  3. インターンシップに参加した経験

企業は学生時代の経験から何を得たのかに注目しています。

その中でも上記で紹介したものは、仕事に関係する能力が多いため、高評価が得られやすくなるでしょう。

しかし、注意が必要です。

企業ごとに求める人物像が異なるためです。

自分ではプラスに考えることでも、的外れなアピールになってしまうかもしれません。

企業がほしいと考える人材から遠ざかってしまうと、内定獲得に影響します。

企業研究を通して、自分が必要とされる人材であることをアピールしましょう。

ガクチカと自己PRで同じエピソードを使用することは全く問題ありません。

重要なのは、同じエピソードでも異なる視点からアピールすることです。

例えば、サークル活動のエピソードで、ガクチカでは「問題解決のプロセスと学び」を、自己PRでは「リーダーシップという強み」を強調することで、一貫性を保ちながら違いを演出できます。

ただし、全く同じ内容を繰り返すのは避けましょう。

企業は質問の意図が異なるため、それぞれの目的に合わせた回答が求められます。

一貫性のあるエピソードは説得力を高め、人物像をより明確に伝える効果があります。

面接で両方聞かれた場合は、それぞれの質問の意図を理解して明確に使い分けることが重要です。

ガクチカを聞かれたら「学生時代の取り組みから得た学びと成長」を中心に答え、自己PRでは「現在の強みと企業での活用方法」を中心に話しましょう。

同じエピソードを使う場合でも、時間配分や強調ポイントを変えることで差別化を図ってください。

また、面接官が「さっきと似た話だけど」と前置きした場合は、「視点を変えてお話しします」と断ってから回答すると印象が良くなります。

準備段階で両方の回答パターンを用意し、スムーズに切り替えられるよう練習しておくことが成功の鍵です。

【ガクチカと自己PRの違い】まとめ

本記事では、ガクチカと自己PRの違いについて解説してきました。

ガクチカと自己PRは、それぞれの違いを理解し、使い分けることが重要です。

企業は質問によって知りたい内容が異なるためです。

適切な使い分けができないと、採用担当者から高評価を得るのが難しくなります。

ガクチカは学生時代の取り組みから学んだこと、自己PRは自分の強みや長所を伝えるようにしましょう。

ガクチカと自己PRは、企業に自分の魅力をアピールするチャンスです。

本記事の内容を参考にして、納得のいく就活にしてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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