はじめに
「志望動機はどうやって書けばいいの?」 「内定がもらえる志望動機を書くためには、何に気をつければいいの?」 「志望動機が思いつかない。どうしたらいい?」 就活で必ず問われる志望動機について、このような疑問や不安がある学生も多いのではないでしょうか。
この記事では、採用担当者にアピールできる新卒の志望動機の例や印象が良くない志望動機、志望動機を書く際の注意点、志望動機が思いつかない時の方法などを紹介しています。
志望動機の重要性や企業が志望動機から何を見ているのか紹介していますので、採用担当者の印象に残る志望動機が作成できるでしょう。
就活でアピールできる志望動機を作成したいと考えている学生は、この記事を参考にしてください。
新卒は志望動機が重要
就職活動において採用のカギを握る、志望動機。
志望動機は、採用の全てのフローで質問される可能性があります。
エントリーシートに書いた内容をもとに面接が進むこともあるので、やっつけ仕事で書いてしまうのはとても危険です。
なぜなら志望動機は選考が進むにつれて、どんどん重要度が高まっていくからです。
「内定は志望動機にかかっている」といっても過言ではありません。ですが、志望動機が大切と言われても、
1.志望動機が思いつかない 2.何を書けば受かるのか分からない 3.そもそも何のために必要なの?
と、学生にとっては悩みの的になりますよね。
そこでこの記事では、新卒の就活における志望動機の疑問について解説していきたいと思います!
志望動機は「未来」のためにある
志望動機という項目は、学生と会社の「未来」のために聞かれます。
1.学生時代に頑張ったこと 2.自己PR 3.志望動機
これはエントリーシートや面接でよく聞かれる質問項目です。ただ聞かれたことに答えるだけではなくて、これらの質問をされる理由を一度考えてみてください。
「学生時代に頑張ったこと」では、学生の過去が分かります。 どんな経験をしてきたのかを聞き、そこから生まれた学生の特徴を「自己PR」で確認します。 最後、そういった経緯を踏まえて、未来で何がしたいのかを問うのが「志望動機」になります。
つまり、
・過去→学生時代に頑張ったこと ・現在→自己PR ・未来→志望動機
という一貫性を確認するために、志望動機が必要なのです!
また、学生が望んでいる未来は企業が向かっていく未来と合致しているのかどうかなど、企業の未来とのマッチ度をみるためにも志望動機は大切なのです。
企業は新卒志望動機の何を見ている?
就職活動の中で、志望動機は必ずと言ってよいほど聞かれる重要な設問です。
志望動機への対策を考える際には、企業が何を見ているのかを理解したうえで準備する必要があります。
就職活動のゴールは企業に採用されることですが、人事側は、今後あなたが企業に貢献してくれるであろう将来性に期待して採用するということを忘れないようにしましょう。
つまり志望動機からは、あなたが仕事を通して何を成し遂げたいと思っているか、就職活動の軸を見定められているのです。
志望動機を考える際には、目的と熱意を持って仕事に取り組める人物であることが伝わるようにしましょう。
次項から、各項目を詳しく解説します。
魅力を感じた部分ではなく「なぜ」魅力を感じたか
志望動機は、魅力を感じた理由を重視して伝えましょう。
なぜかと言うと、あなたが仕事に対して熱意と高いモチベーションを持っているかを見極めようとしているからです。
志望動機に含まれる「なぜ」魅力を感じたかという理由には、その人が重んじる価値観や物事の判断基準が反映されています。
その価値観や判断基準に至った背景や経緯が人生に深く基づいていれば、仕事に情熱を持って取り組み、将来活躍してくれるだろうというポテンシャルを感じます。
志望動機を考える際には、あなたの就職活動の軸が見え、企業の事業や業務に対して高いモチベーションを持って取り組むことができる将来性のある人物であることが伝わるようにしましょう。
働くにあたって十分なモチベーションを持っているか
企業側は、あなたが成果を上げられるかどうかを判断しようとしますから、モチベーションが高ければ仕事に対して能動的に取り組むだろうという信頼につながります。
志望動機から熱意を感じられれば、今後企業で働く際に仕事で結果を出したり、意欲的に成長できたりする人物であると将来性を感じられます。
反対に、個人的な理由に収まってしまうことは望ましくありませんので注意しましょう。
たとえば、福利厚生や年収などの条件面に終始してしまったり、「手に職をつけたいから」といった志望動機になったりしてしまうことです。
これでは、仕事に対する情熱やモチベーションが感じられませんので、企業で生き生きと働いているイメージも浮かばなくなってしまいます。
新卒の志望動機では、自ら率先して行動して着実に成果を上げられる、高いモチベーションを持っていることが伝わるようにしましょう。
事業や業務に能力が最大限に発揮されそうか
志望動機を伝える際には、「今できること」と「これからやりたいこと」の両方を、具体的なエピソードで話す必要があります。
たとえば、「今できること」だけを伝えてしまうと、あなたが何をしたいのか、将来のビジョンがよくわからないアピールになってしまいます。
反対に、「これからやりたいこと」だけを伝えても、何が得意な人物なのかが見えづらく、企業で活躍している具体的なビジョンが浮かんできません。
仕事の成果についても、能力である「今できること」とモチベーションの「これからやりたいこと」によって最大化されますので、志望動機はあなたの仕事に対する取り組み方を見極めるのに打ってつけの設問なのです。
新卒の志望動機では、「今できること」と「これからやりたいこと」を具体的なエピソードで話し、あなたが精力的に仕事を成し遂げ、企業に貢献してくれる人物であることが伝わるようにしましょう。
新卒が志望動機で伝えるべき3つのこと
新卒は志望動機が重要なこと、企業が志望動機の何を見ているのかわかっても、志望動機を書いたことない学生からすると何を書けば良いのか、何を伝えれば良いのか悩んでしまうものです。
ここでは、新卒が志望動機で伝えるべき3つのことを解説します。
志望動機で何を伝えれば良いかわかれば、志望動機が書きやすくなるでしょう。
どんな夢があるのか
社会で成し遂げたい夢や目標を伝えましょう。
1.日本をもっと便利にしたい 2.日本のグローバル化を進めたい 3.日本の教育をアップデートしたい
など、どんなビジョンでも大丈夫です。あなたの就活の軸となっている想いを、まずは表明してください。
まず最初に「私はこんなことがしたい!」と熱意を伝えることによって、面接官の印象にも残りやすくなります。
そして、自分のビジョンについて述べた後には、そう考えるに至った背景を語ると、説得力が増します。
「夢はでっかく」と言いますが、あまりにも抽象度が高かったり無謀に思えたりするような場合は、いかに経験と紐付けて論理的に語れるかが重要になります。
どうしてその会社を志望するのか
その会社を志望する根拠を伝えましょう。
これまで経験してきたことや、社会で成し遂げたい目標を踏まえた上で、「なぜその会社でなければいけないのか」を明確にしなければなりません。
どんな事業に携わりたいのか、どんな職種に惹かれているのか、どんな経験が活かせるのか、など具体的なところまで掘り下げて伝えることを心がけましょう。
「どうしてもこの会社でなければいけない」という熱意が伝わるように、志望する根拠は慎重に考えることをおすすめします。
入社後のキャリアプラン
新卒として入社後、どんなふうに働きたいと考えているのかを伝えましょう。
入社後のキャリアプランを語ることで、志望動機の信憑性が上がります。なぜなら、入社後のキャリアプランは会社の情報をきちんと得ていない限り、考えることができないからです。
具体的な要素としては、
1.どんな部署があるのか 2.どんな働き方ができるのか 3.どんな仕事に取り組めるのか
があります。
入社後のキャリアプランは、企業の採用サイトやOB訪問で情報を集めてから考えるとより具体的で明確なものになるはずです!
これは「志望動機で必ず述べるべき」という項目ではありませんが、入社後のイメージを組み立てておいて損はありません。
新卒の志望動機を書くときのポイント
新卒に限らず、志望動機というと、その企業に就職したいと思ったきっかけや理由を書けばいいと思っている人もいるでしょう。
しかし、志望動機はきっかけや理由を書くだけでは不十分で、説得力を持たせるためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
以下で紹介するポイントを理解しておけば、スムーズに新卒向けの志望動機を書くことができるようになるでしょう。
・根拠を持って具体的に書く ・なぜその企業でなければならないのかを書く ・企業と自分のつながりや結びつきを書く ・入社後のキャリアプランを書く ・結論から書き始める ・御社ではなく貴社と書く
根拠を持って具体的に書く
根拠も具体性もない志望動機では、企業の人事を納得させることができず、他の就活生との差別化もできません。
根拠を持って具体的に書くためには、その企業にした理由をさらに深堀して、自分のこれまでの経験を交えて志望動機を作成すると良いでしょう。
根拠を持って具体的に書くように心がけて、他の人とは違うオリジナリティのある志望動機を書きましょう。
なぜその企業でなければならないのかを書く
その会社を志望する根拠を伝えましょう。
これまで経験してきたことや、社会で成し遂げたい目標を踏まえた上で、「なぜその会社でなければいけないのか」を明確にしなければなりません。
どんな事業に携わりたいのか、どんな職種に惹かれているのか、どんな経験が活かせるのか、など具体的なところまで掘り下げて伝えることを心がけましょう。
「どうしてもこの会社でなければいけない」という熱意が伝わるように、志望する根拠は慎重に考えることをおすすめします。
企業と自分のつながりや結びつきを書く
企業と自分に何かしらの関わりがある場合には、それを伝えましょう。
「企業と自分のつながりや結びつき」は、実体験から生まれてくるものです。
志望動機に実体験を織り込むことで、人事に伝わりやすい内容にできるでしょう。
家電メーカーを志望している場合には、その企業の製品を使った感想や強く印象に残ったことなどを書くと良いでしょう。
入社後のキャリアプランを書く
新卒として入社後、どんなふうに働きたいと考えているのかを伝えましょう。
入社後のキャリアプランを語ることで、志望動機の信憑性が上がります。
なぜなら、入社後のキャリアプランは会社の情報をきちんと得ていない限り、考えることができないからです。
具体的な要素としては、
1.どんな部署があるのか 2.どんな働き方ができるのか 3.どんな仕事に取り組めるのか
があります。
入社後のキャリアプランは、企業の採用サイトやOB訪問で情報を集めてから考えるとより具体的で明確なものになるはずです!
これは「志望動機で必ず述べるべき」という項目ではありませんが、入社後のイメージを組み立てておいて損はありません。
結論から書き始める
何を言いたいか分かりやすくするために「結論から書き始める」ことが大切です。
これは志望動機に限らず、面接の質疑応答でも言えることですが、その結論に至った経緯や背景、理由から説明してしまうと、ダラダラとした印象だけが残り、何を言いたいか分からなくなります。
何を伝えたいか分からなくなると、論理的な思考ができない人というイメージを与えてしまい、コミュニケーションが大事な職種では不利になってしまうことも考えられるでしょう。
まず結論から書き始め、その後に理由や背景を書き、最後にまとめを添えると、まとまりのあるスッキリとした志望動機にできるでしょう。
御社ではなく貴社と書く
新卒採用に限らず、履歴書やエントリーシートに志望動機を書く場合には御社ではなく貴社と書くようにしましょう。
御社も貴社も相手の会社を敬って呼ぶときに使われる言葉ですが、使い方が違います。
御社は話し言葉であるため、面接や会話の中で使いますが、貴社は書き言葉であるため、履歴書はもちろん、メールや手紙などの中で使います。
志望動機で御社と表記してしまうと、就活生としてマナーがないと思われてしまうため、使い方には注意してください。
御社も貴社も、就活の最中はもちろん、社会人になってからも使うことが多いため、使い方を覚えておきましょう。
説明会後に志望動機を作成しなおそう
志望動機は提出するタイミングで伝えるべき内容も変わってきます。
説明会に参加するためにエントリーシートで事前に足切りをする企業もあれば、説明会参加後に興味を持ってくれた学生に対してエントリーシートの提出を求める企業もあります。
ここでは、説明会参加前後によって伝えるべき内容について解説していきます。
説明会前の志望動機
説明会に参加する前では、企業の情報は公開されているものしか手に入れることはできません。
しかし、それは他の就活生も同じ状況です。
そんな中、より魅力的な志望動機を提出してくれた就活生を企業が評価するのは自然なことです。
そのためには企業が公開している採用情報の他にも社長や社員などのSNSやOB・OG訪問などの企業研究を繰り返すことが必要です。
また、企業研究をしてから説明会に参加することでその説明会での理解度もより深まります。
説明会後の志望動機
説明会に参加した後では、その企業に対する理解度は非常に深まっていると企業は考えます。
説明会の中で企業が公開した採用条件や理念などの価値観のなかで自分にマッチしていると感じる部分をメインに企業にアピールしましょう。
そうすることで企業に入社したいという自分勝手な一方通行の志望動機ではなく、企業からも「新卒として採用したい!」と思ってもらえます。
志望動機で他の学生と差別化するためには?
志望動機で他の学生と差別化を図り、企業の印象に残るためにはどのようなことを意識すればいのでしょうか?
おなじ企業に応募する学生は沢山いますから、できれば他の学生よりも強く印象に残って企業の内定を獲得したいですよね。
そのためにはいくつか工夫する必要があります。
ここでは他の学生と差別化を図るためにどのようなことを意識すると良いのかお話します。
具体的なエピソードが大事
新卒の志望動機には、具体的なエピソードが重要になります。
もしかしたら、就活中のみなさんの中には、エピソードは多いほうがいいんじゃないの?と思っている方もいるかもしれません。
しかし、実際の新卒採油面接で重視されているのは、実はエピソードの量ではなく、質なのです。
魅力的なエピソードがいくつあったとしても、それが企業に魅力的に伝わらなければ意味がありません。
企業は就活面接において、あなたの人柄を知ろうとしています。
そのため、エピソードは一つに絞って掘り下げる必要があるのです。
エピソードを掘り下げると、苦労や挫折経験などをアピールすることができます。
より、あなたがどのような人柄であるかを詳細に企業に伝えることができるのです。
価値観や考え方に焦点を置こう
価値観や考え方に焦点を置いて志望動機を作成しましょう。
先ほど、エピソードは絞り込んで掘り下げることを意識した方がいいとお話しました。
それに加えて、あなたの価値観や考え方に焦点を置くことも意識しましょう。
もしかするとエピソードは他の学生とかぶってしまうかもしれません。
しかし、考え方や価値観、その当時抱いた感情などは人それぞれ違います。
価値観や考え方は他の学生と差別化を図るカギとなるのです。
ぜひ、気持ちを切り替えた経験などを積極的に説明しましょう。
企業に貢献する意思をアピールして締める
志望動機は最後、企業に貢献する意思をアピールして締めましょう。
企業は就活面接において、一緒に働く人材を探しています。
そのため、自分がいかに企業に貢献できる人材であるかをアピールすることはとても有効なのです。
企業の一員として働くビジョンを持っている学生は企業にとって魅力的な人材です。
自分がどのように企業に貢献できるのかアピールして志望動機を締めましょう。
印象が良くない志望動機とは
新卒の志望動機として活用したい内容やポイントがある一方、これは志望動機にしないほうがよいNG例もあります。
志望動機としては弱く、熱意が伝わらない例についてご紹介します。
待遇や福利厚生推し
就職するうえで待遇や福利厚生は確かに気になることですが、それだけが志望動機では意欲に欠けます。
働きやすさい環境を求めて転職する中途採用の方ならともかく、新卒の場合は仕事に対する意欲をアピールしたいところです。
会社が安定しているからとしか伝えない
安定した会社だからでは、企業としては選ばれた気がしません。
安定性しか求めていない、自分の保身や自分の生活しか考えていないと思われてしまいます。
時にはリスクをとっても新しいことにチャレンジする精神を持ち合わせた人物でないと、企業の安定成長や継続成長にはつながりません。
今の時代はどんなに安定していると思える企業でも、ちょっとしたトラブルや経済環境の変化、消費者などのニーズの変化や新しい技術の開発によって、生き残れなくなるリスクもあります。
安定性に依存するだけで、仕事への意欲や会社の成長に貢献しようという意欲が伝わらない志望動機はNGです。
受け身の姿勢
福利厚生重視の方や安定性を求めている方にもいえることですが、その企業にすでに用意されているものやその企業の現状に満足してしまう受け身の姿勢ではいけません。
自分が頑張って企業を成長させていきたい、業績に貢献していきたいという積極的な姿勢をアピールできる志望動機でないと、選んでもらえません。
退職することを前提としている
経営ノウハウを学びたい、店舗運営のノウハウを学びたいという志望動機はありですが、それがその企業内のキャリア形成であることが前提です。
将来は経営マネジメント陣になりたいので、イチから学んでステップアップしたいならOKですが、自分でお店を持ちたいのでノウハウを学びたい、御社の手法を学びたいではいけません。
独立支援をしている、修業OKといった会社なら別ですが、家業を継ぐまでの間、働きたい、修業をしたいというアピールも業種や企業の種類によってはNGです。
将来、アメリカに留学してMBAを取得したいので、そのための勉強と資金がほしいといった話もNGです。
MBAを目指す意欲は評価に値しますが、取得してその会社に活かすことが前提です。
また、結婚や出産をしたら子育てに専念したいから、それまで働くのにちょうどよさそうなど、自分よがりな志望動機も当然ながら控えましょう。
新卒の志望動機を書くときの注意点
新卒の志望動機を書くときには、いくつか注意しなければならないことがあります。
注意点を理解して書くことで、人事の担当者に伝わる内容の志望動機になるでしょう。
ここからは、新卒の志望動機を書くときの注意点を紹介していきます。
会社の説明にならないようにする
「この企業でないとダメ」という理由を作るために、延々と、志望動機の中に会社や事業の説明を書いてしまう人もいます。
会社の説明をしているだけの志望動機は誰でも書くことができるため、他の就活生と差別化できずに、強い印象を与えることができません。
人事担当者も会社情報は知っていて当たり前という姿勢でいるため、会社説明を省いて、オリジナリティがある志望動機にすることが大切です。
業界の志望理由にならないようにする
新卒の志望動機で伝えるべきなのは「その業界に入りたい理由」ではなく「その会社に入りたい理由」です。
学生の本音としては、興味のある業界に入れれば会社にこだわりはない、という想いもあるかと思います。
でも、会社側の目線で考えてみると、どうでしょうか。
「A社もB社もC社も好きだからどこかに入りたい」と言っている学生よりも、「絶対にA社に入りたい」と言っている学生の方が、採用したいという気持ちになるはずです。
逆に、「この学生はウチじゃなくてもいいんだな」と面接官に思われてしまったら、並外れて優秀ではない限り、選考を通過することは難しいでしょう。
そのため、志望する業界の中で魅力的な会社が複数あったとしても、志望動機では「その会社でなければいけない理由」を伝えられるようにしましょう。
受け身の志望動機にならないようにする
「その会社の魅力的なところ」を述べるだけでなく、「こんなところに魅力を感じているからこそ、こんなことがしたい」と伝えるように心がけましょう。
ただ会社の良いところを淡々と述べているだけでは、熱意を伝えることはできません。例えば、ベンチャー企業で「若手から成長できる」という会社の風土に惹かれたなら、「若手から成長できる環境で、どんな成長をしたいのか」を話す必要があります。
具体的な例文としては、「私は20代のうちに責任感をもって仕事ができる一人前の営業になりたいので、若手のうちから裁量権を持てる御社で成長したいです。」
といった言い方にすれば、惹かれた点と熱意を同時に伝えることができるでしょう。
受け身の姿勢では、仕事でも、就活でも、成功できません。
どんどん熱意を伝えるために、前のめりな姿勢で志望動機を考えてみてください。
「それってうちじゃなくてもいいよね?」
就活をしていると、選考企業にしか当てはまらない志望動機を話さなければならない気になってしまいます。
しかし、その企業に魅力を感じたポイントは福利厚生だったり業務内容だったりで、その企業でなければならないポイント=その企業を志望する理由となる場合の方が珍しいです。
それでは、なぜ企業はこの質問をするのでしょうか?
志望動機が浅い
もちろん、福利厚生なども企業を選ぶ際の重要な要素であることには変わりありません。
しかし、企業の制度だけをみて応募してるのではないか、自分のしたいことや主体性がないのかと判断されてしまう可能性もあります。
また、ネットに載っている志望動機の例文を使い回してるだけではないかと思われてもこうした質問をされてしまいます。
そもそもこの質問をされないように自己分析をした上で、自分がなぜその企業に魅力を感じたのか、自分の就活の軸などを交えながら説明できるといいでしょう。
それでも「うちじゃなくてもいいよね?」と質問されてしまった際の対処法
志望する企業全てに言えることかもしれませんが、この質問をされた場合には正直に競合の話をしても大丈夫です。
「確かに御社の競合である株式会社〇〇さんでも私のやりたいことはできるかもしれません。しかし、御社の〇〇という部分により共感しているので、私は御社を志望しています。」というように、競合や志望条件に合う企業を分かった上でこの企業を志望しているということがわかるようにアピールできるといいでしょう。
ミスマッチが起きないか
企業が新卒採用において最も恐れていることがミスマッチです。
多くの企業は新卒を採用する時にはポテンシャル採用で、今後の成長を見込んで採用しています。
にも関わらず、ミスマッチによって早期離職が起きてしまうとせっかくの採用計画が狂ってしまったり、採用コストが無駄になってしまったりします。
そうしたことを避けるためにも、企業はミスマッチのない採用を心がけています。
志望動機を伝える際には、ミスマッチが起きないという安心感を与えるためにも企業研究をした上で応募しているということが伝わるようにアピールするといいでしょう。
記入欄の8割以上は埋めておく
企業から300文字以内など文字数の指定がある場合はそれに従い志望動機を書くようにしますが、特に文字数の指定がないこともあります。
文字数の指定がない場合には、記入欄の8割以上を埋めるようにしましょう。
記入欄に空白が見られると「やる気がないのでは」「入社意欲が低いのでは」といったマイナスの評価をされてしまい、内容が良くても読んでもらえない可能性があります。
志望動機は中身が一番重要であることは言うまでもありませんが、人事担当者がパッと見て読んでみたいと思う仕上がりにすることが大切です。
新卒の志望動機で気をつけるべき3つのこと
企業と学生のマッチ度を見るために重要になる志望動機ですが、書き方を間違えてしまうと説得力のない内容やマイナスの印象を与えてしまうことになってしまうでしょう。
ここからは、新卒の志望動機で気をつけるべき3つのことについて解説していきます。
会社の説明になっていないか
「なぜ志望するのか」が聞かれているので、「こんな会社です」という会社の説明はできるだけ省略しましょう。
会社の表面的な情報を話すことは、まったく無意味です。
学生にとっては大きな情報でも、その会社で働いている面接官にとっては前提条件なのです。
例えば、ある企業が「海外進出したこと」が理由で志望するようになったとします。
その場合、
例文 御社は〇〇年に海外進出をしており、今ではマレーシアをはじめとした発展途上国を中心に売上を伸ばしています。 御社の製品である~~は現地の人々の必需品となるほどに生活に浸透していて、感銘を受けました。
という説明をしてはいけません。
例文 僕は学生時代にマレーシアへ渡航しました。 現地の人々が御社の製品を使用しているのを見て、海外向け製品の今後の可能性を感じました。 そのため、~~の商品改良や新規開発といった仕事に魅力を感じています。
このように伝えたほうが、学生のパーソナリティまで伝えることができます。
企業の説明は省略して、あなたらしさを伝える志望動機にしましょう。
業界の志望理由になっていないか
新卒の志望動機で伝えるべきなのは「その業界に入りたい理由」ではなく「その会社に入りたい理由」です。
学生の本音としては、興味のある業界に入れれば会社にこだわりはない、という想いもあるかと思います。
でも、会社側の目線で考えてみると、どうでしょうか。
「A社もB社もC社も好きだからどこかに入りたい」と言っている学生よりも、「絶対にA社に入りたい」と言っている学生のほうが、採用したいという気持ちになるはずです。
逆に、「この学生はウチじゃなくてもいいんだな」と面接官に思われてしまったら、並外れて優秀ではない限り、選考を通過することは難しいでしょう。
そのため、志望する業界の中で魅力的な会社が複数あったとしても、志望動機では「その会社でなければいけない理由」を伝えられるようにしましょう。
受け身の志望動機になっていないか
「その会社の魅力的なところ」を述べるだけでなく、「こんなところに魅力を感じているからこそ、こんなことがしたい」と伝えるように心がけましょう。
ただ会社の良いところを淡々と述べているだけでは、熱意を伝えることはできません。
例えば、ベンチャー企業で「若手から成長できる」という会社の風土に惹かれたなら、「若手から成長できる環境で、どんな成長をしたいのか」を話す必要があります。
具体的には
例文 私は20代のうちに責任感をもって仕事ができる一人前の営業になりたいので、若手のうちから裁量権を持てる御社で成長したいです。
といった言い方にすれば、惹かれた点と熱意を同時に伝えることができるでしょう。
受け身の姿勢では、仕事でも、就活でも、成功できません。どんどん熱意を伝えるために、前のめりな姿勢で志望動機を考えてみてください。
【新卒の志望動機】内定が取れる志望動機の構成例
志望動機は、その会社へのラブレターのようなもので、エントリーシートや面接における質問項目の中でももっとも重要なアピールポイントとなります。
内定を得るために、どのような志望動機を作成すればいいのかは、 内容はもちろんですが、構成もカギを握ります。
どんなに伝えたい内容がよくても、構成の仕方によってはわかりにくくなってしまい、十分に伝えられません。
以下の構成例を参考にして、内定獲得を目指しましょう。
結論:私は〇〇という点で貴社を志望しました
新卒の志望動機を伝える場合、結論からスタートします。
これによってあなたがなぜ、その企業を志望したのかが明確になります。
結論から述べることに慣れていない方も、就活での質問には結論から答えるクセを付けてください。
回り道をせず、ストレートに問いに答えることが大切です。
「志望動機を教えてください」と問われたのですから、「私は〇〇という点で貴社を志望しました」と最初に結論を述べましょう。
理由:なぜならば〇〇という経験で〇〇と考えたためです
次に、その理由を述べます。
最初の結論で伝えた「〇〇という点」が志望動機となった理由を明確にします。
なんとなくそう思ったというのではなく、「〇〇という経験」という具体的な経験を通じて、「〇〇と考えた」というように、その企業に入社したいと思った具体的なきっかけを伝えましょう。
エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました
志望する理由となったきっかけに結びつく、具体的なエピソードを紹介します。
自己PRや長所などを話す際にも、エピソードを紹介するのが基本ですが、志望動機の場合、企業を志望する動機となったエピソードや、その企業ややりたい仕事へと結びつく活躍や能力を示せたエピソードを選ぶことになるため、比較的探しやすいはずです。
もっとも、本命以外の企業の場合は、思いつかないと悩む方もいることでしょう。
その際には志望動機の構成の最後の締めとなる、「その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたい」につながることを考え、最後の結論からエピソードを選ぶのがおすすめです。
また、エピソードでは次のステップにあるように、そこで直面した問題と、あなたが問題解決のために活躍したことや実行したことを話します。
そして、それによって得た成果や学んだこと、身に付けた能力やノウハウの紹介をしなくてはなりません。
そのためエピソードを選ぶ際には、この点も意識して選びましょう。
問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
エピソードの概要を説明したら、その経験において直面した問題について説明しましょう。
面接官はあなたの話をはじめて聞くので、状況が具体的にイメージできるよう、わかりやすく説明することが大切です。
もっとも、ドラマ仕立てのように長々と物語を語るのではなく、端的にまとめて、状況をわかりやすく伝えてください。
行動:そのため私は〇〇を行いました
直面した問題に対して、あなたが解決するためにとった行動を伝えましょう。
誰かから言われて行ったとか、他の人が解決してくれた話ではなく、あなたが解決に取り組んだ経験であることがポイントです。
結果:その結果〇〇になりました
行動に出たところで終わるのではなく、あなたが行動に出た結果、どのような結果や成果につながったのかを伝えましょう。
あなたが行動に出たことで、どれだけの成果が上がったのかがわかるよう、生じていた問題とのビフォー、アフターがわかるにように、客観的な数値やデータなどで違いが示せると、より説得力が増します。
たとえば、アルバイト先で人手不足が生じていたので、業務工程の改善を提案して実行したところ、それまで15分かかっていた仕事が10分に短縮できるようになり、生産性が上がったといった形です。
結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
エピソードの結果を伝えたことで、結論を述べたような感覚に陥ってしまいがちですが、そこでは終わりません。
エピソードを話す構成は4ステップとなっており、いわば、そこだけで起承転結となっています。
エピソードの概要、生じていた問題、解決のために行動をとったこと、その結果を話すという起承転結です。
ここでいう結論は、志望動機全体の結論であり、一番のアピールポイントになります。
エピソードで行動を起こして得た結果、学んだことや身に付けた能力などを活かして、その企業で活躍したい、貢献したいとアピールしましょう。
最後の結論で、その企業への入社意欲の高さをしっかり示すことが、内定獲得のためには重要なポイントです。
もし、どのような貢献に結びつければいいのかわからない方は、最初の段階で企業が求める人物像や、志望している職種や仕事の適性について分析し、それにつながる内容で構成できるようにしましょう。
字数別!採用担当者にアピールする新卒の志望動機の例
履歴書やエントリーシートなどで、必ずと言っていいほど聞かれるのが志望動機です。
複数の企業に応募する際、毎回初めから作成することは非効率なことなので、使い回ししたくなるかもしれません。
ですが、完全に同じものを使うと、志望意欲や熱意が伝わりにくく、落とされてしまう可能性が高くなりますので、避けた方が無難です。
新卒の志望動機を書く際には構成を組み立てておくと、そのままそれがテンプレートになります。
後は必要なときに加筆・修正するだけなので、作業時間が少なくて済みます。
企業の中には志望動機に文字規定を設定しているところもあります。
多いのは200文字・300文字・400文字・500文字ですので、文字数ごとに、事前にテンプレートを作成しておくことをおすすめします。
ここでは各字数別の志望動機について、書き方など例文を交えながら解説します。
200文字
志望動機の中で一番文字数が少ないと言われているのが、200文字です。
「200文字以内」と指定された場合、200文字を超えないように注意します。
少なくとも8~9割書く必要があるので、180~190文字埋めることを目標にしましょう。
「200文字程度」と指定された場合は、多少文字が超えても問題ありません。
その場合、10%程度に留めるのが無難です。
210文字以内におさまるように仕上げましょう。
特徴
200文字の志望動機は、履歴書のスペースに少し余裕が出る程度の文字数になります。
読み手には、志望動機がすぐに把握できるというメリットがあり、書き手には、制限された文字数内で、志望動機を簡潔に伝えるスキルが求められます。
200文字を書いたことがあるのならわかりますが、あっという間に埋まってしまいます。
「伝えるべきことを簡潔に伝える」というのが、200文字の大きな特徴と言えるでしょう。
200文字で書くときのコツ
かなり文字数が制限されますので、志望動機の構成をすべて当てはめようとすると、無理が出てきます。
200文字の志望動機を書く際は、構成をコンパクトにまとめるようにしましょう。
構成は「結論(志望意欲)」「理由(志望するに至った経緯)」「結論(入社後貢献したいこと)」とし、とりあえず書いてみます。
文字数が必要以上に超過する場合は、無駄な表現と思われる箇所は削りましょう。
たとえば「コミュニケーション」を「意思疎通」と言い換えると、文字数が減ります。
200文字以内におさめるのが難しい場合は、文字数が少ない表現に言い換えできないかどうかチェックしてみましょう。
例文
電機業界の最前線で、生活を豊かにする電化製品を消費者に提供し続ける、貴社を志望します。 子供の頃から身近にある電化製品のほとんどは貴社のもので、その便利さと丈夫さから、ファンになりました。 人々の生活を豊かにするだけでなく、環境に優しい製品の開発に、いち早く取り組む姿勢にも魅力を感じています。 良い電化製品を世に広げ、多くの人々に幸せにしたいという、情熱と行動力を活かし、貴社に貢献したい所存です。
300文字
履歴書の志望動機欄が、300文字と言われています。
志望動機欄には罫線がないため、それを無視して大きな文字で書くと、はみ出てしまうので注意が必要です。
「300文字以内」と指定されたら、300文字を超えないことを念頭に、記入しましょう。
8~9割埋めるとして、少なくとも260~290文字は書きます。
「300文字程度」は、300文字からプラス・マイナス10%が許容範囲になりますので、290~310文字で書くことがポイントです。
特徴
履歴書の志望動機欄のスペースに相当する300文字は、最も頻度の高い志望動機と言えます。
志望動機の書き方を練習するなら、300文字から始めると良いかもしれません。
エントリーシートや履歴書の志望動機欄に志望動機を記入すると、だいたい300文字になります。
企業の採用担当者は読み慣れていますので、意図を読み取ってもらいやすい長さと考えられます。
300文字で書くときのコツ
志望動機の中には500文字以上のものもあり、300文字はどちらかというと、ボリュームが少なめの志望時になります。
200文字同様伝えるべきことを1つに絞り、「結論(志望意欲)」「理由(志望するに至った経緯)」「結論(入社後貢献したいこと)」の構成で、書き進めましょう。
志望動機を手書きで書く場合、文字の大きさとスペースに気をつけます。
文字は、小さすぎず大きすぎず、欄からはみ出さないように書くことがポイントになります。
例文
貴社を志望する理由は、独自のテクノロジーで情報通信事業を展開、ITを通して社会を豊かにすると考えたからです。 私は、社会や経済の発展に大きな影響を与えるIoTやAIに可能性を感じ、IT業界での仕事を志望しております。 中でも貴社は、技術者の育成に力を入れ、自治体とともに、ICT地域活性化事業にも取り組まれています。 また、従業員一人ひとりが持つ技術力が、会社の技術になるというスタンスに共感したのも、志望に至った理由です。 私は大学でAIとICTを学び、趣味でソフトウェアを自作しています。 これまで身につけた知識とスキルを活かし、貴社の発展に尽力するとともに、社会にも貢献していきたいと考えております。
400文字
文字規定の中でも、比較的指定されることの多い志望動機になります。
企業によって「400文字以内」「400文字程度」と異なりますが、「400文字以内」は、400文字を超えずに、最低でも8~9割書くようにします。
400文字なら320~360文字が、最低必要になります。
「400文字程度」は、400文字以上になっても問題ありません。
ただし、多すぎると規定以上と見なされてしまうことがありますので、多くなっても10%以下(440文字)におさめるのが得策です。
特徴
200文字のちょうど2倍のボリュームで、志望動機の構成にそって書きやすい長さです。
エピソードを挿入しやすい長さのため、簡潔に伝えることだけでなく、自分の人柄や才能についても伝えられるメリットがあります。
ただし、ダラダラ書いてしまったり、あれもこれもと情報を詰め込んだりしてしまうと、読み手に正しく伝わらないリスクも高まりますので、注意が必要です。
400文字で書くときのコツ
事前に志望動機の構成を組み立てることが、良い志望動機を書くポイントになります。
200文字と300文字は、「結論(志望意欲)」「理由(志望するに至った経緯)」「結論(入社後貢献したいこと)」としましたが、400文字には「エピソード」も盛り込み、志望意欲や自分の持つ能力などをアピールするのに役立てましょう。
才能などをアピールすると言っても、自分の凄さを示すという意味ではありません。
あくまでも、持っているものを活かして、会社や社会に貢献するという「結論」につなげることが大切です。
例文
私は、街の再開発事業に力を注いでいる貴社を志望します。 デベロッパーに興味を持ったキッカケは、まちづくりをテーマにしたゲームです。 インフラを整備し、住宅を開発することで街が豊かになることに魅力を感じ、リアルの世界でも開発に関わりたいと思うようになりました。 貴社は地元に根ざした開発事業を展開し、地域の活性化に尽力する一方で、海外にも進出、グローバルな視点で挑戦を続けておられます。 貴社の取り組みは、私の考えと重なり、デベロッパーとして貴社で働いてみたいと感じました。 私は大学時代サークルで、新企画を立ち上げ、運営する活動をしていました。 活動を通して学んだことは、対象者のニーズについて事前調査を行い、メンバーとマメに連絡を取りながら進めていくことが、企画を成功させるカギになるということでした。 入社後はコミュニケーション能力を活かして仕事に励み、地域社会の活性化に貢献していきたいと考えております。
500文字
中程度の長さを持つ志望動機です。
500文字ありますので、志望意欲や理由のほかに、業界を志望する理由や、企業の事業内容に向いている長所や特技についても、アピールできます。
「500文字以内」と指定された場合、500文字を超えないように気をつけます。
8~9割(400~450文字)埋めるつもりで書くと良いでしょう。
「500文字程度」であれば、450~550文字以内でおさめるのが無難です。
特徴
構成力がしっかりしていると、とても読みやすく、志望動機がよく伝わる内容になります。
ボリュームがある分訴求力が高まりますが、構成を組み立てずに書いてしまうと、話が横道にそれたり、まとまりのない志望動機で終わったりしてしまう可能性が出てきますので、注意が必要です。
500文字で書くときのコツ
500文字の志望動機を書くときは、文の構成を組み立て、盛り込む情報のバランスに注意することが大切です。
志望動機の構成は、「結論(志望意欲)」「理由(志望するに至った経緯)」「エピソード(経験から学んだことや考え)」「結論(入社後貢献したいこと)」とするのが無難で、アピールするポイントと常にすり合わせながら書き進めましょう。
例文
食を通して人々を笑顔にしたく、貴社を希望します。 昔から料理が得意で、おいしそうに食べる家族の顔を見るのが好きでした。 落ち込んだとき、食べることで、身体からエネルギーが湧いてきます。 自分だけでなく、周囲も幸せにする食に可能性を感じ、食品業界を志望するようになりました。 数ある食品メーカーの中から貴社を志望した理由は、貴社の食品には優しさが宿っているからです。 これまで貴社の商品を口にする機会が何度かありましたが、食べる度においしさとともに、安心感に包まれました。 それは貴社が誠意を持ち、お客様においしい商品をお届けしているからだと思います。 OB訪問のとき、貴社のアットホームな雰囲気に安らぎを覚えました。 社員の方々には優しく接していただき、中には励ましの言葉をかけてくださる方もいて、思い出深いOB訪問となりました。 この経験から、良い環境が良い食品を生むということを実感、食を通して人々を笑顔にしたいという、私の思いを実現できるのは貴社しかない、という気持ちが強くなりました。 入社後は、貴社で食品開発のノウハウを学び、より多くのお客様においしさと優しさが詰まった商品を広めることに尽力します。
通過する新卒志望動機の例
通過する志望動機を作るためには、その企業でなければならない理由や社会でどのように貢献していきたいのか、入社後に何をしたいのかを明確にしなければなりません。
同業他社でもできることを書いても採用担当者の心に響きませんし、ただ自分のやりたいことだけを羅列しただけでは考えの甘さを指摘されてしまいます。
魅力的な志望動機を作れるように、自己分析、企業研究・業界研究をしっかり行いましょう。
また、内定を通過した人のエントリーシートを参考にするのもおすすめです。
企業が何を見ているのか、内定がもらえる志望動機の書き方が身につきます。
内定者のエントリーシートを公開しているWebサイトがいくつかありますので、参考にすると良いでしょう。
テーマ別!採用担当者にアピールする新卒の志望動機の例
ここからは、テーマ別!採用担当者にアピールする新卒の志望動機の例を紹介していきます。
志望動機がうまく書けないという場合には、どうしてその企業で働くことを希望しているのか、企業の魅力に感じる部分はどこかということを掘り下げていくと良いでしょう。
企業のどの部分に魅力を感じたかということは学生によって違い、商品に魅力を感じる人もいれば、企業が行う独自の制度に魅力を感じる人もいます。
企業の魅力を掘り下げていくことで、企業と価値観が合っていると思わせることができるため、魅力ある志望動機に仕上がるでしょう。
商品に魅力を感じている場合
商品に魅力を感じていることを志望動機に盛り込みたい場合、魅力を感じる商品が有形か無形かで書き方を変える必要があります。
また、ただ好きという気持ちを伝えるのではなく、興味を持つきっかけや企業の魅力も伝えられるようにしましょう。
有形商品に魅力を感じている場合の例 貴社を志望する理由は、食を通して人々の豊かな暮らしを支えたいと考えたからです。 私は母子家庭で育ちました。 母は私や妹のために忙しく仕事をしていたため、中学生になるころには私が食事を作るようになりました。 その際、大活躍したのが貴社の冷凍食品でした。 料理の時間を短縮してくれるだけでなく、美味しく作れることで、夕食の時間は忙しさを忘れ団らんを持つことができました。 現代は家族形態も多様化しており、母子家庭だけでなく共働き世帯も増えています。 貴社が提供する高品質な食品で多くの家庭を笑顔にしたいと考えております。
無形商品に魅力を感じている場合の例 貴社を志望する理由は、リスクが多い現代において新たな保険商品を開発することで、人々に安心をもたらしたいと考えたからです。 貴社は時代に合わせた商品開発力に強みがあり、他の企業にはない保険商品の開発、提供を行っています。 私も貴社で保険商品の開発に携わり、人々が安心して暮らせるお手伝いをしていきたいと考えています。
評価制度に魅力を感じている場合
評価制度に魅力を感じたということを志望動機に盛り込む場合、評価制度のもと自分が成長できることや自分が企業に貢献できることをアピールするようにしましょう。
評価制度に魅力を感じている場合の例 私は、年齢や経験に関係なく個人の成果に応じた評価制度に魅力を感じて貴社を志望しました。 私は学生時代、携帯ショップの販売員のアルバイトをしていました。 そのショップでは、1ヶ月の販売数に応じて時給がアップする制度がありました。 頑張れば評価してもらえるということがモチベーションアップに繋がり、より高い目標に向かって頑張ろうという気持ちを持てました。 貴社においても積極的に知識や技術を吸収しながら、貪欲に成果を求めて努力したいと考えています。
福利厚生に魅力を感じている場合
気持よく仕事をするためには、福利厚生は企業選びの重要なポイントになるため、福利厚生に魅力を感じて企業選びをする学生もいるでしょう。
福利厚生に魅力を感じることは悪いことではありませんが、福利厚生を志望動機の軸にしてしまうと「利己的」という印象を与えてしまうだけでなく、「学生の良さがわからない」というデメリットがあります。
福利厚生だけにフォーカスせず、「素晴らしい制度を取り入れている企業の理念に共感している」「福利厚生が働く意欲につながる」といった表現にするようにしましょう。
福利厚生に魅力を感じている場合の例 私が貴社を志望したのは、「従業員を第一に考えることこそが、製品の品質維持につながる」という企業理念に共感したためです。 企業が従業員を第一に考えることで、従業員も企業や製品を愛し、良い製品をお客様に届けようとやりがいを持って働けるのでは感じました。 また、貴社は他社に比べ福利厚生が充実しています。 説明会の際、先輩社員の方から働きやすい企業だということを伺いました。 福利厚生の充実も従業員を第一に考える理念のもとに実行されていることだと思います。 企業が従業員を愛し、従業員が企業や製品を愛す、貴社で自分もやりがいを持って働けたらと考えています。
新卒で志望動機が思いつかない時の方法
どうしても志望動機が思いつかない時はあります。
ただ漠然と入社したいと思ったなど、本当の志望動機には企業に言えないさまざまな理由があります。
そんな時でも志望動機を思いつくことができる最強の方法を紹介します。
自己分析をする
就活をしていると何度も言われることがあると思いますが、とにかく自己分析が大切です。
自己分析をすると、自分がどういった考えを持った人間で今後どうなっていくのかある程度考えることができます。
とはいっても自己分析をする方法がわからないという就活生でも簡単にできるような方法を紹介します。
モチベーショングラフ
モチベーショングラフとは、自分の人生を振り返るために使われるものです。
小学校入学くらいから自分の人生をグラフで表していきます。
そうすると自分が嬉しかったことや苦しかったこと、頑張れたことなどがその時期や出来事と一緒に思い出して可視化することができます。
それを見れば自分がどんな時にモチベーションが上がるのか、どんな時に頑張れるのかがわかるため、新卒として企業に就職する際もどんな企業だったら自分が頑張ることができるのかある程度推測することができます。
なぜ?で掘り下げる
モチベーショングラフで自分が頑張れた経験がわかったら、その経験に対して「なぜ?」と自問自答することで自分がなぜ頑張れたのか客観的に理解することができます。
また、自分がどんな時に頑張れるのか、その根本が理解できるため企業に対して説明するときも役に立ちます。
例) 野球でスタメンに選ばれるために頑張った なんで頑張れたの? スタメンから外れて悔しかった なんで悔しかったの? 自分の実力を否定された気分になった なんでそんな気分になったの? 自分に自信があった なんで自分に自信があったの? 人一倍努力しているつもりだった なんで努力できたの? 野球を通じて他の人に認められるのが嬉しかった
このように、自分の承認欲求に気づくことができます。
実際に自己分析を志望動機に活かす方法
自己分析をすることで、自分のモチベーションなどの根本を理解することができます。
企業の採用情報をよく調べると、そうした自分の強みなどと重なる部分がいくつもあることに気づきます。
それをさらに深堀することで志望動機を書くことができるのです。
先ほどの例を参考にすると、自分の承認欲求と企業の評価制度に重なる部分があると感じたといったようにアピールすることができます。
企業の求める人物像から逆算する
自己分析などをしても自分の志望動機が思いつかないという場合には企業が公開している求める人物像から逆算して考えることも有効です。
企業が公開している情報は限られているため、なぜその情報を公開しているのか?といった企業の思惑まで自分で考えて志望動機を作成すると企業側も目を引く志望動機を作ることができます。
例えば、求める人物像として素直さをあげている企業があったとしたら、なぜその企業は素直さを求めているのかを考えるのです。
その背景には、例えば企業の研修がそこまで整っていないため、一度の研修で多くを学んで欲しいといったような思いが込められていることもあります。
そうした場合には志望動機でも素直さに触れた後、自分の吸収力についてアピールすることで企業に目を引いてもらう志望動機を作成することができます。
企業が公開しているIR情報を参考にする
IR情報とは、企業が投資家に対してオンライン上で無料公開している企業情報のことです。
つまり、企業分析を企業が勝手にやってくれているという状況なのです。
このIR情報を参考にすると、企業の今後の展望がわかり、それに合わせた志望動機を作成することでまさに企業が欲している人材であることをアピールすることができます。
さらには他の就活生はなかなか見ることのない情報なので他の就活生に対して差別化をすることもできます。
志望度が高くなくても一度有名な企業のIR情報を確認してみることをオススメします。
就活の軸を明確にしよう
志望動機が決まらないという方は就活の軸が定まっていない可能性があります。
就活の軸とは、どんな企業でどんな仕事をしたいのかというあなたが就活をする上で重視しているポイントになります。
企業によっては選考の中でこうしたポイントを聞いてくることもあるため、しっかりと準備しておきましょう。
また、就活の軸があることによって志望動機もそれに合わせたものを考えることができるため、企業選びだけでなく志望動機を考える際にも役に立ちます。
ここでは、就活の軸を考える際に重要な3つのポイントについて解説していきます。
就活の軸をしっかりともち、内定獲得に近づきましょう。
何をしたいのか
企業で働くということは、言われたことをやっているだけではいけません。
あなたが主体的に考えて目標をたてて行動することを企業は求めています。
そのためにも、あなたがやりたいことを考えることが必要です。
もしも何をしたいのかわからないという方は何に興味があるのかについて考えてみることをおすすめします。
世の中には本当に多くの仕事があります。
自分が知らないだけで実は興味のある仕事も見つかるかもしれないので、一度時間をとってどんな仕事があるのかについて調べてみることをおすすめします。
何をしたくないのか
何をしたいのかを考えた後には何をしたくないのかについても考えてみましょう。
例えば、どれだけサッカーが好きだったとしても大嫌いな監督と一緒に土砂降りのグラウンドでサッカーをしたいと考える人はいません。
それと一緒で、あなたはどんな仕事をしたくないのかということについても考えておかなければなりません。
また、仕事は環境も大切です。
このコロナ禍においてリモートワークを導入しているかどうかについても重要なポイントの一つでしょう。
どういった環境であなたのモチベーションが上がるのか、どういった環境でやる気がなくなってしまうのかといった部分を把握することで新卒として入社後にうまくやっていけるかどうかについてまで考えられるようになります。
どうなりたいのか
何をしたいのか、何をしたくないのかといった部分は現在のあなたが感じているものになります。
一方で、今後どうなりたいのかといった未来の部分まで企業はみています。
あなたが今後仕事を通してどうなっていきたいのか、その方向性は企業の掲げる方向性や展望とマッチしているのかまで知りたいと考えているのです。
学生のうちからこうした仕事を通しての目標を持つことは難しいと思いますが、OB・OG訪問などを通して色々な話を聞き、将来の方向性を決めていけるようにしておくことをおすすめします。
就活生が志望動機で使いがちな題材
就活生が面接で志望動機を話す際、よく使いがちなパターンがいくつかあります。
これから紹介する例は、よく就活の場において用いられるため、人とかぶるのを避けたい方は把握しておきましょう。
使われがちな主な志望動機は、「人・社風に魅力を感じた」、「仕事内容に興味がある」、「事業内容・理念に共感した」などが挙げられます。
これらを志望動機で用いられる方は多いため、これらを考えている方は、何かアレンジを加えるようにすることや工夫を施して話すことが大切です。
人・社風
面接の志望動機において、人や社風に魅力を感じたというエピソードを話す方は多くいます。
特に、企業の説明会や、面接、OB訪問などを通して、人事の社員さんや企業全体の社風に対して魅力を感じたという方は多く、それらを志望動機として話す就活生は多いです。
もちろん、その理由を志望動機にするのは決して悪いことではないのですが、その企業を志望する理由として一つに絞るには、少し弱いエピソードになりかねません。
「このような社風であれば、ほかの企業でも良いのでは?」という印象を面接官に与えないためにも、人や社風に魅力を感じたというエピソードは、あくまでほかの志望動機に添えるように話すと良いでしょう。
その企業を志すほかの理由と一緒に話すと、好印象を与えられるかと思います。
仕事内容
仕事内容自体に興味があって、それができるから応募したという志望動機は多く見られます。
その企業を志望する理由としては、その職種をきちんと明確に理解している印象を与えられるため良いですが、一つ注意しておきたい点があるのが特徴です。
仕事内容に興味を持ったと話す際は、「なぜ自分がその仕事内容に興味を持っているのか」や、「その仕事内容を通してどのように活躍できると思うのか」をしっかり話せるようにしておくことが必要になります。
ここの部分がしっかりしていないと、単純に仕事内容に向いていると思ったからというハッキリしない志望動機になってしまいます。
仕事内容に興味があることを話す際は、必ず自分の意思や考えることのアピールを忘れずに、詳しく話せるようにしておきましょう。
事業内容・理念に共感
企業の事業内容や、企業のビジョン、理念に共感しているという志望動機を話す就活生はとても多いのが事実です。
企業として行っていることや、その特色、考え方は社風などと同じようにその企業を形成する大きなポイントと言えます。
その部分に共感できるかどうかというのは、企業側としては重要視しているポイントでもあるのです。
ですが、この部分に関しては、あくまでその人材のビジョンとずれていないかを確認するポイントであるとも言えます。
そのため、ただ企業理念に共感したということを伝えるだけでは、アピールとしては弱いと感じられるのが特徴です。
事業内容や企業理念に共感したというのを話す際は、「共感したうえで考えること」や、「自身が貢献したいと志す理由」をしっかり話せるようにしておくと周りと差をつけられます。
新卒の志望動機は就活のプロに依頼しよう
今回の記事では、就職活動の面接において、志望動機を考える際に役立つさまざまなポイントをご紹介してきましたが、初めての就職活動ではわからないことも多いかと思います。
ピンとくる志望動機が考えられず、どう話したら良いかわからない場合は、そのまま就職活動に挑んでも、ご自身の魅力が最大限伝わらないため、早めに解決策を採ることが大切です。
不完全燃焼のまま就職活動に挑む前にも、志望動機がうまく思いつかない場合は、一人で悩まずに、プロの力を借りることが解決策の一つと言えます。
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面接官に「伝わる」志望動機を書こう
以上、志望動機についての解説でした。
就職活動では、面接官となる方から「一緒に働いていきたい」と思って貰う必要があります。
そのため、あなたが経験してきたことやあなたの性格を踏まえた上で、「この会社でどんなことを成し遂げたいのか」というのが伝わる志望動機を考えることが大切です。
『志望動機を制するものは、就職活動を制する』です!頑張りましょう!
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート