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【獣医学部の就活】はじめに
獣医学部に在籍している皆さんの中には、「獣医学部の就活は臨床一択なのか」「一般企業への就職は可能なのか」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
獣医学部は6年制の専門教育課程であり、国家試験合格を前提としたキャリアが中心となりますが、企業からは動物・衛生・医薬に精通する希少性の高い専門人材として極めて高く評価されています。
しかし、臨床一本に絞ってしまうと選択肢を狭めてしまうのも事実です。製薬・食品衛生・公務員など、獣医師免許を活かせる多彩なキャリアがあることを理解し、戦略的に動く準備が欠かせません。
この記事では、獣医学部の就活がきついと言われる理由から、有利な就職先ランキング、高収入を狙える職業までを徹底的に解説します。
正しい戦略で進めれば、獣医学部出身というバックグラウンドは他学部にはない強力な武器になります。ぜひ最後まで読み込み、就活成功のヒントを持ち帰ってください。
【獣医学部の就活】就活はいつから始めるべきか
結論から申し上げますと、獣医学部の就活は5年生から本格的に動き出すのが理想的です。6年制のカリキュラムのため、他学部と比べて就活スケジュールも独特で、臨床・公務員・企業のどのルートを選ぶかによってタイミングも変わってきます。
「国家試験対策が忙しいから後で動けばいい」と先延ばしにしているうちに、周りはどんどん動き出し、気づいた頃には大きな差がついていたという事態にもなりかねません。早めの準備が成否を分けるポイントです。
1. 大学3〜5年生の段階で進路の方向性を定める
まず取り組みたいのが、自己分析と進路研究です。獣医学部は臨床(動物病院)・公務員(家畜防疫員・公衆衛生獣医師)・製薬・食品衛生・研究機関など進路が多岐にわたるため、「自分が何をしたいのか」を明確にしないまま就活に突入すると、軸がブレた応募になってしまいます。
3〜5年生にかけては、参加型実習・臨床実習・研究室配属を通じて、自分が臨床に向いているのか、研究・行政に向いているのかを見極めましょう。実習で関わった指導医や企業の獣医師から話を聞くのも貴重な情報源となります。
同時に、業界研究や企業研究にも着手します。動物病院、公務員、製薬企業、食品会社、飼料・ペットフードメーカー、研究機関など、獣医師免許が活きる領域は広いため、早めに視野を広げておくことが大切です。
2. サマーインターンシップや病院見学への参加をする
獣医学部特有の動きとして、企業就職を目指す場合はサマーインターンシップへの参加、臨床志望なら動物病院見学・実習への参加が重要です。多くの企業が夏のインターン参加者を対象に早期選考や本選考優遇のルートを用意しているため、積極的に参加することをおすすめします。
特に製薬会社の獣医師職(CRA・研究開発・安全性評価)は採用枠が限られているため、インターン経由の選考がメインルートになるケースも多々あります。ES・Webテスト対策を早めに整えておきましょう。
動物病院志望の場合は、病院見学・短期実習を複数施設で経験し、勤務医として働く自分の姿を具体化することが大切です。
3. 5〜6年生で国家試験対策と本選考を並行する
5〜6年生は、いよいよ本格的な選考フェーズに突入します。公務員(国家・地方自治体)は秋〜冬に採用試験が集中し、製薬企業の獣医師職は通年的に採用を行うケースもあります。動物病院は随時採用が基本です。
6年生の2月には獣医師国家試験が控えているため、試験対策と就活の両立は避けて通れません。公務員志望者は公務員試験対策と国試対策を並行する必要があり、綿密なスケジュール管理が求められます。
内定獲得後も、国家試験に合格しなければ獣医師としてのキャリアはスタートしません。就活・国家試験・卒業研究を同時並行で進めるスケジュール表を作り、やるべきことを絶対に見落とさないことが重要です。
【獣医学部の就活】企業からの評価は?有利や不利になる理由
獣医学部は企業から極めて希少価値の高い専門人材として評価される学部ですが、その評価の中身を正しく理解しておかないと、せっかくの強みを活かしきれません。ここでは評価される理由と、逆に不利になりかねないポイントを解説します。
獣医師免許という国家資格が最強のアピール材料になる
獣医学部の最大の強みは、獣医師免許という国家資格を取得できることです。製薬会社の安全性評価・研究開発、食品メーカーの衛生管理、公務員の家畜防疫・公衆衛生など、獣医師にしかできない業務が数多く存在します。
近年はワンヘルス(人・動物・環境の健康を一体で捉える考え方)や、動物由来感染症対策、食の安全保障といったテーマが社会的課題となっており、獣医師人材の需要は高まり続けています。企業側も獣医師免許保有者を戦略的に採用する動きを強めています。
選考の場では、臨床実習・参加型実習・研究室活動で得た経験を具体的に語ることで、このイメージを強固にすることができるでしょう。
長期の専門教育で培った粘り強さと責任感が評価される
獣医学部は6年制という長期課程を通じて、膨大な知識・技術・倫理観を体系的に身につけます。この姿勢は責任感・粘り強さ・誠実さとして極めて高く評価されます。
研究開発職や専門職はもちろん、総合職・コンサルタント職でもこの強みは効いてきます。面接でも、実習や研究を通じて得た気づき、命に向き合う姿勢を整理して語ることで、高評価につながります。
一般就職市場での情報不足が不利になりやすい
一方で、臨床や公務員以外の一般就職についてはキャリア情報が少なく、「獣医学部だから動物病院しかない」と視野を狭めてしまう学生は、選択肢を自ら狭めて就活を難しくしてしまうことがあります。
「なぜ獣医師を志したのか」「獣医師免許をどのフィールドで社会に還元したいのか」を自分の言葉で語れるようにしておきましょう。免許を臨床以外にどう転用できるかまで言語化できれば、評価は一段上がります。
【獣医学部の就活】きつい・できないと言われる原因と対策
「獣医学部の就活はきつい」という声をよく耳にしますが、その原因は学部そのものよりも、構造的なものや本人の動き方に起因することが多いです。原因を正しく理解し、対策を講じれば乗り越えられます。
周りのレベルが高く自己嫌悪に陥りやすいからきつい
獣医学部は定員が限られ、入試難易度が高い学部で、周囲は優秀な学生ばかりです。製薬・公務員の選考でも全国の獣医学部生が競合し、国家試験というプレッシャーも常に存在します。
周りと比較して「自分には無理だ」と感じてしまう学生も少なくありません。しかし他人と比較してしまうのは就活で最も避けるべき行動です。
対策としては、自分の軸と強みを明確に言語化することです。比較対象を「過去の自分」に置き換え、昨日より一歩前進したかを基準にしましょう。
学業・国家試験対策と就活の両立が難しいと感じる学生が多い
獣医学部は実習・ゼミ・研究室活動・国家試験対策が6年間にわたって続く超過密カリキュラムです。特に5〜6年生は卒業研究・臨床実習・国試対策が重なり、就活との両立に苦しむ学生が多くいます。
対策は、スケジュール管理を徹底することです。週単位で研究・実習・国試対策・ES提出・面接の予定を可視化し、優先順位をつけて行動しましょう。
また、同級生や研究室の先輩と情報共有し合い、国試対策の効率化と就活準備の役割分担を行うと負担が一気に軽くなります。
一般就職の情報量が不足していると内定獲得ができない
獣医学部は臨床や公務員志望が多いため、一般企業の就活情報が学内に集まりにくい傾向があります。「考えてから動く」ではなく「動きながら考える」姿勢が重要です。
OB・OG訪問の数、エントリー社数、自己分析の深さ、面接練習の回数──これらの行動量が一定以上でないと、企業就職では内定獲得が難しくなります。製薬・食品・研究機関を志望するなら、最低でも10〜20社程度のエントリーと10名以上のOB・OG訪問を目安に動きましょう。
【獣医学部の就活】主な就職先と知識を活かせる職種や業界のおすすめ
獣医学部は一般就職こそ限定的ですが、獣医師免許を活かせる多彩な進路があります。ここでは代表的な業界・職種と、獣医学部の知識をどう活かせるかを具体的に解説します。
動物病院・畜産関連の臨床職は王道の進路
獣医学部出身者の代表的な進路として、動物病院勤務医(小動物臨床)や畜産関連の産業動物臨床が挙げられます。アニコム・イオンペット・ドッグスマイルなどの大規模動物病院グループから、地域密着型の個人病院まで、選択肢は豊富です。
産業動物の分野では、農協系の家畜診療所や畜産法人でのキャリアもあります。酪農・養豚・養鶏の現場で動物の健康を守る仕事は、食料生産を支える社会的に重要な役割です。
臨床職は獣医師免許が直接活きる王道キャリアであり、臨床技術を磨きたい学生にとっては最適なフィールドだと言えます。
製薬・食品・飼料メーカーの研究開発で重宝される
一般就職のメインルートとなるのが、製薬会社・食品メーカー・飼料メーカーの研究開発職・安全性評価・学術職です。武田薬品、第一三共、中外製薬、日本農薬、日本ハム、伊藤ハム、日清丸紅飼料など、獣医師枠での採用を行う企業が存在します。
安全性評価(非臨床試験)や薬事、メディカルアフェアーズ、学術推進といった職種では、獣医師免許保有者が高く評価されます。動物用医薬品メーカー(ゾエティス・共立製薬・日本全薬工業)も重要な就職先です。
公務員(家畜防疫員・公衆衛生獣医師)や研究機関という選択肢
安定志向の学生におすすめなのが、公務員の獣医師職です。国家公務員(農林水産省・厚生労働省)や、都道府県・政令市の家畜防疫員・食肉衛生検査員・保健所獣医師は、獣医学部の専門性を社会に直接還元できるキャリアです。
また、農研機構、動物衛生研究部門、国立感染症研究所、各都道府県の畜産試験場など、研究機関での研究職も魅力的なルートです。専門性を深めながら社会課題の解決に貢献できる、やりがいのあるフィールドだと言えるでしょう。
【獣医学部の就活】男子・女子別の傾向と高収入ランキング
獣医学部は男子学生・女子学生ともに就職活動が活発な学部です。性別によって志望領域の傾向に違いがありますが、選択肢の幅広さはどちらも同様です。
獣医学部男子に人気の業界と就職先の傾向
獣医学部の男子学生に人気が高いのは、大手動物病院・製薬会社・公務員・畜産関連企業といった領域です。産業動物臨床や公衆衛生分野を志望する学生もおり、安定性と専門性を両立できる進路を重視する傾向があります。
製薬会社の獣医師職、農林水産省・都道府県の家畜防疫員、大規模動物病院の臨床医などが定番の志望先です。近年は動物用医薬品メーカーや飼料メーカー、畜産系大手(日本ハム・プリマハムなど)も人気を集めています。
獣医学部女子の就活状況と働きやすい企業の選び方
獣医学部は近年女子学生の比率が高まっており、小動物臨床・製薬・公務員・研究機関など幅広い領域で活躍しています。動物病院でも女性院長・女性勤務医は年々増加しています。
働きやすさを重視するのであれば、女性管理職比率・育休取得率・復職制度・時短勤務の可否などを企業や病院選びの指標にすると良いでしょう。専門職としてキャリアを長く積めるかという視点を持つことが重要です。
獣医学部出身者が目指せる高収入な職業ランキング
獣医学部から目指せる高収入職業として、一般的には以下の順に語られることが多いです(各種年収調査をもとにした参考値)。
1位: 大手製薬メーカーの獣医師職(安全性評価・メディカル)──30代で年収1000万円超も視野に入り、獣医師免許の専門性が最も評価される職種の一つです。
2位: 動物用医薬品メーカーの技術職・学術職──ニッチな専門領域で高水準の年収を得やすい進路です。
3位: 公務員(国家総合職・地方上級の獣医師区分)──長期的なキャリアで安定した高水準の年収が見込めます。
4位: 大規模動物病院の勤務医・開業医──臨床スキルを磨き、独立開業すれば高い年収を狙えます。
5位: 食品・飼料メーカーの研究開発職──安定性と高水準の年収を両立できる進路です。
【獣医学部の就活】就職に強い大学の特徴と就活事情
獣医学部は全国で設置大学数が非常に限られているため、どの大学も獣医師としてのキャリア形成に強い基盤を持っています。ここでは就職に強い大学の特徴と、大学名に関わらず勝つためのポイントを解説します。
就職に強い大学が実施しているキャリア支援の内容
獣医学部で就職実績が高い大学に共通するのは、教員・OB/OGネットワークと研究室のつながりが強い点です。北海道大学、東京大学、東京農工大学、岐阜大学、山口大学、宮崎大学、鹿児島大学、帯広畜産大学、日本獣医生命科学大学、麻布大学、日本大学、酪農学園大学などは、製薬・公務員・動物病院との強固な結びつきを持っています。
また、研究室単位での企業紹介ルートや、卒業生ネットワークを通じた病院見学・インターン機会が豊富な大学も就職に強い傾向があります。大学のキャリアセンターと研究室の両方を積極的に活用しましょう。
MARCHや早慶など難関大学の方が就活に強いの?
獣医学部については、そもそもMARCH・早慶に獣医学部は設置されていません。強いて言えば、国公立獣医学部や伝統ある私立獣医学部の方が、製薬会社の獣医師枠採用や公務員試験などで実績豊富な傾向があります。
しかし、これは「難関大学でなければ内定が取れない」という意味ではありません。どの獣医学部からも、毎年大手製薬企業や公務員、人気動物病院の内定者は多数輩出されています。学歴以上に、獣医師国家試験の合格と臨床・研究実績、行動量があれば十分に勝負できます。
大学のレベルに関わらず就活を成功させるためのポイント
大学名に頼らず勝つためには、3つのポイントを押さえましょう。
1つ目は、明確な志望動機と自己分析です。「なぜ獣医師を志したのか」「なぜこの職場か」を実習経験と結びつけて語れる学生は、学歴を超えて評価されます。
2つ目は、行動量です。早期からの病院見学・インターン参加、OB・OG訪問、エントリー社数の多さは、すべて結果につながる土台になります。
3つ目は、エントリーする組織選びです。大手以外にも優良な動物病院や企業、地方自治体の獣医師職が多く存在します。視野を広げ、自分が活躍できる環境を冷静に選びましょう。
【獣医学部の就活】まとめ
獣医学部の就活は、国家試験との両立や情報不足という難しさがある一方で、獣医師免許と6年制の専門教育を正しく言語化できれば極めて有利に戦えるフィールドです。
「動物・衛生・医薬に精通した専門人材」「長期の学びで培った責任感と粘り強さ」を実際の経験とともに語れるよう、実習・研究室・臨床での学びを早い段階から棚卸ししておきましょう。
そして何より重要なのは、国家試験対策と並行した計画的な行動です。5年生から動き出し、病院見学・インターン・OB訪問・自己分析を地道に積み上げた人が、最終的に納得のいくキャリアを勝ち取ります。
今日からできる行動として、まずは志望する進路を3つ挙げ(例: 小動物臨床・製薬・公務員)、それぞれの代表的な就職先を5つずつリストアップしてみてください。そこから情報収集を一つひとつ進めていけば、必ず道は開けます。
皆さんの就活と国家試験が実り多いものになるよう、心から応援しています。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート











