物資の販売や輸出入貿易などを行う商社は、製造業を支える大事な存在です。
物作りの根幹にある職種のため、総合、専門を問わず人気の高い業界ですね。
就活をしていても、周りに一人は商社を目指している人がいるのではないでしょうか。
ですが、商社と一口に言っても、その範囲はとても広いです。
そんな商社業界には、どんな人が採用されているのでしょうか。
今回は、商社の面接で気をつけたいことをご紹介していきますので、この業界に興味のある人は是非参考にしてみてください。
ほぼ間違いなく聞かれる質問
商社の面接で聞かれることは、以下の通りです。
自己紹介
やはりどのような企業でも聞かれることですが、商社でも例外なく自己紹介を求められます。
事前に準備を重ねて、本番ではミスを少なく自己紹介ができるように心がけましょう。
志望動機
数ある職業選択肢の中から、どうして商社を選ぼうと思ったのか、というのは面接官が最も注目しているポイントの一つです。
また、業界だけではなく、その中でもどうしてその企業を選んだのかも重要視されます。
似たような規模、事業内容の商社が存在した場合には、そこについても質問されることがあるので、複数社の企業研究をして、それぞれの特色を詳しく調べておきましょう。
長所、短所
自身のそれまでの人生の中から、どのような長所、短所があるのかというのをしっかり把握する必要があります。
この他にも、学生自身に関する質問を中心に聞かれることになりますが、それらの質問に答える上で役立つのが自己分析です。
自己分析をすることでそれまで自分自身も自覚していなかった自分の魅力や欠点に気付くことができるので、就活を始める際には必ず自己分析を行いましょう。
語学力
商社の場合、企業によっては海外とのやりとりも頻繁に行います。
その上で最低限の語学力がなければ業務についていくことは難しく、挫折してしまうでしょう。
話す力だけではなく、メールなどの返信には文章力も求められます。
語学力を重視する商社は多いので、学生のうちから磨きをかけておきましょう。
質問
企業側に対する質問はないか、ということを聞かれます。
鋭い質問を問いかけることができれば好印象を与えることができます。
純粋に業務や事業のことで気になっていることを聞いたり、企業研究の末に疑問に感じたことを聞いたりしても良いでしょう。
これらの質問項目については、最低限答えられるようにしておきましょう。
項目別!商社の面接対策
商社は人気企業の1つであり、ライバルも多く、面接も厳しく選考が行われます。
グローバルにビジネスを行う人材を採用するため、各商社の採用基準に基づき厳しい目線で行われる面接を突破するにはどうすればいいのでしょうか。
質問の項目別に商社の面接対策についてご紹介します。
基本的な応対
どの項目の質問でも、基本的な対応はPREP法にもとづくことです。
質問に対する簡潔な結論、理由、エピソード(事例や経験)、結論の4点法です。
面接の時間は限られていますので、どの項目でもPREP法に基づき、短く簡潔に話すこと、しかも内容はしっかりと具体的に構成することが大切です。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
自己PR
自己PRはあなたの強みや得意なことをアピールするものです。
もっとも、自分の強みなら何でもいいのではなく、エントリーした商社が求める人物像や志望する職種の適性に合わせ、自分の強みを引き出して話せるようにすることがポイントです。
例文①
私の強みは粘り強さです。
大学2年のとき、発達障害のあるお子さんの学習をサポートするボランティアを行いました。
心を開いてくれない、集中してくれないといった初めて直面する困難な状況を解決したのは粘り強さでした。
お子さんが自由に動き回るのにとことん付き合い、1時間かけて一緒に遊んでみたり、様子を見守ったりしたところ、私に興味を示し、勉強に取り組んでくれたのです。
人に寄り添い、状況に応じた粘り強さを体得できたと感じました。
この経験を活かし、海外での難しい交渉に粘り強く取り組み、成果を出したいです。
例文②
私の強みは瞬時の判断力と行動力です。
昨年の〇〇県を襲った台風被害の際、我が家は事なきを得ましたが、隣の市に住んでいる祖父母宅が停電に見舞われたのです。
両親は停電はすぐに収まると考えていましたが、高齢者がどんなに不安かと思うと、すぐにクルマを走らせ、祖父母を自宅に連れてきました。
結果として2週間以上にわたって大規模停電が続いたので、祖父母にも両親にも感謝されました。
瞬時の状況判断力とすぐに行動に出られるフットワークの良さは、私の強みです。
商社マンとして1人で海外交渉する機会も多く、突然のアクシデントに見舞われることもあると思うので、自分の強みを活かしていきたいです。
志望動機
志望動機は面接の質問の中でも、核となる項目です。
人気の商社が複数ある中で、なぜ、その選んだのかを明確にしなくてはなりません。
多くの就活生が複数の商社にエントリーすると思いますが、内定を得たいなら、商社ごとにその商社が本命だとアピールする必要があります。
そのために、各商社の特徴と違い、差別化できるポイントや強みをしっかり比較して理解しておきましょう。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
例文①
私が御社を志望したのは、日本経済を支え、発展させられる仕事ができるからです。
数ある商社の中でも、地球温暖化防止への取り組みを行う事業にいち早く動くなど、時代をキャッチアップする力と決断力に強みを感じます。
時代が変化しても、世界で戦える会社だと考え、志望しました。
私は中学から高校まで父の仕事の関係で、アメリカで学生生活を送りました。
アメリカにおいて日本の経済力を客観的に見られた経験と、自分の考えをしっかり持ち、発言することの大切さを体得した経験を活かし、御社のグローバルビジネスを通じて、日本経済を下支えする仕事をしたいです。
例文②
私が御社を志望したのは、人々の生活に欠かせない商品を取り扱い、生活を豊かにする仕事だからです。
商社の中でも御社は積極的に新しいビジネスに取り組んでおり、10年前にはなかった〇つものビジネスを生み出されています。
これまで取引がなかった地域や分野から新たなビジネスチャンスを見出し、成長ビジネスへと牽引する力は他社にはない強みだと感じます。
私は大学時代に文化祭の実行委員長を務め、これまでにない体育館ライブを実現させました。
新しい発想力と実行力を活かし、御社のこれからの成長に貢献すべく、新しい取り組みにも果敢にチャレンジしていきたいです。
ガクチカ
ガクチカは学生時代に力を入れたことなら、基本的には何でもいいのですが、やはり商社での仕事に役立つ学びや経験をした内容がベストです。
商社マンとして求められる語学力やフットワーク、行動力や交渉力、体力、忍耐力といった点で、力を入れたエピソードはないか検討してみましょう。
例文①
私が学生時代に力を入れていたのは、サッカーです。
小学校から大学までサッカーに打ち込み、日本代表を目指してたのです。
ですが、ケガをしたこともあり、日本代表の夢はかないませんでした。
日の丸を背負って世界で活躍する夢を、グローバルなビジネスを展開する商社なら叶えられると考えました。
12年あまりにわたって続けてきたサッカーを通じての闘争力や根性、フットワークの良さを活かし、世界で勝負できる人材になりたいと思っています。
例文②
私が学生時代に力を入れたのは、海外ボランティア団体での寄付集めです。
貧しい子どもたちにワクチンと栄養食を届けるために、古着や切手、寄付金を集める活動をしていました。
ある月の目標が600万円だったのですが、月の半ばでも200万円にいたらない状況でした。
そこで、実際に寄付を届けた貧しい子どもたちが、栄養食を食べて笑顔を見せる写真をサイトやSNSを通じて発信、拡散させたのです。
その結果、月末には700万円分もの寄付が集まり、見事、目標を達成できました。
ただ、貧しい実情を説明するだけでなく、実際に寄付が届けられているという事実を伝えることの重要性を学びました。
人の心理を動かすには言葉だけでなく、事実や根拠という学びを、商社での新しい取引先へのプレゼンに活かしたいと考えています。
ケース面接に備える
商社で多い面接形式の一つに、ケース面接があります。
ケース面接は、一人で答えを出すのが難しく、基本的には面接官と協力しながら一つの答えを導き出していきます。
広く知られている議題では、
- 「日本の電柱は何本あるか」
- 「シカゴにピアノ調律師は何人いるか」
といったものがあります。
これらのテーマには面接官側で用意しているある種の答えがある場合と、面接官も答えを知らない問題の2パターンが存在します。
重要になるのは論理や仮説で、テーマに対して順序立てて考える能力を見られることになります。
ケース面接の攻略に特化したサイトなどもあるので、それらを参考にしつつ考え方の基礎を学んでみてください。
グループディスカッションも
ケース面接の他に、選考過程ではグループディスカッション、通称GDを行う場合はあります。
GD攻略は別の記事でもご紹介しているので、詳しくはそちらを見ていただきたいのですが、大切なのは自分の役割を見つけて、上手に立ち回ること。そして、限られた時間内で、有益な発言を残せるように努めることです。
これも言う分には簡単ですが、いきなりできることではないので、事前にしっかりと備えておきましょう。
ストレス体制も見られている
商社では、ネガティブチェックも行うことがあります。
面接官が突然無反応になったり、圧迫までいかなくとも空気が変わったりすることがあると思います。
そんな時でも、「失敗してしまったかも」と慌てるのではなく、冷静に対処するようにしてください。