「あなたのキャリアビジョンを教えてください。」
と面接官から質問をされた時、あなたは自信をもって回答ができますか?
就職活動では、あなたらしいキャリアビジョンを持つことは、非常に重要な役割を果たしています。
キャリアビジョンという言葉の意味や、キャリアビジョンがなぜ重要なのか、キャリアビジョンを描く方法などを、例を踏まえて丁寧に解説していきます。
自分らしいキャリアビジョンを描くためにも、この記事を参考にしてみてください。
- キャリアビジョンとは何か
- キャリアビジョンが大切な理由
- キャリアビジョンの作り方
- キャリアビジョンが何かわからない人
- キャリアビジョンの作り方を知りたい人
- キャリアビジョンの参考になる例文を知りたい人
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目次[目次を全て表示する]
キャリアビジョンとは「あなたの未来」のこと!
キャリアビジョンとは、平たくいえばあなたのキャリアについての未来ということを示します。
たとえばあなたが将来どうなりたいかということを考えてみると、
「自分は営業の仕事をしてバリバリ成績を上げたい」
「エンジニアとして技術の腕を磨いて、いつかヒットする製品を作りたい」
「働く人のサポートをするお仕事がしたい」
このような考えが出てくるでしょう。
こういった「自分の仕事の方針やどうなりたいか」ということを考えるのがキャリアビジョンです。
「キャリアビジョン」と「キャリアプラン」との違い
キャリアプランとは、キャリアビジョンを実現するための計画のことを示します。
たとえばどう仕事をしていきたいかを考えると「1つの企業で長く働き続けたい」「1つの企業である程度働いた後に転職や独立をしたい」というような考えが出てくるでしょう。
こういった「キャリアビジョンを実現するために今後どんな働き方をするか」ということを考えるのがキャリアプランです。
「キャリアビジョン」と「キャリアデザイン」との違い
キャリアデザインとは、キャリアビジョンを実現するためにライフスタイルなども含めて具体的に計画を立てることを示します。
たとえばどう仕事をしていきたいかをライフスタイルにも焦点を当てて考えると「仕事と子育てを両立したい」「仕事もしながら趣味も極めたい」というような考えが出てくるでしょう。
こういった「ライフスタイルも含めてキャリアビジョンを実現するには今度どんな働き方をするか」ということを考えるのがキャリアデザインです。
「キャリアビジョン」と「キャリアパス」との違い
似ている言葉シリーズの最後はキャリアパスです。
キャリアパスとは、個人が目標を達成するためにたどる道筋のことを指します。
例えば、どんな教育を受け、どんなスキルを身につけ、どんな経験を積むか、というところになります。
キャリアパスとキャリアビジョンの違いは、キャリアビジョンとは「どんなキャリアパスを進みたいか」を意味する点です。
つまり、キャリアビジョンを考えるためには、キャリアパスについて理解しておくことも必要になるのです。
キャリアビジョンを考えることは人生において必要不可欠
そもそもキャリアビジョンが必要な理由について理解しましょう。
キャリアビジョンは考えたことのない学生が殆どだと思います。
キャリアビジョンの意味について理解することで、自分なりのキャリアビジョンも考えやすくなります。
キャリアビジョンが就活において重要なのは以下の理由があります。
人生を考えるきっかけとなる
キャリアビジョンを考えることで、今まで目を向けてこなかった自分の先の人生について目を向けることができます。
就活は、内定がゴールではありません。
内定をもらったら実際に企業の一員として働くことになるのです。
そのため、働く際の自分を想像して、どんな働き方をしたいのか考えておくことが大事なのです。
新しい自分が発見できる
キャリアビジョンを考えることで、新しい自分に気付くきっかけになります。
将来の自分について考えることで、思考の幅や視野が広がります。
自分の人柄や仕事に対して求めることを今一度自分で整理しておくと良いのです。
潜在的な思考は、意識しないと気が付きませんから時間をとって自分と向き合ってみましょう。
ビジョンに向けて今やるべきことが明確になる
キャリアビジョンを考えるにあたって、今何をしておくべきなのか、方向性が定まるというのが一番重要です。
キャリアビジョンを考えることで、逆算して今何をしておかないといけないのかが明確になります。
例えば、就きたい仕事が明確で、さらにその仕事の第一線で活躍したいと考えている場合、仕事に活きる資格に手を付けておく必要があります。
例えば「顧客に信頼される人になりたい」というキャリアビジョンがあれば、小さいことですが字を綺麗にしたり、清潔感を与える服装や髪型を学ぶ、話し方や言葉遣いに気をかけるなどできることは沢山あります。
キャリアビジョンが面接で重要視されている理由とは?
キャリアビジョンは就活をスタートさせ、後悔のない就職先を選ぶために就活生にとって大切なポイントになるだけではありません。
企業側でも着目しているポイントであり、「どんなキャリアビジョンを描いていますか?」と直接質問を投げかけられることや志望動機などを確認しながら、各人が持つキャリアビジョンを把握しようとしています。
なぜ、企業は就活生のキャリアビジョンを重視しているのでしょうか。
それには大きく3つの理由があり、1つ目は学生の人柄や性格を把握しするため、2つ目は、将来やりたいことと実際の行動に一貫性があるかを確認するため、そして3つ目は、学生が自社で働くイメージをするためです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
学生の人柄や性格を見るため
同じ企業に就職を志望する人であっても、キャリアビジョンは人それぞれなはずです。
たとえば、食品メーカーを志望する人も、将来的にどんな仕事をしたいと考えているかは違うのではないでしょうか。
世界の食料危機を救いたい人、食物アレルギーがある人でも家族そろって同じものが食べられるようにしたい人、日本の食文化を世界に広めたい人、食品ロスをなくしたい人、食品廃棄物の再利用を開発したい人など、さまざまなビジョンがあるはずです。
つまり、キャリアビジョンへの熱や思いは、最も人間味が出やすいので、一緒に働いていく仲間としてふさわしい人物か、人柄や性格が社風に合うか、職場にマッチするかなどの判断材料の1つになります。
行動の一貫性を見るため
将来ビジョンに対して、自社を選んでいるのはそもそもマッチしていないのではないかと思えることや、将来ビジョンに対して自社で志望している部門や職種が合致していないという場合、自社は本命ではないと考えることもできます。
本命でない就活生に内定を出しても、内定辞退されるリスクが高いため、その段階で切ることも可能です。
また、合致していない理由として、就活生が将来ビジョンをしっかり考えていない場合や、企業研究が十分でなく、企業の事業内容や職種の業務を間違って理解しているようなケースもあるかもしれません。
この場合、就職してもミスマッチを起こし、早期離職につながることや意欲が出ず、仕事で成果があげられないおそれが生じます。
そのため、ビジョンへ向かって行動をしているか、行動の一貫性を確認しようとしているのです。
学生が自社で働くイメージをするため
キャリアビジョンと行動の一貫性を知り、キャリアビジョンから、その学生の人柄や性格などを知ることで、もし採用をした場合にはこの部署が合いそう、この職種で活躍できそうなどイメージを持つことが可能となります。
その学生のキャリアビジョンを実現するには、こういうキャリアプランがあるなど、自社でのキャリア制度も踏まえたイメージも描けます。
面接官が具体的にイメージができ、イメージが膨らむ学生ほど、自社にマッチした人材であり、求める人物像に即していると考えることができ、選考にあたっての良き判断材料となるのです。
キャリアビジョンを考えるメリット
キャリアビジョンを考えるのにはメリットがいくつもあります。
就職活動の一環として、さまざまなキャリアビジョンのメリットを踏まえて考えてみましょう。
自分の将来が明確になる
キャリアビジョンを考えることのメリットはいくつかありますが、その一つはやはり自分の将来が明確になる、ということです。
自分の将来が明確になることで、自分がどういう仕事をしたいかがわかります。
特に技術職や専門職になりたい人は一般的な企業は好ましくなく、むしろ専門分野を活かした仕事のほうが好ましく、企業や業界を選ぶときのその選択肢がかなり変わってくるのではないでしょうか。
また、自分の将来が明確になることで、逆算すると今どういう資格や技能を取ればよいか、どういう企業へのインターンシップを行えばよいか選択することができます。
ただむやみに業界や職種、一般職化総合職を選ぶのではなく、自分がどうなりたいかを明確にし、そこから逆算していくのが一番よい方法といえるでしょう。
志望する企業のイメージが湧く
また、業界や職種がある程度明確になることで、志望する企業のイメージが湧きやすくなります。
これはたとえばどういう仕事がよいかだけではなく、どういう待遇の企業がよいか、どういう社風の企業がよさそうか、ということまで考えやすくなるというのが大きなメリットでしょう。
たとえば女性の場合は将来的にバリバリ働きたいのか子供を持って過程と両立させたいのかによっても違います。
バリバリ働きたい場合はハードでもしっかりお給料に反映される総合商社や営業中心の会社で総合職や経営、企画などで応募するほうがよいでしょう。
子供を持ちたい場合は一般職だけに限らず、総合職でも家庭と両立しやすいように工夫されている企業を選ぶ、産後復帰に理解のある企業を選ぶ、などの方法があるでしょう。
男性の場合でも同様で、どういう仕事をしたいのか、どういう雰囲気の会社がよいのか、ということも変わってきます。
自分は内気で誰かと交流することをあまり好まないという人の場合、男性でも内勤や技術職などのできるだけ関わる人の数や量を軽減できる仕事できるだけ関わる人の数や量を軽減できる仕事を選ぶことができるでしょう。
ガンガン出世してチームリーダーなどになりたい場合、年齢に関係なく実力で出世できる企業を選ぶ方がよい場合もあるでしょう。
こういったことが明確になることで、就職の軸が決まり、どういう企業に応募するか、どういう企業なのか見極めることが大切なのかがわかってきます。
どういう企業がよいかを明確にすることで、就職活動の方針や内容もかなり変わります。
いろいろな方針を立てるために、まずはキャリアビジョンを作ってみましょう。
キャリアビジョンの作り方① 準備をしよう!
キャリアビジョンを作るにはまず自身についてよく知ることが大切です。
今までの生活や経験の中で自分は何が得意で苦手なのかを挙げてください。
「強み」と「弱み」を把握することでより的確なキャリアビジョンができあがります。
さらに、文字にするとまとまった考え方ができるのでおすすめです。
焦らずに広い視野でこれまでの自分を振り返ってみましょう。
自己分析をしてみる
自己分析をすることで自身の人柄や関心について知ることができます。
過去から現在までを振り返り興味のあること、長所と短所、得意不得意興味のあること、長所と短所、得意不得意
注意点は苦い経験を思い出すのを避けてしまうこと、自身で自分を分析するため主観的になりやすいことです。
正面から己と向き合うことは成長のチャンスにつながります。
恐れず自己分析してみましょう。
家族や友人など周囲の人からの評価や意見を聞くことも大切です。
客観的な意見を得ることで自身では見えない部分を認識できます。
より明確な自己分析を行うためにも積極的に聞いてみましょう。
こちらの記事では自己分析のやり方を詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
自分の現時点の興味・関心を整理する
商品開発をして社会に貢献してみたい、デザイン性の高い商品を作りたい、食に関する仕事に就きたいなど興味があることを挙げてみましょう。
興味や関心が中々思い当たらない場合は、自身の趣味や好きなことを整理してみてください。
意外な自分の発見やヒントが隠れているかもしれません。
たとえば、スポーツが趣味でも、よくよく考えるとスポーツに関する商品が好きだと気付くことがあるのです。
また、どういうきっかけで関心を持ったのかを時系列に並べると、詳しくまとめることができます。
今の自分が何に興味があるのか整理して、軸のあるキャリアビジョンを作成しましょう。
業界分析・企業分析
自身の強みや興味にもとづいて企業や業界を分析しましょう。
分析方法はさまざまですが、ホームページや就活サイトの確認、業界地図や会社四季報の閲覧で業界の動向について理解ができます。
また、企業説明会や講演会、OB・OGの声など実際の現場の雰囲気を掴むことは重要です。
さらに、企業理念や経営方針を知ることで自身の志に合っているのか、資格取得などの目標が立てられるのかも検討できます。
どんなに素晴らしい企業でも相性が良くなければミスマッチにつながってしまいます。
細かな分析を行い多くの企業を多角的に見て理解を深めていくことが重要です。
この記事では業界研究のやり方を詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
結果が出やすい目標から考える
目標に向けて場当たりに行動してもすぐには結果が出ず、途中で挫折するおそれがあります。
まずは身近でできる小さなことを見つけて始めてみましょう。
たとえば、決めた時間内でどれだけ作業を効率良く終わらせるか計ってみるなど、些細なことで構いません。
結果が明確に出ることでやる気や自信を持てるようになり、モチベーションにもつながります。
社会人になってからも目標を立てて行動する機会は多くありますので、早い段階から達成のコツを掴むことは大切です。
できるだけたくさんのチャレンジをして目標達成して順調にステップアップしていきましょう。
できるだけ詳しくビジョンを立てる
キャリアビジョンは面接で重要視される項目の一つです。
なぜなら、人柄や意志を把握するだけではなく、入社後の働き方を具体的にイメージしているのか確認できるからです。
自身の熱意をアピールするチャンスを逃さないためにも、できるだけ詳しく立てることが重要となります。
また、キャリアビジョンは仕事に関することだけではなく、どういう生活を送りたいのか将来もイメージして考えてください。
5年後、10年後と区切り、詳しくビジョンを立てることでより想像しやすくなります。
あわせて目標に対するゴールを設定し、達成するための時間配分を的確に行いましょう。
キャリアビジョンの作り方② 実際に考えてみよう!
キャリアビジョンの作り方はいくつかありますが、ここでは王道の方法をお伝えします。
自分の過去の経験を洗い出す
まず、自分の過去の経験を洗い出してみてください。
そうすることで、過去の自分の出来事やどういうことに行動軸があるかどうかをチェックすることができます。
そのときにどういう出来事があり、どう思って、なぜそうしたのかを考えてみましょう。
書くことは明るいことや楽しいこと、自分が活躍できた場面でもよいでしょう。
さまざまなことを思い出してください。
自分がやりたいことを書き出す
次に、自分がやりたいことは一体なんなのかを書き出してみましょう。
これはとりあえずのことでも構いません。
当然「こういうことがやりたい」と明確な人ならすぐに書けるでしょうが。
もしそうではない場合は、とりあえずやりたいことをたくさん書き出してみるのも方法です。
仮にやりたいことが明確なら、より深く掘り下げてみるのもよいでしょう。
過去の経験とやりたいことの関係性を考える
そして、上記で考えた2つを考えてみます。
過去の経験とこれからやりたいことを考え、この2つのことにどう関連があるかを考えてみてください。
とりあえずやりたいことでもよいので、それをどうしてそう思ったのか、そしてこれからどうしたいのかということを関連付けることで、自分がどういうキャリアやどういうライフプランを希望しているのかを見極めることができるでしょう。
関係性から、自分の価値観を知る
この関係性は、あなたの価値観にも影響します。
実はこういった過去の経験はこれからのやりたいことについて影響をもたらしますし、これからやりたいことを考えると過去にどうしてそういう行動やこういうことを考えたのか、明確にしやすいでしょう。
たとえば、おしゃれが好きでファッション雑誌を月に10冊読むから、将来はファッションに関係する仕事や企業がいい、というような人もいるでしょう。
こういった人の場合はとにかくおしゃれな業界や華やかな業界が向いていると思われ、ファッションに関係する企業のほうがよいのではないかと考えられます。
仕事だけをキャリアビジョンと考えない
キャリアプランではなくビジョンですので、自身の生活のことを踏まえながら考える必要があります。
○歳までにはこんな姿になっておきたい、プライベートでこんなことを成し遂げたいから仕事ではこうしていきたい、などプライベートとのバランスもしっかり考えることが大切です。
自分の人生の未来図を思い描くことがキャリアビジョンと言えます。
書き感を踏まえて具体的なキャリアビジョンを考える
最後に、ここから具体的なキャリアビジョンを考えてみましょう。
このとき、自分がどういうアプローチができるか、企業にどういうアプローチができるかを考えて文章にするところまで行ってみてください。
こうすることで企業への志望理由を明確にできます。
どういう企業がよいのか、どういう業界や職種がよいのかを選ぶ方針を立てることや将来のキャリアを考えることもできます。
また、履歴書の志望動機を書くことができますし、当然ですが面接対策にもなるでしょう。
キャリアビジョンの作り方③ 具体的に深掘りしていこう!
キャリアプランはただ闇雲に作れば良いわけではありません。
キャリアプランがあることで人生の方向性が決まったり、これからどうすれば良いのかわかるため、キャリアプランを作る際は今後の人生まで考えて作ることが非常に重要です。
ここでは、キャリアプランを考える際のポイントについて詳しく解説していきます。
仕事とプライベートで分けて考える
キャリアプランと聞くと仕事で自分が達成したいことややりたいことしか話してはいけないのかと思う方も多いでしょう。
しかし、あなたの人生は非常に長く、仕事だけの人生ではありません。
企業も仕事面での目標ばかり話す人よりもプライベート面まで考えている人のキャリアプランの方がより現実的に考えていると思うでしょう。
また、なかなか仕事での目標やキャリアプランが思いつかないという方はプライベートのキャリアプランから考えたほうが仕事でのキャリアプランを考えやすいということもあります。
いつまでに達成したいのか決める
キャリアプランを考える際には、それをいつまでに達成したいのかという期限を決めることも大切です。
いつまでに達成したいキャリアプランなのかを考えることでより具体的に達成可能なキャリアプランを決めることもできます。
また、面接でキャリアプランについて答える際にもいつまでに達成したいという期限を説明することでより具体的に考えられているといった印象を与えることもできます。
キャリアビジョンの作り方④ 作ったものを見直そう!
一度キャリアプランを作るからにはそれを達成したいと考えるのは当然です。
しかし、キャリアプランとは長期的に叶えたい目標なので、いますぐに結果が出るものではありません。
キャリアプランを考えたものの、その達成に向けて動いているうちに徐々にモチベーションが薄れてしまうということも意外と多いです。
ここでは、一度設定したキャリアプランを実現するために必要な考え方について詳しく解説していきます。
目標を細かく設定する
キャリアプランとは中長期的にみたあなたの人生の目標やなりたい姿のことであり、毎日の生活の中でその成果を感じることは難しい場合が多いです。
そのためにも、キャリアプランを作成した後には、そのキャリアプランを達成するまでの細かい部分で小さな目標を設定することをおすすめします。
そうすることで徐々に目標に近づいているという実感が得られ、目標に向かって毎日頑張ることができるのです。
ここで大切なのは、小さな目標を設定するときは最終的な目標から逆算して考えることです。
そして、小さな目標をコツコツと達成すると最終的には目標を達成することができます。
定期的に見直す
キャリアプランは一度作成して満足するというものではありません。
作成してから定期的に見直す必要があります。
なぜなら、あなたの考え方ややりたいこと、人生の目標などは徐々に変化していくものだからです。
そのため、1年に1回でもいいのであなたのキャリアプランを見直す時間を設けることでより理想的な将来を実現できるようになります。
必要なのは、あなたがどうしたいのか、どうなりたいのかという気持ちです。
キャリアプラン達成に向けて頑張ってください。
キャリアビジョンを作る際のポイントと注意点
キャリアビジョンはエントリーシートや面接時に尋ねられることがあるだけでなく、エントリーする企業を決め、社会人としてこれからの人生を充実したものにしていくうえで、キャリアビジョンを作ることは重要な作業です。
どのような点に注意して描いていけば良いのか、チェックしておきましょう。
非現実的なものはイメージがしづらい
夢は大きく描く、将来は他の人が誰も成し遂げたことがないことをやりたいと思っていたとしても、キャリアビジョンを面接などで語るうえでは、もっと具体的でイメージしやすいものにするのが基本です。
その企業の中長期計画には出てこないような事業を勝手に作り出すことや実現が物理的、環境的に困難な非現実的な夢を語るのはやめましょう。
自動車メーカーの技術職を志望しながら、将来は宇宙船開発をこの企業で成し遂げますと言ったり、商社で国交が正常化されていない国で支店長になりますなどと言ったり、メーカーの研究職としてノーベル賞を目指しますなど、個人的な野望のようなキャリアビジョンを語るのは避けましょう。
定期的に見直すこと念頭に置いておく
描いたキャリアビジョンは必ずその通りに達成しなければ負け、というわけではありません。
長い職業人生において、その人の興味が変わることもあれば、身に付けた技術や経験を活かして違う仕事がしたくなることもあります。
また、経済環境や社会の変化、企業の置かれている環境や企業の方針転換によって変更を余儀なくされる場合もあれば、結婚や子どもの誕生、親の介護や自分の病気などライフステージやライフスタイルの変化に伴い変更が求められることも少なくありません。
こうなりたいという理想の自分を明確にしたうえで、状況の変化に応じて柔軟に見直しができるキャリアビジョンが望ましいといえます。
自己分析も同時に行っておくとベター
キャリアビジョンを作成するうえでは、その前提として自己分析を行うようにしましょう。
自分のことを理解していないのに、自分の将来を計画することは困難です。
自分はどんな人間でどんな性格や特技を持ち、どんな分野に興味があって、どんな点が弱いのかをしっかりと把握しましょう。
また、将来はどんな生活を送りたいのかなども考えながら、目標を設定し、そのためにはどんなキャリアを積んでいけば良いのかを検討します。
面接でキャリアビジョンを答える際のポイント
面接でよく聞かれる質問ですが、どのように答えれば良いのでしょうか?
コツはESと同じようにより簡潔にわかりやすく説明することが大事です。
結論→理由→具体例→結論
この流れで話すとわかりやすく、企業側にとってもあなたのキャリアビジョンが描けている印象を与えることができるでしょう。
キャリアビジョンの例文6選
キャリアビジョンを考えられない人のために、いくつかの例を紹介します。
※以下の例では「貴社」を用いていますが、書き言葉の場合「御社」、話し言葉の場合「貴社」が正しい使い方です。状況に応じて使い分けてくださいね。
【例文】IT業界のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、「データサイエンスを駆使して、企業の意思決定プロセスを革新するアナリストとして活躍すること」です。大学で統計学を専攻し、ビッグデータの解析に関するプロジェクトに従事しました。貴社のデータ分析部門で働き、精度の高いビジネスインサイトの提供を目指します。
【例文】商社業界のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、「国際ビジネスの専門家として、グローバルな市場での企業拡大を支援すること」です。大学時代には国際関係を学び、複数の国でのインターンシップを経験しました。この経験から、貴社の国際部門で働き、海外市場への進出を効果的にサポートしたいと考えています。
【例文】コンサルティング業界のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、「企業の持続可能性と環境保護を統合する環境コンサルタントとして、業界に新しい基準を設けること」です。大学で環境経済学を学び、企業の環境政策に関する研究を行いました。この知識を活かして、貴社の環境戦略を強化し、業界リーダーとしての地位を築くお手伝いをしたいです。
【例文】マーケティング業界のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、「マーケティング戦略の専門家として、ブランド価値の最大化と顧客エンゲージメントの向上を図ること」です。大学でマーケティングを学び、複数の実践的なキャンペーンを手掛けました。貴社のマーケティングチームに加わり、創造的かつ効果的なキャンペーンの企画および実施に貢献したいです。
【例文】アパレル業界のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、「ファッションデザイナーとして、持続可能な素材を使用した革新的なコレクションの創出に挑戦すること」です。大学でファッションデザインを専攻し、エコフレンドリーな素材に焦点を当てたプロジェクトに参加しました。貴社でこれらの素材を活用し、環境に優しい製品の開発を推進したいです。
【例文】教育業界のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、「教育技術を活用した先進的な学習プラットフォームの開発者として、教育の質を向上させること」です。大学で教育学とコンピュータ科学を学び、教育アプリの開発に携わりました。この経験を活かして、貴社の製品開発チームに参加し、革新的な教育ツールの開発に貢献したいです。
【例文】一般職のキャリアビジョン
企業の縁の下の力持ちとして全体をサポートできる人材になりたいです。小さいころから、どちらかといえば女性的な性格で、気が利くねとか優しいねと言われることが多くありました。コツコツ物を作ることや学内のイベントでもどちらかといえばサポートのような側面で褒められることが多かったように思います。着実で堅実に作業を行い、なおかつ効率化のためにさまざまな提案をすることも楽しく思えました。このため、将来的には貴社の環境を整えられる総務やさまざまな人をサポートする営業事務などの仕事を行いたいと思い、特に事務でも資格取得などに積極的な貴社を志望しました
【例文】企画職のキャリアビジョン
私は企画職として市場のニーズを分析し、社会に貢献できるようになりたいです。 インターンでデータ分析やチームワークの重要性を学び、市場のニーズを理解して戦略を立てるという企画職の仕事に魅力を感じました。 将来的にはリーダーとして、社会に価値を提供するプロジェクトを牽引したいと考えています。
【例文】事務職のキャリアビジョン
私は事務職として効率的な業務運営に貢献したいです。 昔から、リーダーとしてチームのメンバーを引っ張っていくよりも、メンバーをサポートすることで周りの人に感謝されたり、頼りにされることが多かったです。 過去の経験から、業務の効率化やチームのサポートがどれほど重要かを実感しました。 私の得意なスキルを活かして組織に貢献していきたいと考えています。
【例文】営業職のキャリアビジョン
私は営業職としてクライアントと良い信頼関係を築きながら、社内で業績1位を目指したいです。 そのためにはまずはお客様のニーズを理解し、それに応える提案力を身につけたいと思います。また、常に新しい情報を集め、市場動向を把握することも大切だと考えています。 将来的にはチームを率いるようなトップセールスマンになりたいです。
【例文】福祉系業界のキャリアビジョン
福祉業界で働きやすい環境創りができる人材になりたいです。私の身内に介護を必要とする人がいて、その人との交流から介護に関するさまざまなことや人手不足だという現状を知り、介護の技術が身に付く大学を志望しました。在学中にヘルパー二級を取得しており、また栄養士の資格も取っています。将来的には貴社で技術を活かして社会福祉士の資格を取り、ヘルパーや介護士がより働きやすくなる環境を整えられるような人材になりたいと思っています
【例文】エンジニア職のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、「持続可能なエネルギー解決策を開発するエンジニアとして、環境に貢献すること」です。大学では環境科学を学び、再生可能エネルギーのプロジェクトに携わりました。この経験から、貴社に入社して持続可能な技術の開発に取り組み、革新的なエネルギーソリューションの創出に寄与したいです。
【例文】デジタル職のキャリアビジョン
昔からデジタル業界で活躍したいと思っていました。小さいころにデジタルアートの作品を見て感動し、デジタルに関する興味が湧いたのがきっかけです。実際にはデジタルアートとまではいかなくてもエンジニアリングやデジタルの表現に関することに興味があり、将来的になにかデジタルアートに関わる仕事がしたいと思い、貴社を志望しました。今はまだ学習段階で資格もいくつか取り、学内プロジェクトにも参加しています。将来的にはチームリーダーや幹部などになり、技術を磨いていきたいと思っています
【例文】ジャーナリスト職のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、「ジャーナリストとして、調査報道を通じて社会に重要な情報を提供し、公共の利益に貢献すること」です。大学でジャーナリズムを専攻し、地域ニュースの取材に従事しました。貴社の報道チームに参加し、深い洞察と綿密な調査をもとに、信頼性の高い報道を行いたいです。
【例文】公務員のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、「公共政策の専門家として、政策立案の効果を最大化し、社会的な課題の解決に寄与すること」です。大学で政治学と公共行政を学び、地方政府でのインターンシップを経験しました。貴社でこの知識を生かし、効果的な政策提案の作成に携わりたいです。
キャリアビジョンのNG例3選
面接でキャリアプランを語る際に、内定には結び付きにくい、良くない例をご紹介します。
作成したキャリアプランが良くない例になっていないか、見直しを図りましょう。
私生活に関するプラン
私生活に関するプランはキャリアプランではなく、ライフプランです。
キャリアプランはあくまでも企業においての成長ステップや長い職業人生についてプランニングをするものです。
公私混同をしないように気を付けましょう。
たとえば、「生活を安定させたい」、「将来、結婚して子どもを持つために安定した職業に就きたい」、「将来、マイホームを買うために収入アップと昇格を目指したい」といったプランはNGです。
生活の安定や生活費などを稼ぐために働きたいなら、エントリーしたその企業でなくても叶えられます。
その企業に就職することの意味がわかりませんし、他に安定した企業や収入アップが期待できる企業があれば、簡単に転職する人と思われかねません。
採用するメリットが感じられないプラン
面接官はその企業で活躍して業績に貢献してくれる人材、新卒であればなおさら、企業の未来を担ってくれる人材を求めています。
そのため、長期での活躍や成長が期待できないプランでは心に響きません。
たとえば、「将来の夢は結婚して子どもを育てることで、その際は子育てに専念したいと思っています。
御社は子育て支援制度も充実しており、一度辞めた社員の再就職にも積極的なので私の理想の働き方にピッタリです。」などと言われても困ります。
公私混同による私生活に関するプランとすぐに辞めることや休業を前提にしたプランで採用するメリットが感じられません。
また、「3年ほど修業した後は、独立開業します。」「5年後には地元に戻って、家業を継ぐ約束を両親としています。」などのケースも、人材不足で長期に働いてほしい人物を求めている企業にとっては採用メリットを感じられません。
いずれ辞めることを前提にした人材は、愛社精神や仕事に対するモチベーションなども低い傾向にあり、採用をためらうケースの一つです。
自分勝手なキャリアプラン
近年は働きながらスキルや資格を身に付け、ステップアップしたいという人も増えてきました。
だからといって、資格取得だけが目標になってはいけません。
たとえば、「御社では資格取得支援制度が充実しているので、〇〇の資格を取り、次に△△の資格を取得し、××の資格も取得して成長したいです。」と言われても、その資格を使ってどう仕事に活かしていくのかが見えてきません。
単に資格取得で満足して自己成長し続けていくパターンと捉えられるだけでなく、企業の費用で資格を取得して転職する場合や独立起業するのではとも思われかねません。
採用されるキャリアプランにするためには、取得した資格を活かして、その企業でどのように活用しながら成長を目指すのかを語りましょう。
3年後、10年後のキャリアビジョンを聞かれることもある
キャリアビジョンは具体的に何年後のことなのか想定することでより考えやすくなります。
さらに具体性も増すため、企業からの評価も上がります。
3年後のキャリアビジョン
3年後は、自分が入社して仕事に慣れてくる時期になります。
そのため、現実的且つ具体的に考えることができます。
短期間でどんなスキルを身につけたいのか、どんな働き方を目指しているのかをできるだけ具体的に説明できるよう心掛けましょう。
3年後は比較的想像しやすいので、まずは3年後のキャリアビジョンについて考えましょう。
この記事では具体的に3年後、5年後のキャリアプランの立て方を解説しているので、参考にしてみてください。
10年後のキャリアビジョン
10年後のキャリアビジョンが、一般的に企業に問われているものです。
3年後よりも先のことなので少し難易度は上がるでしょう。
10年後自分が何しているか想像のつかない人も多いと思いますが、10年後のキャリアビジョンは多少抽象的でも構いません。
例えば、部下ができていることを想定して、頼られる人になっていたい、などでも良いです。
どうしてそう思ったのか、またどのように努力していくのか、仕事においてはどんな効果が期待できるかなどイメージを膨らませていきましょう。
まとめ
キャリアプランは一度作っても必ずその通りに行くとは限りません。
ですが、これから自分がどうなりたいかまだわからない段階では一度キャリアプランを作ることで、たくさんの企業から自分に合った企業を探しやすくなり、なおかつアピールしやすくなります。
自分にとってよりよい企業を探してみるためにも、ぜひ作ってみましょう。
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明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート