リフォーム業界の仕事とは?市場規模や主な企業・課題や将来性も解説

リフォーム業界の仕事とは?市場規模や主な企業・課題や将来性も解説

「リフォーム業界の仕事内容ってどんなものなの?」 「リフォーム業界の企業にはどんな種類がある?」 「リフォーム業界の課題や問題点とは?」 このように、リフォーム業界の仕事やリフォーム業界の企業について興味を持っているという人もいるのではないでしょうか。

本記事ではリフォーム業界の概要や仕事内容、リフォーム業界を担う企業の種類などを紹介しています。本記事を読むことで、リフォーム業界ではどのような仕事内容があるのか把握できるでしょう。

また、リフォーム業界の動向や問題点なども解説しているため、リフォーム業界への就活を行う参考にできます。

リフォーム業界の仕事について知りたい人は、ぜひ本記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。

リフォーム業界の概要

就活生の中にはリフォーム業界に興味を持っているという人もいるでしょう。リフォーム業界はその名の通り住宅の改修、改築といったリフォーム業務などを行っている業界です。

近年では安い中古物件を購入して、自分好みにリフォームするという人も増えてきています。ここではリフォーム業界の概要について解説していきます。

リフォーム業界の仕事内容

リフォーム業界の仕事は、住宅の改築や改修を行うことです。リフォームとは一般的に、老朽化した建物を新築に近い状態へ回復させる改修を指します。

似た言葉に「リノベーション」がありますが、リノベーションは設備を改修することでより性能を向上させるという意味で使われています。

リフォーム業界の仕事は既存の住宅に手を加えるという特徴があるため、不動産業界よりも建築業界に近い位置づけであると言えるでしょう。

市場規模

国土交通省の「令和3年度住宅経済関連データ」によると、リフォーム業界の市場規模は2020年時点で約7.3兆円となっています。

新型コロナウイルスの影響によって一時的に落ち込んだものの、在宅ワークを行うケースが増えたことから、リフォームの需要が増しています。今後もリフォームの需要が高まることにより、市場の拡大が期待できるでしょう。

出典:令和3年度 住宅経済関連データ|国土交通省 参照:https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html

リフォーム業界を担う企業の種類

リフォーム業界とひと口に言っても、リフォーム業界で活躍している企業にはさまざまな種類があります。リフォームに関わる企業はリフォーム専門会社やハウスメーカー、家電量販店など多岐にわたります。

また、企業の種類によって業務範囲も異なるため、小規模なリフォームから大規模改修工事までその内容はさまざまです。ここでは、リフォーム業界を担う企業の種類や特徴について解説していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。

リフォーム専門会社

リフォーム専門会社は、工務店などが自社の専門分野を活かした会社として新しく立ち上げたものを指します。近年リフォーム業界の企業の中でも増えてきており、総合的な工事だけでなく、各社の設備のリフォームを得意としているケースが多いです。

リフォーム専門業者は知名度は低いものの、しっかりとしたアフターサービスを提供している点が魅力です。ただし、設備に特化していることが多いため、設備以外のリフォームが不得手であるケースもあります。

大手ハウスメーカー

住宅の販売を行っている大手ハウスメーカーも、住宅のリフォームを手掛けているケースが多いです。大手ハウスメーカーであれば、大規模なリフォームも請け負っています。

リフォーム専門会社の場合は設備に特化しているケースもありますが、ハウスメーカーの場合は総合的なリフォームにも対応しているという強みがあります。

ただし、CMで見かけるような有名なハウスメーカーの場合は宣伝費などにお金がかかっているため、価格も高い傾向にあるでしょう。

家電量販店・ホームセンター・家具店

建設業界の企業以外に、家電量販店やホームセンター、家具店などが住宅のリフォームを手掛けているケースがあります。このような別業界から参入した企業の場合は、自社が扱っている製品販売をメインにしたリフォームを得意としています。

商品に合わせたリフォームができるため、顧客にとっては完成図がイメージしやすい点がメリットでしょう。その一方で、経験が浅く小規模なリフォームにしか対応できないケースもあります。

地場の工務店

地場の工務店の場合は地域に根差したサービスを提供しているため、その地域の特性に合わせたリフォームができるケースが多いです。また、工務店ごとに強みが異なっているため、それぞれの専門性を活かしたリフォームが行えます。

また、大手ハウスメーカーなどに比べて細かい注文にも対応してもらいやすく、経験豊富で腕のいい職人が揃っています。一方で、流行りのデザインなどには疎いケースもあるでしょう。

設備工事会社

設備工事会社は、建築物の設備に関する工事を行う会社です。手がけている設備工事としては、電気設備工事や空調設備工事、衛生設備工事などが挙げられます。

設備工事をメインの事業としているため、設備に関連したリフォームも手掛けているケースが多いです。トイレやキッチン、お風呂などの設備の入れ替えなど、設備に関するリフォームを行います。

リフォーム業界の動向

前述のとおり、リフォーム業界の市場規模は2020年時点で約7.3兆円となっており、非常に市場規模が大きいです。また、2020年の新型コロナウイルスの影響によって多くの企業が事業を停止、縮小したにもかかわらず、リフォーム業界の市場規模はほぼ横ばいのままとなっています。

リフォーム業界は今後も市場規模を拡大していくことが期待されていますが、現在のリフォーム業界はどのようになっているのでしょうか。ここではリフォーム業界の動向について解説していきます。

リフォーム業界は異業種からの新規参入が多い

リフォーム業界で活躍している企業の中には家電量販店やホームセンター、家具店なども含まれています。

リフォーム業界へ参入した企業として、家電量販店であればヤマダ電機やビックカメラ、ホームセンターであればカインズホーム、家具店であればニトリなどが挙げられます。このように、異業種からの大手企業の参入が多い点はリフォーム業界の特徴だと言えるでしょう。

このような企業は、もともと暮らしに必要な商品を扱っていたため、住宅や設備のリフォームとの相性も良いです。異業種からの新規参入が多い理由としては、今後もリフォームの需要が増えていくことへの期待や、建設業の許認可などの点で参入しやすいことなどが挙げられるでしょう。

コロナ禍でリフォーム・リノベーション需要が高まる

2020年の新型コロナウイルス蔓延の影響により、人々の生活スタイルも新しい形になりました。在宅ワークを行う人が増えたことにより、自宅をリモートワークに適した形にリフォームするケースも増えています。

このようにリフォーム、リノベーションの需要が高まったことにより、リフォーム業界の市場が拡大しており、業界内での競争も激しくなってきています。

リフォーム業界の課題・問題点

リフォーム業界では異業種のさまざまな企業が新規参入しており、市場規模が拡大していることから、業界内での競争も激化しつつあります。このように業界自体が活性化しているリフォーム業界ですが、業界特有の課題もいくつか存在しています。

ここではリフォーム業界の課題や問題点について解説していくため、参考にしてみてください。

リフォーム費用が高い場合がある

リフォームの費用は規模が大きくなるほど高くなります。また、工賃はリフォーム業者によって大きな差があるため、リフォーム費用が高くなりやすいという問題点があります。

材料費自体はそこまで変わりませんが、大手ハウスメーカーと地場の工務店では工賃が大きく異なるでしょう。特に大手ではリフォーム費用が高くなりがちです。

トラブルになるケースも多い

リフォームは専門的な内容であるため、どの業者が良いリフォーム業者であるのか顧客が判断することはできません。複数の業者に見積もりを依頼したとしても、業者ごとに表記方法も異なります。

また、記載されている内容も専門性が高いため、どの業者を選べば良いのかわかりにくいです。そのため、リフォーム後のトラブルが発生しやすい業界である点も問題点の一つです。

リフォーム業者としても、消費者に対してできるだけわかりやすく説明し、トラブルを回避する必要があると言えるでしょう。

下請け任せの場合がある

有名なリフォーム業者にリフォームを依頼しても、実際の作業は下請け任せというケースもあります。特に大手ハウスメーカーの場合、多数の下請け業者を抱え込んでいるため、前述のとおり工賃も高くなります。

下請け任せであったとしてもクオリティが下がるとは限りませんが、下請け任せになることを避けたい場合は、地場の工務店の方が良いと言えるでしょう。

質の低いリフォーム店の増加

建設物の工事を行う場合に建設業許可や資格などが必要になるかどうかは、工事の範囲や種類によって変わります。小規模な工事だけであれば建設業許可は不要であるため、リフォーム業者の中には無許可、無資格で行っているケースもあります。

小規模な工事は請負代金が1,500万円未満の工事や、延べ面積が150㎡未満の木造住宅の工事などです。一般的なリフォーム費用は500万円以下であるケースが多いため、質の低いリフォーム店が増加しています。

出典:建設業の許可とは|国土交通省 参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html

人材不足

リフォーム業界の問題点として、職人不足が挙げられるでしょう。日本では少子高齢化の影響によって労働人口が減少していますが、リフォーム業界の場合は技術が求められることもあり、人材不足が顕著になっています。

そのため、納期どおりにリフォームが終わらないなどの問題も出てきています。リフォーム業界の企業の中で、十分に職人が揃っているケースはほとんどないでしょう。

リフォーム業界全体の課題として、若い世代の職人の確保、育成が必要だと言えます。

資材不足や納品遅延の問題

新型コロナウイルス拡大の影響もあり、資材不足や建材の高騰、納品遅延などがリフォーム業界で問題になっています。リフォーム需要が高まったことによる建材不足だけでなく、ウッドショックによって価格も高騰しています。

また、資材不足によって工事が遅延すれば、消費者とのトラブルにもなりかねません。

リフォーム業界の有名企業を紹介!

リフォーム業界への就職を検討している人の中には、どのような企業があるのか知りたいという人もいるでしょう。ここではリフォーム業界の有名企業を紹介していくため、参考にしてみてください。

住友不動産株式会社

住友不動産株式会社は分譲マンションや賃貸マンション、注文住宅やリフォームなど幅広い不動産事業を展開している企業です。

戸建て住宅を丸ごとリフォームできる「新築そっくりさん」はCMでの知名度も高いため、聞いたことがあるという人も多いでしょう。

大和ハウス工業株式会社

大和ハウス工業株式会社は、大阪市に本社を置く住宅総合メーカーです。

戸建住宅や賃貸住宅、分譲マンション、リフォーム、リノベーションなどさまざまな事業を展開しており、高耐震や省エネなどの時代のニーズにマッチした強みを持っています。

積水ハウス株式会社

積水ハウス株式会社は、積水化学工業株式会社ハウス事業部を母体に設立されたハウスメーカーです。

リフォーム業界大手の積水ハウス株式会社は、オンラインや電話などによるリフォーム相談、バーチャル体験を提供する「おうちでリフォーム」を展開しています。

旭化成株式会社

旭化成株式会社はマテリアル領域やヘルスケア領域、住宅領域などさまざまな事業を展開している大手総合化学メーカーです。化学や繊維などのイメージがありますが、住宅や建材など幅広く事業を行っています。

住友不動産や大和ハウスなどと比較するとリフォーム業界でのシェアは少ないものの、リフォーム事業での売上高も非常に高くなっています。

積水化学工業株式会社

積水化学工業株式会社は、住宅建材などの化成品や高機能プラスチックなどを製造している大手樹脂加工メーカーです。主力であるセキスイハイムを扱った住宅事業を展開しており、リフォーム事業の売上高も高いです。

リフォーム業界の今後の見通し

リフォームの需要は高い状態にありますが、リフォーム業界にはさまざまな課題があります。そのため、リフォーム業界の将来性を知りたいという人も多いでしょう。

ここでは最後に、リフォーム業界の今後の見通しについて解説していきます。

中古住宅流通やリノベーションの活発化

今後のリフォーム業界では市場の需要拡大により、中古住宅流通市場やリフォーム市場が活性化していくことが期待できます。

2010年に閣議決定した国の新成長戦略では、リフォーム促進などによって中古住宅流通市場、リフォームの市場規模20兆円を目指しています。

出典:新成長戦略(平成22年6月17日閣議決定)|国土交通省 参照:https://www.mlit.go.jp/common/000135252.pdf

空き家対策はビジネスチャンス

2018年に公表された住宅・土地統計調査(総務省)によると、空き家の総数はこの20年で約1.5倍の849万戸に増加しています。また、空き家の活用が求められていることもあり、ビジネスチャンスとして空き家の貸し出しなどのビジネスを行う動きが出てきています。

出典:空き家の現状-推移と種類別内訳|国土交通省 参照:https://www.mlit.go.jp/common/001314574.pdf

若年ファミリーや2人暮らし・単身もターゲット

今後も少子高齢化により、リノベーション需要が増えていくことが予想されています。

そのため、中古住宅やリフォーム、リノベーションのターゲットは、今後シニア層から若年ファミリーや2人暮らし、単身にまで広がっていくでしょう。

リフォーム業界は課題もあるが期待の持てる分野

リフォームやリノベーション需要の増加により、リフォーム業界は今後も将来性が期待できる業界だと言えるでしょう。

ぜひ本記事で紹介したリフォーム業界の概要やリフォーム業界の企業の種類、今後の見通しなどを参考に、リフォーム業界について理解を深めてみてはいかがでしょうか。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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