事務職に向いている人の特徴はこれ!業務内容から必要な能力まで徹底解説!

事務職に向いている人の特徴はこれ!業務内容から必要な能力まで徹底解説!

事務職として働いている方は、日本国内に約900万人以上もいるといわれています。

男女比では、女性の方が多いのも特徴です。

事務職は、オフィス内での作業がメインとなり、重たいものを運ぶといった力仕事や外回りをすることが少ないため、女性や体力に自信がない方でも働きやすいのが魅力です。

しかし、ひと口に事務職といっても、実際にはいろいろとあり、職場によって仕事内容も異なっています。

人によって向き不向きもある職業でもあるのです。

本記事で、事務職の仕事内容や事務職に向いている人の特徴について詳しくご紹介いたします。

さらに、事務職に向いていない人、事務職がつらいと感じてしまう不向きな人はどんな人かも解説しています。

これから、事務職への就職、転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

選考の中で上記の3つを満たすことができれば、採用担当によい印象を与えるだけでなく「事務職に向いている」と感じてもらうことができます。

この記事では、事務職の仕事内容、事務職に必要なスキル、事務職に求められるものを順番に説明し、その後事務職に向いている人と向いていない人の特徴を解説します。

事務職とは?

まずはじめに、事務職とは一体どんなものなのかについて、ご説明します。

解説
事務職とは

事務職とは、基本的にオフィス内で書類の作成や整理など業務に必要なことを行うポジションのことを指しています。

営業職や販売職のように、他社の人やお客様を相手に仕事することはほとんどなく、出張なども少なめです。

基本的にオフィス内で、業務が円滑に進められるように電話を取り次いだり、必要な書類を用意したりといったサポートを行うことが求められる職業です。

特に資格は必要ない!

事務職につくために、特別な資格を要求されることはありません。

そのため、未経験者であっても、気軽に目指しやすい職種となっています。

ただ、職場によっては、高度なパソコンスキル、簿記や英語力などの専門的なスキルが問われることもあります。

事務職の分類一覧

事務職といっても、一般事務、経理事務、営業事務など、いろいろな仕事があります。

その中でも、一番働いている人が多いのは一般事務です。

事務職の分類一覧
  • 一般事務:一般的な事務職
  • 経理事務:経理に関する事務職
  • 営業事務:営業のサポートをする事務
  • その他

それぞれの職種ごとの詳しい仕事内容は、この後ご紹介します!

事務職の仕事内容 -どんな業務があるかを知ろう-

事務職の仕事内容__どんな業務があるかを知ろう_

それでは、職種別にそれぞれどんなことをするのでしょうか?

仕事内容を知って、自分ならできそうか、判断してみることはとても大切です。

順番に見ていきましょう。

一般事務

一般事務は、OA事務とも呼ばれることがあります。

オフィス内でパソコンなどを使用して業務に必要な書類を作ったり、データを入力したり、電話や来客応対といった基本業務を行うポジションが一般事務と呼んでいます。

経理事務

経理事務は、伝票の仕分け、処理、帳簿の作成、経費の精算といった経理一般の業務を行う職種です。

数字を扱う仕事なので、パソコンの正確な入力スキルが求められます。

会社によっては、簿記の資格や会計事務所などでの実務経験が求められる場合もあります。

営業事務

営業事務は、営業職をサポートする業務となります。

見積書や発注書を準備したり、営業職あてにかかってきた電話やメールを取り次ぐことや、代わりに対応することが主な仕事です。

その他の業務

このほかにも、社員の採用や退職や異動などの業務に携わる人事事務、社員の社会保険の手続きや勤怠管理などを行う総務事務、輸出や輸入に関する手続きを行う貿易事務などもあります。

また、学校や病院など職場によっても、いろいろな事務職があります。

小中学校、高校、専門学校や大学などでのお仕事は、学校事務や大学事務という名称で呼ばれています。

病院やクリニック内で、受付や会計、レセプト業務などを行うお仕事は、医療事務となります。

事務職の仕事内容についてより詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください

事務職に向いている人の特徴9選

事務職に向いている人の特徴

次に、これらの事務職に向いている人の特徴について解説します。

事務職は、基本的に内勤でのお仕事となりますので、室内にこもって作業することが苦にならない人が向いています。

電話を取り次ぎなども多いので裏方の作業が好きな方、細かい仕事も多いのでまめな性格な人も事務職向きです。

他にはどんな人が事務の仕事に向いてる人なのでしょうか?

1.地道にコツコツ作業ができる

事務職は、地道にコツコツ作業するのが好きな人に向いているお仕事です。

大量の書類や伝票を整理したり、パソコンを使ってデータ入力を行ったりなど、細かくて地味な作業が多いため、それらの作業が全く苦にならない方であれば、事務職に向いているといえるでしょう。

データ入力や書類作成といった作業は、長時間に及ぶこともありますので、ずっと椅子に座って、飽きずに作業ができる方も事務職の適性があります。

2.裏方の仕事が好き

事務職は、裏方のお仕事が苦にならない性格が向いています。

営業職の販売職のように、営業先に出向く、店頭に立って仕事をすることはほとんどなく、基本的にオフィス内でサポート業務を担当するのが主な業務となります。

営業職やほかの社員のお仕事が円滑に進められるようにさまざまなサポートを行わなくてはならず、時には先回りして対応することも求められることもありますので、臨機応変に対応できるスキルも必要です。

そのほかにも、会社の備品の買い出しや発注など、他部署が担当しない雑用などを引き受けることもあるので、そのような目立ちにくい仕事を積極的に行っていく姿勢も求められます。

また、社員や取引先だけでなく、社内の環境にも気を配ることも事務職の仕事です。

簡単な掃除を行ったり、ポットのお湯を入れ替えたり、花瓶の手入れなども事務職が担当することもあります。

縁の下の力持ちとして働くことにやりがいを感じられる方であれば、事務職向きといえます。

3.まめな人

事務職は、まめな性格の人が向いています。

領収証や契約書や稟議書など毎日さまざまな書類を取り扱い、入力作業やファイリング作業なども正確に行わなくてはなりません。

こまめに整理整頓ができる性格のほうが、効率良く事務の仕事がしやすいのです。

また、事務職は社内のさまざまな部署ともやり取りをすることが多いため、気遣いができるまめな性格のほうが、ほかの社員も安心して仕事が進めやすくなります。

女性で事務職として働く、いわゆるOLの方が多いのも、ここが影響しているかもしれませんね。

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社員の人間関係に常に関心を持って、自分から積極的に挨拶したり、声をかけたりなど、こまめなコミュニケーションも必要な事務職の大事なお仕事の一つです。

時には、さまざまな部署に根回しを行ったり、社内や取引先などへ確認を取ったりなどの業務も必要となります。

こまめにさまざまな人と連絡を取ることが苦にならない方も事務職向きの資質といえます。

4.スケジュール管理が得意な人

事務職は部署全体の業務がスムーズに進むよう支える職種であり、スケジュール管理の能力が必要不可欠です。

特に会議の準備や資料作成、上司やチームメンバーの進行状況を把握しながら業務を進める場面では全体の流れを見ながら柔軟に対応する能力が求められます。

自分の作業を進めるだけでなく、他の人の予定や業務の優先順位を考慮して先回りし、準備を整えられる人は職場で重宝されるでしょう。

突発的に予定変更やトラブルが発生した際なども冷静にスケジュールを調整して、正確にタスクを遂行できる力が問われます。

正確に予定を把握し、状況に応じて柔軟に対応できる人は、周囲から信頼される存在となるでしょう。

5.数字に苦手意識がない人

事務職の業務は経費の精算、売上データ入力、在庫管理、請求書の処理など、著しく難しい計算が求められるわけではないものの、数字と向き合い続ける仕事です。

したがって、数字を見るだけで拒否反応が出る方には向いていないでしょう。

数字に苦手意識があると、作業のスピードが落ちることは当然ながら、入力ミスや確認漏れといったヒューマンエラーにも繋がりますし、何より、仕事が楽しくありません。

逆に、数字に対して抵抗感がなく、ミスなく効率的に処理できる人はまさに事務職に最適であると言えるでしょう。

また、事務職が扱う数字は経営判断や業務改善の材料としても活用されるため、正確性だけでなく、その「背景や意味」を読み取る力も求められます。

6.集中力が高い人

事務職には、繰り返しの多い作業や細かい確認業務が多く含まれています。

たとえば、伝票や請求書の処理、データ入力、文書の校正など、一つひとつの作業は地味に思えるかもしれませんが、正確性が強く求められる大切な業務です。

そのため、長時間にわたって注意力を切らさず、集中して作業に取り組める人は、事務職に非常に向いています。

集中力がある方は、業務中のケアレスミスを最小限に抑えることができます。

数字の入力ミスや書類の誤送付といった小さなミスでも、後の工程で大きなトラブルにつながることがあります。

だからこそ、事務職では正確に丁寧に作業を進められる能力がとても重要なのです。

また、集中力が高い方は業務効率も良くなりやすい傾向があります。

限られた時間内で多くのタスクを処理する場面でも、集中して取り組むことでスムーズに作業を進めることができ、結果的に同僚からの信頼にもつながります。

さらに、集中して作業を継続できる力は、在宅勤務やフレックスタイム制といった柔軟な働き方が増える中でも重宝されるスキルです。

誰かに見られていなくても一定のパフォーマンスを発揮して業務に取り組める人は、上司にとっても非常に頼れる存在となるでしょう。

7.責任感が強い人

事務職において、どんなに小さな仕事でも自分が最後まで責任を持つという意識は非常に重要です。

一つのミスが全体の流れを止めてしまうこともあるため、責任感を持って業務にあたれる人は、事務職において大きな信頼を得ることができます。

たとえば、会議資料を作成する際に、データの一部を誤って入力してしまったとします。

そのミスにより、会議の議論に支障をきたすこともあり得ますし、商談が無くなってしまう、なんてことまであり得るのです。

このような事態を防ぐためにも、自分の仕事が誰かの仕事に繋がっているという意識を持ち、丁寧に確認を重ねる姿勢が求められるのです。

また、責任感がある人は、納期やスケジュールを守ることにも強い意識を持っている人が多いです。

頼まれた仕事を忘れない、遅れない途中で投げ出さないという当たり前の行動を徹底できる人は、周囲からの信頼も厚くなり、業務を円滑に進めるうえで欠かせない存在となります。

事務職は縁の下の存在であるため、表立った評価を受けにくいこともあります。

しかし、そうした中でも自分の役割に責任を持ち、きちんとやり遂げようとする姿勢は、必ず周囲に伝わるため、事務職は責任感のある人ほど長く安定して活躍できる仕事だと言えるでしょう。

8.臨機応変に対応できる人

事務職と聞くと毎日同じことの繰り返しと思われがちですが、実際にはその日によって業務内容が変わったり、急な依頼やスケジュールの変更が発生することも珍しくありません。

そんなときに力を発揮するのが、臨機応変に対応できる柔軟性です。

たとえば、突然上司から今すぐ会議資料を追加で印刷してほしいと言われたり、外部からの電話で予定していた作業が中断されたりすることはよくあります。

そのような状況でもどうすれば効率よく対応できるかを即座に判断し、落ち着いて行動できる人は、事務職においてとても重宝されます。

また、これしか方法がないと決めつけず、状況に応じて最適な選択をしようとする柔軟な考え方も大切です。

たとえば予定していた納品物が届かない場合に、代替案をすぐに考えて動けるかどうかで、その後の業務に与える影響が大きく変わります。

さらに、事務職では他部署や取引先とのやりとりも多いため、相手の事情や立場を理解しながら臨機応変に対応する力が必要とされます。

事前に段取りをしていたとしても、相手の都合で予定が変わることもあるため、想定外に強い人ほど、事務職での活躍の幅が広がるのです。

変化に柔軟に対応し、周囲と連携しながら状況に応じた判断ができる人は、どんな環境でも安定して力を発揮できることでしょう。

9.ビジネスマナーが身についている人

どのような仕事においてもビジネスマナーは大切ですが、特に、事務職には高いビジネスマナーに関する知識が必要です。

社内外問わず様々な人と接する仕事であり、上司や同僚への報告・連絡・相談を始め、電話対応、来客対応、メールでのやり取りなど、ビジネスマナーが求められる場面が日常茶飯事です。

社会人としての基本的なマナーが身についていれば、安心して顧客対応を任される人物として信頼されることでしょう。

丁寧な言葉遣い、身だしなみ、相手の立場を踏まえた対応などは短期間で身につくものではありません。

したがって、就活時点である程度のビジネスマナーを備えている人は即戦力として期待でき、事務職に向いていると評価されやすいのです。

事務職に向いていない人の特徴5選

事務職に向いていない人の特徴

事務職は、未経験者でもチャレンジしやすい職種ではありますが、誰にでもできる仕事ではありません。

人によっては、事務職に不向きな場合もあります。

特に飽き性な人、高収入を求める人、人との会話が苦手だと感じてしまう人は、事務職として働くことにストレスを感じてしまう可能性が高いです。

不向きな性格にも関わらず事務職に就いてしまうことで、仕事にやりがいを感じられなくなってしまい、辞めたいと思ってしまうこともあるかもしれません。

これから事務職への就職や転職を検討されている方は、自分が向いているかどうかをよく考えてみると良いでしょう。

1.飽き性な人

飽き性な性格の人は、残念ながら事務職向きとはいえません。

なぜなら、事務職は地味な作業がとても多い職種だからです。

室内にこもって大量の書類を整理したり、長時間パソコンに向き合ってデータ入力を行ったりなどの仕事をこなさなくてはならないため、飽きっぽい性格の方だと、それらのお仕事を退屈に感じてしまうかもしれません。

また、事務職は毎日同じチームの人たちとお仕事を行います。

営業職や販売職のように、いろいろな取引先やお客様との出会いはほとんどなく、いつも同じメンバーと仕事をすることになります。

そのため、飽きっぽい性格だと、人間関係も退屈に感じてしまうことでしょう。

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毎日同じ内容の仕事の繰り返し、毎日同じ人とオフィス内で過ごすことに飽きてしまう方は事務職以外のお仕事を検討したほうが良いかもしれません。

2.高収入を求める人

高収入を求めている人に関しても事務職には向きません。

なぜなら、事務職のお仕事は、営業職や技術職などと比較すると給料が低めとなっている会社が多いためです。

事務職は、営業職や販売職と異なり達成ノルマなどがない上に、定時退社しやすいという魅力がありますが、年収がそれほど高くないといったデメリットもあります。

営業職などから、一般事務職へ転職を考えている方の場合には年収が大幅にダウンしてしまうこともあるかもしれませんので、注意したほうが良いでしょう。

また最近は、一般事務の仕事は契約社員や派遣社員、アルバイトといった非正規社員に任せているという会社も増えています。

人件費節減のために、生産性のない一般事務職の仕事を外注してしまう企業も多いので、正社員の求人を探すことも非常に大変な状況となりつつあるのです。

非正規雇用の一般事務職の場合には、時給や交通費などしか支給されないことが多く、ボーナスもありませんので、収入の面で不満を持ちやすくなってしまうことでしょう。

ここがポイント

いずれは、AIが伝票管理や会計などの事務仕事を担当する時代もくるだろうといわれてますので、もしかしたら定年まで事務職を続けることも難しくなるかもしれない不安もあります。

お金をできるだけたくさん稼げるお仕事に就きたいと思っている方は、事務職以外を目指したほうが良いかもしれません。

どうしても事務職で収入をアップさせたいのであれば、法律や会計や語学などの勉強をしたり、資格を取るなどして、専門スキルを身に着けておくとチャンスの幅が広がります。

3.人と話すのが苦手

事務職は、人と話すのが苦手だという人も向かないお仕事です。

営業職や販売職のように多くの人と接することはないので、コミュニケーションスキルがなくても問題ないのではと思う人もいらっしゃるかもしれませんが、事務職は人と話す機会が意外と多い仕事です。

事務職は、社内でさまざまな部署とやり取りを行うことになります。

朝から社員の勤怠連絡の対応を行ったり、各部署と綿密に連絡を取ったりなどして、仕事を進めていかなくてはなりませんので、人と話すことが苦手では業務に支障をきたしてしまう可能性があります。

新入社員のお世話をしたり、ほかの社員のサポートを行ったりと毎日たくさんの方々との会話が必要となる仕事なのです。

自分から積極的に話しかけていかないと、お仕事がスムーズに進まないこともあるので、ほかの社員から話しかけやすい雰囲気づくりを求められる場合もあります。

さらに事務職は、社長や重役など社内の高い役職者ともやり取りをしなくてはならないことがあります。

自分よりも高い役職の社員とも円滑に会話する機会も多いので、どんな人とも接することができる人でなければ、大変なストレスを感じてしまうことでしょう。

そのほかにも、電話対応も行わなくてはなりませんので、電話でのコミュニケーションが苦手だという人も、事務職の適性はあまりないといえます。

時には、お客様や取引先からクレームの電話を受けることもありますので、そんなときでもへこたれない精神力も必要だからです。

求められるスキル

電話だけでなく、メールや手紙やファックスなどでやり取りをすることもありますので、文字でのコミュニケーションスキルも求められます。

ほかの人に自分から話しかける、話しかけられるのが苦手だという人は、ほかの職種を選んだほうがご自身にとっても働きやすく感じるかもしれません。

4.わかりやすく評価してほしい人

事務職は目に見える数値や成果で評価される職種ではないため、営業職のように契約数や売上などの明確な指標で認められたい人は物足りなさを感じるかもしれません。

事務職は裏方として他の部署を支える役割が中心であり、日々の書類作成やデータ入力、社内のスケジュール調整など、成果が目に見える形で表れにくい仕事です

したがって「目に見える成果で評価されたい」という強い思いがある人はやりがいを見出せない可能性が高いでしょう。

また、評価基準も明確でないことが多く、地道な作業や周囲への気配りなどが当たり前とされる環境に対し、モチベーションが保てない場合もあります。

5.見落としやミスが多い人

もちろん、どのような仕事においても見落としやミスが多くては問題ですが、特に事務職は正確性が極めて重要な職種です。

請求金額の入力を間違えると取引先との信頼関係に影響を与えますし、スケジュール調整のミスが会社の業務進行を遅らせてしまうなど、些細な間違いでも重大な結果を招いてしまいます。

よって、細かい作業に注意を払いながら丁寧に仕事を進める力が求められます。

一方、確認作業を怠ったり、慣れてきた作業を「大丈夫だろう」と感覚で進めたりする人には不向きであると言えます。

正確さを重視し、常にチェックを怠らない慎重な姿勢がなければ、業務をこなすことは難しいでしょう。

事務職に必要な能力

事務職に必要な能力

ここまで、事務職にはどのような職種があり、職種ごとにどのような業務があるのかをご紹介しました。

ここからは、事務職にはどのような能力が必要なのか、どのような能力を持っていれば事務職に向いていると言えるのかを解説します。

事務職に必要な能力
  1. ミスなく仕事をこなす能力
  2. スケジュール管理能力
  3. マルチタスク能力
  4. パソコンスキル

1.ミスなく仕事をこなす能力

ひとつめは、ミスなく仕事をこなす能力です。

事務職では、作業の正確性が求められます。

先述したように、資料作成や計算といった業務の多い事務職では、ひとつのミスが会社全体に大きな影響を与えることも少なくありません。

正確な資料作成、正確な計算ができる事務職は、会社に重宝されます。

2.スケジュール管理能力

二つ目は、スケジュール管理能力です。

事務職では決まったスケジュール通りに動くことが多いですが、日中様々な依頼を受けます。

そのため場合によっては、短時間で何種類もの業務をこなすことが求められます

自分のスケジュールを明確にした上で、重要なタスクから処理し、周囲をみながら効率よく業務をこなせる方は、事務職に向いていると言えるでしょう。

3.マルチタスク能力

事務職は同時に複数の業務を進める「マルチタスク能力」が必要不可欠です。

資料作成をしている間に電話が鳴ったり、会議の準備をしている時に品の発注依頼が入ったりと、日々の業務の中で常に複数のタスクが発生します。

そのような状況下で、どの業務を最優先すべきかを冷静に判断し、効率よく処理していかなければなりません。

また、業務内容もルーティン業務だけではなく、急な依頼やスケジュールの変更など、柔軟な対応が求められるケースも多くあります。

タスクごとの所要時間や重要度を見極め、タスク管理ツールやスケジュール表を活用して全体の進行を俯瞰できる人に向いている仕事であると言えるでしょう。

4.パソコンスキル

パソコンスキルは事務職に必要不可欠です。

日々の業務ではWordを使った文章の作成、Excelでの表計算・データ入力、PowerPointでの資料作成など、多くの作業がパソコン上で行われます。

特にExcelは関数を使った自動計算やグラフの作成、VLOOKUPやピボットテーブルを使ったデータ分析など、利用頻度が非常に高く、高い操作スキルが求められます。

また、正確なデータ入力やタイピングの速さも業務の効率を左右するため、普段からパソコンに使い慣れていることは大きな強みとなるでしょう。

もし自信がない場合は、MOSなどの資格を取得すればスキルの証明となりますし、体系的にスキルを伸ばしていけます。

事務職のメリット

就職活動をする中で、どんな仕事が自分に合っているのだろうと悩まれる方は多いのではないでしょうか。

中でも事務職は、業界や企業の規模を問わず常に一定のニーズがあり、安定した職種として人気があります。

一方で、単調な仕事なのでは?スキルがないと難しいのでは?といったイメージを持たれることもあるかもしれません。

しかし実際には、事務職に就くことにはさまざまなメリットがあり、働く上での安心感や続けやすさといった面で魅力を感じる方も多くいらっしゃいます。

特に、ライフスタイルを重視した働き方を希望する方や、未経験からキャリアをスタートさせたい方にとって、事務職は非常に魅力的な職種のひとつだといえるでしょう。

ここからは、事務職ならではの具体的なメリットについて解説してまいります。

ご自身の働き方のイメージと照らし合わせながら、ぜひ参考にしてみてください。

ワークライフバランスがとりやすい

事務職の大きな魅力のひとつに、ワークライフバランスがとりやすいという点が挙げられます。

多くの事務職は内勤(会社の外に出ない業務形態)が基本であり、業務の進行が比較的安定しているため、定時で帰宅できる職場が多いのが特徴です。

もちろん、繁忙期などには残業が発生することもありますが、一般的には他の職種と比べて残業時間は少なめです。

そのため、仕事が終わった後のプライベートの時間をしっかり確保できたり、趣味や家庭との両立を大切にできたりと、自分らしいライフスタイルを築きやすい職種です。

また、業務の多くがマニュアル化されていることも、事務職ならではの働きやすさにつながっています。

たとえば育児や介護などで一時的に仕事から離れた場合でも、復職後にスムーズに業務へ戻れるケースが多く見うけられるのが事務職の特徴です。

産休・育休後の復帰も比較的しやすいため、長く働き続けたい方にとっても非常に安心できる職種です。

日々の業務は淡々としていても、その安定感が大きな支えになるという方も少なくありません。

自分の生活を大切にしながら、安定した環境で着実に働きたいという方にとって、事務職は理想的な職種のひとつといえるでしょう。

未経験でも挑戦できる

事務職は、他の専門職と比べて未経験からでも挑戦しやすいという点が大きなメリットです。

実際に、多くの企業では事務職の採用にあたって特別な資格や業界経験を必須とはしておらず、基本的なパソコンスキルさえあれば応募できるケースがほとんどです。

事務職には、WordやExcelを使った文書作成や表計算、簡単なデータ入力ができる程度で十分にスタートできるポジションが多数あります。

そのため実務経験がない方でも、入社後にOJT(実務を通じた研修)で丁寧に教えてもらえる職場も多く、はじめてのオフィスワークとして安心してチャレンジできる環境が整っているのです。

また、事務職はどの業界・業種にも存在する汎用性の高い職種です。

一度スキルや経験を積めば、異業種・異業界への転職も比較的しやすく、将来的なキャリアの幅も広がります。

まずは安定した環境で経験を積みたい基本的な社会人スキルを身につけたいと考えている方には、非常におすすめの職種です。

さらに、事務職の中にも総務・人事・経理・営業事務など、さまざまな専門分野があるため、自分の得意分野や興味に合わせてキャリアアップを図ることも可能です。

最初は未経験からのスタートでも、継続的な学習や実務経験によって、将来的には専門性の高いポジションを目指すこともできるでしょう。

事務職に向いていないと感じた時の対処法

事務職に向いていないと感じた時の対処法

ここまで記事を読んでいただいた方の中には、事務職に就職したいけれど、事務職に向いていないのでは、と感じた方も少なくないでしょう。

そこで、事務職に就職したいが事務職に向いていないと感じたときにはどうすれば良いのか、対処法を2つご紹介します。

事務職に向いていないと感じた時の対処法2つ
  • エージェントに相談してみる
  • 事務職に似た仕事に応募してみる

エージェントに相談してみる

就職活動エージェントに相談してみるのは、ひとつのおすすめの対処法です。

例えば、就活市場エージェントでは、紹介できる企業であればエントリーから面接対策、内定後の入社までのサポートまで幅広く、完全無料でお手伝いをしています。

事務職でのキャリアアップが狙える企業、事務職への就職を考えている就活生におすすめの企業情報の紹介などが可能です。

エージェントを利用することで、選考通過率がグッと上がるので、事務職を目指しているけれど受かるか不安、という方はぜひ一度無料相談を利用してみてください!

事務職に似た仕事に応募してみる

実は、一般的に事務職と呼ばれる職業以外にも、事務職に似ている仕事があったりします。

それは、パソコンを使って情報処理を行う仕事です。

具体的には、ウェブデザイナーライタープランナーなどですね。

一見似ても似つかないような職種ではありますが、デスクワークや事務的な作業が多くなる、という点では実は似ていたりするのです。

筆者からのひとことコメント

営業職に向いていない開発職に向いていない、という方が事務職を目指される傾向にありますが、いったん立ち止まって、これらの職種をのぞいてみるのはいかがですか?

総合職を調べてみる

事務職に違和感を覚えた学生は総合職を調べてみましょう。

自分の強みや特性を活かして仕事ができる可能性があるからです。

就活は、自分の価値観やキャリア設計に合う企業を選択することが重要です。

事務職を無理に選択する必要はありません。

事務職よりも総合職に魅力を感じる学生は、こちらの記事を参考にしてください。

総合職の仕事内容や向いてる人の特徴について詳しく解説しています。

事務職の選考対策

事務職の選考対策におすすめなのは以下の3つです。

選考対策のおすすめ
  • 自己分析
  • 業界・企業研究
  • 面接対策

事務職は、多くの学生がエントリーする職種になります。

したがって採用倍率は高くなるでしょう。

自分の魅力をわかりやすく伝えるには、入念な選考対策は欠かせません。

ほかにも事務職に求められる能力を把握しておくことが重要です。

事務職を希望する学生は本章を読み、どういった対策が必要になるのか理解しておきましょう。

自己分析

事務職対策を始めたい学生は、自己分析から取り組みましょう。

就活では「事務職を希望する理由」「自分の強み」など自分の価値観や考え方が重要です。

採用担当者は自社に貢献でき、入社意欲が高い学生を採用しようと考えています。

面接で志望動機を質問された際にスムーズに回答するためにも自己分析は欠かせません。

自己分析のやり方がわからない学生は、こちらの記事を参考にしてください。

就活の軸や志望動機の作成に役立ちます。

業界・企業研究

自己分析が終われば業界・企業分析を始めましょう。

エントリーする業界の将来性や企業の動向を把握するためです。

たとえば、衰退産業だと知らずに入社すると売上が低迷し、給与に影響するかもしれません。

ほかにも、企業ごとに事務職の仕事内容は大きく異なります

企業研究には自分の想像している仕事と合致しているか確かめる意味もあります。

業界研究のやり方やポイントについて知りたい学生は、こちらの記事を参考にしてください。

業界研究・企業研究ノートを作成しよう!

業界・企業研究する際には専用のノートを作成しましょう。

就活に必要な情報が整理できるからです。

ほかにも、志望業界の全体像の把握ができたり、志望企業とのミスマッチを予防したりできます。

詳しい作り方はこちらの記事で解説しています。

何から始めるべきか迷っている学生は参考にしてください。

また、無料でテンプレートを配布しています。

自作でも問題はありませんが、効率よく就活するためにぜひご利用ください。

面接対策

面接対策も欠かせません。

面接は、採用担当者に自分の強みを直接アピールできるチャンスです。

自分の考えや入社意欲がスラスラ言えるように練習しましょう。

面接対策には周りの力を借りるのがおすすめです。

大学のキャリアセンターや就活エージェントを相手に模擬面接することで、アドバイスをもらいながら練習できます。

面接は回数を重ねるごとに上達します。

志望企業の面接前に焦らないためにも、少しずつ対策を始めておきましょう。

事務職志望の学生のよくある質問

事務職を志望する学生の質問をまとめました。

就活は1人で行うことが多いため、行動内容に不安を覚える人は多いでしょう。

また就活に明確な正解がないため迷いやすいです。

本章を読み、疑問解消に役立ててください。

新卒未経験でも事務職に就職できます。

しかし、内定獲得の難易度は高い傾向にあります。

理由は以下の3つです。

  • 正社員の採用枠が少ない
  • 希望者が多く競争率が高い
  • IT化によって求人数が減っている

事務職はどの企業にも存在する職種です。

一方で営業職や技術職ほど人数が必要なわけではありません。

その結果、採用難易度が上がります。

「事務職は誰でもなれる」「事務職は簡単な仕事」など、油断していると不採用になるでしょう。

自己分析と企業分析を通してきちんと対策することが重要です。

また、近年はAIの登場により作業効率が向上しています。

AIに仕事が奪われたことで求人数が減少しています。

新卒未経験でも事務職は狙えますが、徹底した対策が必要です。

事務職全体の男女比率は、おおよそ6:4です。

男性ばかり、女性ばかりなど性別による傾向はありません。

もし、気になる学生は面接時に質問しておくことをおすすめします。

自分の疑問点を放置するとミスマッチにつながるため注意してください。

また、事務職を細分化すると一般事務や営業事務は特に女性比率が高い傾向です。

一方で貿易事務や法務事務などは他の職種と比べ男性比率が高くなります。

自分が志望する企業はどういった職場環境なのか、心配な学生は調査しておきましょう。

事務職の職場環境を以下の表にまとめました。

  • 平均年収:291万円
  • 平均残業時間:13.6時間/月
  • 平均勤続年数:11.1年

国税庁が発表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると給与所得者の平均年収は460万円です。

あくまで平均ですが、事務職の年収は平均を下回る可能性が高いことを覚えておきましょう。

一方で残業時間は1日に1時間もない程度です。

勤続年数も10年以上あるため多くの人が安定して働けていると言えるでしょう。

今回お伝えした情報は企業によって大きく異なります。

自分が志望する企業ごとに確認しておきましょう。

出典:国税庁ホームページ

事務職に就職しよう!

事務職に向いている人まとめ

事務職に向いている人、事務職に不向きな人の特徴について、いくつかご紹介しました。

事務職に向いているのは、地道にコツコツ作業ができる人、裏方のお仕事が好きだという人、まめな性格の人が挙げられます。

自社の社員だけでなく、取引先やお客様などともやり取りすることもあるので、いろいろな人と接することが苦にならない人も事務の仕事に向いています。

反対に、事務職に向いていないのは、飽き性な性格の人、高収入を求める人、人と話すのが苦手などです。

事務職はお給料が低く設定されている会社も多く、契約社員や派遣社員といった非正規職のスタッフが担当していることも珍しくないので、たくさんお金を稼ぎたい方には厳しい環境ですので不向きといえます。

電話応対も事務職が担当する職場がほとんどですので、クレーム対応といった高度なコミュニケーションスキルも求められます。

ただ、会社によってはコミュニケーションスキルがあまり問われない事務職もありますし、スキルや所有している資格次第によっては、高収入が得られる場合もあります。

事務職といっても、お仕事内容は会社によってさまざまで、人との会話が苦手な人であっても、働きやすい環境の職場もありますので、自分に合った環境かどうかをよく見極めるようにしてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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