観光業界にはどんな仕事があるの? 職種や役立つスキルなども詳しく解説

観光業界にはどんな仕事があるの? 職種や役立つスキルなども詳しく解説

「旅行が好きだから観光業界に携わりたいけど、私にできる仕事ってある?」 「ツアーガイドを目指しているが、どんなスキルが必要なんだろう」 「コロナ禍で観光業界が落ち込んだって聞いたけど、就職しても大丈夫?」 観光業界に興味はあっても、どのような職種があって就職に何が必要なのか、把握しきれていない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、観光業界の説明から具体的な職種、業界に入るにあたって役立つスキルを紹介していきます。さらに観光業界での有名企業、業界の将来性も併せて紹介しますので、観光業界への就職を本格的に検討している方にも有益な内容となるでしょう。

観光業界の仕事を検討している方は、ぜひこの記事を読んで観光業界就職への足掛かりにしてください。

観光業界とは?

観光業界は「旅行業界」とも言われ、大きく分けて「旅行業」と「旅行業者代理業」の2つがあります。

では「旅行業」と「旅行業者代理業」で、どのような違いや特徴があるのでしょうか。それぞれの特徴や違いについて詳しく見ていきましょう。

旅行業

旅行業とは、観光旅行の立案・企画を行い、そうした旅行プランを商品として販売する業種です。

旅行業者は、第1種~第3種と地域限定者の4つの区分に分かれており、区分によって取り扱いできる旅行範囲が変わります。国内旅行は基本的に全ての区分で取り扱いができますが、海外旅行は第1種のみとなっています。

出典:旅行業法 | 観光産業 | 政策について|観光庁 参照:https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/sangyou/ryokogyoho.html

旅行業者代理業

旅行業者代理業とは、旅行業者が販売する旅行プランなどの商品を委託し、代理人として販売する業種です。

旅行プランの企画などは行わず、販売の際の仲介手数料を収益にしています。旅行業と違い、資産条件や営業保証金の供託がない点が特徴です。

出典:旅行業法|e-Gov法令検索 参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC0100000239

観光業界の職種や仕事内容

観光業界では、ホテルや旅行会社での業務など、活躍する場所や職種にも様々な種類があります。

観光業界でどのように働きたいのかを見定めるためにも、職種や仕事内容について知っておきましょう。

ホテルマン

ホテルマンは、ホテル内の接客・受付業務をメインにする「フロントスタッフ」と、お客様の観光に関する予約代行を行う「コンシェルジュ」の2種類の仕事内容があります。

「フロントスタッフ」は、ホテルのフロントでの接客業務や宿泊の予約管理をする仕事です。マニュアルとしてのやり取りが多くなりますが、外国人との対応で語学力を求められる場合があります。

「コンシェルジュ」は、観光地でのレストランや観光施設の予約などを代行する仕事です。お客様のニーズを調べて予約手配をするため、よりお客様に密着した接客が求められます。

ツアーコンダクター

ツアーコンダクターは、旅行プランのスケジュール管理などを行い、安全な観光旅行ができるようサポートする仕事です。

現地スタッフとの打ち合わせや食事手配の調整、急病者へのトラブル対応など、業務内容は多岐に渡ります。簡単なツアーガイドをする場合もあります。

観光客へのあらゆるサポートをするため、観光客から感謝を伝えてもらうことも少なくありません。観光客の喜びの声をやりがいにできる職種と言えるでしょう。

ツアーガイド

ツアーガイドは、旅行プランの参加者に向けて観光地の案内をする仕事です。バスツアー時の駐車誘導など、旅行プランによっては交通機関の整理も行います。

観光スポットへの知識はもちろん、海外ツアーの場合は国の文化や習慣から案内するため、地理・歴史の知識力が必要になります。

ツアープランナー

ツアープランナーは、旅行業者が販売する旅行プランやツアーの企画・立案をする仕事です。ただし、中小規模の旅行会社では、ツアーコンダクターの仕事も兼ねる場合があります。

他者との差別化を図るプラン立案が求められるため、企画力はもちろん、トレンドへの関心や情報収集といったマーケティング力が重要な職種です。

通訳ガイド

通訳ガイドは、訪日外国人向けに外国語で日本旅行の案内をする仕事です。

少数の訪日客の専属として観光案内をするため、訪日客の方と深いコミュニケーションを取ることができるのが特徴です。

全国勤務の「全国通訳案内士」と、勤務地が限定されている「地域通訳案内士」の2種類があります。全体的に副業やフリーランスとして従事する方が多いでしょう。

カウンターセールス

カウンターセールスは、旅行会社の窓口で接客業務を行い、旅行プランの紹介や交通機関のチケット発券などの手続きをする仕事です。

お客様自身がプランを決める自由旅行の需要が増加していることから、自由旅行プランの相談に応えるツアープランナーとしての役割も兼ねるようになっています。

接客業務がメインのため、好感の高い接客態度はもちろん、お客様のニーズを聞き出す傾聴力が求められる仕事です。また、予約手続きなどの事務作業が多い職種でもあります。

旅行・観光業界の有名企業を紹介!

幅広い仕事内容がある観光業界は、携わる企業も様々です。進路や就職を検討するのであれば、自分がやりたい職種に関連した企業を研究する必要があるでしょう。

こちらでは、観光業界内での有名企業5社を紹介します。ぜひ企業研究の参考にしてください。

株式会社 JTB

JTBは、観光業界の中でも長い歴史をもつ企業です。

人や地域・企業との繋がりや交流を重視した業務展開経営方針が特徴で、地域活性化に特化したキャンペーンや観光情報誌の発行など、幅広い業務展開をしています。自治体や行政機関といった、公的機関との連携も積極的に実施している企業でもあります。

JTBでは、求める人物像を「自律創造型人財」と定めているため、実行力と好奇心が強く、自己成長のために挑戦し続ける人材が求められるでしょう。

株式会社エイチ・アイ・エス

エイチ・アイ・エスは、海外旅行に重点を置いた企業であり、手頃な価格帯からワンランク上の高級価格帯までの多様な旅行プランが特徴です。

海外拠点を多くもっているため、世界規模で活躍の幅が広げられるキャリアプランを目指せます。また、一般的な観光旅行以外にも、ウェディングやスポーツ観戦などの専門的な旅行プランも展開している特徴から、個性や多様性のある人材が求められる傾向にあります。

KNT-CTホールディングス株式会社

KNT-CTホールディングスは、近畿日本ツーリストやクラブツーリズムといった、国内旅行に強い観光企業数社が統合してできた企業であり、国内の団体旅行プランに力を入れているのが特徴です。

企業・法人向けの団体旅行に多くの実績をもつ近畿日本ツーリストと、クルーズ旅行や宇宙旅行などオリジナリティのあふれる旅行プランをもつ、クラブツーリズムの強みをそれぞれで活かし、多様性のある観光事業の提供を目指しています。

KNT-CTホールディングスは、観光業界の中でも社員の平均勤続年数が長い傾向があるため、長く安定して働きたい方に向いている企業と言えるでしょう。

株式会社 阪急交通社

阪急交通社は、トラピックスを始めとした5つの旅行ブランドでメディア販売しており、ブランドごとに特化した旅行プランを提供して幅広いニーズに応えているのが特徴です。

また、訪日外国人への観光事業に力を入れており、個人旅行はもちろん、日本への視察旅行や国際会議での来日といった企業向けの団体旅行にも対応している点が、強みとなっています。

社風は、創業からの古き良き伝統と若手社員の活気・チャレンジ精神を軸にしており、失敗を恐れず自分の考えやアイデアを実践していく人材が活躍しています。

株式会社 日本旅行

日本旅行は、観光企業の中でも歴史が古く、JR西日本の連結子会社という点からJR路線での旅行プランを強みにしている企業です。

ホテル事業も幅広く手掛け、JRや新幹線と連携した独自の宿泊プランが人気となっています。一方で海外事業にも力を入れており、高級志向の海外旅行プランなども展開しています。

型に囚われない自由な発想力を重視しているため、柔軟な思考で臨機応変に対応できる人材が求められるでしょう。

観光業界で役立つ知識やスキル

観光業界への就職を目指す際に、企業にアピールできる知識やスキルを把握しておくと、就職活動がスムーズに進められます。

ここでは、観光業界に役立つ知識・スキルを3つ紹介します。自分が観光業界に向いている人材かどうかを知る手がかりとしても、以下で説明する内容をぜひ活用してください。

主体性や協調性などの人間力

観光業界は、人とのコミュニケーションを重視した業務が多いため、主体性や協調性といった人間力が求められます。

接客で人間力が必要なだけではなく、主体性をもって情報収集をしたり、観光案内時のトラブルを先回りして解決したりなど、人間力を活かせる場面は多くあります。スキルとして磨いておいて損はないでしょう。

地理や歴史に関する知識

観光業に携わるのであれば、観光に関した地理や歴史の知識が必要になります。また、案内地の地理以外に歴史の知識も身につけておくと、神社仏閣や歴史遺産に関係した観光業で有利に働くでしょう。

さらに、国内の観光業であっても海外の地理・歴史の知識を得ておけば、それぞれを比較した観光資源の魅力を伝えることができるため、地理や歴史などの知識はつけておくと良いでしょう。

語学力

訪日外国人の観光需要が高まっている観光業界では、語学力はどの職種にも求められるスキルです。

英語や中国語以外にも、タイ語やスペイン語の需要も増えています。実際に、語学に関連した資格取得者を優遇採用する企業もあるため、磨いておけば就活する際に大いに役立つでしょう。

観光業界の今後の展開

コロナウイルス蔓延による緊急事態宣言や、東京オリンピックの無観客開催によって国内外の観光客が落ち込み、観光業界は大きな打撃を受けました。では、アフターコロナと言われるこれからにおいて、観光業界はどのような展望が抱けるのでしょうか。

ここでは、観光業界の現状から今後の展開について見ていきます。観光業界への就職に不安や興味がある方は、頭に入れておくと良いでしょう。

インバウンド需要の回復

インバウンド(訪日外国人観光客)の需要は、コロナ禍による影響が大きかった2020年度と比較して回復傾向にあります。これは、訪日外国人の受け入れ再開や、ワクチン接種者への規制緩和が要因の1つでしょう。

これからの観光業界の展望としては、本格的なインバウンド需要の回復が課題とされています。宿泊施設や観光地の再生に向けて、積極的にインバウンド需要の回復に取り組む動きが出ているのが現状です。

出典:インバウンド 訪日外国人動向|JTB総合研究所 参照:https://www.tourism.jp/tourism-database/stats/inbound/

予約などのIT化

観光業界では、オンライン活用を取り入れる動きが増えており、宿泊施設の予約や旅行プランの販売がIT化してきています。そのため、旅行会社などに直接出向かなくても、旅行プランが購入できる方法が確立されるようになってきました。

一方で、複雑な旅行プランの調整が可能な対面販売の需要も注目されています。観光業界では、店舗での対人スキルをもち合わせた上で、これからのオンライン需要に応えられる人材が必要だと考えられるでしょう。

旅行プランの多様化

観光業界のオンライン化の動きに伴い、より自由度の高い旅行プランが提案できるようになったため、旅行プランの多様化が進んでいます。

例えば、漁業現場体験ツアーといった異業種との連携や、VRによる火山体験コンテンツなどです。このような、オリジナリティのある旅行プランにしたい顧客が増えつつあるため、様々な視点でプランを企画できる提案力が求められるでしょう。

観光業界について学んで今後の展開を把握しよう

コロナウイルスの影響から大きな打撃を受けた観光業界ですが、企業や政府の取り組みなどから需要は回復傾向にあります。しかし、安定した成長が見込める業界である一方、業務形態や展開にも変化が求められることは少なくありません。

こうした変化のある観光業界に適応するためにも、観光業界への研究を怠らず、今後の業界展開を把握しておくことが重要です。

観光業界は、旅行や接客といった自分の好きな分野をやりがいにしている人が多い業界です。やりがいを仕事として活かせるように、観光業界の展開を踏まえた上で自分に合った仕事をぜひ見つけてください。

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