自己PRにおいて、ゼミでのエピソードを使うことは非常に効果的です。
しかし、「学生時代にゼミを頑張ったけど、ゼミでの経験を仕事に活かす方法がわからない」「どのようにアピールすれば、企業の採用担当者から高い評価を得られる?」というような疑問を抱いたことがある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、企業がなぜ自己PRを聞くのかといった理由や、エピソードの選び方などを紹介しています。
この記事を読めば、より良い印象を与えられる自己PRが作れるようになるでしょう。
現在就活中の人はもちろん、これから就活を控えている人はぜひこの記事を読み、就活の自己PRについての理解を深めておきましょう。
- なぜ企業は自己PRを聞いてくるのか
- 自己PRでゼミのエピソードを話したときに企業に与える印象
- 自己PRでゼミでの経験をアピールするポイント
- 自己PRでゼミでの経験をアピールする際の注意点
- 自己PRでゼミでの経験をアピールしたい人
- はじめて自己PRを書く人
- 企業に響く自己PRを書きたい人
目次[目次を全て表示する]
【自己PR:ゼミ】企業が自己PRを聞く理由とは?
企業が、学生に自己PRを聞く理由は以下の3つがあげられます。
人柄を知るため
どのような強みを持っているか知るため
企業に合った人物かを見極めるため
自己PRはどの企業の選考でも聞かれる重要な質問の1つです。
まずは、企業が学生に自己PRを聞く理由について見ていきます。
人柄を知るため
自己PRには、企業が学生の人柄を知るための要素がたくさん盛り込まれています。
- 学生時代にどのような活動や経験をしたのか
- 物事に対してどのような考え方をするのか
- 目標や課題に対してどのように向き合ってきたのか
自己PRからはあなたの人柄はもちろん、価値観や考え方などがわかります。
企業は自己PRからあなたがどのような人間なのかという理解を深めたいと考えているのです。
どのような強みを持っているか知るため
企業の採用担当者は、応募してきた学生がどのような強みを持っているのか、自社に入社させたいと思うような魅力的な部分があるかを見極めようとしています。
自己PRは基本的に就活生が自分の能力を積極的にアピールする、つまり「御社が私を採用した場合、このようなメリットがあります」とアピールする場面です。
就活生がアピールしている企業にとってまさしく求めているものである場合、採用したいと考えます。
反対に、企業が求めている能力ではないものをアピールしてくる就活生は、将来的に活躍するイメージができないだけでなく、しっかりと企業研究を行っていない可能性が高いです。
このような場合は早めに落としておくこともお互いのためであるため、いずれにせよ強みを確認しようと思っているのです。
企業に合った人物かを見るため
企業が自己PRを聞く理由には、学生と企業が合うかどうかを測りたいという意図が込められています。
- 困難に立ち向かう際、どのような手段を取ったか
- 1つの事象に対してどのように考えたのか
企業には、一つ一つの会社に社風というものがあり、例えば行動指針や物事の考え方などに表れています。
企業は選考において、自己PRを通じて学生が自社の社風に合うかどうかを見極めています。
【自己PR:ゼミ】ゼミでの経験をアピールするのはあり?
実際、自己PRでゼミをアピールすることは効果的と言えます。
自己PRの題材をゼミの話にすることで「勤勉に研究に励んできた」「大学生の本分である学業と向き合ってきた」という印象を与えられます。
ただし、いくつか注意すべき点があります。
ゼミでの活動自体をアピールするのではなく、あなたが取り組んだ姿勢や人柄をアピールするという点です。
また、ゼミというエピソードは自己PRにおいて多くの人が取り上げる題材の1つですので、差別化を意識したあなたらしさが伝わるように努めましょう。
ゼミでの経験を題材とする学生の印象
自己PRでゼミでの活動をアピールすることは効果的とお伝えしましたが、なぜ効果的なのかを具体的に紹介していきます。
ゼミでの活動をアピールすることが効果的な理由としては以下の3つが挙げられます。
- 勉強熱心
- 継続力がある
- 自分で考える力がある
勉強熱心なイメージ
ゼミ活動は自身の関心分野と向き合って学びを深めるという活動ですから、ゼミでの活動を頑張ってきたという学生は真面目で勉強熱心という印象を与えられます。
勉強熱心であることは社会に出てからもとても重要です。
仕事を新しく覚えなくてはならないときなど、自分から積極的に学習する姿勢を見せる学生は企業にとって魅力的です。
継続力がある
ゼミは通年で履修することが一般的ですね。
早い大学では2学年からゼミ活動を継続する必要があります。
少なくとも3年の1年間は同じ分野についての学習をするわけです。
そのためゼミは、同じ分野の学習を1年以上続けられる証明になります。
企業はそのような学生に継続力があるイメージを抱きます。
興味がある事について長期的に取り組むことのできる学生は入社後も仕事を継続的にこなしてくれるはずです。
継続力がある印象を抱かれるととても好印象です。
自分で考える力がある
ゼミ活動は研究が基本的な活動内容といえます。
一つの分野に絞ってさらに自分が疑問に思ったことを突き詰めるという意味で、自分で考える力は重要です。
ゼミで考える力を養ってきた学生は自走力があります。
仕事をする上でも企業に貢献してくれることを期待するでしょう。
【自己PR:ゼミ】ゼミの経験からアピールできる強み
ではゼミの経験を通じて、具体的にどんなことがアピールできるのでしょうか?
ここからは、ゼミの経験によって活かせそうな強みを、6つに分けて紹介します。
専門的な知識
大学のゼミでの経験を通じて、専門的な知識をアピールすることも可能です。
ゼミでは講義や実践的な授業を通じて専門的な知識を深める機会が非常に豊富にあります。
専門知識は、企業が求めているものに適合している場合、非常に価値が高いものとなります。
例えば、経済学ゼミでマクロ経済やミクロ経済の理論を学び、具体的な経済データを分析する能力を身につけた場合、マーケティング職を求めている企業にとっては非常に有益なものとなります。
専門的な知識をもとに、自分がどのように貢献できるかを具体的に示すことで、面接官に強い印象を与えることができるのです。
主体性
ゼミに対して積極的に取り組んだことがある人は、おそらく主体性のある人間だといえます。
なぜなら、自ら自分の考え方や意見を発信できる力があるからです。
主体性のある人材は、どんな企業においても重宝される存在になるため、ゼミでの経験が大きなアピールにつながるかもしれません。
また、主体性があることは別の言い方に直すことも可能です。
例えば「何でも前向きに考えて行動できる」や「どんな物事にも興味が持てる」といった言い方にすれば、それが企業に対して大きく響くこともあるでしょう。
リーダーシップ
ゼミでの活動において、自分がその場をまとめていた経験がある人は、リーダーシップを強みとしてアピールすることもできます。
リーダーは常に自分のことだけではなく、周りを観察できる力が必要とされる上、状況に応じて適切な指示ができなければ成り立ちません。
そして何より、コミュニケーションスキルがあることもアピールできるでしょう。
どんな企業で自己PRをする際にも高い評価を得やすいため、積極的に伝えるようにしてください。
説明力
ゼミといえば発表をしたり、人の発表に対する質疑応答や討論がおこなわれるものです。
だからこそ、常に物事をわかりやすく伝えるための説明力が問われます。
ゼミをしばらく経験してきた人であれば、自然と説明力も身についているはずですので、その部分を自己PRにつなげることもできるでしょう。
例えばゼミで自分の意見を発する際に、どんなことを意識していたのかを伝えれば、企業に好印象を抱いてもらえる可能性が高まります。
ただし、説明力はそもそも自分で評価するものではありませんので、必ず第三者から評価してもらったという事実を伝えるのを忘れないでください。
協調性
大学のゼミでは協調しながらメンバーとプロジェクトや研究を進め、卒業論文を制作しなければならないため、協調性もアピールできます。
複数人でチームを組んでプレゼンテーションやプロジェクトを進めることが一般的な大学のゼミの進め方です。
したがって、他のメンバーと協力し、共同で作業を進める能力が求められます。
協調性をアピールするためには、チーム内での役割分担やコミュニケーションの方法、意見の調整など具体的なエピソードを交えて説明することが効果的です。
例えば、大きなプロジェクトの成功のために仲間と協力し支え合いながら目標を達成した経験を話すと良いでしょう。
問題解決能力
問題解決能力も、ゼミでの経験を通じて自己PRでアピールできる能力の1つです。
ゼミで活動をするにあたっては、基本的にすべてがスムーズに進むわけではありません。
研究の数値が間違っていたり、アンケートを実施してもなかなか回答が得られなかったりなど、様々な困難に直面します。
これらの問題を乗り越えるためには、課題を見つける力や、解決策を考え、実行する力が必要です。
問題解決能力をアピールするためには、具体的な事例をもとに、どのような問題が発生し、どのように解決に導いたかを詳細に説明することが重要です。
例えば、チーム内で意見が分かれた場合は、どのように意見をまとめたのかを説明するようにしましょう。
このように、問題が何であったか、そしてそれをどのように解決したのかを説明することで、問題解決能力が高い人物であるということをアピールできます。
【自己PR:ゼミ】ゼミでの経験を自己PRの材料として使う際のポイント
企業に響く自己PRを作成するには、いくつかポイントを押さえておく必要があります。
自己PRで伝えるべきポイントは、ゼミでどのような活動をしたのかではなく、ゼミでの活動で培ったあなたの強みが企業に入社後、どのように生かせるのかを伝えることです。
以下でポイントを確認しましょう。
ゼミに入った理由を整理する
自己PRを考える前に、そもそもなぜそのゼミに入ったかの理由を考えておく必要があります。
なぜなら面接などでは自己PRの深堀質問が行われ、なぜそのゼミを選んだのかという理由を聞かれることがあるからです。
しっかりと答えられないと、主体性がないという印象を与えかねませんので、しっかりと整理しておきましょう。
質問された際に、どのようなことを学びたいと思い、そのゼミを選んだかを伝えることで、自らの問題意識の持ち方を伝えることができ、主体性をアピールできます。
何がモチベーションになっていたのかを伝える
就活の自己PRにおいて、モチベーションの根源がどのようなものであるかを知ることは、その人の人柄を知るうえで重要なことです。
モチベーションにつながるような、長期的な目的を持って活動に取り組めることをアピールすることで、高い評価を受けられる可能性があるでしょう。
ゼミの活動内容は簡潔に伝える
ゼミでの活動内容を事細かに説明すると、それはあなたのPRではなくゼミのPRになってしまいます。
企業の採用担当者が知りたいのはゼミの情報ではなく、活動を通してあなたが何をして何を学んだのかです。
したがって、研究内容はできるだけ簡単にまとめ、自分のアピールに重点を置きましょう。
簡潔にまとめるコツとしては、ゼミでの活動を一度箇条書きし、要点だけ拾い集めるという方法がおすすめです。
アピールしたい強みを考える
ゼミでの活動を自己PRに盛り込む場合、企業に対してあなたがアピールしたい強みを整理しておきましょう。
自己PRでは、アピールしたい自分の強みやスキルのアピールを前面に出し、その根拠としてゼミでの活動を挙げることが有効です。
まずはゼミでの活動を振り返り、自分の強みを整理してみましょう。
強みは複数あっても構いませんので、自分がゼミでの活動中にうまく働きかけられたというエピソードを整理しましょう。
その中から、企業の求める人物像に合った強みやエピソードを選ぶことが、企業に響く自己PRを作成するうえで重要となります。
苦労した経験と乗り越えた結果も伝える
苦労話や失敗の経験談を自己PRに使いたくないという学生は多くいます。
しかし、本来何かに挑戦する時や本気で取り組む時には、途中でうまくいかなくなり壁に突き当たる経験をするものです。
実は就活生が困難な状況にどう立ち向かい、どう状況を打破できたのかというアピールは有効です。
今まで様々な困難があったように、企業に入社後も様々な困難がはだかります。
そのため、あなたの困難や失敗に屈せず、試行錯誤し乗り越える姿勢は企業に高く評価されます。
ゼミ活動の中で苦労したエピソードがある場合は、積極的にその経験をアピールしましょう。
ただし、単に「大変だった」「結果は失敗だった」で終わってしまったはアピールになりませんので注意しましょう。
ゼミでの経験で学んだことを伝える
大学の授業の一環としてほとんどの学生が通る道である以上、ゼミでの活動を話すだけではアピールになりません。
そのゼミ活動を通じて、あなたがどんなことを学んだのかを明確にする必要があります。
また、それをどのようにアピールするのかも重要です。
たとえば、ゼミ活動を通して得た自分の性質や考え方の変化や成長のエピソードは、企業に前向きな印象を与えるでしょう。
ほかにも、活動をするうちに学んだ新しい知見や改めて発揮できた自分の強みなどをあわせてアピールすることも効果的です。
これらは就職後の活躍をイメージさせる重要な材料になります。
このように、ゼミ活動を自己PRに活用する際はそこで得たものと組み合わせてアピールすることがポイントになります。
入社後どのように経験を活かせるかをアピールする
自己PRではあなたの強みを入社後にどのように生かすかを伝えることが重要です。
強みを生かし、入社後にどのように活躍できるのか、貢献できるのかを伝えましょう。
せっかく得た強みやスキルも、入社後に活かせなければ企業にとっては意味がありません。
そうならないためにも、自己PRの中でゼミ活動での経験や学んだことを仕事で活用する展望を話すことが大切です。
企業研究を踏まえ、あなたが志望する職種で自分の強みをどう生かせるかを具体的に挙げることで、あなたのポテンシャルを伝えることができます。
【自己PR:ゼミ】自己PRでゼミでの経験を伝える際のエピソードの選び方は?
就活で自己PRする際は、入社後にどのように活躍できるかを面接官にイメージしてもらうためにも、具体的なエピソードは必要不可欠です。
自己PRで高評価を受ける可能性が高くなる、ゼミでのエピソードの選び方を紹介していきます。参考にしてみてください。
周りから感謝されたことを洗い出す
ゼミも就活もチームでミッションに取り組むため、周りから感謝されたり、高い評価を受けたりした内容を表すエピソードを選ぶと良いです。
周りから感謝を受けた際、どのような学びを得てどのように感じたのかもあわせて伝えるとなお良いでしょう。
主体的に行動したエピソードを選ぶ
仕事においては指示を待つだけでなく、主体的に物事を考え、自ら動ける人間が高い評価を受けます。
したがって、ゼミでのエピソードに関しても、上記のような人柄を表すエピソードを選ぶ必要があります。特に、自分の働きかけによって物事がスムーズに進んだエピソードが良いでしょう。
ゼミ仲間に聞いてみる
自己PRを考える際は自分一人ではなく、ゼミ仲間など周囲の人に相談することで、より質の良いものが作れます。
第三者の意見を聞くことで客観性を持たせられるため、面接などの場で、より自信を持ってアピールできるようになります。
肩書にこだわらずに考える
企業の採用担当者はゼミでどのような役職を担当していたかではなく、チームの中でどのように考え、行動していたかで評価しています。
したがって、自己PRでゼミでの経験をアピールする際は、肩書にこだわらず、自分の価値観や過去の行動を素直にアピールしましょう。
さらに、どのような振る舞いをしてどのように貢献したかを重視した内容にすると、より良い自己PRになります。
【自己PR:ゼミ】自己PRを作る際の構成
内容がどれほど良くても、相手に伝わらなければ意味がありません。
そこで重要なのが構成です。
まず、内容についてはいわゆるPREP法で簡潔に書くよう心がけます。
結論(P)
理由(R)
具体例(E)
結論(P)
どれだけすばらしい内容であっても、要点を押さえて伝えなければ、相手には何も伝わりません。
何を伝えるかの内容も大切ですが、まずは構成の基本についておさらいしましょう。
文章の書き方が身につけば、履歴書やエントリーシートの作成もはかどります。
結論:私の自己PRは〇〇があることです(アピールポイント)
ビジネス文書で黄金のフレームワークは、最初に結論を述べることです。
最初に自分の強みや売りを提示し、簡潔に書き出すのが最も効果的です。
主題のわからない長々とした文章を、最後まで辛抱強く読んでくれる採用担当者はほぼいないと考えましょう。
書き出しを工夫することはとても大切で、第一印象でインパクトや興味を与えることが何より重要です。
例文ではコミュニケーション力を挙げていますが、「私は細やかな気配りができる点が強みです」「私は誰とでも分け隔てなく接することで調整役を担うことができます」といった書き出しも効果的です。
読み手に自分に対する興味を持たせることができるでしょう。
理由:なぜならば、ゼミで〇〇ということがあったからです
結論に続いて述べるのは結論に至った理由であり、ここからがゼミの活用になります。
先ほどの例でいえば、なぜ「コミュニケーションが抜群だ」と自負するに至ったかがその理由にあたります。
ここで説得力を持たせるために持ち出すのが、ゼミでの経験です。
先の述べた長所は自分勝手に思い込んでいるわけではなく、ゼミでこのような経験があったからだ、ということを端的に述べるフレームとなります。
例では「折衝役を担っていた」という内容が該当します。
エピソード:私は〇〇で〇〇のゼミをしていました
エピソードの記述は、前述の理由をさらに掘り下げるために概要を説明するフレームになります。
ただしここはゼミの詳しい説明をする場面ではありませんので、どのようなゼミかがわかるように端的に述べる程度でかまいません。
一般企業はゼミ活動の詳細まで知りたいとは考えていませんが、どのような分野に興味を持つ人物かは興味がありますので、人となりを伝える材料にすることができます。
問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
このフレームでは課題を明確にします。
ゼミ活動の中でどのような課題を掲げ、問題解決や目標達成をしたのかを述べるためのフレームです。
例文では「データが集まらない」「チームのモチベーションが低い」ことから、ゼミ自体の存在意義も危うい状況となっているため、大きな問題に直面しています。
行動:私は〇〇と考え、〇〇を行いました
問題を受けてどのように行動を起こしたかを述べるフレームです。
ここで自分の強みとなるコミュニケーション力を発揮し、具体的な行動をしたことをアピールします。
結果:その結果、〇〇となり、〇〇に大きく貢献しました
自分が行動した結果、どのような成果を得ることができたかをアピールするフレームです。
できる限り数字を出して説得力を増すことが重要ですので、客観的に理解できる形で成果を表現しましょう。
例文では「収集データが例年の5倍以上」という部分が具体例です。
コミュニケーション力そのものは数字にできないものですが、「相手に熱意が伝わった」「チームメンバーが鼓舞した」結果、研究成果が上がったという結論に導けます。
結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
自己PRの結論としては、自分のこうした強みを活かして企業へ貢献できるという締めくくりになります。
ここまでの例であれば、コミュニケーション力を発揮することでどんな仕事ができるのか、どんな仕事を目指したいのかを述べるフレームです。
例ではマーケッターとしていますが、ほかにも「企業と企業とつなぐパイプ役」「現場を鼓舞するプロデューサー」など、強みの活かし方はいくらでもあります。
自分が目指すやりたい仕事をうまく絡めてアピールすることが、理想の就活につながるでしょう。
【自己PR:ゼミ】ゼミでの経験を自己PRでアピールする際の注意点
志望している会社での職種にゼミで研究した専門知識や技術が役立つと自己PRに使う方やゼミの教授が業界で知られた人だからとアピール材料に使う方は少なくありません。
アルバイトやサークル、ボランティア活動などで経験したエピソードに代えて、ゼミでのエピソードを具体例に挙げる人もいます。
もっとも、ゼミは基本的には大学の授業の一環になるので、単に学んだことなどを話しても自己PRにはなりません。
今後の仕事に役立つような経験や学びを、ゼミでどう得ることができたのかを話すことが必要です。
面接官に印象を残し、この人を採用したいと思わせるゼミを自己PRで使う際の注意点についてご紹介します。
差別化が重要
自己PRでゼミの話をする人は多いので、他の応募者と同じような話に終始することやまたかと思われることがないよう差別化を図らなくてはなりません。
とはいっても、他の応募者がいったい何を語るのかはわかりません。
そのため、「ゼミで何を学びました。」「ゼミでこうした専門知識を得たことが自分の強みです。」「ゼミで研究した技術を活かせると思います。」など、多くの学生が使いがちなパターンは避けましょう。
ゼミで学んだことだけを話しても、それでどうなのかがわからないと面接官の心には響きません。
企業はゼミや研究の内容には興味はない
ゼミを自己PRで使う際に起こしがちなミスとして、ゼミで何を学んだかや研究内容の説明に終始してしまうことです。
企業の担当者はゼミでの研究内容に興味があるのではなく、そこで、あなたが何を学び、何を見につけ、自社の仕事に活かせるのかに注目をしています。
どんなに有名な教授のゼミであろうと、企業が開発しようとしている製品や技術に役立つ研究内容であろうと、本人がしっかり自分のものにして仕事に活かすことができないのでは絵に描いた餅でしかありません。
ゼミを通じて何を得たのか、ゼミで何を達成した経験があるのか、仕事にどう活かせるのかをメインにアピールするようにしましょう。
専門用語は使わない
企業の製品や開発に取り組んでいる内容に関連するからと、相手がわかるだろうと思って専門用語を並べ立てる方も少なくありません。
ですが、面接官は技術者とは限らず、思うほど通じないこともあります。
何より、企業としては専門用語を並べ立てられるより、それをいかにわかりやすく伝えられるかという点を見ているので、誰もがわかるようにかみ砕き、わかりやすい表現で明確に話せることが大切です。
他人に披露することを意識する
面接やエントリーシートなどで自己PRする際は、です・ます調を心がけ、相手に不快感を与えないようにしなければなりません。
また、間違った敬語や二重敬語にしないように気をつけましょう。
第三者にチェックしてもらう
一通り自己PRの作成が完了したら、第三者にチェックしてもらいましょう。第三者に見てもらうことで、クオリティの高い自己PRにできる可能性があります。
自分には関わりがあるけどゼミには関わりがない、という立ち位置の人に相談するのが、より効果的でしょう。
【自己PR:ゼミ】ゼミでの経験をアピールする自己PR例文
最後に、ゼミの内容で長所をアピールした例文をご紹介させていただきます。こちらの書き出しを参考にあなたもゼミで自己PRを行ってみましょう!
例文1:コミュニケーション力
私の強みはコミュニケーション力です。
目標に対して周囲の人を巻き込み、力を終結することでより良い成果を得ることができます。
私は3年間、ゼミ活動においてチームメンバーや調査対象者、大学など様々な人々との折衝役を担っていました。
ゼミでは地域の産業を活性化させる研究を行っており、大学を中心に周囲の地場産業の調査をしていました。
大学では年末に全校でゼミの研究発表会が実施されるのですが、1年目のとき、地域の協力が思うように得られない状況に陥ったことがあります。
データが圧倒的に足りない上にチームのモチベーションも低下し、そのままではゼミの存続も危うい事態です。 私は地域の協力者とコミュニケーションが足りていないと考え、その日から毎週2~3日のペースで現場に足を運び始めました。
その結果、相手にこちらの熱意が伝わり、収集データも例年の5倍以上を得ることに成功しました。
チームメンバーもこれに鼓舞され、研究発表会では高い評価を得ることができました。
私はこうした経験を活かし、貴社のマーケティング部署で顧客の声を引き出せるマーケッターとして活躍したいと考えています。
例文2:意見をまとめる力
私は周りの人の意見をまとめることが得意です。
大学のゼミではその能力が存分に発揮されました。
学生達が順番に論文の内容を発表していく時間に、教授からの指名で私が各々の感想や意見をまとめることになりました。
ゼミは参加したり意見したりする学生も多く、非常に活気があることから私のようなまとめ役の学生が指名されたのですが、それぞれの意見を聞きつつ、ゼミの時間内で発表、感想を予定していた人数分済ませる必要がありました。
単純に意見を取りまとめるだけではなく、タイムキーパーとしての役割を果たすこともできたので、その時のゼミの時間は私自身にとっても非常に学ぶべき点の多いものとなりました。
私は御社の製品開発部を志望していますが、自らが企画することだけではなく、部署やチームの意見を工夫して集め、整理した上で最適解を導き出すという能力は大いに貢献できるのではないかと考えております。
例文3:チームワーク
私の強みは、チームワークを生み出すためのキッカケづくりができることです。
私の所属していたゼミは活動が盛んで、大学祭でもゼミのメンバーで模擬店を出すことになりました。
当初は全員が模擬店の出店に前向きでしたが、しばらくするとアルバイトや実家に帰省するといった理由から模擬店の打ち合わせにこないメンバーも出てきました。
そのうちに模擬店の打ち合わせに出るのは決まったメンバーのみになってしまい、ゼミとしてのまとまりが薄れてしまいます。
そこで、模擬店の打ち合わせのスケジュールを考え直しました。
模擬店の打ち合わせはゼミの活動の後の30分間とすれば、ゼミの後のため全員がスムーズに参加できるようになりました。
また打ち合わせの際には、気を遣わずに渡せるキャンディなどを用意し、メンバーがホッとできるような空間づくりを心がけます。
そして、あえて打ち合わせ時の雑談中に、プライベートな相談をメンバーにもちかけることで、グッと距離が縮まったと感じました。
再びメンバーにまとまりが出るようになり、大学祭の2週間前にはゼミ全員の心が完全に1つになり、模擬店も成功しました。
サービスの仕事では、チームワークがカギとなると考えています。
入社後は、周りをよく見ながら、人間関係づくりも怠らず、心地よい接客を心がけます。
例文4:行動力
私の強みはフットワークの軽さです。
私はゼミで、東南アジアの民族舞踊をテーマとした研究を行っています。
カンボジアやタイの歴史からアプローチし、近隣国との関わりの中で年月をかけて変化してきた舞踊を学んできました。
また、研究には大学の図書館やインターネットを利用していましたが、情報に限界があり、細かいところまで突き詰めることができず、途中まで書きかけた卒業論文の内容に満足できていませんでした。
そこで、自分なりに納得がいく卒業論文を書き上げるためにタイとカンボジアでフィールドワークを行うことにしました。
私は、海外に行った経験がありませんでしたが、「納得のいく卒業論文を完成させたい」という強い気持ちが私を動かし、すぐにパスポートを取得し、一人でタイとカンボジアを訪れています。
現地では、博物館や美術館だけではなく、実際に舞踊教室を訪れるなどして、全身で舞踊を吸収できました。
その結果、自分なりに満足できる卒業論文を書き上げることができました。
私には強い意志があり、その意思が私の行動力の源泉となっています。
貴社ではこの行動力を生かし、小さな困りごとに関してもすぐにお客様のもとに行けるようなビジネスパーソンを目指します。
例文5:リーダーシップ
私の強みは、リーダーシップです。
私が所属していたゼミでは、私が立候補し、ゼミリーダーを担っておりました。
私の大学ではゼミの合宿はキャンパス内のセミナーハウスで行います。
ゼミが始まってすぐのころはメンバー同士もよそよそしく、仲を深めるためにもさっそくセミナーハウスでの合宿を計画しました。
セミナーハウスとはいえ、普段の教室とは違う雰囲気で開放的になり、食事の後で、数名が一人のおとなしい男性をからかっていることに私は気付きました。
不快になる発言が出ていましたが、近くにいたメンバーで注意できる人もおらず空気が悪くなっていたため、私はいったんからかわれている男性を呼び寄せました。
そして、空気の流れが変わったところで、レクリエーションを開始しました。
誰かが声を上げなければ、いつまでも重たい空気のままであったと思います。
注意深く周りを観察したことで、声を荒らげることなく、ベストなタイミングで声をかけることができました。
その後のレクリエーションではゼミのメンバーの気持ちをまとめることができ、全員が思いやりを持ってゼミの活動に取り組んでくれるようになったことを実感できています。
ゼミのリーダーとして、20名の個性豊かなメンバーをまとめ上げた経験を活かし、貴社でも率先して同期をまとめ、意欲的に働けるような雰囲気づくりを行いたいです。
【自己PR:ゼミ】自己PRでゼミでの経験を上手にアピールしよう
ゼミの活動は、大学生活でほとんどの方が行っているものになります。
そのため、ゼミを就活でアピールする方が多く差別化が難しくなってきます。
そのため、あなた自身の経験ではなく、その経験で得たこと、考えたことも一緒に盛り込むように、独自の自己PRを作成するようにしましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート