「これといった強みがない」「いろんなことをやってきたけど、突出した強みがない」
自分の強みを見つけるのって、意外と難しかったりしますよね。
本記事では、器用だからこそ色々なことに挑戦し、中途半端になってしまう「器用貧乏」な方が、より良い自己PRを作成する方法について解説しています。
- 企業が自己PRを聞く理由
- 器用貧乏は自己PRできるのか
- 自己PRする際のポイント
- 自己PRの構成
- 自己PRの例文
目次[目次を全て表示する]
企業が自己PRを聞く理由とは?
就職活動をする際に必須の項目となる自己PRですが、企業はなぜ自己PRを問うのでしょうか。
その理由を知っておくと、企業から高い評価を受ける自己PRを作成する手助けになります。
これからお伝えする内容を、頭に入れておきましょう。
あなたのポテンシャルを見るため
日本の新卒・第二新卒ではポテンシャル採用が主流です。
企業は、入社後に活躍し、企業に利益をもたらしてくれる人材を求めています。
新卒は社会経験が少ない分、スキルよりもポテンシャルを重視されるため、企業での活躍ができるという再現性のあるエピソードを話すことで、評価されやすくなります。
インターン、アルバイト、サークル、ゼミなどで、活躍したエピソードがあれば自己PRに含めると良いでしょう。
あなたが企業の求める人物像に合っているか見るため
企業は、あなたが求める人物像とマッチしているかを見ています。
同じ目標に向かう仲間として、同じ熱量や方針、価値観で行動できるかどうかは、企業が重要視している部分です。
企業と人材のミスマッチを防ぐ重要な項目として見られているということを頭に入れて、自己PRを作成しましょう。
企業がどのような人材を求めているかは、企業説明会やHPなどで確認することができます。
選考を受ける際には、「求める人物像」「社風」などを確認しておきましょう。
そもそも器用貧乏とは
器用貧乏の意味は、「中途半端に器用なためあれこれ手を出し、どれも中途半端な結果となり大成しないこと」です。
また、「器用なために他人から便利がられてこき使われ、自分では一向に大成しないこと」という意味もあります。
以上のように、器用貧乏はなんでもある程度こなすことができるものの、大成しないという意味でよく使われています。
器用貧乏じは良いように捉えると、「物事を覚えるのが早く、なんでもやってのける器用な人」という印象ですが、一方で興味の対象が移り変わるために、物事に対する知識が浅い部分もあります。
物は言いようで、全てのことには一長一短があります。
自分の特性を魅力としてアピールしましょう。
器用貧乏であることは自己PRになる?
器用貧乏は自己PRにすることはできるのでしょうか。
結論から言うと、器用貧乏というワードをそのまま使い、説明しただけの自己PRはNGです。
器用貧乏という言葉は抽象的で、イメージが湧きにくいためあなたの特徴を企業に十分に伝えることができません。
また、「貧乏」という言葉や、全てにおいて中途半端なイメージから、ネガティブなイメージに結びつきやすいです。
このように、器用貧乏をそのままアピールすることは難しいですが、器用貧乏を言い換えてアピールすることで魅力的な自己PRに仕上げることができます。
以下で紹介する器用貧乏の強みの言い換え表現を参考に、ぜひ魅力的な自己PRを作成してくださいね。
自己PRで使える器用貧乏の強み
器用貧乏な人はどのように強みをアピールすれば良いのでしょうか。
ここからは、器用貧乏を強みに言い換えた表現を例に挙げてお伝えします。
器用貧乏でなかなか強みが見つからないという方はぜひ参考にしてみてください。
好奇心旺盛
器用貧乏な人の中には、「何でもすぐに平均点以上の結果を出せてしまうため、興味の対象が変わりやすい」「色々なことをしてみたい、やりたいことが容易に思いつく」という方も少なくありません。
また、そういった人は様々なことに興味を持ち、知りたいという好奇心から様々な事象について調べる人も多いことでしょう。
様々なことに好奇心を抱いてきたからこそ、これまでに取得した幅広い知識や経験を業務に生かせることもあります。
これまでに様々なことに挑戦してきたという人は「好奇心旺盛」を強みとしてアピールすることがおすすめです。
- 発想力
- 行動力
- 様々なことに挑戦できる
- 情報力がある
柔軟性がある
器用貧乏な人は固定概念や世の中の当たり前、自分のこだわりにとらわれず、物事を柔軟に考えられる人が多いです。
また、どのような仕事もそつなくこなせる柔軟性があるため、自分の意見に固執せず、周囲の意見を取り入れられ、適応能力がある人も多いです。
適応能力があると、未経験の仕事でも、即戦力として活躍できるのではないかと期待してもらえることもあります。
自分の考えや既存のやり方に固執せずに動けるという人は「柔軟性」のアピールがおすすめです。
- 周りの意見を聞くことができる
- 臨機応変
- 応用力がある
- 広い視野をもっている
要領がいい
器用貧乏な人は、自分では気づいていないかもしれませんが一般的には苦労するようなことをそつなくやり遂げてしまうため、要領がいいといえます。
自分では当たり前と感じていたことが、実は周りから高い評価を受けていることもあります。
今までの経験を振り返り、要領よく動けていたエピソードを探してみましょう。
- 処理能力が高い
- その場に適した行動ができる
周りから頼られやすい
器用貧乏な人は周りよりも効率的に仕事を進められるため、周囲から頼られる機会が多いです。
また、その器用さから場の空気を読むことに長けている人も多いです。
周りからよく頼られるという人はこの強みをアピールすることがおすすめです。
- 責任感がある
- 効率的に動ける
- コミュニケーション力がある
- 相手の気持ちを察する力がある
自己PRするなら知っておくべき器用貧乏の弱み
先ほど器用貧乏さの強みをご紹介しましたが、ここからは弱みについてご紹介します。
器用貧乏とは、本来ネガティブな言葉です。
短所として語られることもあるため、弱みとしての一面も持っています。
以下で紹介する内容をおさえて、アピールの際にネガティブな印象を与えないよう自己PRを作成してください。
飽きっぽい
器用貧乏な人は、要領よく物事を完遂できます。
そのため、すぐに満足して次々に新しいことを始めようとする傾向にあります。
一つのことが長く続かないという人も多く、飽き性であるようにも見えます。
完遂したと感じるのはどんな時か、また、新しいものに対してどのように取り組んでいるのかなど、あなたの価値観や行動を併せて伝えることで、マイナスな印象を与えることを防ぐことができます。
興味や知識が広く浅い
器用貧乏な人は、興味関心の移り変わりが激しく、一つのことを深く追求することが少ないのではないでしょうか。
多くのことを網羅的に知っているという良さはありますが、知識量が少ないまま「できる」などのような発言をしてしまわないよう、注意してください。
頼まれたことを断れない
要領よくなんでもこなせるため、頼られやすく、任された仕事を中々断れないという状況に陥りやすいです。
これは一見良さでもあるように見えますが、企業はその人が長く自社で働いてくれるかどうかも意識して採用活動を行っています。
新卒から多くの仕事を断れずに抱え込んでしまいそうな人には、採用してもすぐに辞めてしまうのではないかと不安に感じられることもあるかもしれません。
自分が取り組んだ活動は自主的なものであることや、どういった活動を選んで注力したのかという自身の軸を伝えられると好印象です。
向上心が低いと思われやすい
何でもそこそこできてしまう器用貧乏な人は向上心があまり見られず、「これくらいでいいか」とやめてしまう人が多い印象です。
そのため、そこそこで満足してまた違う分野に興味を持つため、1つの分野で何かを成し遂げるということが少ないと考えられます。
また、好奇心旺盛がゆえに1つのことを極めるのが苦手な人が多いです。
そのため、オールラウンダーとしては重宝されますが、スペシャリストとしては欠点になりがちです。
好奇心旺盛さや挑戦意欲をアピールする際には、しっかりと結果を残したことや、長期間継続していることをアピールすることで補うのがおすすめです。
主体性がないと思われやすい
器用貧乏なあなたは、頼られるがゆえに目的意識を持たずに行動している節はありませんか?例えば、面接では「なぜそれをはじめようと思ったのですか」などと問われることもあります。
その際に「頼まれたから」「誘われたから」など他人の考えが軸であると答えてしまうと、主体性がないという評価に繋がってしまいます。
何かを始める際には、少なからず心惹かれる物があったはずです。
物事を始めたきっかけを深堀りし、しっかりと説明できるようにしておきましょう。
器用貧乏な人が自己PRを作成する際のコツ
器用貧乏さで自己PRを作成する場合には、いくつかのコツがあります。
今回は、以下の4つについて解説します。
- 成長や努力の過程を深掘りする
- 入社後にどう活かすのか伝える
- 「器用貧乏」を言い換えてアピールする
- PREP法でまとめる
詳しい解説も、ぜひ以下からご覧ください。
成長や努力の過程を深掘りする
器用貧乏な人は、比較的なんでも要領よくこなせるため、努力の過程を自覚していない場合が多いです。
あなた自身はそこまで苦労を感じていなくても、周囲に評価されることがあります。
まずは活動を一つ一つ振り返り、成長や努力の過程を深掘りしていきましょう。
エピソードを選ぶには、実際に書き出した内容を第三者に見てもらうのが手っ取り早いです。
大学のキャリアセンターや、プロのエージェントを活用して内容を作っていきましょう。
プロと一緒に自己PRの文章を作成しよう!
就活エージェント「ジョブコミット」では、自己PRの作成・添削から企業探しなど、あなたの就職活動を総合的にサポートします。
これから本格的な就職活動を始める新卒、今まで就職活動をしていたがなかなか選考を通過できていないという就活生は、プロと一緒に就職活動を進めましょう!
入社後にどう活かすのか伝える
なんでも器用にこなせるからこそ、あなたは何がしたいのか伝わりにくい場合があります。
また、明確に一つのスキルを追求していない場合には、入社後にどんな力を発揮できるのかが企業に伝わりにくい場合もあります。
あなた自身が入社後にしたいことや、持っている力をどう活かしていきたいのかを伝えるようにしましょう。
「器用貧乏」を言い換えてアピールする
器用貧乏という言葉は、本来ネガティブな言葉であり、以下のような特徴があります。
- 抽象的で内容が伝わりにくい
- ネガティブな印象を与える
- 謙遜のような印象を与える
短所として使うのであればそのままの表現で構いませんが、自己PRとして話すのであれば言い換え表現を使用しましょう。
端的な言葉に置き換えるのも効果的ですが、もっとも重要なのは一言であなたのことが伝わることです。
あなた自身の取り組みや価値観、人柄が伝わるような言い換え表現を使用しましょう。
「器用貧乏」の言い換え例
ここでは、自己PRで使える「器用貧乏」を言い換えた表現の例をご紹介します。
自身が当てはまるものがあるかどうか、また、あなた自身の言い換えを考える際の参考にしてください。
- 臨機応変に対応できる
- 視野が広い
- 相手の気持ちを察せる
- 柔軟性がある
- 好奇心旺盛
- 周囲に気配りできる
- 応用力がある
PREP法でまとめる
PREP法とは、以下のような文章フォーマットのことを言います。
-
1
- Point(結論)
- 要点・結論・主張を先に述べる。
-
2
- Reason(理由)
- その主張をする理由について話す。
-
3
- Example(具体例)
- 具体的なエピソードを話す。
-
4
- Point(結論)
- 最後にもう一度結論をまとめる。
就職活動でおさえておくべき文章フォーマットですので、これを機に身に着けるようにしましょう。
詳しくは以下の記事で解説しています。
器用貧乏さが企業に響く自己PR例文
最後に、実際にESに書く際の例文をご紹介します。
あなたが自己PRを作成する際の参考として活用してくださいね。
これまでの内容と合わせて、例文も参考にしてみてください。
例文1:視野が広い
私の強みは、視野を広く持っていることです。
私が所属していた部活動は、あまり強いチームではなく、毎日ハードなトレーニングを積んでいたにも関わらず、なかなか結果の出ない日々が続いていました。
私は結果を出せない理由を非効率な練習方法なのではないかと考え、新しい強化メニューを開発しました。
具体的には、運動には取り入れられてこなかった、○○という手法を取り入れました。
常識にとらわれずに行動した結果、個人、チームともに成長でき、地区大会でも勝ち進めるようになりました。
入社後には営業として常識にとらわれず、様々な営業手法を学び実践する広い視野で、新しいニーズの発見や市場の開拓につなげたいと考えております。
例文2:臨機応変
私の強みは、臨機応変さです。
私は個人経営の居酒屋でアルバイトをしておりました。
お客様はお仕事や年齢層、常連の方から新規の方まで様々でした。
私は幅広いお客様に対し、何が求められるかを事前に想定して行動してきました。
例えば、お客様が左利きの場合はカウンターの左端にご案内し、他のお客様と腕がぶつからないように配慮しました。
また、お子様連れのお客様がご来店された際は、真っ先に子ども用の椅子を用意しました。
私の強みは、接客の際に、お客様の好みを把握することで、その人に適した商品をおすすめできることです。
以上のように、私はあらゆる状況に対応できる臨機応変さを生かし、御社に貢献したいです。
例文3:相手の気持ちを察せる
私の強みは、相手の気持ちを汲み取る力です。
相手の話を聞く際、相手が言いたいことは何かを考えながら話を聞いています。
私は、百貨店の洋菓子売場でアルバイトをしていた際、お客様から「甘いのを探している」とご相談がありました。
「探している」という言い方から、洋菓子売場には無いものをお探しなのだと感じました。
そこで「和菓子売場でしたらもう少し奥にございます。お饅頭や羊羹の専門店がございます。」とお答えすると、「和菓子売場は向こう側なのね。ありがとう。」と言って頂き、お客様をお望みの売場に案内することができました。
以上から、私は相手の気持ちを汲み取り、的確なご提案ができる販売員になりたいと考えております。
器用貧乏で自己PRを作成する際の注意点
器用貧乏で自己PRを作成する方法をご紹介してきましたが、作成の際には注意すべき点もいくつかあります。
以下のような注意点に気を付けながら、自己PRを作成・添削してください。
ネガティブな印象を与えない
器用貧乏さは、要領の良さをアピールできる強みである反面、ネガティブな印象を与える可能性もあります。
ここまでに紹介した弱みやマイナスポイントを押さえ、フォローしながら自己PRを作成することが大事です。
企業の志望理由を明確にする
好奇心旺盛で興味が移ろいやすい印象があるため、志望理由が曖昧だと自社でなくてもよいのではないかと思われてしまします。
志望企業への強い興味関心を示し、志望動機をしっかりと伝えておくのが良いです。
あなたの気持ちは変わらず志望企業に向いていることをアピールしましょう。
多くのスキルをアピールしない
なんでもできるからこそ、それを1つずつすべてアピールしていたのではきりがありません。
また、業務に直接的なつながりがない場合は、スキルをアピールすることは無意味な可能性もあります。
多くのスキルを身に着けるために何をしたのかを伝えることで、努力の過程やあなたの人間性を伝えることができます。
嘘はつかない
これは言うまでもないことですが、嘘はつかないようにしましょう。
大胆な嘘でなく、小さな嘘でも同様です。
多くの場合、書類は通過できても面接でバレることが多いです。
また、面接時の態度で「この人は嘘をついていそうだな」と思われることもあります。
嘘をつかないだけでなく、スムーズなやり取りができるように、準備も怠らず行いましょう。
器用貧乏な人が企業で評価されるためには
ゼネラリストを目指す
多方面の能力・知識を持つ人。
一つを追求するのではなく、多機能を果たすことができるのがゼネラリストの特徴です。
経営者やマネジメントなどの管理職に求められる能力であり、対義語はスペシャリストです。
まさに、どんなことでも要領よくこなせる器用貧乏な人を表す言葉です。
こういった役割が社会人として重宝されることを認識し、自身のキャリアビジョンについても考えてみましょう。
マネジメント能力を伸ばす
自身の能力が高いからこそ、周囲の育成に注力しながらも自身の仕事をこなせる要領の良さがあります。
そのため、マネジメント能力を伸ばして組織の成長に貢献するような役割を果たすことができる可能性があります。
自身の強みを理解し、自分の成長と周囲の成長どちらにも貢献していくようなキャリアビジョンを語れると、人事からも好印象です。
器用貧乏の自己PRで選考を通過しよう!
これまで、器用貧乏な方向けの自己PRの提案をしましたが、いかがでしたか。
器用貧乏は一般的には良くない意味で使われることが多いですが、長所としてアピールできる部分もたくさんあります。
企業が何を知ろうと自己PRを問うのかを知っておくことが、高い評価を受ける自己PRを作るためのポイントの1つです。
自分のアピールポイントとは何かを、自己分析や他己分析を使って整理しておきましょう。
自己PRを作成する際には、ぜひこの記事を参考にしてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
小玉 彩華
あなたの持っている知識をアピールする際、志望企業との関連性を意識しましょう。
志望企業の業界や専門知識について、どこまでを知っていて、これから何を学ぶつもりでいるのかを伝えられると、業界への深い理解が示せるため好印象を与えることができます。