現在人気の商社一般職ですが実際の仕事内容はどのようなものなのでしょうか?
商社の一般職の仕事内容やその年収などについて解説していきます。
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商社の一般職の仕事内容
商社の一般職といってもその仕事内容は様々です。
かつてはお茶汲みや単純な事務作業などだけしていれば良いと言われていた時代もありましたが今や都市伝説化しています。
商社の一般職の仕事内容は主に以下のようなものになります。
・発注業務
・メーカーとの連絡
・出荷業務
・雑務
基本的に会社全体の業務がスムーズに行えるように手助けをするような業務が多く、会社の顔的な役割も果たしています。
他の部署と連携をとったり、他社の人と連絡をとったりとかなりコミュニケーション能力が求められます。
商社の一般職の年収はどれくらい?
商社一般職の年収は世間的に高年収だと言われています。
では実際どうなのでしょうか?
大手商社一般職の年収は以下のようになります。
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伊藤忠商事:1,520万円
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三菱商事:1,607万円
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三井物産:1,430万円
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丸紅:1,389万円
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住友商事:1,389万円
こちらは2019年の大手商社の平均年収をまとめたものです。
流石に新入社員でこのような額に届くことはないと思いますが、1年目から年収500万円という話もよく耳にします。
商社の一般職はかなり待遇が良いと言えるでしょう。
商社の一般職に入るための条件とは?
高年収・好待遇の商社一般職ですが、当然入社を希望する人もたくさんいます。
では商社の一般職に入社するためにはどのような条件があるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
商社一般職の条件1:高学歴
基本的に商社一般職の募集要項には大学卒は必須条件と記載されています。
ですので大学を卒業していれば誰にでも入社できるチャンスはあるのです。
しかし、大手商社には早稲田、慶応、上智など名門大学の出身者が多いことも事実です。
名門大学から何人採用するという目標を掲げている人事部も存在するそうです。
全ての商社がそうだとは言えませんが、学歴フィルターにより選考を受けても落とされてしまうということも十分にありえますので、大手商社を受ける際はご注意ください。
商社一般職の条件2:英語は必須
商社の一般職では基本的に英語は必須の能力となっています。
一般職では海外の企業とやりとりしたり、国際電話で海外の人と話したりといった業務に携わらなければならない場合もあり、その際ある程度英語が話せないと仕事にならないでしょう。
TOEICで少なくとも700点、欲を言えば800点を取れるほどの英語力が欲しいところです。
もし商社の一般職を受けたいと考えているならば、かなり早い段階で英語の勉強を始めましょう。
商社一般職の条件3:コミュニケーション能力
商社の一般職は他の企業の事務職と異なり、仕事内容が多岐に渡ります。
中には他の部署と連携したり、他社の職員と話したりといったことも多くなってきます。
会社の潤滑油的な働きをしなくてはいけないことも多々ありますので、コミュニケーション能力はあった方がいいでしょう。
また会社にもよりますが商社の一般職には飲み会文化が根強く残っているところも多いので、そういった場で上司や同僚とコミュニケーション取れる人の方が仕事がうまくいくでしょう。
商社一般職の条件4:海外に溶け込める
一般職は言われたことをやっていればいいと言うわけではありません。
時には自分で判断し、臨機応変な仕事をすることが求められます。
そのため海外に行ってもすぐに馴染めるようなアグレッシブさがあった方が仕事を円滑に進めることができるでしょう。
先ほどの英語力もそうですが、外国人の社員に対して臆せず発言できるような気持ちをもっていたいものです。
商社の一般職の年収
商社の一般職の年収は高く、大手を中心とした平均年収は1,500万円前後と高額なことがわかりました。
新卒1年目でも500万円という話もあります。
商社の総合職と一般職を比べた場合、転勤も基本的になく、総合職をアシストするポジションや事務的な業務を担う立場にあります。
総合職より責任が軽いのに、これだけの年収がもらえるならと大きな期待を持つかもしれません。
本当に楽して高収入を得られるのか、見直しておきましょう。
商社一般職の特徴1:残業が多い
商社の一般職は残業が多い傾向にあります。
一般職だから残業がないというのは、甘い考えです。
逆に基本給は総合職などと変わらず、日々の残業代や、業績への貢献度や評価で金額に差がつくボーナスなどによって稼ぐことができると考えましょう。
そのため、同期の同じ一般職でも、年収に差がつくことがあります。
商社は海外との取引をしているので、時差もあり、日本での帰社時間に海外企業や、赴任している総合職は仕事をスタートさせるというケースも少なくありません。
なんらかのトラブルが起きた場合や緊急の問い合わせなどがあれば、対応せざるを得ず、残業も増えます。
それをしっかりこなしていけば、残業代が増える分、年収アップが目指せます。
商社一般職の特徴2:最初から高いわけではない
商社の一般職は最初から年収が高いと噂されていますが、実際のところは、最初はほかとあまり変わらないのが実情です。
海外との取引のサポートなど、実際に携わってみないとスキルやノウハウが身につかない業務も多いです。
何もできないうちから、高額の給料が支払われるほど甘くはありません。
長く働くことによって徐々に給料が高くなっていくのが、基本構造です。
経験が長くなるほど、知識やスキルも高まり、ノウハウが蓄積されて、会社の業務効率アップや業績へと貢献できるようになるからです。
もちろん、その間にも残業を頑張ることや日々の業務で目標を達成するなどして評価を上げ、ボーナスアップを図りながら、少しずつ、年収アップを図っていくことができます。
商社の一般職に就職するメリットとは?
商社の一般職には入社した後のメリットがたくさんあります。
そんな商社の一般職に就職するメリットについて解説していきます。
商社一般職のメリット1:急な転勤が少ない
一般職には転勤がない、もしくは転勤の辞令が降っても拒否できる権利がある場合が多いです。
その代償として転勤の可能性がある総合職に比べて給料は落ちますが、かなり安定的に仕事に取り組むことができます。
あまり転勤せずに一箇所でじっくり働きたいと言う方にはおススメです。
商社一般職のメリット2:給料が高い
商社の一般職は他の業種の一般職に比べ給料が高いというメリットがあります。
新入社員の一般職の平均年収は250〜350万円なのに対して、商社の一般職の平均年収は300〜400万円といわれています。
新入社員の平均年収でこれくらいなので、30代くらいになってくると年収600万円も余裕で見えてきます。
大手商社になってくると年収1000万超えも夢ではありません。
ガンガン稼いで裕福な暮らしをしたいという方にはオススメの職種だと言えるでしょう。
商社一般職のメリット3:福利厚生が充実している
商社は比較的福利厚生を充実させている傾向があり、総合商社ともなれば充実度も格段にあがります。
そのため育児休暇や産休などもきちんと取れる会社が多いです。
年収がもともとかなり高いので育休や産休で長期間休んでいても、平均的なサラリーマンの年収よりも高い給料をもらえることでしょう。
また育休や産休などから復帰した後も仕事に戻ることができる制度も充実している会社も多いので女性にはかなり嬉しいですね。
商社の一般職に就職するデリットは?
商社の一般職に就職するメリットをいくつか上げてきましたが、もちろん大変なこともあります。
そんな商社一般職のデメリットを紹介します。
商社一般職のデメリット1:業務がとにかく大変
商社の一般職は他の一般職に比べてかなり激務です。
商社は商品の販売が主な仕事となりますので、それらの商品を仕入れたり契約したりするのには多種多様な契約書が必要です。
その契約書を作成・管理するのが一般職の仕事となっています。
そのため覚えることも多く、最初のうちはかなり大変でしょう。
さらに書類関係の仕事だけではなくメーカーとのやりとりや、発注・出荷業務、雑などもこなさなければいけないためゆったりと仕事をしている暇はありません。
商社の中には月の平均残業時間が50時間を超える企業もあるそうです。
もし商社の一般職に就職したら残業から逃れることはできないでしょう。
商社一般職のデメリット2:パワハラやセクハラが発生しやすい
商社は今現在でも男性の体育会系のノリが横行している会社も少なくありません。
そのため新入社員に対するパワハラや、女性社員に対するセクハラが発生しやすい環境にあります。
実際に発生したパワハラの事例としては密室で罵倒・暴力を行使し新入社員を1年で退職まで追いやった、飲み会の席で新入社員を裸にしてビールをかけたなんてこともあったそうです。
しかし商社には社内でパワハラ・セクハラを内部通告できるシステムが出来上がっているところも多いので、入社後パワハラやセクハラに悩んでいたらこのような制度を使いましょう。
パワハラやセクハラがあるか、会社はどのように対応してくれるかなどはOB訪問などでそれとなく聞いてみるといいでしょう。
商社一般職のデメリット3:飲み会などが多いところも多数
先ほども言いましたが商社はまだまだ男性社会で体育会系のところが多いです。
そのため飲み会が多い企業も少なくありません。
お酒が一切飲めないという人には商社の一般職は向いていないかもしれません。
もしそれでも商社の一般職に入社したいという場合は、お酒を飲まない立ち回り方を学ぶか、事前にOB訪問をして飲み会事情を聞いたりして、飲み会が少ない会社に入ったりした方がいいでしょう。
もちろん全ての商社がそうだというわけではありませんのでご注意ください。
商社一般職のデメリット4:倍率がとにかく高い
こちらは就職する前のデメリットとなります。
商社の一般職はかなり人気となっており、とにかく倍率が高いです。
大手商社の伊藤忠商事では2015年、総合職の倍率は74倍でしたが、一般職の倍率は184倍だったそうです。
これはかなり驚異的な数字で、他の大手商社もこのような状況です。
大手商社出なくてもかなり倍率が高くなることが予想されますので、受けるのであれば覚悟を決めましょう。
商社の一般職に向いている人とは?
この章では商社の一般職に適性がある人の特徴について説明します。
今一度自分を振り返ってみて当てはまるか考えてみてください。
商社一般職に向いている人1:臨機応変に対応できる人
商社はトラブルが頻発します。
その度に対応に追われるのは一般職の人たちです。
そのためどんなトラブルが起きても臨機応変に対応できるような人は商社の一般職に向いています。
上司の指示を仰ぎながら自分で最良だと思うことを判断して仕事に取り組む必要があるため、柔軟さも求められます。
商社一般職に向いている人2:とにかくタフな人
商社の一般職はとにかく激務です。
そのため打たれ強い、とにかくタフな人でないと激務に耐えかねて退職していってしまいます。
せっかく高い倍率を突破して商社の一般職に就職したのに、仕事が忙しすぎて耐えられなくなってしまってはもったいないですよね。
事前に企業についてリサーチしたり、OB訪問をして業務の内容を聞いたりして自分に務まるかを今一度考えてみましょう。
商社一般職で活躍するためには
商社一般職で活躍するためには、具体的な行動と戦略が必要です。
まず、自分の専門知識を深めることが重要です。
商社の一般職は、様々な業界にまたがる商品やサービスを扱うため、広範な知識と理解が求められます。
特に自分の担当分野の最新情報に常に敏感であることは、顧客に対する提案力を高めるために不可欠です。
次に、コミュニケーション能力も大切です。
商社の一般職は、顧客や取引先との交渉や調整が日常的に行われるため、円滑なコミュニケーションが求められます。
また、英語力も必要とされることが多いので、語学力を磨くこともおすすめします。
さらに、最新のデジタルツールに精通していることも重要です。
デジタル化が進む現代社会において、ビジネスにおける情報収集や分析には、デジタルツールの活用が不可欠となっています。
これらのスキルを磨くことで、商社の一般職として活躍する道が開けます。
商社の一般職で内定をもらうコツ
商社の一般職で内定をもらうためには事前準備が不可欠です。
そこでここからは商社の一般職で内定をもらうためのコツを三つご紹介します。
商社一般職内定のコツ1:インターンやOBOG訪問をする
一つ目のポイントはインターンやOBOG訪問を積極的にするということです。
インターンにおいては特に複数日程のインターンがおすすめです。
というのも7大商社では内定までの優遇ルートが用意されており、内定を獲得する可能性が広がるからです。
また、OBOG訪問では一般職を希望していたとしても面接官が総合職の方である場合も多く、社風を知るという点においても一般職の方に限定するのではなく、総合職の方にも訪問をするようにしましょう。
商社一般職内定のコツ2:志望動機を明確にする
二つ目は志望理由を明確にするということです。
これは特に商社を受ける人がみな苦戦するポイントだと思います。
というのも商社には専門商社と総合商社が存在し、総合商社の場合は特に取り扱う商材が多く、仕入れから販売までを行うため仕事の幅が広いため、どこを切り取って志望理由にするのかが難しいのです。
それに加え、一般職を志望する理由も踏まえなくてはいけないため、志望動機は早めに明確にしておく必要があります。
商社一般職内定のコツ3:筆記試験の対策をする
三つ目は筆記試験の対策をするということです。
これは商社を希望する学生全てに共通して言えることですが、商社は非常に人気のある業界であるため、筆記試験のボーダーが高めに設定される場合があります。
特に大手総合商社は日系企業の中でもトップクラスのボーダーだと言われています。
そのため、早めに筆記試験の対策をしておくことをおすすめします。
商社一般職への志望動機を作るためのポイント
商社一般職への志望動機を作るためには、まず自身が何を求めているのか、どのようなキャリアを目指しているのか把握することが重要です。
商社の一般職は、多岐にわたる業務を経験しながら、自分自身の強みや興味を見つけ、それを活かすことが求められます。
そのため、志望動機を明確に表現するには、自身のキャリア目標や商社の一般職で得られる経験の価値をうまく結びつける必要があります。
また、商社の一般職への志望動機を作る際には、その商社が事業を展開している業界について十分な理解を持つことも大切です。
その商社がどのような産業に対して価値を提供しているのか、どのようなビジネスモデルを持っているのかを研究し、それに対する自身の関心や思いを述べることで、自身の意欲を具体的に示すことができます。
さらに、商社の一般職での働き方やキャリアパス、その商社の社風や価値観についても理解しておくことが重要です。
それらを踏まえた上で、自身がその企業で働きたい理由や、その企業でどのように成長したいかを語ることで、志望動機をより具体的に表現することができます。
まとめ
ここまで商社の一般職について解説してきました。
商社の一般職は就活生に人気で、大手商社では倍率が200倍近くになることも珍しくありません。
人気とは裏腹に、仕事の内容はかなり大変で、業務も多岐に渡っているのです。
しかしそんな業務に慣れてしまえば、高収入、転勤なし、福利厚生などのメリットもあります。
これから就職活動をする学生は是非商社の一般職を視野に入れてみてはいかがでしょうか?