エントリーシート(ES)では、卒論テーマを求められたり、ガクチカとして研究内容を書きたかったり、ということが少なくありません。
この記事では、エントリーシート(ES)への研究内容の書き方を解説していきます。
書き方のポイントや例文、文字数制限があるときの書き方まで幅広く解説をしていますので、この記事を読んでエントリーシート(ES)への研究内容の書き方を完璧にしましょう。
【ESの研究内容】基本の書き方を押さえて書こう!
エントリーシート(ES)に研究内容を書く際は、まず、基本の書き方から押さえておきましょう。
そもそも、ゼミの活動内容や研究テーマについて触れるアピール文章は、わかりにくくなってしまいがちな部分が難点です。
専門的な話をしたり情報を詰め込んだりすると、魅力的に内容をアピールしたつもりでも、「わかりにくい」という印象ばかりが先行してしまいます。
そのため、エントリーシートに研究内容を書く場合は、とにかく簡潔にわかりやすく述べることを心がけましょう。
なお、専門的な情報を入れすぎると、わかりにくいだけでなく専門知識の不必要な誇示にも見えてしまうため注意が必要です。
【ESの研究内容】そもそも何を書く蘭?
エントリーシートに研究内容を書くときは、そもそも「研究内容」とはどのようなことを書く欄なのか整理しておきましょう。
あらかじめ企業が知りたいこと、一般的に書くべきことなどを学んでおけば、実際に書く際も筆が進みやすくなります。
ここでは、以下の通り学生のタイプ別に書くべきことを紹介していきます。
- 文系の学部生
- 理系の学部生
- 大学院生
文系・理系・大学院生によって、エントリーシートの研究内容の欄に書くべきことは変わってきます。
では、詳細を一つひとつ見ていきましょう。
文系の学部生
文系の学部生は、ゼミで扱っている研究内容や卒業論文のテーマを書くと良いでしょう。
文系の場合は明確に「研究」といえるようなことをしていない場合も多いですが、世間一般的にみれば、論文作成のために何らかの調査をすることもれっきとした研究にあたります。
大学3年生以降は学ぶこともより幅が狭まり、ゼミ活動を通じて多くのレポートや論文を作成したり、プレゼンを行ったりするものです。
その際に資料・文献をチェックしたり、テーマについての実情を調べたりすれば、多かれ少なかれそのことについての専門性は高まるでしょう。
したがって「何が研究内容にあたるのかわからない」となった際は、ゼミのテーマや卒業論文の題材に着目し、自分の専門を述べるようにしてください。
理系の学部生
理系の学部生の場合は、今取り組んでいる研究内容をそのまま書くかたちで問題ありません。
文系と比べると理系の学部生は、ゼミや授業の中で明確に「研究」「調査」と呼べることを行う機会が多いため、エントリーシートの研究内容は比較的書きやすいと考えられます。
なお、複数の研究に携わっている場合は、基本的により比重を置いている研究内容にフォーカスして述べることが望ましいでしょう。
なぜなら、複数の研究内容をまとめて書こうとすると、アピールの内容が非常にわかりにくくなってしまうからです。
また、まだ研究が始まっていない場合は研究する予定の題材・テーマや、研究テーマとして興味があることなどに触れると良いでしょう。
「なし」「まだ始まっていません」などで終わらせるのはNGなので、まだ始まっていないことに触れたうえで、自分の興味関心を伝えることが大切です。
大学院生
大学院生の場合は、エントリーシートの研究内容の部分には、現在の研究内容をわかりやすく簡潔に書くことが大切です。
研究内容の欄には、今扱っている研究テーマをそのまま書くかたちで問題ないのですが、大学院生はより専門性が高いからこそわかりにくくならないように注意が必要です。
専門用語を多用すると、採用担当者は内容をすぐ把握できず、わかりにくいという印象しか持ちません。
論理的でわかりやすいアピール文章だったとしても、すっかり台無しになってしまいます。
採用担当者が自分の専門分野に詳しいとは限らないため、研究内容について述べる際は、いかに一般的かつ平易な表現・言葉でわかりやすく伝えるかが重要になります。
必要に応じてエントリーシートの内容は第三者に添削してもらい、専門的でわかりにくくなっていないかチェックすることが大切です。
【ESの研究内容】企業が研究内容を聞く理由
企業が研究内容をエントリーシートや面接の際に聞いてくる理由は、さまざまなことが挙げられます。
他順な雑談として研究内容を聞いているのではなく、質問してくるからには何らかの意図があるため、その意図を理解したうえで回答することが重要となります。
意図を事前に理解しておけば、企業の採用担当者に響く回答ができるでしょう。
おもな理由は、以下が挙げられます。
- 分かりやすく説明する力があるか知りたいから
- 熱意や人柄を知りたいから
- 研究での学びやスキルについて知りたいから
このように研究内容を聞くという単純な質問でも、見えてくるポイントはさまざまあるものです。
では、詳細をチェックしていきましょう。
専門分野や興味のあることを知りたいから
企業がエントリーシートで研究内容を問う理由は、学生一人ひとりの専門分野や興味があることを知りたいと考えているからです。
専門分野や興味があることを把握しておけば、職種や配属先を決めるうえでヒントとして活用しやすくなります。
さらに、専門分野や興味があることに関係のない職種になった場合でも、研究から得た知識・スキルを活かせる仕事を任せることはできるでしょう。
そもそも企業は、学生を採用するうえで自社とのマッチ度を重視しているため、それを測るうえで本人の人柄を知りたいという意図もあります。
興味関心を寄せる部分やモチベーションが上がるポイント、そのことに興味を持ったきっかけなどを知れば、本人の人柄がある程度見えてきます。
企業は学生の人柄を知るうえで、それぞれの興味関心にも積極的に注目しており、それを知るための質問の一つとして研究内容を聞いているのです。
学生の思考力やどのような考え方なのかを知りたいから
企業がエントリーシートで研究内容を聞くのは、学生の思考力や価値観を知りたいという理由もあるからです。
思考力は社会人として働く際に、どのような業界・職種でも求められる大事なスキルといえます。
研究内容をまとめたアピール文章からは、思考力や論理的な考え方なども伝わってくるため、より優秀な人材を採用するうえで思考力は重要になるということです。
さらに、物事に対する考え方・価値観は、企業との相性の良し悪しにもつながるでしょう。
万が一研究内容から、価値観があまりに企業の社風とかけ離れているとわかれば、採用を見送る企業が多いといえます。
反対に、研究内容から企業の社風に合った価値観を持っていると判断できれば、こんな学生に入社してもらいたいと感じる企業は多いはずです。
したがって最終的に内定を勝ち取るためには、企業の社風や求める人物像などを踏まえたうえで、エントリーシートで効果的に研究内容をアピールすることが重要といえます。
分かりやすく説明する力があるか知りたいから
企業が研究内容を聞いてくる理由には、わかりやすく説明する力があるのか知りたいからということが挙げられます。
つまり本人のかみ砕いて説明する能力や、内容がわからない人に配慮する姿勢、基本的なコミュニケーション能力、対応力などを測っているといえます。
物事をわかりやすく説明する能力は、社会人として活躍していくうえで、さまざまな場面で求められるものです。
お客様にサービスや商品を説明する場面もあれば、後輩に業務を丁寧に教える場面などもあるでしょう。
そういった場面で問題なく対応できるかどうかを測るうえで、企業は研究内容をヒアリングしているのです。
研究内容は複雑かつ難解なものであることも多いため、そういった内容を知らない人に対してどう説明するのかというポイントに企業は注目しています。
熱意や人柄を知りたいから
企業は研究内容を聞くことで、本人の熱意や人柄を知りたいと考えている部分もあります。
就活生がどれだけ研究に熱意をもって取り組んでいるか、どのような問題意識を持っているのかなどを知れば、自然と本人の人柄や価値観なども見えてくるものです。
たとえば、地球環境に関わるような研究に一生懸命取り組んでいれば、積極的に内容を伝えることで環境問題に対する問題意識の高さが伝わります。
そこから、真面目な性格や主体性、責任感などが見えてくるため、採用担当者は魅力を感じたり興味を持ったりするものです。
研究内容的に根気のいる実験や作業をしているのであれば、継続力や根性のある人だと感じて取ってもらえる可能性もあるでしょう。
研究内容からはこのように人柄に関する多くのことがわかるため、ESや面接では、多くの採用担当者が興味をもって質問してくるのです。
研究での学びやスキルについて知りたいから
企業はエントリーシートや面接で研究内容を聞くことによって、本人の学びやスキルについて知りたいと考えている場合もあります。
就活生がどのような学びを得て、どのようなスキルを磨いているのかを知れば、自然と本人の社会人としてのポテンシャルが見えてくるでしょう。
そこから自社に合う人材かどうかを判断し、候補として選びたいかどうかを評価しているといえます。
大学の研究では、多くのことを学ぶことができ、そして実用的なスキルを身に付けられます。
その学びやスキルが、志望先企業で直接的に活かせるものであれば、採用担当者からはプラスの評価を得られるでしょう。
当然ながら企業は自社で活躍が見込まれる人材を採用したいと考えているため、研究内容を聞かれた際は、その企業と相性の良い学び・スキルを得てきていることを伝えることが重要です。
【ESの研究内容】基本の書き方を解説
次に、研究内容を書くときの基本の書き方について解説します。
研究内容を書くときには、
-
研究の概要
-
研究の背景
-
研究の目的
-
研究の結果
-
研究から学んだこと
といった構成が伝わりやすいのでオススメです。
1. 研究の概要
まず、どのような研究をしているのか簡単に書きましょう。
例えば「〇〇という細菌を利用したバイオエネルギーの研究をしています」など、実際に自分が行なっている研究について詳しく知らない人でもイメージしやすいことばを用いて簡潔にまとめてください。
この箇所は、研究のおおまかな分野を知ってもらうための導入なので、ダラダラと説明をしないようにしましょう。
2.研究の背景
自分が行なっている研究の背景を簡単に説明します。
例えば、バイオエネルギーの研究をしているのであれば、石油や石炭といった化石燃料や原子力の問題点、近年では燃やしても地球温暖化の原因にはならないと考えられている生物由来のエネルギー源が注目されていることなどといった背景を書くことになるでしょう。
このように、一般の人にもわかりやすい表現で簡潔にまとめましょう。
3.,研究の目的
研究のバックグラウンドを踏まえて、現状どのような問題があるのか、自分の研究の目的は何なのかを説明します。
「何のために研究をしているのか」というように、研究の意義を伝えましょう。
4.研究の結果
続いて研究の結果を説明していきましょう。
研究の結果は極めて簡潔に、研究の目的の部分で説明した目的が達成されたかどうか伝えることを意識して作成しましょう。
ただし、文字数に余裕がある場合はこの限りではありません。
もし文字数に余裕がある場合、結果に対する自分の考察も入れるようにしましょう。
これにより、内容に厚みが増し、研究に対して自分の考えを説明できます。
ただし、研究の結果について話す際、つい専門用語などを用いてしまわないように意識することが重要です。
相手はあなたの研究について何も知らないという前提で、誰でも理解できる、わかりやすい文章を作成しましょう。
5.研究から学んだこと
最後に、研究からどのようなことを学んだのかについて説明して文章を締めます。
研究を通してどのようなことを学べたのかはもちろんのこと、その学びを就職後、どのように活かすのかについて端的に説明します。
最も大切な部分なので、内容のボリュームを大きくすることが重要です。
どの企業においても、就職後に活躍してくれる人材を採用したいと考えているはずなので、どのように活躍できるかイメージしてもらえるような文章を作成することでより良い印象を与えられるでしょう。
研究で学んだことが最も読まれるポイント
書くべきことは、もちろん研究をしたこと、その過程で学んだことなどです。
自分自身が実践してきたことを記述すると思い入れもあり、つい主観的な語り方になってしまいます。
思い入れが強過ぎる文面では、せっかく学んできたことやその研究する姿勢が過度となり、その研究内容が適正であるのかどうか担当者も判断が難しくなります。
自分自身がおこなってきた活動を、より客観的に書いていくことが重要になります。
採用担当者が研究内容から読み取ろうとするのは、就活生が自分自身のことを客観的にとらえているのか、自省する能力があるのかということも含まれています。
研究内容を客観的に書くことができるかどうかは、評価に大きく影響するでしょう。
【ESの研究内容】書く時のポイント
続いては研究内容を書く際の注意点について紹介していきます。
研究がスタートしている人も、まだまだこれからという人も共通している部分であるため、ぜひ参考にしてみてください。
1.指定された書式・規定を守る
基本的なことにはなりますが、指定された書式や規定は必ず守ってください。
指定された書式や規定を守っていない場合、読まれない可能性もありますので、十分注意して書きましょう。
パソコンで入力して終わりではなく、一度書き終えたESを印刷するとミスに気づきやすくなります。
また、文章での説明には限界があるので、もし書式の規定がなく、自由形式の場合には、グラフや図を用いて説明することをおすすめします。
図やグラフを使用することで、エントリーシート(ES)の見栄えがよくなるなど、あなたの研究についてイメージしやすくなるでしょう。
「研究はまだまだこれから」「研究はスタートしたばかりなので、特に書くべきことがない」ということもあるでしょう。
しかしこの場合にも「特になし」や空欄は避けなくてはなりません。
エントリーシート(ES)というのは「その会社に入りたい」という本気度を示すものです。
「特になし」というのでは本気度が疑われてしまいますし、それで内定を勝ち得ることはできません。
「研究はまだこれから」ということを断った上で、興味のあるテーマや研究する予定のことを記載してください。
それだけでもずいぶん印象はよくなります。
2.目標は具体的な数値を述べる
研究内容の目標については、定量的で分かりやすいことも重要です。
研究内容によっては、目標の具体的な数値が分からないと基準があいまいとなり、伝わらないケースもあります。
初めてエントリーシート(ES)を書く場合には、どのように書くか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
そのような場合には、学会資料を参考にするのがおすすめです。
あなたの資料だけではなく、研究室の先輩やOBの学会のポスターや抄録をまとめ方の参考にしてみてください。
3.どんな質問をされるか予想しておく
エントリーシート(ES)を作成する場合には、書類選考後に面接があることも意識しておく必要があります。
面接は基本的には、エントリーシート(ES)をベースに進められます。
研究について、きちんと受け答えができるよう、どのような質問をされるかあらかじめ想定しておきましょう。
また、研究結果、専門性の高い説明が求められる学会発表とは異なり、面接では研究活動からあなたの人となりを伝えることが求められます。
そのため研究そのものの説明ではなく、研究にどのように向き合ってきたのかを伝えられるように気をつけましょう。
- 研究動機
- 研究テーマについての簡潔な説明
- 研究の独自性・新規性
- 研究が行き詰まった際の対処方法
- 研究結果、研究を通して得られた力
- 研究を入社後どのように活かすか
4.学んだことや経験を仕事でどう活かすか
エントリーシート(ES)に研究活動を描くときに大事なのは研究テーマ自体ではなく、あなたがどう研究に関わり、何を得たかです。
例えば、研究に煮詰まった時に突破する力や目標達成に向け、教授や先輩などからうまく情報や協力を取得する力や、仮説を立て検証し、正誤を判定する研究の基本姿勢、効率や仕組み化を考える力などです。
他にも社会的なニーズを同時に考える力など、研究によって学んだこと、取得した力を簡潔に書きましょう。
自分が企業でも使えそうな実験手法や技術を身につけているならば、それはエントリーシート(ES)でアピールしましょう。
特に詳しく研究内容を書く場合は、用いた手法も具体的に書くのも大事です。
また、論理的に考えられる能力や結果を、ただ受け止めるのではなくそこから考察する能力などは、理系の研究でこそ育つ強みになります。
これらを意識して、自分の得意とするものを明確にアピールしながらエントリーシート(ES)を書くようにしましょう。
【ESの研究内容】例文7選
では、実際のエントリーシート(ES)の研究内容では、具体的にどのように書いていくとよいのでしょうか。
専門分野ごとに例文を書いていきますので、参考にしながら作成してみましょう。
1.統計学の例文
私は統計学を使用したビッグデータ研究に取り組みました。
ビッグデータの登場により、統計学が注目されたことが、この研究を選択した理由です。
ビッグデータを分析できれば、マーケティング戦略や経営戦略の立案、新商品やサービスの開発にも役立てられます。
研究では試験データとして、ID付POSやWebサイトの閲覧履歴や購買履歴等の、ユーザの過去の行動履歴を分析することで、ターゲティング広告やレコメンドバナー広告につなげる実験を行いました。
研究を通して、大量のビッグデータの収集と分析が、企業経営における意思決定やマーケティングに活かせることを実感しました。
貴社はビッグデータアナリティクス領域に秀でていると認識しています。
ぜひ貴社にて、統計学の知識や技術を活かしアナリストとして活躍したいと思い、志望しました。
2.情報工学の例文
私は情報工学を専攻し、ソフトウェア開発について研究を行ってきました。
日進月歩でIT技術が進化する中、今後はより一層高度な情報システムが求められると考えたからです。
研究を通じて、ソフトウェア開発の技術だけではなく、情報や通信、計算機理論などの技術を総合的に習得することができました。
その結果、より高精度なシステム設計ができるようになりました。
貴社では開発職として働き、時代が求めるソフトウェアを作り続けていきたいと思います。
3.交渉論の例文
私は、紛争解決手続における交渉論を研究室で学んでいます。
その中で、交渉とは、競争において利益を奪いあうことではなく、相手と協力して互いの利益を大きくすることが大切であると学びました。
紛争解決手続とは、遺産相続争いや離婚調整などの法律や利害が絡む問題を指します。
目的は、紛争当事者たちが関係修復することです。
研究に従事する前まで、私は交渉では相手よりも有利な立場になり、より多くの利益を得ることが目的だと思っていました。
しかし、研究を通してその考えが間違っていたことを感じました。
貴社では、自社のみではなくお客様も利益が得られるような意識を持って働くことで、お客様から信頼される営業担当になりたいと考えています。
4.自動車の運動力学の例文
私は、自動車の運動力学について大学で研究してきました。子どもの頃から車の開発者になることが夢でした。
車両開発に必要となる理論や、操縦安定性が優れた自動車設計に活かせる知識や技術を習得したいと思い、この研究を選びました。
研究の目標には、ドライバーが気持ちよいと感じるハンドリング性能の設計を掲げました。
研究を通して、フロントが動いた後でリヤが動くというような前輪と後輪の2つの自由度をドライバーは感じていることを学びました。
そのため、リヤグリップを手や腰で感じる仕組みや、手で感じているハンドルの動きを解明することに努めてきました。
研究の成果として、テストドライバーからの官能評価コメントを力学的な観点から理解できるようになったのが強みです。
これらの経験や得た知識、技術を活用して、貴社で自動車開発に取り組みたいと思い、志望しました。
研究内容が具体的、かつわかりやすい平易な言葉で述べられています。
なぜ、その研究に取り組んだかの目的や目標、研究で得られた成果にも触れられています。
最後に、就職後に活かしたいという熱意が述べられているのもポイントです。
5.プログラミングの例文
私は、「ネットワーク内での正しい情報の検知」をテーマとして研究を行ってきました。
ネット環境において、より速い速度で情報の正確さを測定し、誤った情報を検知するシステムの構築を目標として研究を行いました。
データのやり取りを行いながら、複数の学生に検知プログラムを作成してもらい、それを私が統合して全体のプログラムを構築しました。
プログラム構築は困難なことも多く、私は忍耐力を養いました。
また、プログラムの検証では、仲間との議論を通してコミュニケーションの重要性を実感しました。
貴社でも、仲間と協力しながらシステム開発を行っていきたいと思います。
6.マーケティングの例文
私は大学でマーケティングを専攻しています。
ゼミでは、顧客の購買行動の研究に力を入れています。
何がトリガーとなり購入するのか、それを刺激するにはどうすればよいのかを、国内外の事例から研究しています。
選択肢が多様化しているこの時代、いかにユーザを引き付けるかという知見に意義を感じ、この研究を選びました。
ゼミで力を入れたのは、SNSがユーザの購買にどのような影響を与えるかについてです。
具体的には、DELLのようにtweetが売上に貢献している海外企業と、tweetしているのに成果につながっていない日本企業にはどのような違いがあるのかという点です。
貴社も現在、ネットでのマーケティングに力を入れていると知りました。
ゼミで得たネットマーケティングの知識を貴社でもぜひ活かしたいと思い、志望しました
7.熱力学の例文
私は大学で熱力学の研究に取り組みました。
熱力学を研究したいと思ったのは、中学時代に我が家がやってきたヒートポンプ式の温水ユニットに興味を持ったことがキッカケです。
冬の寒い時期に外気を使って、なぜ暖かい空気を生み出せるのかが不思議でした。
ヒートポンプの技術を使えば、冬の寒いときでも、気温が低い外気から熱を汲み上げて暖房ができます。
この仕組みは、熱力学の第一法則と第二法則を理解することで明確にでき、中学生の頃に抱いた疑問も研究を通じて解明できました。
ヒートポンプを動かす場合に消費されるエネルギーを1とすれば、汲み上げた熱を用いた暖房能力はその6倍近くに達します。
つまり、暖房効率が600%近くに達し、省エネに優れ、電気代の節約と地球温暖化防止に貢献することが可能です。
より環境性能に優れたヒートポンプの開発や、どんな家庭でも気軽に導入できるような普及促進と低コスト化を目指し、御社でヒートポンプの開発に取り組みたいと志望しました。
研究に取り組んだキッカケが明確にされ、興味を持ったヒートポンプの技術について、専門知識がない方も関心を引くようなわかりやすい言葉で説明されています。
具体的な数値が出されているのも、イメージを伝えやすいポイントです。
最後に入社後の目標にも触れられており、入社後に何をしたいのかが明示されています。
8.卒業論文の研究内容の例文
私の卒業論文では、「AIを活用した需要予測モデルの構築」に関する研究を行いました。
具体的には、小売業の販売データを用いて機械学習アルゴリズム(ランダムフォレスト・LSTM)を適用し、季節性やトレンドを考慮した需要予測の精度向上を目指しました。
研究の過程では、大量のデータ前処理やモデルのパラメータ調整に苦戦しましたが、試行錯誤を重ねることで、従来の回帰分析よりも平均誤差を20%削減することに成功しました。
本研究を通じて、データ分析力や論理的思考力を磨くことができました。
今後は、この経験を活かし、貴社のデータ活用や業務改善に貢献したいと考えています。
AIを活用した需要予測という具体的なテーマが明確で、研究の目的や成果が分かりやすく伝わっています。
さらに、研究で培ったスキルが企業でどう活かせるかを示すことで、実務への応用力をアピールできています。
【ESの研究内容】NG例文2選
次に悪い例となぜ良くないのかをご説明します。
そのうえで、改善した後の良い例文もご紹介しますので、エントリーシート(ES)に研究内容を書く際の参考にしてください。
1.統計学のNG例文
これからの時代にビッグデータを分析するには統計学が必要と聞き、研究対象に選びました。
数字やグラフには強いので、ちょうどいいと思ったからです。
大学で研究した統計学の知識を活かし、御社でのビッグデータ分析やAI開発に活かしたいです。
研究に取り組もうと思ったキッカケが、これからの時代はビッグデータ分析が必要と聞いたとあいまいで、しかも、伝聞がキッカケとなっていて確固たる思いや目的が感じられません。
どのような研究をしたのかも不明で、いきなり志望動機に結びつけており、内容が薄い残念な例です。
私は大学で統計学を用いたビッグデータ研究に取り組みました。
ビッグデータの登場で統計学が注目を集めたことが、研究したいと思ったキッカケです。
統計学を駆使してビッグデータを分析できれば、経営戦略やマーケティング戦略の立案、新商品・新サービスの開発にも役立てられます。
研究では試験データとしてのID付きPOSやWebサイトの閲覧履歴、購買履歴など、個別ユーザーの過去の行動履歴を分析することで、その人が興味を持ちそうな広告を個別に提供する行動ターゲティング広告や、セレクトした商品を提案するレコメンドバナー広告につなげる実験を行いました。
研究を通じて急速に拡大する情報社会の中、バラツキのある大量のビッグデータを収集、分析し、企業経営における意思決定やマーケティング戦略に活かせることを実感しました。
ビッグデータアナリティクス領域に強い御社で、統計学の知識と技術を活かしてアナリストとしての活躍を志望します。
2.情報工学のNG例文
私は大学で情報工学を専攻しました。
これからの時代はIT社会だと考えたからです。
研究のメインは情報システムの設計・プログラミング・データベースなどを扱うソフトウェアでした。
ソフトウェア開発で名高い御社のエンジニアとして、貢献できると志望しました。
研究をしようと考えたキッカケや目標が希薄で、研究の具体的な取り組みも語られていません。
私は大学で情報工学を専攻し、ソフトウェア開発について研究を行いました。
IT化が日進月歩で進化する中、ますます高精度な情報システムが求められると考えたからです。
ソフトウェア開発の技術だけでなく、情報、通信、計算機の理論と技術を総合的に習得したことで、より高精度なシステム設計ができる技能を習得できました。
御社で開発職として働くことで、時代が求める新たなソフトウェアをどんどん作り出していきたいです。
【ESの研究内容】書く時の注意点
エントリーシートに研究内容を書く際は、さまざまな点に注意し、より魅力的なアピール文に仕上げることが大切です。
具体的な注意点は、以下が挙げられます。
- 文字数制限に気を付ける
- 専門用語はなるべく使わない
- 空欄や「なし」は避ける
何も考えずに研究内容を語ってしまうと、不必要な情報を入れたり、あまり良くない表現を使ったりしてしまうため注意が必要です。
上記の点を意識して研究内容を書けば、自分の魅力はしっかりと伝えられるでしょう。
では、詳細をそれぞれ見ていきましょう。
文字数制限に気を付ける
エントリーシートに研究内容を書く際は、文字数制限にくれぐれも注意してください。
文字数制限が設けられている場合は、指定の文字数に対して、基本的に8割以上を埋めることを目安にしてください。
たとえば300字以内という指定があるときは、目安として、8割である240字以上で書く必要があります。
8割を下回ると、余白が目立ってしまい、内容が薄くなったり「アピールの意欲が低い」と判断されたりします。
また、反対に「〇文字以内」と書かれている指定に対して、指定を上回ってしまうのもNGです。
ルールを守れない人という印象が強くなるため、文字数制限には十分に注意しましょう。
なお、文字数制限があるときの書き方については、あとで詳しく解説しているため、該当する項目をぜひ参考にしてみてください。
専門用語はなるべく使わない
エントリーシートに研究内容を書くときは、専門用語の使用は、極力避けるようにしましょう。
エントリーシートは誰でも理解できるように書く必要があるため、研究内容という専門的な内容でも、使う言葉は一般的なものであることが大事です。
志望する業界・職種とマッチしている研究内容だとしても、人事担当者も同じようにその分野に精通しているわけではありません。
専門用語で詳しく解説してしまうと、内容がわかりにくくなるのは明らかで、採用担当者が興味を失ってしまう可能性があります。
せっかくきれいにまとまっているアピール文でも、内容が専門的すぎれば本末転倒です。
普段使っている言葉を使用してわかりやすく言い換えることを徹底し、専門用語を使うことはやめましょう。
空欄や「なし」は避ける
エントリーシートに研究内容を書くとき、避けなければならないのは、空欄や「なし」と書くことです。
現段階でまだ研究を始めていなければ、確かに書くことがなく、困ってしまうでしょう。
しかしだからといって、空欄のまま提出したり「なし」と書いたりするのは、アピールの場として印象が良くありません。
就活では、大前提として積極性や熱意、入社の意欲を示して自分を売り込む必要があるため、空欄や「なし」などの表現を使うことは悪手でしかないといえます。
「いくら研究が始まっていないとはいえ、本当に熱意があるのか」と思われてしまう原因になるでしょう。
研究が始まっていない場合の対処法については、あとの項目で詳しく解説しているため、それらを参考にしたうえで「なし」で提出することは避けるようにしてください。
【ESの研究内容】文字数制限がある時の書き方のポイント
文字数指定がある場合の書き方についてもそれぞれ確認していきましょう。
ESで研究内容を書く際には文字数制限があることもしばしばあります。
研究内容は専門性が発揮されるため、長くなりすぎるのを防ぐために文字数が制限されていると考えられています。
50文字、100文字、200文字の文字数制限が一般的なので、それぞれで書くべき内容について一緒に確認していきましょう。
50文字. 研究内容のみを簡潔に述べる
文字数指定が50文字の場合はあまり書けることがないので、研究結果のみを端的に述べるようにしましょう。
企業は研究の概要を知ることを目的として50文字の制限を課していることが考えられます。
50文字の指定の場合は研究に関して詳しく説明することは不可能なため、どのような研究をしたのか、どのような結果だったのかについて簡単に説明するだけで良いでしょう。
100文字. 研究内容・得た学び・活かし方まで書く
100文字の指定の場合は、研究内容に加えて、得た学びを企業でどう活かすのかについてもある程度は詳しく説明することができます。
企業が100文字を指定してくる理由は、研究内容だけに留まらず、どのような学びを得ているのかについて確認したいと考えていることが挙げられます。
応募した企業に入社できた際にはどのように活躍できるのかを、研究から得た学びをもとにして説明することが重要です。
この場面において、可能な限り企業の採用担当者にあなたが活躍しているイメージを描いてもらえるような、簡潔かつ具体的な説明をできるかが重要になってきます。
200文字. 具体的な取り組みもしっかりと書く
文字数指定が200文字の場合は、ある程度具体的な取り組みについてもしっかりと書けるので、書いていきましょう。
200字指定の場合には十分な文章で書くことができるため、この記事で解説している研究の概要から研究から学んだことまで、全て書ききることができるでしょう。
ただし、どの項目に何文字程度使うかは事前に考えてから書き出すことが非常に重要です。
何も考えずに書き出してしまうと、それぞれの項目にかなりの文字数を割いてしまい、後で削るのが大変だからです。
特に研究内容の説明は、自分が熱心に取り組んできたことということもあり、熱が入り、長くなってしまいがちです。
あらかじめ計画を立ててから書くように心がけることで、完成後に文字数を削る必要もなくなります。
【ESの研究内容】文字数別の例文を紹介
続いて文字数指定がある時の例文について詳しく紹介していきます。
50文字指定、100文字指定、200文字指定の時の実際の例文を一緒に確認していきましょう。
ここで紹介する例文は研究職に応募する際の例文なので、特に研究職を目指している人にはぜひとも確認して欲しい例文の一つです。
50文字の例文
100文字の例文
200文字の例文
【ESの研究内容】研究がまだ始まっていない場合
就活を始める人が多い大学三年生の時期では、研究がまだ始まっていない、または研究内容が決まっていないという人も多いと思います。
研究がまだ始まっていない場合でも、研究内容の欄を空欄で提出することは入社意欲が低いとみなされるため、適切ではありません。
まだ研究が始まっていないことを伝え、研究の予定を書くようにしましょう。
また、研究結果については予想される結果で問題ありませんので、研究内容の欄を埋めるようにしましょう。
まだ研究が始まっていないとはっきりさせる
エントリーシートに研究内容を書くにあたって、まだ研究が始まっていない場合は、まず「まだ始まっていない」という事実をはっきりさせる必要があります。
あいまいな表現でぼかしてしまうと、「結局、研究内容は何?」という疑問で採用担当者をモヤモヤさせることになります。
明確にまだ研究が始まっていないことを伝えなければ、企業はその状況を認識しにくいため、注意が必要です。
話をそらしたりあいまいな表現を使ったりすることは避け、研究がまだ始まっていないことを明確に示しましょう。
興味があることや研究したいことを伝える
エントリーシートに研究内容を書くうえで、まだ研究が始まっていない場合は、現段階では興味があることや研究したいと考えていることのテーマを伝えると良いでしょう。
それによって自分の興味関心や目的意識、目標などがわかるため、結果として採用担当者には人柄や価値観が伝わるようになります。
なお、興味があることを伝える際は、なぜ興味があるのかという理由・背景も含めて具体的に述べることが大切です。
単純に「気になるから」という理由ではなく、自分の経験に基づく理由から興味関心を寄せていることがわかれば、ますます自分自身の人柄や価値観は伝わるものです。
研究がまだ始まってないときの例文
研究がまだはじまっていないときの例文
まだ研究は始まっていませんが、〔分野〕の研究に強い関心をもっています。
過去の〇〇という経験から〔分野〕の重要性を認識し、より深く探求したいと考えています。
まだ研究は始まっておらず、これから研究に入ります。
研究の目標は〔目標〕であり、〔結果〕ということがわかると予想しています。
エントリーシート(ES)は就活のプロに相談に乗ってもらうことがベスト!
当然ながら大学での研究は多岐にわたり、それをESでいかにアピールすれば良いのか、ここで解説しきれるものではありません。
特に研究職や技術職の求人に応募する場合、企業が求める人材もさまざまですから、個々にアドバイスをしてもらいたい、と考える人も多いでしょう。
しかし、大学の教職員は、研究についてのアドバイスはできても、ESの書き方までは手が回らないことがほとんどです。
そこで、就職活動のプロにESを添削してもらいましょう。
就活市場エージェントでは、専任のエージェントが学生にマンツーマンでサポートを行い、ESの添削も行っております。
就活市場エージェントは就活の専門家であり、研究の専門家ではありません。
ですから、企業の採用担当者と同じ目線でESを読み、アドバイスができるのです。
就活市場エージェントを活用して、効果的なESに仕上げましょう。
まとめ
研究内容を書くときには、「誰が見てもわかりやすい表現」「読みやすい文章構成」を心がけましょう。
また、研究を通して身についたことや考えたことなどを書くと、企業へのアピールにもなります。
ただ単に研究内容を書くだけではなく、自分がどのような人物なのかをイメージできるような研究内容を書けるようにしておきましょう。
就活市場では、今後も新卒の就職活動に関する様々な情報を発信していきますので、ぜひ他の記事もご覧ください!
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート