電通ってどんな会社?事業紹介や強豪との違いなど徹底解説

電通ってどんな会社?事業紹介や強豪との違いなど徹底解説

はじめに

就職活動を成功させるために、とても重要なのが「企業研究」。

自分にあった企業かどうかの判断材料になるのはもちろん、応募の際に志望動機をまとめる上でも欠かせないステップです。

事業展開や具体的な仕事内容、他社との違いなどを調べていけば、その企業の社風や求めている人物像も見えてきます。

企業研究で大切なのは、これらの情報を整理して、"なぜ自分がこの企業を志望するのか"を明確にしておくこと。

そうすれば、ESや面接で説得力のあるアピールできるはず。

今回解説するのは、広告業界において国内トップを走り続ける広告代理店「電通」。

華やかなイメージのある企業ですが、具体的にどのような事業を行っているのでしょうか。

募集されている職種や求められている人物像とともに、企業としての特徴を見ていきましょう。

電通の事業内容

テレビCMをはじめ、ありとあらゆる広告を手がける電通。

コンテンツそのものを生み出すだけでなく、企業や商品のブランディング戦略の提案とその実現を果たす役割として、また、広告を出したい企業とその媒体となるメディアの仲介役として、多岐にわたる事業を展開しています。

その領域は、「マーケティング」「デジタルマーケティング」「クリエイティブ」「プロモーション」「メディア」「コンテンツ」「PR」「グローバル・ビジネス」といった8つに分類されています。

その中から5つの領域をピックアップして、それぞれの事業内容を紹介していきます。

マーケティング

クライアントの市場やターゲットを分析し、戦略プランニングを行う事業。

世の中の価値観や人々の行動の変化をとらえ、潜在的な課題を発見したり、解決策の提案をしたりして、売れ続けるための仕組みを設計します。

クライアントブランドの再定義や刷新、そのビジョンの策定、事業戦略の構築などもこの事業の領域。

これまでのノウハウを活かした専門的な知識、知見をもとに、さまざまな角度からのコンサルティングを行います。

デジタルマーケティング

デジタル化やテクノロジーの進化によって、人々の行動スタイルが大きく変化している今の時代。

その変化に対応するための統合的なデジタルマーケティングが、企業のマーケティング活動にとって最も重要な課題になっています。

それを解決するために、最先端のテクノロジーを活用し、データに基づいた戦略を考えるのがこの事業の仕事。

オンライン広告やパソコン・スマートフォンの利用データなどを総合的に分析することで、クライアントの新規顧客を発見し、ファン化させるお手伝いをします。

クリエイティブ

テレビCMやグラフィック広告、Web、インタラクティブコンテンツ(※)など、デジタル/トラディショナルを問わず、さまざまな企画や表現を生み出しているのが「クリエイティブ」事業。

約900人のクリエイターが、既成概念にとらわれない自由な発想で、アイデアを提案・実現。

戦略をメッセージ化することで、人の心をキャッチして動かします。

その実績の例として挙げられるのが、年間で最も優れたクリエイティブワークを行った人を表彰する「クリエイター・オブ・ザ・イヤー」の受賞歴。

全30回中28回、電通のクリエイターが選出されています。

※インタラクティブコンテンツとは:見る人や使う人の反応によって内容を変えて提供されるコンテンツのこと

プロモーション

この事業は、購買行動に関わるカスタマー・エクスペリエンス全体の設計、つまり心に残る「体験=エクスペリエンス」を設計し、購買につながる行動を生み出すことを大きな目的としています。

商品やサービスが多様化し、生活者のニーズの個別化が進み、商品の魅力だけで購買を促すことは難しくなってきている今。

店舗や展示会、街頭、デジタルメディアなど、ありとあらゆる場所での体験をデザインし、その体験を通じた企業ブランディングを行っています。

メディア

消費者へ効果的にブランドメッセージを届けるために、メディア戦略やメディア企画の立案など、マスメディアやデジタルメディアの最適な活用手法を考える事業です。

媒体社と交渉し広告枠を買い付けたり、「radiko」をはじめとするメディア各社と連携した新規事業を開発したりもします。

視聴者のメディア利用行動を把握して、その心理やニーズを探ることもこの事業の領域です。

長年の経験や、独自のメソッド、ツール、コンテンツ資産を活用して、斬新で旬なメディア企画を開発・実行しています。

電通の募集職種からわかる仕事内容とは

電通が募集している職種は「総合職」「デジタルクリエイティブ職」「アート職」の3種類。

ここからは、これらの職種で採用された場合、入社後はどのような仕事に就くことになるのかを見ていきましょう。

総合職

「総合職」なら、電通のほぼすべての部署に配属される可能性があります。

たとえば、先述した事業領域に携わる「マーケティング」「デジタルマーケティング」「クリエイティブ」「プロモーション」「メディア」など。

その他にも「ビジネスプロデュース」「コンテンツ」「PR」「グローバル・ビジネス」といった部署もあり、仕事内容は多岐にわたります。

ビジネスプロデュース

「営業」を前身とする部署。

従来の営業のような第三者的立ち位置ではなく、クライアントと一丸となってビジネスを開拓し、プロデュースしていくのが仕事です。

チームの司令塔として各領域のプロフェッショナルを統括し、リーダーシップを取りながらプロジェクトを成功に導いていきます。

コンテンツ

スポーツや映画、音楽など、さまざまなコンテンツに参画し、とき自らつくりあげる部署。

各種団体との良好な関係の構築や映画製作委員会への参画、制作会社やプロダクションとの連携などを行うのも「コンテンツ」の仕事です。

オリンピックやFIFAワールドカップなど国内外のスポーツイベントの多様な権利の獲得・保持、BS・CS放送、配信コンテンツの制作や人気キャラクターの運用なども手がけています。

PR

情報が氾濫する世の中において、いかに人々の関心を集めるか、また意識変化や態度変容を促すかを考え、それを実現できる情報デザインなどで企業のサポートを行います。

急速なデジタル化やソーシャルメディアなどの隆盛によって、誰でも簡単に情報が手に入る今の時代。

メッセージが届きやすくなったと同時に、SNSなどでの言葉1つが企業にとっての致命傷にもなり得ます。

ユーザーや従業員の投稿をきっかけにした企業・ブランドのイメージダウンなどのピンチを切り抜けるため、招かないための対応プログラムを提供するのもこの部署の仕事です。

グローバル・ビジネス

海外進出する日本企業や、日本の市場に注目する海外企業に向け、マーケティングサービスを提供する部署。

145以上の国・地域で展開している海外事業全般を統括する電通イージス・ネットワーク社と連携し、クライアントが持つ課題を解決していきます。

広告主と世界のエンタメコンテンツをつなぐのも、「グローバル・ビジネス」の仕事の1つ。

近年では、スポーツエンターテインメント番組「SASUKE」の欧州向けフォーマットを展開しています。

デジタルクリエイティブ職

2019年度から新たに設けられるようになった採用枠「デジタルクリエイティブ職」。

急速に進化するメディアやテクノロジーを活用して、広告の領域を超えた"新しい価値"を創出していく職種です。

常識にとらわれないアイデアとテクノロジーを掛け合わせ、これまでにない体験や表現を生み出すのが仕事。

人の心を動かし、行動を促すことで、クライアントの課題を解決していきます。

アート職

「アート職」は、アートディレクターとしての採用枠。

プロジェクトのビジュアルに関わるあらゆる領域で指揮をとり、戦略に則った効果を生み出す役割を担う専門職です。

考えやアイデアを、言葉では表せない美意識や微細なディテールを組み上げることでビジュアル化。

これまでにない表現を世に送り出します。

電通の競合他社との違い

「広告界のガリバー」という異名を持つ電通。

業界最大手の企業なので、社内で扱う案件には規模の大きなものもたくさんあります。

そのため早い段階から、やりがいのある大きな仕事に関われる可能性も高いです。

また、環境の変化に柔軟に対応する経営戦略も大きな強み。

近年急速な成長を見せているデジタル領域への進出や、グローバル化もどんどん加速度を挙げ拡大しています。

世界を舞台にしたビジネスの展開

2013年、世界各国に拠点を持っていたイギリス系の大手広告代理店・イージス社を買収。

海外事業の運営を統括する「電通イージス・ネットワーク社」を発足させました。

以来、日本の他145以上の国と地域で広く事業を展開しています。

2018年には、売り上げ総利益に占める海外事業の割合は約60%(2018年時点)に。

世界第5位の広告代理店となり、国内の同業他社を大きくリードしています。

体育会系の社風

体育会系と言われる電通の社風を象徴するものとして有名なのが「鬼十則」。

電通を急成長させ、広告の鬼と呼ばれたかつての経営者・吉田秀雄による遺訓で、電通社員として仕事をする上での心得が挙げられています。

社員同士の関係はというと、年次(入社年度)の上下を重んじるタテ社会で、"年次の違いは海よりも深い"とも言われるほど。

飲み会や接待などでのマナーにも厳しいと言われています。

テレビ広告との強いパイプ

民間テレビ放送局が開局すると、すぐにテレビ担当部署を設けた電通は、それ以来、各局との強いパイプを持ち続けています。

売上高の約9割を広告収入が占めるテレビ局。

多くの局の収入となっているのが、電通が代理店となって確保したスポンサーからのものだと言われています。

キー局の中には、電通の占有率が50%を超えるところも。

首都圏のみならず、地方局においてもなくてはならない存在となっています。

電通の求める人物像とは

多数の人とチームを組んで1つのプロジェクトに取り組んでいく広告業界で大切なのはコミュニケーション力。

クライアントとのやり取りの中から顧客のニーズや課題をくみ取り、効果的な戦略を立てて提案するためにも、それをチームのメンバーと共有し、戦略に則った企画や表現を生み出すためにも欠かせない能力です。

また、主体的に物事を考え、問題を解決するために考える力、最後まであきらめずやり遂げられる力も必要。

電通では、それを実現できる以下のような人物が求められています。

チャレンジ精神がある

まず挙げられるのが、旺盛なチャレンジ精神を持っていること。

次に紹介する点とも関連することですが、今まで誰も見たこともないような企画や表現を生み出すためには、新しいことや難題に挑戦しようという志が必要不可欠。

事業領域も多岐にわたるため、どんなことにも興味を持ち、一からチャレンジしていける人物が求められています。

ないものを作り出すのが得意

広告代理店にとっての商品とは、社員の持つ創造力です。

電通では「Good Innovation」を企業理念として掲げ、技術革新だけでなく、人や世の中に新たな価値や変化をもたらす幅広い意味での「イノベーション」を生み出すことを存在意義としています。

それを実現し得る要素として挙げられているのが、「企業家精神」「アイデア」「技術」の3つ。

クライアントのために力の限りを尽くし、人を驚かせるアイデアを提案し、磨き上げられたテクニックでそれを実現する。

そんな力が求められています。

ストレス耐性がある

激務で知られる電通では、忙しさについていけるストレス耐性も求められています。

ハードな仕事内容に加え、クライアントとの飲み会・会食などの接待に参加することも多々あり、精神的にも身体的にもタフであることが大切。

苦しい状況にあっても、それを自分にとってプラスにとらえられるポジティブさもそれにつながる要素です。

まとめ

就職活動をする上で、企業研究は欠かせないステップです。

どれだけ企業のことを理解できているかが、内定を勝ち取れるかどうかを左右するといっても過言ではありません。

誰もが知る企業だけに新卒の就職先として人気の高い電通は、非常に狭き門。

できる限り早めに取り組んで、しっかりと研究しておきましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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