人材派遣業界は、どんなことをして稼ぐところ?
みなさんは「派遣」と言う言葉を聞いたことがあるかと思います。
「派遣」とは「人材派遣」のことを指します。
これは、「人材派遣会社」に登録している人を、「取引先」に派遣し、「派遣先」(会社から見れば取引先)で働くというビジネスです。
通常、働くときは会社と「雇用契約」を結び、会社の社員になります。
そして、給料を貰うわけですが、「派遣」の場合は少し違います。
「派遣」は「人材派遣会社」と雇用契約を結んでいます。しかし、働くのは「派遣先」になります。
そして、「派遣先」は「人材派遣会社」に派遣料を払います。
そして、その派遣料から社員の給料を払います。
例えば、月に「20万円」の給料をもらう派遣社員がいた場合、「派遣先」は「人材派遣会社」に「40万円」払います。
そのうち「20万円」が社員に、「20万円」が会社の利益になります。また、「人材派遣会社」の売上は、この場合「40万円」が売上になります。
人材派遣業界は、登録した人を「派遣先」に派遣し、「給料+α」を「派遣先」から貰うことによって稼いでいるのです。
人材派遣業界で働いている方の給料は、「派遣先」からもらったお金から、登録した人に払った分差し引いた部分から出ています。
インセンティブなどは、「登録した人の働くところで決まったこと」で貰えるものと、「自分が担当している登録者に対して払われたお金の一定の割合」を貰えるところがあります。他にも、「新しい派遣先(取引先)を開拓」でも貰うこともあります。
つまり、人材派遣業界で稼ぐには・・・
- 登録者の働く派遣先を決める、つまり派遣先(取引先)に合う人を紹介する。
- 登録者が少しでも長く働くようフォローをする。
- 新規開拓をする
ということが重要になるのです。
人材派遣会社の主な職種
人材派遣会社の主な職種は、企画営業・コーディネーター・スタッフサポートの3つに分野で別れています。
新卒で採用される場合は、総合職として一括採用されたのちに研修などを経て企画営業、コーディネーター、スタッフサポートなどの職種に配属されることが多いです。
また、紹介する職種以外に、事務や経理・人事などの一般的な仕事もあります。
ここでは、主な職種について解説しますので、それぞれの特徴をしっかり把握しておきましょう
企画営業
企画営業とは経営戦略や事業戦略の企画を考えて遂行していく仕事です。
人材派遣会社の経営にはクライアントが必須となり、クライアントの数や依頼内容によって収益も異なってきます。
そのため、クライアント企業へのヒアリングやクライアントのニーズを見出す必要があります。
ヒアリングやニーズを見出すためには、クライアントとのコミュニケーションが大切です。
もちろんビジネスマナーも必要ですし、提案する際のアイディア力も大切になってきます。
コーディネーター
コーディネーターの仕事は、派遣スタッフと企業の仲介役業務を行います。
具体的には、派遣スタッフに合った企業を紹介する、企業の依頼に対しての派遣スタッフの振り分けや人材の紹介、派遣された後の派遣スタッフのフォローなどです。
そのため、コーディネーターの仕事は、人材情報分析や企業分析が必要になってきます。
また、営業職や事務的処理のサポートまで行うこともあるため、コーディネーターの仕事は多岐にわたります。
スタッフサポート
スタッフサポートは派遣スタッフの教育やサポートを行う職種です。
新人スタッフの教育や研修を行い、派遣スタッフのキャリアアップを狙っていきます。
具体的には研修の実施、そのための準備や計画書などの作成を行い、派遣スタッフに必要なビジネスマナーやスキルを教えていきます。
また、スタッフサポートに求められるものとして、コミュニケーション力とヒアリング力が必要です。
伝え方や教え方も重要ですが、派遣スタッフのモチベーションや継続的に取り組めるようにサポートも必要になってきます。
法人営業
法人営業は企業との関係構築を専門に行う職種です。
主に既存顧客を担当し、人材派遣サービスの活用拡大や新たなニーズの発掘を行います。
企業の経営課題や採用計画を理解し、最適な人材活用方法を提案することが求められます。
長期的な取引を前提とするため、定期的な訪問や情報提供による関係維持が重要です。
特に顧客との信頼関係を築く継続営業力が成果に大きく影響します。
法人営業は企業の人材戦略に深く関わるため、人材派遣会社の安定経営を支える重要な職種です。
| 比較項目 | ルート営業 | 新規営業 |
|---|---|---|
| 仕事内容 | 既存顧客を担当し、派遣スタッフのフォローや追加提案、契約更新などを行う | 新規企業へ訪問や電話営業を行い、人材派遣サービスの導入提案を行う |
| 主な役割 | 企業との関係を維持し、長期的な取引や派遣人数の拡大を目指す | 新たな取引先を開拓し、会社の売上基盤を広げる |
| 業務の特徴 | 企業担当者や派遣スタッフとの調整業務が多く、継続的なフォローが中心 | アポイント獲得や提案活動が中心で、行動量が成果に直結しやすい |
| 難易度・大変さ | 顧客満足度を維持するため、トラブル対応や細かな調整が求められる | 契約獲得まで時間がかかる場合が多く、断られる場面が多い |
| やりがい | 企業との信頼関係を築き、派遣スタッフの活躍を長期的に支援できる | 新しい取引先を獲得し、会社の成長に直接貢献できる達成感がある |
| 向いている人 | 人間関係の構築や継続的なサポートが得意な人 | 挑戦意欲が高く、積極的に行動できる人 |
人材派遣業界の代表的な企業
ひとくちに「人材派遣業界」と言っても、多くの会社が参入し、激しい競争が繰り広げられています。
ここでは、代表的な企業をいくつかご紹介します。
スタッフサービス
スタッフサービスはリクルートグループに属する人材派遣会社です。
人材派遣業界では最大手で「オー人事、オー人事」というCMで有名です。
オフィスワーク、IT、エンジニア、介護、看護、医療、製造など、スタッフサービスは幅広い業種の人材派遣を扱っており、派遣先の数も多いです。
求人のサイトも、業種のサービスになっており、自分の適性や能力に合わせて選ぶことが出来ます。
また、業種によっては子会社として独立しているものもあります。
- エンジニア→スタッフサービス・エンジニアリング
- IT→スタッフサービス・ITソリューション
- 介護、看護、医療→スタッフサービス・メディカル
- 製造分野→テクノサービス
そのため、人材コーディネーターや営業も業種ごとに分かれて、これらの子会社に所属する形になります。
スタッフサービスの採用についてですが、登録者の採用は会社ごとですが、新卒採用はグループ全体で行い、中途採用は会社ごとに行っています。
特に中途採用の方は、自分の能力や経験に合わせて会社を選ぶ必要があります。
パソナ
パソナは、日本のみならずアジアや北米でも事業を展開している人材派遣会社になります。
また、人材派遣だけでなくアウトソーシングにも力を入れており、人材に関する様々な事業を展開しています。
取引のある業種も幅広く、オフィスワーク、IT、エンジニア、介護、看護、医療、製造等に加え、金融や物量との取引もあります。また、シニア人材や新卒人材の派遣も行っています。
また、業種ごとに子会社を設立して事業の展開をしているのですが、加えて特定の企業や、特定の地域に特化した人材派遣などの事業を展開している子会社を持っています。
これは、企業と業務提携や共同出資を行い、事業の展開をしているからで、他の人材派遣会社にはない特徴です。
パソナ本社ではキャリア人材の派遣や転職の事業を業種に関係なく行い、それ以外の人材に関する事業を子会社で行うという体制になっています。
採用は、新卒採用はグループ全体で行っていますが、一部の子会社は単独で行っています。中途採用は、会社ごとで行われています。パソナは営業が「外勤」と「内勤」に別れています。
「外勤」は取引先の会社に向けての営業で、「内勤」は登録者に向けての営業を行う形になります。
会社によっては「外勤」と「内勤」の両方を行うところもありますが、パソナは別々に別れます。
どの業種で働くか、「外勤」なのか「内勤」なのか、自分の能力と経験から選ぶようにしましょう。
アデコ
アデコはスイスに本社を置く人材派遣をはじめとする総合人材サービス企業です。
世界60ヵ国で事業を展開していて、5000か所を超える拠点を抱える、人材の巨大企業です。
日本では1985年(昭和60年)から事業を展開しています。
アデコは「月刊人材ビジネス」が実施した第29回派遣スタッフ満足度調査(2018年5月号)で「再就業率(今後もこの派遣会社のスタッフとして仕事がしたい)」ナンバーワンに選ばれており、登録者からの満足度が高い会社です。
つまり、登録者と派遣先のミスマッチが少ないということなのです。
派遣については通常の派遣のほかに、派遣先で就業しながら、派遣先での社員や正社員登用を目指す「紹介予定派遣」を行っています。
企業としては、単独で各業種の人材派遣を行っています。本社とは別に、グループ企業として人材派遣会社を持っています。
そのため、アデコの社員は、様々な業種の人材派遣に関わることが出来るというのが出来ます。
もし、人材派遣業界で働くと考えるなら、様々な業種で働くことは、大きなキャリアアップになると思います。
ただ、人材派遣だけではないので、異動などで転職エージェントなどの人材派遣以外の仕事をする可能性があります。
あと、アデコの営業スタイルは「ローラー式」と呼ばれ、ビル1階から最上階まで、入っている企業すべてに飛び込み営業を行うというものです。テレアポも多いので、精神的に強いことが求められます。
リクルートスタッフィング
リクルートと言えば求人広告や人材派遣、販売促進など幅広い事業を展開している企業グループですが、リクルートスタッフィングはリクルートグループの人材派遣事業の中核となっている会社になります。
扱っている業種は、オフィスワーク、営業販売、金融、製薬・研究開発、アパレル・ファッション販売、コスメ・ビューティー、クリエイティブ、IT・エンジニアとなっていて、製造や建設関係は扱っていません。
人材業界最大手のリクルートグループなので、求人数はかなり多いです。
また、セミナーや研修を行っていますので、登録者の教育に力を入れている企業です。
さて、リクルートスタッフィングの採用ですが、新卒は正社員での採用ですが、中途採用は「契約社員」での採用となります。
これは、リクルートスタッフィングに限らず、リクルートグループの中途採用の特徴です。
リクルートスタッフィングの契約社員の契約期間は「3年間」と決まっています。
3年間働いて「リクルートスタッフィング以外の会社に転職をする(転職先は会社が斡旋する)」か「リクルートスタッフィングの正社員として働く」のどちらかを選ぶことになります。
正社員の中には「転勤あり」「転勤なし」を選ぶことになります。
ただし、中には「転職できない」「正社員になれない」ということもあります。
職種については最初に選べますが、給与などは基本的に3年間変わりません。
この3年で勉強をして、今後をどうするかを決めるというのが、リクルートスタッフィング(リクルートグループ)のやり方なのです。
テンプスタッフ
テンプスタッフは経営統合や株式取得なので、経営体制がめぐるましく変化しています。
社名も「テンプスタッフ」から「パーソルテンプスタッフ」となりましたが、サービス名は「テンプスタッフ」のままになっています。
現在、テンプスタッフは日本だけでなく、海外に進出しています。
アジアやオセアニアなど12か国・地域で事業を展開しています。
日本に目を向けると、全都道府県で求人を取り扱っているのですが、地域によっては子会社が人材派遣事業を行っています。
首都圏は、テンプスタッフが直で事業展開をしていますが、東北地方は「パーソルテンプスタッフカメイ」が人材派遣をしています。
これは、仙台に本社のある「カメイ」との合弁で作った会社で、このように地域の会社と協力をして事業を拡大していった経緯があります。
お住まいの地域によっては、こういった子会社が運営しているところもありますので、求人に応募する際には、ホームページなどで確認をした方が賢明です。
ただ、派遣の登録については、全国共通のサイトからします。業種や地域もすべて全国巨通になっています。
採用については、中途採用は「東北地方」の勤務先は子会社の兼ね合いからありません。
そして、職種から選び形で応募します。自分の希望勤務地と、希望職種が常に募集しているわけではありません。
総合職のように、様々仕事をするのではなく、専業に近い形での勤務になります。
一方の新卒採用は総合職採用なので、勤務地や職種は選べない形になります。
人材派遣業界、今後の動向はどうなる?
人材派遣業界について、今後は「縮小傾向」になるという予測を立てる人が多いです。
その理由は「少子高齢化による人口減少」です。
人口が減ってしまっては、様々な業界が縮小傾向に入るため、労働力自体が減っていくと考えられているからです。
つまり、人材派遣業界にとっては、「人口減少」は大きな問題なのです。
その中で、活路を見出さなければいけないのです。
企業は必要とする労働力が減っても、働きたいという人がいる限り、人材派遣業界は生き残っていきます。
重要なのは、数多くの人材派遣会社が間違いなく淘汰されるので、その中で企業が生き残らなければいけないという、サバイバルゲームが始まるのです。
人材派遣会社は、どのようにしてサバイバルゲームに勝つかを真剣に考える時期に来ています。
人材派遣業界のコロナにおける影響は?
コロナの感染拡大でさまざまな企業が売上や集客率の低迷に苦しみ、大きな影響を受けました。
そのため企業が出している求人募集の枠も減り、求職活動がスムーズにいかずに困っている人も多くいることでしょう。
求職活動中の人に仕事を紹介する立場である人材派遣業界でも、
紹介できる求人数が減る、一部の業界で求人数が増えるなどこれまでとは大きく違った影響を受けました。
ここからは、コロナの感染拡大が人材派遣業界に与えた影響について詳しく見ていきましょう。
有効求人倍率は右肩下がり
コロナの感染拡大によって、有効求人倍率が右肩下がりになる影響が出ています。
しかし、世間の有効求人倍率はもともと安定していたわけではなく、感染拡大が始まる前から少しずつ下がっていた背景がありました。
そのタイミングでコロナによる売上低迷、集客率低迷が問題となったことによって人件費に充てるコストを削減する企業が増え、
有効求人倍率の下降状況はさらに悪化しています。
人材派遣業界にとっても紹介できる雇用の枠が減り、求職者に対して十分なサポートができない状況に陥っています。
特に飲食や宿泊、娯楽などのサービス業、製造業、小売業の求人枠が減ったことによって新たな仕事の紹介ができないだけではなく、
契約が打ち切られる派遣社員が続出するなどの影響も懸念されている状況です。
業界によってニーズはさまざま
コロナの感染拡大によって特に飲食や宿泊、娯楽などのサービス業、製造業、小売業では人件費が削減され、求人数も減少しました。
しかし、そのような状況だからこそニーズが高まり有効求人倍率が伸びた業界もいくつか存在します。
たとえば、マスクや消毒液、ハンドソープなどを製造している衛生用品業界、
病院で使用する道具を製造販売している医療業界は、感染防止対策が一般化するとともにニーズが高まりました。
また、直接店舗に足を運ぶ人が減りネット通販で買い物をする人が増えたことによって、物流関係のニーズも高まっています。
ゲームや動画配信サービス系の業界、在宅ワークに関連するツールを提供する業界なども需要が伸びているでしょう。
このように一部の業界ではコロナの感染拡大後に売上数などが伸び、結果的に求人枠の増加にもつながっています。
人材派遣業界の今後の課題とは
人材派遣業界は、日本の労働市場の変化に伴い大きな転換期を迎えています。
少子高齢化による労働人口の減少や働き方の多様化が進み、人材派遣会社には柔軟な対応が求められています。
さらに企業の採用ニーズは高度化しており、単なる人材供給だけでなく人材活用の提案力も重要になっています。
また景気の影響を受けやすい業界構造であるため、安定した事業運営に向けた対策も必要です。
ここでは人材派遣業界が直面している主な課題について、背景や今後の方向性を踏まえて解説します。
少子高齢化により人材の減少
日本では少子高齢化の進行により、若年層を中心とした労働人口が減少しています。
この影響により人材派遣業界では登録スタッフの確保が年々難しくなっています。
特に製造業や事務職、IT分野では企業からの派遣ニーズが高い一方で、人材供給が追いつかない状況が発生しています。
そのため派遣会社は従来の求人広告だけでなく、SNS採用やリファラル採用など多様な採用手法を取り入れる必要があります。
また短時間勤務や在宅勤務など、働き方の選択肢を広げることも重要です。
さらに派遣スタッフの定着率を高めるために、研修制度やキャリア支援の充実も求められています。
特に安定的に人材を確保する採用戦略の強化が、今後の人材派遣会社の成長に直結します。
人口減少が続く中で、企業と求職者双方に価値を提供できる仕組みづくりが重要な課題です。
シニア世代や外国人労働者の拡大
労働力不足を補うために、シニア世代や外国人労働者の活用が人材派遣業界で拡大しています。
定年延長や再雇用制度の普及により、豊富な経験や専門知識を持つシニア人材への需要が高まっています。
例えば製造業や技術職では、ベテラン人材が現場教育を担うケースも増えています。
一方で外国人労働者の受け入れも拡大しており、介護や物流、外食業界などで重要な戦力となっています。
しかし言語や文化の違いによるコミュニケーション課題も存在します。
そのため多言語対応の研修制度や生活支援体制の整備が必要になります。
特に多様な人材が活躍できる就業環境の構築が、人材派遣会社の競争力向上につながります。
多様性を受け入れる企業との連携を強化することも、業界の持続的成長に不可欠です。
景気の影響を大きく受ける可能性
人材派遣業界は企業の採用活動と密接に関係しているため、景気の影響を受けやすい特徴があります。
景気が悪化すると企業はコスト削減を優先し、派遣社員の受け入れを抑制する傾向があります。
特に製造業や販売職など景気変動の影響を受けやすい分野では、求人数が大きく減少することがあります。
一方で医療や介護、IT分野などは比較的景気の影響を受けにくい分野として注目されています。
そのため人材派遣会社は特定分野に依存しない事業構造を築くことが重要です。
また人材紹介やアウトソーシングなど、新たなサービス領域へ進出する動きも広がっています。
特に事業の多角化による収益基盤の強化が、安定した企業成長を支える重要な戦略です。
市場環境の変化に柔軟に対応できる企業が、今後の人材派遣業界で優位性を持つと考えられます。
人材派遣業界と人材紹介業界の違いは?
企業や求職者に対して仕事を紹介する業界として、
人材派遣業界や人材紹介業界の名前を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
どちらも名称が似ていることから同じ業界だと思われやすいのですが、具体的なサービス内容は異なります。
これから自分に合った仕事を探したいと考えている方は、人材派遣業界と人材紹介業界の違いについて知っておくことが大切です。
ここからは、ビジネスモデルと期間2つのポイントに分けてそれぞれの特徴を見ていきましょう。
ビジネスモデル
人材派遣業界と人材紹介業界はどちらも企業に人材を、
求職者に仕事を紹介することに変わりはありませんが、ビジネスモデルに大きな違いがあります。
まず人材派遣業界は求職者と企業をマッチングさせた後、派遣会社と求職者間で雇用契約を結ぶのが特徴です。
実際に仕事をする企業と求職者は雇用契約を結ばないため、給与の支払いも派遣会社から行います。
一方、人材紹介業界は求職者と企業をマッチングさせた後雇用契約には関わりません。
あくまでも採用までの工程をサポートする役割なので、人材派遣業界のように雇用期間中に継続的な手数料を受け取ることもありません。
マッチングに成功した段階で企業から紹介手数料を受け取ることによって、ビジネスを成り立たせています。
期間
人材派遣業界と人材紹介業界には、マッチングによって企業の人材不足が解決する期間、求職者が働く期間にも違いがあります。
人材派遣業界は求職者と派遣会社が雇用契約を結ぶことから企業に就職する形態とはならず、派遣社員として一定期間の在籍を提供できる存在です。
もともと短期間で雇いたい企業にとっては都合が良いものの、長期で働ける優秀な人材を探している企業にとっては一時的な解決にしかなりません。
一方で、人材紹介業界は正社員として働ける人材とのマッチングが基本なので、企業は紹介してもらった人材を長期的に雇用することが可能です。
優秀な人材をプロの目線で見極めて紹介してもらえるため、人材不足における中長期的な問題の解決につながるでしょう。
さらに就職活動として長く働ける職場を探している人にとっては、人材紹介業界のほうがより安定した仕事を見つけやすい魅力があります。
人材派遣業界で働く魅力・メリット
人材派遣業界は企業と求職者をつなぐ重要な役割を担っており、社会貢献性の高い仕事として注目されています。
人のキャリアや企業成長に直接関わることができるため、仕事の成果を実感しやすい点が特徴です。
また多様な業界や職種と関わることで、幅広い知識や経験を身につけることができます。
さらにコミュニケーション能力や営業力など、ビジネススキルを総合的に磨ける環境が整っています。
ここでは人材派遣業界で働く具体的な魅力やメリットについて詳しく解説します。
人生のターニングポイントに関わる
人材派遣業界では求職者の就職やキャリア形成を支援する役割を担います。
求職者が新しい仕事に挑戦する場面やキャリアチェンジを実現する場面に立ち会うことができるため、大きなやりがいを感じやすい仕事です。
例えば未経験から新しい職種に挑戦したスタッフが成長し、企業から高い評価を得た際には担当者として達成感を得ることができます。
また就業先での悩み相談に対応し、働きやすい環境を整えることで求職者の人生にポジティブな影響を与えることもあります。
さらに企業側にとっても適切な人材配置を実現することで、事業成長を支える役割を果たします。
そのため人材派遣業界は単なる人材紹介ではなく、求職者のキャリアを支える社会的意義の高い仕事として評価されています。
人の人生に深く関わる経験を通じて、仕事への誇りや使命感を持ちやすい点が魅力です。
幅広い人脈を手にいれることができる
人材派遣業界では企業担当者や求職者、社内スタッフなど多くの人と関わる機会があります。
日々の営業活動や面談を通じて、異なる業界や職種の人材と接点を持つことができます。
例えば製造業やIT業界、医療分野などさまざまな企業と関係を築くことで、業界知識とともに人脈を広げることが可能です。
また求職者のキャリア支援を通じて信頼関係を築くことで、将来的に新たなビジネスチャンスにつながるケースもあります。
さらに企業の採用担当者や経営層と関わる機会も多く、ビジネス視点を学ぶことができます。
特に多様な業界とつながるネットワーク形成は、将来のキャリア選択において大きな強みになります。
幅広い人脈を築くことで、自身の市場価値を高めることができる点も人材派遣業界の魅力です。
高い営業スキルが身に付く
人材派遣業界では企業と求職者の双方に提案を行うため、高度な営業スキルを習得できます。
企業に対しては人材不足や採用課題を分析し、最適な人材活用方法を提案する必要があります。
一方で求職者には希望条件やキャリア目標を踏まえた仕事紹介を行い、双方のニーズを調整します。
例えば企業の業務内容や求める人物像を把握したうえで、適性の高いスタッフを提案する能力が求められます。
また契約交渉や条件調整を通じて、交渉力や問題解決力を高めることができます。
特に課題を分析して最適解を提示する提案営業力は、どの業界でも活かせるスキルです。
これらの経験を積むことで、将来的にマネジメント職や他業界へのキャリアアップも目指しやすくなります。
人材派遣業界がやめとけと言われる理由とは
人材派遣業界はやりがいが大きい一方で、業務の負担や成果へのプレッシャーが強いと指摘されることがあります。
企業と派遣スタッフの双方を支える立場であるため、調整業務が多く責任も大きくなります。
また勤務時間が不規則になりやすく、精神的なストレスを感じる場面もあります。
さらに営業職では数値目標が設定されることが多く、成果主義の環境に適応する必要があります。
ここでは人材派遣業界がやめとけと言われる主な理由について具体的に解説します。
クレーム対応に追われることがある
人材派遣業界では派遣スタッフと企業の間に立つため、トラブルや相談への対応が頻繁に発生します。
例えば職場環境や業務内容に関する不満、契約条件に関する問題など、多様な相談が寄せられます。
スタッフからの相談だけでなく、企業側から勤務態度や業務品質に関する指摘を受ける場合もあります。
その際には双方の意見を整理し、公平な立場で解決策を提案する必要があります。
迅速かつ丁寧な対応が求められるため、精神的な負担を感じることもあります。
しかし適切な対応によって信頼関係を築くことで、長期的な取引やスタッフ定着につながります。
特にトラブルを円滑に解決する調整力と対応力が重要なスキルとなります。
クレーム対応の経験は問題解決能力を高める一方で、負担を感じやすい業務でもあります。
長時間労働になりやすい
人材派遣業界では企業対応とスタッフフォローを同時に行うため、業務量が多くなる傾向があります。
派遣スタッフの勤務開始や更新手続き、面談対応などが重なるとスケジュールが過密になります。
さらにスタッフからの相談は勤務時間外に寄せられることもあり、柔軟な対応が求められます。
例えば急な欠勤やトラブルが発生した場合には、迅速に代替スタッフを手配する必要があります。
そのため繁忙期には残業が増えるケースも少なくありません。
ただし近年は働き方改革の影響により、業務効率化や分業体制の整備を進める企業も増えています。
特に多様な業務を同時に管理するスケジュール調整力が重要になります。
長時間労働の課題はありますが、効率的な働き方を実現する取り組みも進んでいます。
高いノルマが課せられることがある
人材派遣会社の営業職では売上や契約数などの目標が設定されることが一般的です。
成果が評価や昇進に直結するため、数値達成へのプレッシャーを感じやすい環境です。
特に新規開拓営業では企業訪問や提案活動を積極的に行い、契約獲得を目指す必要があります。
また既存顧客に対しても契約更新や追加提案を行い、継続的な成果を求められます。
目標達成が難しい場合には自己管理能力や改善行動が重要になります。
一方で成果を上げた場合には評価や報酬に反映されやすい点も特徴です。
特に結果を求められる成果主義の営業環境に適応できるかが重要なポイントになります。
プレッシャーは大きいものの、努力が評価に直結しやすい点が人材派遣業界の特徴です。
人材派遣業界に向いている人の特徴
では、人材派遣業界にはどのような方が向いているのでしょうか。
ストレス耐性に強い人
人材派遣業界は、かなりストレスがたまる業界です。
営業ではほとんど断られますので、それに対して我慢できる、あるいは気にしないということが出来る人は向いています。
話すことが好きな人
人材派遣業界は多くの人と付き合いをする業界です。
特に、登録者対応する部署に配属された場合は、必ず面談がありますので、話すことが苦手な人は向いていません。
話すことが好きな人には逆に向いています。
ただし、話すことが好きな人なので、「喋ることが好きな人」は会話が一方的になって、登録者の印象が悪くなるので注意が必要です。
可愛がられる、愛想がいい人
人材派遣業界の営業先は、会社の代表者や役員が多いです。
そのため、気に入られることが、とても重要です。
愛想が悪いと心証が良くないので、気に入られることが無いでしょう。
喋りが上手い人は良いかもしれません。
体力がある
人材派遣会社では、さまざまな業務を行うため体力がある人にはおすすめの職業です。
人材派遣会社の社員は、営業、派遣スタッフのサポート、内勤業務など業務を幅広くこなす必要があります。
また、派遣スタッフの欠勤や人員不足の場合、穴埋めとして企業に出向くこともあります。
人材派遣業は、派遣スタッフとクライアントの仲介役として収益を出す業界のため、派遣スタッフとクライアント双方に満足してもらうことが重要です。
そのため、業務や管理・企画など幅広い分野の仕事をする必要があり、時には拘束時間も長くなる場合もあります。
以上のことから、体力に自信がある方は人材派遣業界は向いていると言えます。
ほかの人のサポートが好きな人
人材派遣会社で働く派遣スタッフは夢や目標を持った方が多く、派遣会社はそれに見合った企業を結び合わせる仕事です。
派遣スタッフが求める企業を提供することで、やる気や継続的に仕事をこなしてくれるため、結果的には会社の利益につながります。
また、継続的に仕事をしてもらうために、派遣社員は派遣スタッフのサポートも必要です。
時には、派遣スタッフが要望する職種に就けないことや取引先での悩みなどの問題が発生する場合があります。
そのような事態になった際、相談や悩みを聞くこともありますし、夢や目標を達成するためにスキルアップの支援もします。
このように、人材派遣業ではヒアリング力が必要となってくるため、人を応援することが好きではないと続けられない職業です。
人材派遣会社に必要な学歴
人材派遣会社に就職する場合、必須となる学歴は決められていないため、学校の種類は問われません。
また、学科による有利不利もそこまで影響しません。
人材派遣会社では、サポートやマネジメント能力などのスキルが求められてきます。
そのため、高い学歴があったとしてもスキルがなければ採用されません。
派遣会社で就職を考えているのであれば、希望する業種・職種で求められるスキルが満たしているか確認する必要があります。
マネジメントが得意なら企画営業、コミュニケーションが得意ならコーディネーターやスタッフサポートがおすすめです。
しかし、一部大手企業などにおいては大卒以上を応募資格にしている企業もあるため、応募する前には事前に採用条件の確認はしておきましょう。
人材派遣会社で必須の資格は?
人材派遣会社を就活するうえで、必須の資格はありません。
人材派遣会社での応募条件では、資格を掲げる企業は少なく、新卒や未経験の採用基準としては熱意や将来の活躍で採用されるケースもあります。
しかし、ほかの学生と差をつけるためには有利になる資格を取得することも一つの手です。
コーディネーターやスタッフサポートの職種をやりたいのであれば、「キャリアコンサルタント」や「キャリアカウンセラー」系の資格がおすすめです。
また、人事に関わりたいなら「採用力検定」や「採用資格コンサルタント」など希望する職種で採用したい場合は、上記の資格を取得しておくと採用されやすくなります。
人材派遣業界に就職するためのポイント
人材派遣業界で内定を獲得したいなら、どのような点をポイントにして自分をアピールすればいいのでしょうか。
希望する人材派遣業界に就職するために押さえておきたいポイントについてご紹介します。
なぜ人材業界の中で派遣業を志望するかを明確にする
人材業界にも幅広い業界があります。
人材をヘッドハンティングして正社員となる人材を紹介し、マッチングさせる業界、アルバイトやパートなどの求人業界、企業の人事戦略や福利厚生などをコンサルティングする人材コンサルティング業界をはじめ、近年では新たなジャンルとして退職代行などのサービスも登場しています。
ジャンルとして多様な分野がある中で、なぜ人材派遣業を選んだのか、なぜ人材派遣業で働きたいのかを明確にしましょう。
とくに就活中の学生さんの場合、アルバイトとして働いた経験はあっても、派遣社員として働いた経験がない方も多いのではないでしょうか。
そのため、派遣会社がどのようなサービスを提供しており、どのようなサポートを行っているのか、実際に体験としては知らない方が多いはずです。
派遣会社、派遣社員を依頼する会社、派遣社員の3者の関係性をよく理解し、それぞれにどのようなメリットやデメリットがあるのか、派遣会社に依頼する会社、派遣社員として働くことを希望する人や実際に働いている人に対して、どのようなサービスや業務を提供しているのかを理解しておかなくてはなりません。
また、派遣社員の存在が社会にどのような意義を与え、どのような役割を担っているのか、今後の動向や業界としての将来性などもしっかりと理解しておくことが大切です。
そのうえで、自分が人材派遣業界になぜ興味を持ち、どんな目的でどんな活躍をしたいと思っているのかをアピールしましょう。
マネジメントをして結果を出した経験を話す
人材派遣業は派遣社員を依頼する会社と、派遣社員のそれぞれをマネジメントする役割を担っています。
人手不足に悩む企業や専門的な人材を求めている企業、人件費を抑えたい企業や一時的に人手を求めている企業などにアプローチし、的確な人材の紹介などを通じて人材コンサルティングやマネジメントを図っていく役割を果たします。
また、派遣社員として働くことを希望する人のコンサルティングや、実際に派遣社員として働いている人のマネジメントも欠かせません。
そのため、人材派遣業界に就職したいなら、マネジメント力があることをアピールすることがポイントです。
マネジメント力を発揮して結果を出せた経験を具体的に話して、あなたが人材派遣業界に向いていることをアピールしましょう。
部活動やゼミ、アルバイトなどの体験から、マネジメント力を発揮した体験談はないか振り返ってみましょう。
自身の経験において問題となっていた課題を分かりやすく紹介し、その課題を解決するためにマネジメント力を発揮して、解決の結果や成果が出せたというエピソードをアピールします。
人材派遣業の中でどんな仕事がしたいのかを伝える
人材派遣業の中にも、営業や事務、アドバイザーやコンサルタントなど、職種は色々あります。
マネジメント力を発揮できる職種は、派遣社員を依頼する企業側のマネジメントをする職種か、派遣として働きたい人や実際に派遣社員として働く人のマネジメントをする職種かに分かれます。
人材を求める企業側のマネジメントやサポートをしたいのか、それとも働く側のマネジメントやサポートをしたいのかを明らかにしましょう。
なぜ、その仕事をしたいのかを明確にし、どんな目的や目標を持っているのか、そのために自分がどう活躍できるのか、将来的にどうなりたいのかをアピールします。
店舗マネジメント
やりたい仕事として派遣社員の依頼してきたお店など、派遣先の店舗の運営をマネジメントする仕事に携わりたいなら、経験談としては店舗マネジメントで結果を出した話を挙げられるとベストです。
もっとも、学生時代に店舗マネジメントをした経験がある方はほとんどいないでしょう。
そのため、本格的な店舗運営ではなく、学園祭で出店する屋台やクラスで企画したカフェやレストランの運営をリーダーとして任された経験でもかまいません。
アルバイトをしていたお店でリーダーを任されたとか、正社員がいない時間帯にアルバイトスタッフをマネジメントしながら店舗を運営していたといった経験もアピール材料になります。
人材マネジメント
派遣社員のマネジメントをする仕事を希望するなら、人材マネジメントにつながる経験談がないか探してみましょう。
部活動のキャプテンとしてチームメンバーをまとめ、ボランティア活動のリーダーとしてそれぞれの役割を与えたとか、アルバイトのリーダーとして業務分担を図ってマネジメントしたといった経験が使えます。
教育関連
派遣社員の教育をサポートする仕事をしたいなら、教育関連での経験談がおすすめです。
家庭教師や塾講師のアルバイト経験をはじめ、学童保育や放課後デイサービスなどのボランティアスタッフとして、生徒の個性に合わせて対応した経験などをアピールしましょう。
人材派遣業界で働きたいと思っている方へ
人材派遣業界は非常に激務な業界と言われていますが、それは社会から必要とされている業界だからです。
その分、頑張って成果を上げれば、収入や地位が約束された業界と言えます。もし、自分にやる気があるなら、挑戦してみてはいかがでしょうか。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート










