はじめに
就職活動が本格化してきた今、就活生全員が直面する「自己PR」。
よく聞くのは「リーダーシップがあります」など、自分が先頭に立って何かを成し遂げたエピソード。
しかし、中には陰ながら、チームのために努力した人もいます。
このページではこのような縁の下の力持ちの人が上手く「自己PR」ができるコツと注意点をご紹介します。
【縁の下の力持ち】どんな性格?
まず縁の下の力持ちの意味ですが「陰で他人のために努力や苦労をする人」です。
素晴らしい人格で、企業はこのような人材を求めています。
では実際にこのような人はいるのか?
あなたの周りを思い浮かべてみましょう。
部活の時に献身的に練習道具を持ってくる人、授業中寝ているあなたの代わりにノートをとってくれる人、バイト中あなたのミスを代わりに片付けてくれる人。
そうです。思っているよりたくさんいます。そして全員が優しい人です。
縁の下の力持ちの人は優しい人が多く、思いやりがあるからこそできる役割ということです。
他人のために陰で苦労する
自分のために苦労する。自分のために努力する。
このことは言ってしまえば全員ができることです。
重要なことは「他人のために陰で苦労や努力をすること」です。
そして本当の縁の下の力持ちの人はそれを表に出さず、アピールもしません。
こんなに重要かつ賞賛されるべき活躍をしているのに自己主張はしないなんて、正直カッコ良すぎますよね。
こんな人材が世の中を動かしているんですね。
サポート力があり、チームを円滑にまわす
縁の下の力持ちは自分が先頭に立たなくてもチームを円滑に回す能力を持ち合わせています。
部活ではキャプテンや下級生のサポート、バイトでは店長や新人のサポートなど、裏では「この人がいないとチーム崩壊するよな」と言われるような人。
その人がまさに縁の下の力持ちということです。
決して先頭には立たない役回りですが、いないと困る、チーム運営に影響が出るなど、他の人をサポートすることが非常に上手く、気が利く特徴があります。
【縁の下の力持ち】アピールする人の特徴
例えるとすると部活動だと副キャプテン、ムードメーカー、マネージャーなどのキャプテンや部員を献身的に支える人達。
バイト先だとバイトリーダーやバイトの教育担当係など、店長やお店を助けてくれるような人達のことを言います。
決して先頭には立っていないが、いないとチームとして完成しない人達。
陰の主役的な役割をしている人は縁の下の力持ちであるとアピールしても良いと思います。
ひたむきに努力を続けることができる人
ここから少し具体的に縁の下の力持ちの人について説明していきましょう。
ここでの努力とは「他人」に対してすることを指します。
真っ先に思いつくのは「部活動のマネージャー」ではないでしょうか?
自分が練習することはないのに、自分が飲まないお茶を作ったり声掛けしたり、たくさんのお守りを作ったりと部員のサポートに徹しています。
しかも、いないと部員はお茶も飲めない環境になり練習どころではありません。
正真正銘の縁の下の力持ちと言えるでしょう。
裏方としてチームのためになれる人
チームの運営のためにはマネージャーの他にも「副部長」「ムードメーカー」など部長と部員の関係を良好に保つ役割の人も非常に重要です。
例えばチームが試合で負けている時、部長はグラウンドの中でチームメートに声をかけます。
しかし、それだけでは足りない時もあります。
そんな時、副部長やムードメーカーの人がベンチやスタンドから大きな声で鼓舞する、アドバイスをする、チームを盛り上げる。
そんな行動がチーム全体の士気を高めることに繋がり、試合でも攻勢に出ることができた。
これは部長だけでなく、副部長、ムードメーカーがいたからこそできたことで、その裏方の役割は非常に重要で、なくてはならないものです。
【縁の下の力持ち】向いている職種
今まで紹介してきた縁の下の力持ちは全員がチームのためを思って努力や苦労ができる人達でした。
そして優しく思いやりがあり、決して見返りを求めず陰で頑張れる人。
そんなあなたのような縁の下の力持ちの人達はどのような職種に向いているのか。
ピックアップしてみましたのでご紹介していきます。
是非、就職活動の参考にして下さい。
IT系のエンジニア
今やなくてはならない職業のIT系のエンジニア。
その仕事の内容は得意先のニーズを聞き取り、そのニーズにあったITシステムなどの構築、修繕などです。
今はネットが普及し、日本中の企業がこのIT系のエンジニアにお世話になっています。
しかし、IT系のエンジニアが表立って賞賛されている場面を見たことがありません。
この情報過多な世の中の根幹部分をしっかりと陰で支えているエンジニアがいるからこそ、あなたはこのページを見ることができているということです。
そんな、世の中になくてはならない仕事はまさに縁の下の力持ちに相応しい仕事です。
事務職
会社ではやはり売上を稼ぐ営業マンや、商品などを開発する部署などが花形で注目されることが多いですが、会社を運営する上で事務職の人がいないと仕事が回りません。
経理部や総務部、法務部や人事部など外から見えない陰の部分で仕事をしている人達がいるからこそ、営業は外回りに行く際に車に乗ったり、商品を販売したりできるのです。
正直、事務職は地味なイメージもあり人気があるとは言えませんが、社会人になってその大切さに気づく仕事となっています。
会社の売上を作るサポートをしている事務職もやはり縁の下の力持ちに相応しい仕事内容です。
介護職
今後、日本は超高齢化社会に突入し、仕事の需要が拡大すると予想される介護職。
文字通り他人のことを支える仕事で、非常に大変な仕事です。
近頃、心無い介護職の方が介護を必要とする方に暴力を振るう事件などもあり、世間に衝撃を与えました。
この介護職は介護をするので肉体労働のイメージが強い人もいるかもしれませんが、本当は心が強く優しい人でないとできない仕事です。
介護を必要とする方のことを、本当に想って仕事に取り組むことができる縁の下の力持ちの人には向いている仕事だと思います。
【縁の下の力持ち】評価される伝え方のコツ
この縁の下の力持ちですが、アピール方法を間違えるとただのお節介な人や恩着せがましい人と、かえってマイナスイメージとなって伝わってしまうこともあります。
せっかく素晴らしいアピールポイントなので上手く伝わって欲しいですよね。
ここからは縁の下の力持ちであることを正しく伝えるために必要なことを3点にまとめましたのでご紹介していきいます。
是非、参考にしてあなたの自己PRに取り入れてみて下さい。
PREP法を意識する
最初にPREP法の説明ですが、Point「結論」Reason「理由」Example「具体例」Point「結論」の流れで伝える文章構成のことです。
このRPEP法は話す場面でも書く場面でも使える文章構成なので覚えていると今後も使えると思います。
端的に伝えたいことが伝わるので是非、活用してみて下さい。
慣れるまでに少し時間がかかるので、早め早めに準備しておきましょう。
見返りは求めていないことをアピール
例えばあなたは甲子園に出場している野球強豪校のマネージャーをしているとします。
そこで献身的に部員のサポートをし、見事甲子園出場が叶いました。
その結果進学に関わる内申点が高くなり第一志望の大学に行けるようになりました。
「ん?これは内申点が欲しいからマネージャーになったの?」と採用担当者も頭に「?」が浮かんでしまい結果的にアピールは失敗に終わってしまいます。
「このように、私は陰ながら部員のサポートに徹し、その結果甲子園に出場することができました。」
この文章の方が絶対に印象は良くなるので、アピールの仕方には注意が必要です。
仕事をする上で何がメリットになるのか伝える
上手く縁の下の力持ちであることがアピールできたとしても、それだけでは採用担当者も「あなたは良い人ですね〜」で終わってしまいます。
実際に会社に入ってから、どう良さを使って活躍してくれるのかを採用担当者は重視しています。
部活動で副部長としてチームの潤滑油の役割を担っていました。
入社後も会社の潤滑油として周りに気を配り、自分だけでなく会社全体の仕事が上手く回るように意識して仕事をしていきたいと思っています。
このように採用担当者へ今までの経験を入社後どう活かしたいかを端的に説明する必要があります。
【縁の下の力持ち】アピールできる例文8選
ここまで縁の下の力持ちであることの素晴らしさや、人としての特徴、自己PRする際のコツなどを紹介してきましたが、なかなかすぐに文章にするのは難しいと思います。
そこで!ここでは様々なシチュエーションでの縁の下の力持ちをアピールする例文を一挙ご紹介!
是非、参考にして自分なりの自己 PRを完成させて下さいね!
部活(マネージャー)
高校生の時、公式戦で一回も勝ったことがない野球部のマネージャーをしていた際、自分なりにチームが勝てるように練習メニューを考え、最後の大会で一勝することができた経験があります。
私は勝てない理由をまず考え、守備が安定しないことが原因であると突き止めました。
そのことをミーティングの際に部員に伝え、新しい守備の練習メニューを提案、次の練習から取り入れることになりました。
このことでチームはエラーが減った結果、最後の大会で一勝することができました。
この経験から私は貴社に入社後も、他人のために考え行動し、大きな成果を得ることを目標にして仕事をしたいと思っております。
部活(メンバー)
サッカー部に所属しており、中学生の時は中心メンバーとして活躍。プレーすることでチームの勝利に貢献していました。
しかし、進学した高校で大きな怪我を負ってしまい、プレーすることで勝利に貢献できなくなっていました。
まだプレーしたい自分もいましたが、チームの勝利のために自分からマネージャーになることを監督に提案しました。
そこから選手のために今までにないサポートの役割でチームに関わることになり、結果チームは過去最高成績を残すことができました。
この経験から貴社に入社後も、様々な視点から仕事に関わり、会社全体をサポートできるように頑張って仕事をしていきたいと思っております。
副リーダー
大学のゼミでプレゼン大会に出場し、そこで副リーダーとしてチームを優勝に導くことができた経験があります。
具体的な役割としては、発表をするリーダー以外の役割を適材適所に振り分け、チームの円滑な運営をサポートしました。
定期的に進捗の確認し合い、足りていない所は私も入って補い、無事資料を完成させることができ、結果的にプレゼン大会でも優勝することができました。
この経験から、貴社に入社後も表に立つような仕事でなくてもコツコツと続け、献身的にサポートすることで課題達成できるように努力できると自負しております。
アルバイト
学生時代に焼き鳥屋でアルバイトをしていた際、食材の発注作業を任せてもらっており、店舗の在庫を切らせないように日々気をつけてアルバイトをしていた経験があります。
食材発注はその日の集客や天気、周辺でのイベントなどで日々変わっていきます。それらを日々データで確認し、発注量などを決めていました。
最初は不安でしたが、店長からも私が発注するようになって在庫切れや廃棄が少なくなって助かったと言ってもらえるようになりました。
これらの経験から私は与えられた業務に対して強い責任感を持って取り組むことができると思っております。
ボランティア
大学生の時に介護現場でのボランティアに参加していた経験があります。
介護の現場は想像しているよりも過酷で、辛いことが多くありました。
しんどい時にいつも考えていたことは「本当はこう思っているのでは?」「本当は自分でなんでもやりたいのでは?」ということです。
介護される側になって考えた時に、介護のボランティアは本当にやりがいのあるものになりました。
こうした経験から、貴社に入社後も相手の立場になって考え、何が必要なのかを汲み取り行動し、得意先の利益に繋がる仕事がしたいと思っております。
ゼミ
大学のゼミ活動の一環で、300件のアンケートを三日で集める必要があり困難を極めましたが、方法を考え、無事に達成した経験があります。
ゼミの発表で必要だったアンケートを忘れており、発表は無理かと全員が思っていましたが、私は諦めることなくすぐ考え行動しました。
そこで大学の掲示板にアンケート実施している内容を掲示し、そこにQRコードを貼り付け集める案を思いつき、大学の総務と連絡を取りました。
その結果掲示することができ、アンケートもすぐに500件集めることに成功、無事に発表することができました。
この経験から、仕事で困難に直面した際も乗り越えられると自負しております。
インターンシップ
貴社のインターンシップに参加させていただいた際、新商品開発案を作成する課題をチームの潤滑油となりみんなで達成することができた経験があります。
リーダーではなく副リーダーをすることで、発表などではなくチームを上手く回すことに気を配り行動しました。
あまり参加できていない人に話を振ってみたり、役割を上手く分担したりと黒子の役割に徹しサポートすることを心がけました。
その結果、全員が同じ目標に向かって進むことができ、結果的に発表も上手くいき表彰されることに繋がりました。
この経験から、入社後も自分から献身的に行動し、チームとして成果を出せるように今自分には何を求められているのかを考え、仕事をしたいと考えております。
サークル
大学生の時にテニスサークルに所属しており、そこで裏方の大切さなどに気付けた経験があります。
楽しそうな雰囲気からテニスサークルに入り活動していました。合宿や懇親会などに参加している中、3年生の時に経理担当を任されることになりました。
普段何気なく参加していたイベントも、経理の役割が与えられてからは責任を持って取り組むようになりました。
部費の集金や、各イベントの予算決め、年度末には集計したりと経理の仕事がいかに大変で必要な役割であるかに気付かされました。
貴社に入社後もこの気持ちを忘れずに、裏方ではありますが責任感を強く持ち、日々の業務を行いたいと思っております。
【縁の下の力持ち】NGな例文2選
ここでは自己PRに失敗している例文を2つご紹介していきます。
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主体的に動けていない例文
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成果がない例文。
どちらもやりがちなNG例文となりますので、しっかりと確認して反面教師としましょう。
主体的に動けていない
高校生の時に、文化祭で焼き鳥の出店を出店することになり、そこで私は一番重要な食材の買い出しを任されました。
3人チームだったので話合う中で、あのスーパーなら安く買えそうだと意見がまとまり、実際に店舗を確認しにいきました。
その結果、調べた中では一番安かったので購入し、文化祭当日も食材が切れることなく無事に終えることができました。
この経験から社会に出てからも陰でチームを支え、貢献できると自負しております。
この例文では「言われたことをただやっただけ」ですので当然アピールになっていません。
成果がない
大学ではサッカーサークルに所属しており、中心選手としてプレーしていました。
大学最後の大会の時に、試合は同点でラストプレー、相手に絶好機が回ってきました。
その時、ここでスライディングすると退場になりそうな場面でしたが、自分のことよりもチームの勝利を願ってスライディングし退場に。
その後、延長戦でチームは敗れてしまいましたが、自分としてはやりきったと思い、すっきりした気持ちでした。
この経験から入社後も自分のことよりチームを優先して行動できると思います。
この例文は惜しい!これでチームが勝っていればいい文章だったと思います。
【縁の下の力持ち】アピールするときの注意点
ここまで「PREP法」や「見返りを求めていないこと」「仕事でどう活かせるのか」などコツを色々とご紹介してきました。
ここではより技術的な要素に絞ってアピールする時の注意点をご紹介していきます。
上手く伝わらないとせっかくのいい話も台無しになってしまいますので、参考にして下さい。
エピソードは一つに絞る
私は部活動では副キャプテン、バイトではバイトリーダーをしており、ゼミではみんなをまとめる潤滑油のような役割をしていました。
Mr.縁の下の力持ちですが、エピソードが多すぎて結局何も伝わらないです。
自分の中で思い当たるエピソードを3つ程選び、実際に自己PRを作成してみましょう。
その中で一番を決めて、そのエピソードを深掘りするようにしましょう。
主体的に動けた内容かつ成果があったエピソードを選ぶことをオススメします。
過程・結果・発展的な部分をこだわる
この3つの要素がまんべんなく伝わることが重要です。
いくら結果が良くても、その過程が主体的でない、自分の努力の部分があまり見つからない内容ではダメです。
最後の発展的な部分を多くの就活生は忘れがちです。
このエピソードから自分はどうなれたのか、この経験が生きてこの時こうできたなど、結果以上に大事な項目となっています。
どんなに学生時代いい経験、いい結果を出せたとしても、そこから何も学んでいないのであれば意味がありませんからね。
将来どう役に立つかも述べる
いいエピソード、いい経験、いい結果、そこから学んだこと、その次はどう社会に還元するかが重要です。
採用担当者はここまで見ていますし、この部分を求めています。
縁の下の力持ちであることを活かしてどう活躍していきたいのかをしっかりと準備し、採用担当者に伝えるようにしましょう。
あなたが今までチームやグループでしてきたことを思い返して、社会に出た時どう活躍できそうか、想像してみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
縁の下の力持ちは、まさに企業が求めるような人材であることは間違いありません。
自信を持ってエントリーシートや面接の自己PRでアピールしましょう。
しかし書き方や伝え方が難しいので、この記事を参考にして最低でも3つ程作ってみるようにしましょう!
就活は準備が一番大切です。是非、最高の自己PRを作って最高の就活にして下さい。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート