受付事務は企業の窓口になるだけではなく、細かい事務処理能力も求められる大切な仕事です。
女性を中心に志望している就活生も多いでしょう。
そして、就職活動では履歴書がつきものです。
特に自己PR欄は企業が重点的にチェックしている項目であり、自己PRの印象度は書類選考を左右します。
受付事務に求められる要素を把握して、採用担当者の目を引く自己PRを完成させましょう。
ここでは、受付事務の自己PRを例文付きで解説します。
受付事務とは?
企業の第一印象を決めると言っても過言ではないのが、受付です。
ビジネスマナーはもちろん、臨機応変に対応する柔軟性が求められ、ホテルの受付では外国語が必要になるケースもあります。
受付事務は、未経験でも挑戦することができます。
実際に企業の求人広告では、未経験者歓迎と記載されているの目にしたこともあることでしょう。
受付を設置している企業は多く、受付事務の内容も多岐にわたります。
企業の受付だけでなく、美術館などの文化施設や病院、ホテル、スポーツジム、美容サロンなどにも受付がいます。
受付事務の経験は、同業種の転職の際にも有利になることがあります。
まずは、受付事務全般の主な仕事内容について紹介します。
主な仕事内容
受付の主な仕事内容は、来客の対応業務、スケジュール管理、電話対応、データ入力や資料作成、会議室などの管理、郵便物の保管業務などがあります。
接客業務をこなしながら事務作業を行うため、迅速かつ臨機応変に対応する能力が求められます。
病院やクリニックの受付では、保険証の確認やカルテの作成、具合の悪いお客様の対応など、専門的な知識と丁寧な対応が重視されます。
ホテルの受付ではチェックインやチェックアウトの手続き、モーニングコールに加えて、海外からの来客など、通常の受付業務にプラスして英語のスキルが求められることもあります。
仕事を通してビジネスマナーやコミュニケーション能力、外国語などのスキル磨くことができ、経験を積むことで受付の責任者といったポジションに昇格できます。
自己PRで人事が見るポイント
受付事務に応募する際は、自身の長所をPRする必要があります。
しかし、それだけではなく応募する企業の人事担当者が、自己PRで何を求めているかを知る必要があるでしょう。
受付に最も求められていることは、コミュニケーション能力だと言われています。
しかしそれ以外にも、企業の顔としてふさわしいかどうか判断するために、人事は次の4つのポイントについてチェックしています。
印象
企業や施設に訪問した際、受付の人の態度や印象によって第一印象が決まると言われています。
来客時の対応や電話での受け答え次第で、企業そのもののイメージが大きく変わることでしょう。
相手の目を見ながら話をし、ハキハキとした言葉遣いでわかりやすく説明するなど、明るい姿勢で接することが受付に求められます。
社会人としてふさわしいマナーや言葉遣いができているかどうかは、人事が最も重視するポイントです。
受付事務に応募する際は、自分の第一印象や話し方など、外見や見た目の印象についても考慮する必要があるでしょう。
マナーについては自分では自覚していない可能性もあります。
いくら知識や資格などがあっても、無意識に失礼な態度を取ってしまうと相手の気分を害してしまいます。
マナー研修に参加して専門家のアドバイスをもらうなど、自分の印象について事前にしっかりと確認するようにしましょう。
自己理解ができているか
自己PRでは自分の特技について採用担当者に説明しますが、そもそも自己理解ができているかどうか、もう一度確認する必要があります。
長所や短所については紙に書き出し、自分の性格や傾向についてあらかじめ理解するようにしましょう。
就職活動では自己分析をすることが大切と言われています。
自身の強みや弱みをしっかりと理解したうえで自己PRを考えるようにしましょう。
自己PRでは、会社でどのように貢献できるか、具体的にイメージを持ってもらうことも大切なポイントです。
企業が求めている人材としてふさわしいかどうか、過去の具体的な経験をもとにアピールするようにしましょう。
起承転結ができているか
人気の企業の場合は、受付事務に多くの人が応募する可能性があります。
選考に残るためには、起承転結ができている自己PRを考える必要があるでしょう。
面接の場合はコミュニケーション力を使うことができますが、書類選考の場合は話に一貫性を持たせることが大切です。
文章にまとまりがないと、せっかくのPRポイントも相手に伝わらない可能性があるため、注意が必要です。
具体的には、まずはこれまで自分が努力してきたことを最初に説明し、その中でどのような困難や課題があり、いかにして困難に立ち向かったのかを説明します。
最後に何を学ぶことができたかを説明して締めくくれば、具体的なエピソードから応募者の性格や仕事に対する姿勢、問題解決能力などを相手に伝えられます。
その会社が良い理由が明確
自己PRでは、なぜその会社で働きたいのか、理由を明確に示す必要があります。
その会社の受付事務でなければいけない理由など、具体的な志望動機を盛り込むとわかりやすいでしょう。
たとえば外資系企業の受付事務の場合は、留学経験や語学のスキルがあれば、会社の事業内容に共感できる部分もあるかもしれません。
過去に受付事務と接した経験があったり、アルバイトなどで働いた経験があったりする場合は、会社に惹かれたエピソードを説明できます。
コミュニケーションの大切さや、パソコンスキルを活かすことなども志望動機になりますが、企業研究をしたうえで会社に貢献したい理由や熱意を伝えることも大切です。
なぜその会社が良いのかについては、必ず明確に説明できるよう、前もって考えるようにしましょう。
受付事務の自己PRを作成するヒント
受付事務に応募する際の、自己PR作成に関するヒントを紹介します。
自己PRは自分が受付事務の業務に適性があることを示す、非常に大切な記入欄です。
丁寧に文章を組み立て、読んだ人がわかりやすい内容にブラッシュアップしていきましょう。
企業が求める人材を知る
企業が求めているのはどんな人材かを知ることは、あらゆる業種で採用を勝ち取る助けになります。
特に長年その企業で務めてきた役員・社長の面接を受けるときは、応募者が企業にマッチしているかをチェックされることが多いです。
受付事務はお客様にとって企業の第一印象になりうる社員なので、企業の求める人物像を体現できている必要があるでしょう。
応募先企業の社風・理想とする社員像を研究し、自分が何をアピールすれば良いのかよく考えてください。
その企業でなければならない理由
多くの企業で、面接官は応募者の入社意欲を面接で重要チェックポイントにしています。
入社意欲をはかるための代表的な質問は「どうしてうちでなければいけないのか」というものです。
同業他社よりも魅力的なポイント・自分がマッチしていると思う理由を具体的に述べられると、入社意欲に関する説得力が増します。
企業研究をする際は同業のライバル他社も見ておくと、応募先企業の長所や応募したいと感じた理由をより表現しやすくなるでしょう。
自分の人柄を正しく理解する
自己PRは自分の人柄をもっとも伝えやすい記入欄なので、自己分析で自分の人柄を今一度確認するのがおすすめです。
よりエピソードを掘り下げたいときは、家族や友人にも分析を手伝ってもらいましょう。
客観的な評価を聞くことで、自分で気づかなかった長所に気づくことは多いです。
当然ながら、見つけたアピール材料は受付事務の業務とうまくリンクさせる必要があります。
自分の長所はどうして受付対応や事務作業で活きるのか、論理的な説明ができるようにしましょう。
受付事務の自己PRを作成する際のポイント
受付事務の自己PRを作成する際、心がけたいポイントについて解説します。
履歴書の文章と面接の口頭説明、どちらでも共通する点を中心にまとめました。
以下の見出しで説明する事柄に注意し、内容によりいっそうの説得力をもたせましょう。
結論は簡潔に伝える
自己PRで非常に大切なことは、結論・要点を最初に述べてしまうことです。
「私の長所は〇〇であることです」などと、簡潔に言い切る形の文にしましょう。
面接の自己PRでも、最初に結論から入ることが重要です。 結論を後回しにしてしまうと、聞いている側の集中力が削がれ、真意がうまく伝わらないこともあります。
結論・理由・具体的な補足エピソードという順に説明すると、論理的な思考ができるアピールにもなるので、ぜひこの伝え方をマスターしましょう。
エピソードは具体的に
自分の長所を伝えるためのエピソードは、数よりも質が大切です。
1つのエピソードで良いので、深く掘り下げて自分の人柄がより伝わるよう工夫しましょう。
具体的には、売り上げなどの客観的な数字を用いて説明する・目上の方からの褒め言葉を紹介するといった方法があります。
結果を説明する前に、直面した課題やその課題を乗り越えるためにした工夫について述べるのも効果的です。
文章スペースや説明時間に余裕があれば、最後にその経験から得られた学び・気づきについても触れましょう。
自分が企業に貢献できることをアピール
自己PRの後半では、自分の長所を入社後にどう活かせるかをアピールすることも大切です。
エピソードがビジネスと直接関係ない場合は特に、自分の長所がビジネスにも活きることを伝えてください。
就職活動は内定を得られた時点がゴールではありません。 採用担当者に本気で仕事を頑張りたいとわかってもらえるよう、入社後のこともしっかり考えていることを伝えましょう。
自分の長所がどうして企業の貢献につながるのかをイメージしてもらえれば、採用につながる可能性がかなり高まります。
受付事務に活かせる強みとは
受付事務の業務に活かせる強みについて、人間性や経験・資格といった観点から見ていきましょう。
以下の見出しに該当する強みがあれば、履歴書や面接で積極的にアピールできます。 うまく活用して採用内定を勝ち取ってください。
受付事務に向いた人間性とは
受付事務に向いた人間性を自己PRで強調すれば、採用担当者の印象に残りやすくなります。
受付事務では丁寧な口調と会話力が求められています。
そのため、礼儀正しくコミュニケーション能力に長けた人は、受付事務の適性が高いと言えるでしょう。
一方で、受付事務は単なる接客業ではなく事務処理能力も必要なポジションです。
来客に対して的確な対応をしつつ、事務作業も完璧にこなさなくてはいけません。
そこで、几帳面な性格、真面目な性格の人も受付事務に向いています。
また、「向上心」や「協調性」といったキーワードも就活のポイントとして頻繁に挙げられます。
受付事務の自己PR文でも効果的に盛り込みたいところです。
受付事務に活かせる経験や資格とは
受付事務や受付をアルバイトで行っていた人は自己PRの大きなチャンスです。
具体的な業務内容や期間を書いて採用担当者に経験を示しましょう。
受付事務の就職活動では未経験者が不利になるとまでは言えませんが、経験をアピールして損することはまずありません。
受付以外にも接客業や営業など、人と接するアルバイト経験は大きな武器となります。
受付事務は来客からの印象が問われるポジションなので、接客に慣れている人ほど企業から興味を持たれやすいでしょう。
一方で、受付事務には事務的なスキルが不可欠。
パソコンやマイクロソフト・オフィスの検定に受かっている人は自己PRに含めましょう。
また、簿記の資格なども就職では有利に働きます。
受付事務の自己PR例文
これまでに解説してきたポイントをふまえ、受付事務に応募する際の自己PR例文を見ていきましょう。
性格を強調したい場合・能力を強調したい場合と、2パターンの例文を紹介しています。
ぜひ自己PR作成の参考にしてください。
【例文1】性格を強調する
以下、受付事務の自己PR例文です。
この例文では「自分が受付事務に向いている性格だ」と主張する内容になっています。
私は高校時代に生徒会で会計を務めていました。
私の通っていた高校では例年、予算の収支予測が上手くいっておらず、生徒会の事業計画が立てづらい状態でした。
そこで、私は過去の記録を参考にしながら予算案を正確に作り、事業計画に役立てました。
それほど、私は几帳面な性格です。
生徒会では、ほかのスタッフとミーティングを重ねるうち、コミュニケーション能力と協調性に磨きがかかりました。
これらの能力は必ず、貴社に採用していただいた後でも貢献できると自負しています。」
【例文2】能力を強調する
以下の自己PR例文は「私には受付事務をこなせるだけの能力がある」と強調しています。
具体的な資格や経験を書くのがコツです。
私は学生時代、アパレルでアルバイトをしており、接客業のノウハウを指導されました。
そのため、来客の方々に対して愛想よく礼節を持って接することができます。
また、アルバイト先で会計に興味を持ち、エクセルや簿記の勉強を行い、検定も受けました。
特に簿記では2級の資格を持っており、現在も勉強中です。
受付事務に求められる処理能力が私にはあり、入社後も先輩方のご指導を受けながら成長していくことができます。
どうぞよろしくお願いいたします。」
自己PRでは「求められている要素」をリサーチする
自己PRで大切なのは「この仕事に何が求められているか」をしっかりとリサーチすることです。
採用担当者の考えに一致する自己PRが書ければ、内定の確率も上がるでしょう。
ジョブコミットなどの就活応援サイトで幅広く企業研究を行うのがおすすめです。