就活の軸として「成長」をキーワードに就活したい場合、どのような点に気を付けていけば良いのでしょうか。
「成長」は響きが良く、企業で活躍をしていく上でも望ましいキーワードに思えます。
ですが、多くの就活生が使う可能性があるので差別化が求められます。
また、「成長したい」だけでは漠然としすぎており、印象を残すこともできず、ほしい人材と見てもらえません。
内定獲得に向け、「成長」をいかに伝えていけば良いのかご紹介します。
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「成長したい」は就活の軸としてアリ?
「成長」の言葉はイメージも良く、就活にはピッタリと感じるかもしれません。
多くの就活生が複数の企業に応募し、少しでも多くの内定を獲得したいと考える中、複数の業界にまたがっても、同じ業界内の業態の異なる企業を志望する上でも、「成長」を軸にすれば汎用性もあって、就活しやすいのではと思うのではないでしょうか。
「成長」が企業に対して、どのようなイメージを与えるのか、内定獲得に向けて軸として選んで良いのか気になるところです。
問題ないが注意は必要
「成長」を軸に就活をすることに問題はありません。
企業では成長が望めない人、成長しようと努力しない人は求めていません。
それは大手企業でも中小企業でも、ベンチャー企業でも、業種を問わずいえることです。
就活のエントリーシートや面接におけるエピソード紹介で、直面した問題に取り組んだ経験をアピールするのが良いのも、問題を解決して成長できるかどうかを見ているからです。
もっとも、注意したい点があります。
「成長したい」を就活の軸にするときのポイント
将来ビジョンが明確になったら、どのように成長していけば良いのかを考えます。
そして、自分の将来ビジョンと成長プランを叶えるために、どの企業なら環境を得られるのか、しっかりと検討していきましょう。
エントリーで選考に通り、面接で成長をアピールする際にはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。
「成長」を軸に置いた就活で、面接を突破するためのポイントをご紹介します。
成長したいとただ伝えるのではなく、どんな成長をしていきたいのかを伝える
何度も言いますが、ただ「成長したい」では通りません。
その企業において、どんな成長をしていきたいのかを伝えることがポイントです。
多くの就活生が内定を少しでも増やしたいと、複数の企業にエントリーし面接に臨むことでしょう。
その場合には、企業ごとに具体的な成長プランをアピールすることがポイントです。
業種が同じだから、同業他社だから同じ内容で良いでは見透かされてしまいます。
同業他社にも応募しているのだな、うちが本命ではないかもしれないと思われ、選考から外されるおそれもあります。
その企業の事業内容や職種、ワークスタイルなどを企業研究やOB訪問を通じて理解し、自分がそこに就職したとして、どのような成長を目指せるか、しっかり考えることが大切です。
ビジョンと関連付ける
一つの企業において勤め上げたい、将来は経営幹部や社長に上り詰めたいといった将来ビジョンであれば、そのための成長を具体的にアピールしましょう。
一方で、経験を積みながら転職を重ねて、将来なりたいポジションに成長していきたい、独立開業したいといった場合は、将来ビジョンをすべて明らかにしてしまうと、途中で辞めてしまう人材かと捉えられ、内定に結び付かないこともあります。
一部のベンチャー企業など、独立を支援するところ独立歓迎といったところもありますが、一般的にはコストをかけて育てた人材には残ってもらいたいと考えます。
そこで、転職や独立開業は明確にせず、それに至るまでに、企業でどのような成長が必要かを考え、アピールするのがオススメです。
どんな成長をしたいかをイメージしておく必要がある
ただ「成長したい」と定番フレーズを使いまくるのでは、企業に対して採用したい人物とは思ってもらえません。
どの企業でも使っているフレーズだと思われ、我が社で本当に成長できる人物とは捉えてもらえないからです。
どんな成長をしていきたいのかを明確にできて初めて、就活の軸として成り立つのではないでしょうか。
就職して、どんな成長を遂げていきたいのかわからない方は、まずは自分の成長のイメージを持てるように次のアクションを取ってみましょう。
「成長したい」を就活の軸にするときの注意点
では、どのような点を注意しなければならないのでしょうか。それは「成長」という言葉は、良いイメージがある反面、抽象的すぎるからです。
「成長」の言葉は、「〇〇に向けて成長していきたい」「〇〇となれるよう成長を続けたい」といった具体的な言い方もできれば、「御社で成長したいです」と具体性に欠けた使い方もできます。
就活の軸を選ぶ際に、とりあえず、「成長」と言っておけば問題ない、聞こえが良い、悪い印象は与えないだろう、と安易に考える方は注意が必要です。
成長できるならどの企業でもいいと思われてしまう
「御社に入社して成長したいです」という表現は、エントリーシートで書く言葉に迷ったときや面接で予想外の質問をされたときなどに、ついつい使ってしまいがちなフレーズです。
企業から見れば、どうでしょうか。
答えに困って使ったな、あまり深く考えずに書いているな、話しているなと思われる可能性が高いです。
「成長」を軸に選べば、業界をまたいで就活しても、エントリーシートや面接の内容を考えやすいと思うかもしれません。
これは企業側から見れば、「成長できるならどの企業でも良い」、「どの企業でも同じようなことを言っているのだろう」と思われ、我が社でなくても良いに違いないと思われてしまうので注意が必要です。
成長したいという就活生は多い
「成長」はポジティブなイメージを与えるので、多くの就活生が就活の軸に選ぶ王道のキーワードです。
そのため、他の就活生とアピールの仕方がかぶってしまい、差別化が図れません。
横並びになってしまうため、ライバルが多い人気企業などにエントリーする際は特に注意が必要です。
この点、エントリーシートで文章の結びに困ったときにも「成長したいです」とまとめれば、アピールした気になります。
また、面接で質問の答えに窮した際も、とりあえず、「成長できるよう頑張ります」と言っておけば良いだろうと使いがちです。
つまり、「成長」は、あらゆることに使える、就活生にとっては便利なキーワードなのです。
だからこそ、使い方を考えなくてはなりません。
ただ成長したいと伝えると選考に落ちてしまう
「成長したい」と言っておけば、前向きな印象を与えるから問題ないと安易に使ってはいけません。
企業としては多くの就活生が「成長したい」とアピールする上、成長を就活の軸に置いていない就活生でさえ、言葉に窮すると「成長したい」のフレーズを使うため、単なる「成長したい」には期待をしていません。
企業が知りたいのは、何に成長をしたいのか、どう成長したいのかです。
それぞれの企業の求める人物像や事業内容、キャリアのモデルプランを研究し、志望職種に求められる能力などを検討し、それに合わせて具体的な成長プランをアピールしないと、またかと思われてしまい、選考に通らないので注意が必要です。
「成長したい」を就活の軸にするときの構成
就活の軸を成長で伝える際の構成は「結論→理由→入社後どのように成長したいか→結論」です。
同じ内容の話をするのでも、伝える順番で伝わり方や相手の理解度、興味の持ち方に差が出る場合があります。面接では、最初に簡潔に問いに答えることが大切です。
多くの就活生と対峙していくので、この人は何を就活の軸にしているのかを、まず簡潔に述べてください。結論の後、理由と続いていきます。
各構成を詳しくご紹介します。
結論
「就活の軸は何ですか?」と問われたら、まず結論からスタートしましょう。
就活の軸を成長に据えている方なら、「私の就活の軸は成長できるかです。」と自分の軸を明確にします。
長々と話す必要はなく、最初の結論は端的で構いません。
これによって、問いへの答えが明確になり、面接官もあなたの軸が何なのかを即座に理解してくれます。
何が軸なのかが明確になることで、その後どのような内容の話をしてくれるのか、興味を持って聞いてくれます。
成長は漠然とした言葉でもあり、多様性もある一方、人材として期待できるキーワードでもあるので、どんなアピールをしてくれるのか、興味深く、しっかり聞いてくれるでしょう。
そのためにも、最初は結論からスタートすることが大切です。
理由
次に、なぜ、就活の軸に成長を選んだのかの理由を説明しましょう。
就職後にどのような成長を目指しているのか、なぜ成長したいと考えるのかをわかりやすく伝えます。
そう考えるに至ったエピソードや、自己分析した結果などを説明します。
自己分析をすることで、過去のエピソードが影響していることも明確になるので、こういう経験をしたことで、仕事を通じて成長したいと思ったという点を話しましょう。
成長と一言いっても、さまざまな場面で成長の機会があるので、何を重点に置き、どんな成長を遂げたいのかをしっかり伝えられるようにします。
入社後どのように成長したいのか
就活の軸は企業選びの軸でもあります。
成長を就活の軸に掲げた場合、その企業で自分が目指す成長が遂げられると思ったから、エントリーしているわけです。
どんな点が、成長できる場だと感じたのかや、どんな機会が与えられるから成長できると考えたのかなどを、具体的に伝えてください。
そして、入社後にどうやって、どのように成長してどのように貢献していきたいのかを簡潔に説明することが大切です。
「成長したい。」というワードは、就活生の多くが用いますし、企業としても就職してまったく成長できない人材など、そもそも採用したくありません。
何でどのくらいの成長を目指すのか、どんな人材として活躍し、企業にどう貢献できるかを、具体的にアピールできることがポイントです。
結論
最後の結論は、ここまでの話の〆となる部分です。
長々と語るのではなく、その企業で成長できると考え、就職したらどう成長するかを今一度語って、自分の売り込みをして結論としましょう。
就活の面接は、自分の主義主張をプレゼンする場や感想を述べる場ではありません。
あくまでも、その企業での採用を目指す、自分の売り込みの場です。
自分はこんな企業で仕事をしていきたいと思い、就活の軸に成長を据えている、御社はこんな点で自分の成長が目指せる企業だと思った、だから、入社して活躍していきたいというアピールが、構成の流れの基本です。
これに沿って展開し、最後に、自分を採用することで、いかに企業にメリットが生まれるかをしっかり伝えてまとめに代えてください。
「成長したい」を就活の軸にするときの例文
私が御社を志望したのは、自分の将来ビジョンに合う成長できる環境が整っていると考えたからです。
キャリアビジョンとして10年を目標に商品企画や広報など企業の方針決めに関わる部署で活躍したいと考えております。
そのために、5年目までに海外展開をはじめた御社で海外赴任を経験することを目指したいです。
東南アジアへの旅行経験を通じ、御社が開発した製品の需要が海外でもあると感じました。
少子化により日本のマーケットが縮小している中、御社の製品をいかに海外に売り込むかに関心を持っています。
若いうちに自分の目で諸外国の文化の違いや現地社員との関わり方を学び、マーケティングや宣伝広告、商品開発に活かせるノウハウを身につけたいと考えました。
「成長したい」を就活の軸にした将来のビジョンの例
入社してやりたい仕事くらいは考えていたけれど、先々の将来まで考えたことがないという方、考えても長い先のことが思い描けないと悩まれる方もいるかもしれません。
そこで、他の就活生や就活に成功した先輩たちが思い描いていた将来ビジョンについて、例をご紹介します。
例を参考にしながら、自分が本当にやりたいことはないか、自分はどんな職業人生を歩いていきたいのか、将来どんな人間になりたいのか考えてみましょう。
30歳で新規事業を立ち上げる
いわゆる、青年実業家への道です。どんな事業を立ち上げるのかも含め、実現したいこと、チャレンジしたいことを検討します。
そうすれば、30歳の独立起業に向けて、何をしていけば良いのかが見えてきます。
まずは、事業に関連する知識や技術、ノウハウなどを身につけるために現場での仕事や、顧客対応、開発の仕事などに取り組もうなどと考えられるでしょう。
必要な経験を積み、スキルなどを身につけたら、今度は経営について学ぶために、経営企画部や財務部に異動したい、社長秘書になりたいなど、30歳の独立起業に向けて、どんな成長が必要か考えることができます。
企業に対しては「現場の仕事を経験して企業の事業についてしっかり理解した上で、5年後を目途にマネジメント部門で経営戦略などに携われるよう成長したいです」とアピールできます。
20代で年収1,000万円
1年目の年収は300万円前後でも、20代のうちに1,000万円を目指すとすれば、どうすれば良いのでしょうか。
1,000万円稼げる仕事を見つけ出し、そこで、どういう努力を重ねていくべきかを考えなくてはなりません。
年齢を問わず、成約成果など成績で収入が決まる営業職か、それとも、資格を取得して専門職が良いのか、など考えましょう。
就職してから資格を取っても、20代のうちには一人前になれないと考えれば、工夫や頑張り次第で成果が出せる営業職が良いかもしれないと選択肢も明確になってきます。
業界研究や企業研究を重ね、営業職で20代のうちに1,000万円が実現できる成長モデルを提示している企業がないかリサーチしてみましょう。
20代のうちにチームを持ってマネジメントをする
20代のうちにチームリーダーになる、プロジェクトマネージャーになるという将来ビジョンを掲げた場合、どのような成長プランを描く必要があるでしょうか。
まずは、知識や技術を深め、一人前として認められることが必要です。
その上で、プロジェクトメンバーに選ばれてチームで活躍できるようにならなくてはなりません。
スタートから完遂まですべてのプロセスに関わって現場で学ぶとともに、いくつものプロジェクトに携わって様々なケースに対応できる力をつけていく必要があります。
充分な経験を積み、メンバーからの信頼も得られるようになって初めて、チームを持ち、リーダーとなり、マネジメントができるようになります。
なんでも売れる営業マンになる
なんでも売れる営業マンを目指すというからには、あらゆる業種で営業成績を上げ、トップセールスマンとなって、業界を渡り歩くというビジョンが見えてきます。
実際に一つの業界でトップセールスになると、異業種に転職してもトップセールスに輝く方は少なくありません。
売るための顧客心理を習得し、話し方のトーンや表現の仕方、プレゼン資料の見せ方など自分独自の営業ノウハウが確立されるため、業界を問わず、なんでも売れる営業マンになれるのです。
そのためにはスタートダッシュが肝心です。まず最初に何を売るのか、何を売れるようになるのかを考え、志望業種を定めることが求められます。
その後、何を売りたいのか、どんどん検討していきましょう。
「成長したい」を就活の軸にして内定を獲得しよう!
「成長」というキーワードはイメージが良く、就活のエントリーシートへの記載や面接において、多用しがちです。
何かといえば、「成長」を口にする人がいますが、どう成長していきたいのか、成長してどうなりたいかが明確に示せないと、企業が採用したい人物にはなりません。
成長を通じて企業にどう貢献できるかをアピールするためにも、将来ビジョンを明確にし、具体的な成長プランを持つことが大切です。
就活の軸についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート