はじめに
「ノルマが達成できず上司からいつも怒られてしまう」「人間関係がうまくいかずに職場で浮いた存在になっている」など、仕事上の問題で強いストレスを感じている人は増加する一方です。
仕事でストレスを感じていても趣味などに熱中することでうまく解消できれば良いですが、耐性が弱いと様々な症状が起こってしまいますし、最悪の場合は自ら命を絶ってしまうケースも見られます。
ストレスの限界が近いサインと対処法を知り、ストレスと上手に付き合っていきましょう。
【仕事のストレスが限界】ストレスの主な原因
まずは仕事のストレスで限界が来る主な理由を3つご紹介します。
自分のストレスがどこから来ているものなのかを自分自身で理解して、あなたがこれから何をすれば良いのかを明確にしていきましょう。
人間関係が良くない
一つ目は人間関係が良くないのが原因に挙げられます。
職場で上司からのパワハラやセクハラはストレスを感じる大きな原因です。
他にも人とのコミュニケーションが得意ではない人にとって飲み会を誘われたり、お酒を強制されるのもストレスを感じる原因になります。
人付き合いが苦手な方は職場では最低限のコミュニケーションに済ませるようにしましょう。
労働環境が良くない
二つ目は労働環境が良くないことが原因に挙げられます。
長時間労働やサービス残業を強いる会社は今でも存在します。
仕事の量が常に多くて、十分な食事や睡眠時間を確保できていない場合はストレスを感じやすいです。
他にも空調が効いていなかったり、ネット環境が整っていない場合もストレスを感じる原因になります。
評価や待遇が良くない
三つ目は会社での評価や待遇が良くないことが原因に挙げられます。
自分の仕事を評価されない状況が続くとストレスを感じるようになります。
例として、自分が一生懸命仕事をこなしても会社側が評価をしてくれず、給料も上がらないような場合は仕事のモチベーションを保つことが難しくなり、ストレスを感じます。
ただし、仕事で評価をされないという場合は自分にも原因があるはずなので今一度自分を見つめ直すことも大切です。
【仕事のストレスが限界】ストレスが限界の時になりやすい病気
ストレスによる症状が長引き限界に達すると、病気を引き起こす可能性も少なくないでしょう。
病気になってしまうと、仕事に行くことだけではなく、日常生活を送ることさえも困難になります。
このような危険性を回避するためにも、いついかなる時も自分の身体を最優先しましょう。
もしも病気を患った場合には、ただちに病院で診てもらうなどの対処をしていくことが必要です。
仕事のストレスを溜め込むと、次のような病気を患う可能性もあります。
不眠症
夜なかなか寝つけない、緊張状態が続きよく眠れない、寝ても眠気が取れないなどといった症状は睡眠障害に該当します。
このような睡眠障害が1ヶ月以上続き、倦怠感や食欲低下、意欲低下、集中力低下などの日常生活に支障が出る病気を不眠症と言います。
不眠症は自律神経の不調が原因です。
自律神経とは交感神経と副交感神経をバランス良く保つことで、身体の緊張とリラックスを繰り返しています。
しかし、強いストレスがかかると、交感神経が優位になり神経が張り詰めた状態が続くでしょう。
ストレスがあると、覚醒中枢と睡眠中枢のバランスが崩れて眠れなくなってしまいます。
不眠症は、心療内科や精神科を受診する必要があります。
心当たりがある場合は、専門医に相談して不安を軽減していきましょう。
突発性難聴
疲労やストレスによって自律神経がバランスを崩れると、耳の聞こえが悪くなる場合があるでしょう。
このように、突然に耳が聞こえづらくなる病気を突発性難聴と言います。
突発性難聴は強いストレスを感じることで引き起こされ、主に片耳の音が聞こえづらくなります。
前日には問題なく音を聞き取れていたのにもかかわらず、朝起床したら音が聞こえにくくなっていたなど、前触れもなく発症することが突発性難聴の恐ろしい点です。
また、耳鳴りやめまいなどを伴うケースもあり、発症に気づく手がかりとなることもあるでしょう。
突発性難聴は治療が遅くなれば遅くなるほど、難聴や耳鳴りが残ることや最悪の場合は聴力を失う危険性があります。
症状に心当たりがある場合は、早めに病院を受診し治療を開始するようにしましょう。
円形脱毛症
頭皮に円形や楕円形の脱毛を発見した場合は、円形脱毛症が疑われます。
一般的には10円玉くらいの大きさを指しますが、頭皮全体に広がるもの、眉毛やまつ毛などの体毛に及ぶものまでさまざまです。
円形脱毛症を引き起こす要因はさまざまな説がありますが、近年では自己免疫疾患が原因とされています。
そして、免疫機能の異常を発生させる原因の一つとしてストレスが挙げられるでしょう。
疲労や強いストレスを感じることが長引くと、交感神経に異常が生じます。
これによって血管が収縮するため、頭部への血流が悪化し、毛根への栄養補給が妨げられます。
円形脱毛症になった場合は、皮膚科などの医療機関を受診しましょう。
独断で治療の必要の有無を判断するのではなく、不安や悩みを取り除くためにも専門医に相談することが大切です。
自律神経失調症
自律神経のバランスが崩れ、身体や心のバランスが乱れる状態を自律神経失調症と言います。
自律神経失調症は、強いストレスを感じることで、心身の健康を保つ自律神経が乱れてさまざまな症状が引き起こされます。
倦怠感、集中力や注意力の低下、イライラや不安感、抑うつ症状などが主な症状です。
また、頭痛、動悸や息切れ、めまいや立ちくらみ、下痢や便秘、冷えといった器官的症状が見られることもあるでしょう。
このように、全身に身体の不調が現れることから、自律神経失調症は特に自身による病気の判別が難しいとされています。
したがって、最初は内科を受診するケースが多いですが、ストレスが原因となるため、心療内科や精神科で治療していくことが正しいです。
うつ病
強いストレスを感じることによって抑うつ症状が継続的に現れるとうつ病を発症します。
うつ病とは、精神的ストレスや身体的ストレスなどを背景に、脳がうまく働かなくなっている状態を指します。
このような状態になってしまうとかなり重症です。
気分の落ち込みが続き、趣味など何をしても楽しめないといった精神症状が出てくると危険なサインです。
また、不眠や食欲不振、疲れやすいといった身体的な症状が伴うこともあるでしょう。
うつ病になると何に対しても否定的な考えとなり、ふさぎこんでしまいます。
自分がうつ病になるとは思ってもなかったと感じている人が大半なため、少しでも心当たりがある場合は心療内科や精神科を受診することが必要です。
うつ病は自分の力のみで克服することが困難であるため、専門医のサポートを受けながら治療していきましょう。
とりあえず仕事が限界だと感じたら
仕事のストレスが限界になるとこれらの病気になるリスクがあります。
馴染みのない病気ばかりに思えるかもしれませんが、現代のストレス社会の中では身近にあり、戦っている人も少なくはないでしょう。
過労や人間関係などといった仕事のストレスが蓄積されると、心身ともに悪い状態となります。
また、病気にならないにしても、ストレスによって常にイライラしやすくなることや常に仕事や生活のやる気が起こらなくなることなどもあります。
ついイライラして人に当たってしまう、気力が起きない、ため息が多くなったなど、自分がいつもと違うといった異変を感じることは重要なサインです。
自分の身を削ってまでその仕事に縛られる必要はありません。
仕事のストレスを我慢し続けるよりも、早めに対処をして自分の身体を守ることが大切です。
日常生活にも支障を及ぼす症状が出るおそれがあるため、仕事のストレスが限界だと感じた際は、すかさず次に述べる対処法を実践しましょう。
【仕事のストレスが限界】今すぐやるべき3つの行動
病気と同じで、仕事のストレスも早め早めの対策が肝心です。
我慢に我慢を重ねた結果ストレスが積み重なってうつ病など深刻な症状に進行する前に正しい対処をして、しっかりとストレスを解消するようにしましょう。
ここでは仕事でストレスを感じたときに効果的な対策を紹介します。
「つらい」と感じたら、ぜひ参考にしてください。
仕事を休む
ストレスの限界というのは自分ではなかなかわからないものです。
「大丈夫だ、まだまだ働ける」と頑張って仕事を続けているうちに、いつの間にか心や身体に問題が起きて働けなってしまうというケースは誰にでも起こりうることです。
仕事を休むことに罪悪感を感じるという人も少なくないですが、仕事によって溜まったストレスを解消する一番の方法は仕事から離れることです。
心や身体の調子をリセットしてストレスを解消するために、まずは仕事を休むという勇気を持ちましょう。
ストレスで会社を休むということを上司に伝えるのが嫌で無断で休んでしまう人もいますが、これはNGです。
無断欠勤してしまうと次に出勤しづらくなってしまいますし、もしかしたら将来の人事評価に悪影響が出てしまうからもしれないからです。
病院に行く
ストレスが限界近くまできているけれど仕事を休む勇気がなかなか出ないのなら、病院へ行くのも有効な対処法の一つです。
周りに相談できる人が誰もいないという状況にいるとストレスがどんどん溜まってしまうので、お医者さんに現在の自分の状況や不満を話すだけでも十分なストレス解消効果が期待できます。
病院へ行くときは精神科と心療内科のどちらにいったら良いのかわからないという人も多いと思います。
一般的に精神科は心の症状を対象とした診療科です。
ストレスや不安からのイライラや不眠といった症状からうつ病、統合失調症などを扱います。
一方、心療内科は主に身体に現われる症状を対象とした診療科です。
頭痛や吐き気、火照りや動悸などを扱います。
相談する
仕事のストレスが溜まってきたと感じたときの対処法としては、信頼できる人に相談するという方法もオススメです。
ストレスで一番良くないのは1人で問題を抱え込んでしまうことです。
ストレスが新しいストレスを生むという悪循環に陥ってしまい、どんどん辛くなってしまいます。
このような悪循環を断ち切るためにも、1人で抱え込まずに、思い切って誰かに相談してみましょう。
たとえストレスの根本を取り除くことはできなくても、気持ち的にはとても楽になるでしょう。
親や友人
仕事によるストレスの根本原因を取り除くには上司や同僚など仕事関係の人に相談するのが一番ですが、職場の人間関係に起因するストレスだと職場に信頼できる人がいないというケースも考えられます。
そのような場合は家族や友人など身近な人に相談してみましょう。
もしも家族や友人の中に自分と同じような状況を経験した人がいれば役に立つアドバイスがもらえるかもしれませんし、同じような業界・職種で働いている人がいれば悩みを共感し合うことができるからです。
また、仕事についてまったく知識がない場合でも悩みを聞いてもらうことや仕事とは関係ない他愛もない会話を楽しむだけでも気持ちが軽くなることがあります。
こういった仕事以外の人たちと接することが状況を変えるきっかけになることもあるのです。
厚生労働省の相談窓口
「自分が仕事上でストレスを感じていることを職場の上司や同僚、家族・友人に知られたくない」、「周囲に相談できる人がいない」という人もいるでしょう。
そのようなときは公的機関の相談窓口などを利用するのも良い方法です。
たとえば、厚生労働省では「心の健康電話相談」などの相談窓口を開設しています。
ここに電話すると各県や政令指定都市などに設置されている施設につながり、精神科医や精神保健福祉士、看護師といった専門職の人に相談することができます。
相談窓口を利用したからといって職場に指導が入ったり連絡が行ったりすることはないので、安心して利用することができるでしょう。
現在の状況を好転させる良い機会になるかもしれません。
転職をする
必ずしもその職場や労働環境に執着する必要はありません。
仕事の数は無限にあり、自分の身の丈に合った環境は必ずあります。
今まで述べた対処法を試しても効果がない、もしくは試す余裕もないという人は迷わず転職をしましょう。
近年では転職エージェントが普及しており、手間を取らずにスムーズかつ安定して内定を獲得し転職をすることが可能です。
自分一人の力のみで転職先を探すことはハードルも高いため、転職のプロに相談することは安心できるでしょう。
転職のプロに相談することで、自分が希望する条件と有意義に働ける環境が合致する新しい職場が見つかるはずです。
また、転職エージェントでは退職の代行サービスも行っているため、人事部や会社の上司に自分で退職を告げる不安を取り除くことができます。
【仕事のストレスが限界】仕事を辞めることは悪いことでない3つの理由
「仕事はやり遂げてこそ意味があるのだから絶対に辞めない」「仕事を辞めることに罪悪感を感じる」という人は意外に多いものです。
しかし、正当な理由があれば会社は辞めてもかまいませんし、その行為は「逃げ」でもなんでもないのです。
ここでは仕事を辞めることが悪いことではない理由を3つ紹介します。
強いストレスを感じている人は今の状況と照らし合わせて、転職のぜひを考えてみましょう。
あなたの身体が一番大事
「仕事を辞める決心をしたけれどなかなか言い出すことができない」「仕事を辞めると上司に伝えたけれど、それは甘えだと突き返されてしまった」という人もいるでしょう。
たしかに仕事を辞める決心をすることは重大なことですが、強いストレスを感じる職場で働き続ければ体調を崩して病気になってしまうこともありますし、仕事に集中することができずに大きなミスをしてしまう可能性も否定できません。
次の就職先がなかなか見つからなければ自分だけでなく家族にも迷惑をかけてしまうかもしれませんが、やはり一番大切なのは自分の身体です。
仕事を辞めたことでストレスから開放されれば、体調不良も改善して、またバリバリ働くことができるようになるでしょう。
最悪死ぬこともある
日本では過労死が大きな社会問題となっています。
過労死のニュースを聞いて「死ぬくらいなら仕事を辞めれば良かったのに」と感じた人も多いのではないかと思いますが、実際には仕事のストレスが原因で自殺や病死をする人の数は一向に減っていません。
なぜ会社を辞めることよりも死ぬことを選んでしまうのか、その理由は同じ立場になってみないとなかなか理解できないのかもしれませんが、専門家によると「長期間にわたって強いストレスを感じる環境にいると会社を辞めるという選択肢が消えてしまう」ということがあるようです。
つまり、仕事以外のことは一切考えることができなくなってしまうというわけです。
ストレスを軽く考えている人もいますが、場合によっては死につながることがあるということを意識して、「このままではまずい」と感じることがあれば、早めに転職を考えてみましょう。
あなたが辞めて会社が倒産することはない
ストレスを感じやすい人は仕事に対して強い責任感を感じている人が多く、「自分が休んでしまったら同僚に迷惑をかけてしまう」、「自分が退職していなくなったら会社が回らなくなってしまう」といった思考になりがちです。
これが仕事を辞めることを躊躇させてしまうのです。
たしかに、会社で中心的な立場にいる人がいきなり抜けてしまったら少なからず影響が出ることは否定しません。
しかしながら、その影響は会社が倒産するほど大きなものではありませんし、それほど長く続くものでもありません。
何日か経過すれば穴埋めのためのメンバーが補充されて、再び会社は回っていくことになるでしょう。
ストレスが限界まで来てしまったら自分一人で負担を背負い込むことはやめて、「自分が辞めても問題がない」と思うようにすると、気分的に楽に転職できるでしょう。
【仕事のストレスが限界】ストレスフリーな仕事に転職するために
ここではストレスのない仕事に転職するためにしておくべきことを二つご紹介します。
転職を考えている際はまず、転職のコツを掴んでから行動しましょう。
口コミサイトを参考にする
転職先を考える時には企業調べだけでなく口コミを調べるようにしましょう。
というのも企業調べだけでは企業の雰囲気を掴むことができないからです。
実際に働いていたり、働いていた社員さんの意見は雰囲気を掴むための貴重な情報になります。
必ず企業の口コミも調べるようにしましょう。
会社の視野を広げる
転職する際に給料や雇用形態、業務内容に基準を置くことはもちろん大切なことです。
しかし、実際には給料や雇用形態がよくてもその分残業が多い会社であったり専門的な知識を必要とする場合が多いです。
仕事をする上でストレスを感じないことはほとんどありません。
そのことを意識した上で自分自身と向き合って、自分が1番求めるものが何かを明確にしましょう。
そして広い視野で企業を選ぶようにしましょう。
まとめ
職場環境が原因で強いストレスを感じている人も多いと思います。
ストレスが限界になると様々な症状が現れるので、症状に応じて適切な対応を取るように心掛けましょう。
改善が難しい場合は転職して職場を変えることも考えるべきです。
仕事を辞めることは悪いことでもなんでもなく、我慢して体調を崩すことや命を落とすよりよっぽどマシです。
