【例文あり】千葉県庁の志望動機の書き方とは？書く際のポイントや求められる人物像も解説

【千葉県庁の志望動機】千葉県庁とは

千葉県庁は、約630万人の県民が暮らす千葉県の行政を司る広域自治体です。

県内には政令指定都市である千葉市をはじめ、中核市や町村など多様な自治体が存在しますが、県庁はそれら市町村の枠を超えた広域的な課題解決や、大規模なインフラ整備、産業振興などを担います。

県土の北西部は東京のベッドタウンとして高度に都市化が進む一方、南部や東部には海や山などの豊かな自然が広がり、農業や漁業が盛んです。

このように都市と地方の両面の顔を持つ千葉県を統括する県庁の役割は、非常に複雑かつやりがいのあるものです。

志望動機を考える上では、この多様性への理解が欠かせません。

千葉県庁の業務内容

千葉県庁の業務は、県民の生活全般に関わるため多岐にわたります。

具体的には、道路・河川・港湾などの社会基盤整備、県立学校や病院の運営、警察業務、産業振興、福祉・保健衛生の充実などが挙げられます。

特に千葉県は、成田国際空港という日本の空の玄関口を擁しているため、物流機能の強化やインバウンド観光の促進といった国際的な視点を持った施策も重要です。

また、日本有数の農業・水産県でもあるため、ブランド化の推進や後継者育成などの第一次産業支援にも力を入れています。

さらに、近年の台風や大雨被害を受け、災害に強い県土づくりや危機管理体制の強化も最優先課題の一つとなっており、県民の命と暮らしを守るためのハード・ソフト両面の対策を進めています。

千葉県庁の特徴

千葉県庁の最大の特徴は、管轄するエリアの多様性にあります。

東京に隣接し人口密度が高い東葛・京葉地域と、過疎化や高齢化が進む房総・南房総地域では、抱える課題が全く異なります。

そのため、職員には都市部の待機児童対策や交通渋滞の緩和といった課題から、地方部の地域活性化や医療過疎対策まで、幅広い行政課題に対応する柔軟性が求められます。

また、京葉工業地帯という強力な産業集積地を持ちながら、全国トップクラスの農業産出額を誇るなど、商工業と農林水産業のバランスが取れている点も特徴です。

一つの県の中に日本のあらゆる要素が詰まっていることから、千葉県での経験は、行政官としての総合的なスキルを磨く上で最適な環境と言えるでしょう。

【千葉県庁の志望動機】千葉県庁の魅力

千葉県庁で働く魅力は、首都圏の利便性と豊かな自然環境の両方を享受しながら、スケールの大きな仕事に取り組める点にあります。

成田空港や東京湾アクアラインといった国際的なインフラを活用したプロジェクトに関われる一方で、里山保全や観光振興といった地域密着型の業務にも携われます。

また、災害からの復興や地方創生など、日本の自治体が直面する課題の最前線で解決策を模索することは、職員としての大きな成長につながります。

ここでは、就活生の皆さんにとって特に魅力的なポイントを、3つの側面から具体的に掘り下げていきます。

「日本の縮図」と言われる多様なフィールド

千葉県は、大都市、田園、里山、海、工業地帯といった多様な地域特性を併せ持っており、まさに「日本の縮図」です。

このため、県庁職員として働けば、一つの自治体に居ながらにして、都市行政と地方行政の両方を経験することができます。

例えば、ある時は都市部の再開発や企業誘致に携わり、異動後は自然豊かな地域での観光開発や移住定住促進に取り組むといったキャリアパスが可能です。

このように多様なフィールドで経験を積めることは、自身の視野を広げ、行政官としての引き出しを増やす上で非常に大きなメリットとなります。

単調な業務に留まらず、常に新鮮な課題に向き合える環境は、好奇心旺盛な人にとって刺激的な職場です。

国際空港を拠点に世界とつながるダイナミズム

成田国際空港を擁する千葉県は、首都圏の国際物流・交流拠点としての役割を担っています。

県庁では、空港の機能強化に伴う周辺地域のまちづくりや、アクセスの向上、さらには空港を活用した県産品の輸出促進など、グローバルな視点での業務が多く存在します。

地方公務員でありながら、世界を意識した仕事ができる点は、千葉県庁ならではの大きな魅力です。

また、多くの外国人観光客や在留外国人が訪れるため、多文化共生社会の推進や、国際的なイベントの開催支援などにも携われます。

地域に根ざしながらも、国際的な感覚を活かして千葉県のポテンシャルを世界に発信できる仕事は、大きなやりがいを感じられるはずです。

課題解決の先進モデルを創る面白さ

千葉県は、人口減少や少子高齢化といった全国共通の課題に加え、首都直下地震への備えや気候変動による風水害対策など、解決すべき難題を多く抱えています。

しかし、裏を返せば、これらの課題に対して県庁主導で先進的な取り組みを行い、成果を上げることができれば、それが日本全国のモデルケースになり得るということです。

特に防災・減災対策や、ICTを活用したスマート農業の推進、地域包括ケアシステムの構築などは、職員のアイデアと行動力が試される分野です。

困難な課題に対して、県民や市町村、関係機関と協力しながら最適解を導き出し、「千葉県が変われば日本が変わる」という気概を持って働ける点は、高い志を持つ人にとって魅力的な環境です。

【千葉県庁の志望動機】千葉県庁の求める人物像

千葉県は現在、デジタル化の推進や多様性の尊重、そして災害に強い県づくりなど、新しい時代の要請に応じた変革の時期を迎えています。

そのため、従来のお役所仕事の枠にとらわれず、自ら考え行動できる人材が強く求められています。

県の人事委員会メッセージや総合計画などからも、主体性やチャレンジ精神が重視されていることが読み取れます。

ここでは、千葉県庁が特に求めている職員の資質について、具体的なキーワードを用いて解説します。

これらを理解し、自分の強みとリンクさせることが重要です。

前例にとらわれず挑戦する意欲を持つ人物

行政を取り巻く環境は激変しており、過去の成功体験や前例を踏襲するだけでは、複雑化する地域課題に対応できません。

千葉県庁では、新しい技術や仕組みを積極的に取り入れ、業務の効率化や県民サービスの向上につなげようとする「挑戦する意欲」を持つ人材を求めています。

失敗を恐れずに新しい企画を提案したり、既存の事業の無駄を見直したりする改革マインドが必要です。

面接やエントリーシートでは、学生時代に困難な状況でも諦めずに新しい方法を試して乗り越えた経験や、現状を変えるために主体的に動いたエピソードなどをアピールすると、評価されやすくなります。

現場に足を運び当事者意識を持つ人物

広域自治体である県庁の仕事は、デスクワークだけで完結するものではありません。

真の課題解決は、現場を知ることから始まります。

被災地での復旧支援や、商店街の活性化、福祉の現場など、実際に足を運び、県民の声に耳を傾ける「現場主義」の姿勢が不可欠です。

机上の空論ではなく、現場のリアリティを踏まえた上で、県民の立場に立って物事を考えられる当事者意識が求められます。

自分が千葉県の未来を担っているという責任感を持ち、困難な現場でも逃げずに汗をかける人物こそが、県民から信頼される職員となれるのです。

多様な主体と協働できるコミュニケーション力

県庁の仕事は、県単独で行うものは少なく、市町村、国、民間企業、NPO、地域住民など、様々なステークホルダーとの連携が必要です。

特に千葉県のように多様な地域性を持つ県では、立場や利害の異なる関係者の間に入り、合意形成を図る調整力が極めて重要になります。

自分の意見を主張するだけでなく、相手の意図を汲み取り、共通のゴールに向かって協力を引き出す高いコミュニケーション能力が求められます。

チームワークを重視し、周囲を巻き込みながらプロジェクトを推進できる力は、県庁職員として長く活躍するために必須の資質と言えるでしょう。

【千葉県庁の志望動機】志望動機を作成する際のポイント

千葉県庁への志望動機を作成する際は、数ある自治体の中で「なぜ千葉県なのか」という必然性を、論理的かつ情熱的に伝えることが鍵となります。

「地元だから」という理由はきっかけにはなりますが、それだけではプロの行政官としての適性をアピールするには不十分です。

千葉県の現状や課題を深く分析し、そこに自分の強みやビジョンを掛け合わせることで、あなただけの説得力のある志望動機を作り上げましょう。

以下のポイントを参考に、構成を練ってください。

なぜ「千葉県庁」かを明確にする

まず、他の都道府県や市町村ではなく、なぜ千葉県庁を志望するのかを明確にする必要があります。

例えば、「東京都はすでに完成されているが、千葉県はこれからの伸び代が大きい点に惹かれた」や、「市町村よりも広域的な視点で、都市と自然の両面の課題解決に関わりたい」といった比較視点を持つと良いでしょう。

また、千葉県独自の施策（例：成田空港活用、子育て支援策、防災対策など）に触れ、その取り組みに具体的に共感していることを示すのも有効です。

千葉県の特性と自分のやりたいことが合致していることを論理的に説明し、面接官に「この人は千葉県庁のことをよく理解している」と思わせることが大切です。

具体的な原体験とエピソードを結びつける

志望動機に説得力を持たせるためには、あなた自身の実体験（原体験）に基づいていることが重要です。

「台風被害のボランティアに参加し、県の防災対策の重要性を痛感した」「千葉の野菜をPRする活動を通じて、農業振興に興味を持った」「幼少期に利用した県立施設の職員の対応に感銘を受けた」など、心が動いた具体的なエピソードを盛り込みましょう。

これにより、志望動機が借り物の言葉ではなく、あなたの人生経験から生まれた本物であることが伝わります。

エピソードを通じて、千葉県に対する愛着や課題意識を具体的に描写してください。

入庁後のキャリアプランを具体的に描く

熱意を伝えるだけでなく、入庁後に具体的にどのような仕事をしたいのか、どのような職員になりたいのかというビジョンを示すことも大切です。

「観光誘致によって地域経済を活性化させたい」「児童相談所の体制強化に携わり、子どもの安全を守りたい」など、関心のある分野や部署を挙げて語れると良いでしょう。

ただし、公務員は定期的な異動があるため、特定の部署だけに固執しすぎるのはリスクがあります。

「将来的には○○の分野にも挑戦したい」といった幅広い視野と成長意欲も併せて示すことで、組織にとって使い勝手の良い、将来性のある人材であることをアピールできます。

自身の強みが県政にどう活きるかを示す

最後に、あなたの持つスキルや強みが、千葉県庁の業務にどう貢献できるかをアピールします。

例えば、「大学での研究で培ったデータ分析力は、根拠に基づいた政策立案に役立つ」「サークル活動でのリーダー経験は、多様な関係者との調整業務に活かせる」といった具合です。

公務員試験では、特別なスキルよりも、基礎的な能力や人柄、ポテンシャルが重視されます。

あなたの強みが、千葉県庁が求める人物像（挑戦心、現場主義、協働力など）といかにマッチしているかを示し、即戦力または将来の幹部候補として期待させる内容に仕上げましょう。

【千葉県庁の志望動機】志望動機を伝える際の注意点

どれほど千葉県への愛があっても、伝え方を間違えるとマイナス評価につながることがあります。

特に、公務員という立場の特性や、千葉県の地理的・社会的なバランスを理解していない内容は避けるべきです。

ここでは、多くの就活生が陥りがちな失敗例を踏まえ、志望動機をブラッシュアップする際の注意点を解説します。

これらを意識して、客観的かつバランスの取れた内容に修正しましょう。

どの企業・組織でも通じる内容にしない

「人々の役に立ちたい」「地域社会に貢献したい」「安定して働きたい」といった志望動機は、千葉県庁に限らず、どの自治体や企業でも言えることです。

これでは「なぜ千葉なのか」が伝わりません。

千葉県の固有の資源（成田空港、房総の自然、ディズニーリゾートなど）や、具体的な課題（災害復興、交通インフラ、医療格差など）に言及し、千葉県ならではの文脈で語る必要があります。

また、単に「千葉県が好き」という感情論だけでなく、行政官として「千葉県をどう良くしていきたいか」という建設的な視点を盛り込むことを忘れないでください。

評論家のような批判だけの姿勢にならない

現状の課題を指摘することは重要ですが、単に「千葉県の○○は遅れている」「ここがダメだ」と批判するだけでは、行政官としての資質を疑われます。

行政は、予算や法律の制約がある中で、現実的な解を見つけ出す仕事です。

批判をするのであれば、その背景にある事情も考慮した上で、「自分ならこう改善したい」「このようなアプローチで解決に貢献したい」という前向きな提案型の姿勢を示しましょう。

当事者意識を持ち、課題を自分事として捉えていることが伝わるような表現を心がけてください。

「東京の隣」という利便性だけに頼らない

千葉県の魅力として「東京に近い」ことを挙げる学生は多いですが、そればかりを強調すると「東京への憧れが強いのでは？」「県内でも東京に近いエリアのことしか考えていないのでは？」と受け取られかねません。

千葉県は広大であり、都心へのアクセスが良い地域もあれば、過疎化が進む地域もあります。

県庁職員は全県的な視野を持つ必要があります。

利便性に触れる際も、それを活かした企業誘致や定住促進など、県全体の発展につなげる視点で語ることが重要です。

特定地域への偏りがないよう、バランス感覚を持って記述しましょう。

【千葉県庁の志望動機】千葉県庁の志望動機例文

最後に、これまでのポイントを踏まえた千葉県庁の志望動機例文を3パターン紹介します。

「防災・危機管理」「観光・地域振興」「福祉・子育て支援」という異なるテーマで作成しました。

これらをそのまま使うのではなく、自分の経験や言葉に置き換えて、オリジナリティのある志望動機を作成する際の参考にしてください。

構成や論理展開のヒントとして活用しましょう。

例文1：防災・危機管理に焦点を当てた場合

私は、度重なる自然災害の教訓を活かし、県民が安心して暮らせる「災害に強い千葉県」を築きたいと考え、貴庁を志望します。

台風被害の際、私の地元も停電や断水を経験し、インフラの脆弱さと情報伝達の重要性を痛感しました。

この経験から、災害時の初動体制の強化や、ハード・ソフト両面からの防災対策に携わりたいという強い思いを抱きました。

貴庁は、成田空港や沿岸部など多様なリスクを抱える地域を管轄しており、その対策は日本の防災モデルになると確信しています。

私の強みである「状況判断力と行動力」を活かし、危機管理部局において市町村と連携した防災体制の構築に尽力し、県民の命を守る砦として貢献したいと考えます。

例文2：観光・地域振興に焦点を当てた場合

私は、千葉県が持つ多様な地域資源を磨き上げ、観光を通じて地域経済を活性化させたいと考え、貴庁を志望します。

大学時代、房総半島でのフィールドワークを通じ、豊かな自然や食文化があるにもかかわらず、情報発信や二次交通の課題により十分に集客できていない現状を知りました。

「日本の縮図」である千葉県には、成田空港という世界への玄関口があります。

この強みを最大限に活かし、インバウンド誘致や農泊の推進など、地域と世界をつなぐ施策に取り組みたいです。

私の「粘り強い交渉力」を活かし、地域住民や関係事業者と協働しながら、千葉ブランドの価値向上と持続可能な地域づくりに貢献したいと考えています。

例文3：福祉・子育て支援に焦点を当てた場合

私は、誰もがライフステージに応じた支援を受けられ、生き生きと暮らせる千葉県を実現したいと考え、貴庁を志望します。

保育実習の経験から、待機児童問題や保育士不足の深刻さを肌で感じると同時に、家庭環境による教育格差にも問題意識を持ちました。

都市部と地方部が混在する千葉県では、地域ごとのニーズに合わせたきめ細かな支援体制が必要です。

貴庁に入庁後は、児童相談所の体制強化や子育て支援施策の充実に携わり、すべての子どもたちが健やかに育つ環境を整えたいです。

私の強みである「相手に寄り添う傾聴力」を活かし、現場の声を行政に届け、誰一人取り残さない福祉社会の実現に貢献する所存です。

まとめ

千葉県庁の志望動機を作成するためには、「日本の縮図」とも言われる千葉県の多様性とポテンシャルを正しく理解することが出発点です。

都市機能と豊かな自然、国際性と地域性といった多面的な魅力を持つ千葉県だからこそ、あなたの強みを活かせるフィールドが必ずあります。

自身の原体験を掘り下げ、なぜ千葉県庁で働きたいのか、そこで何を成し遂げたいのかを具体的に言語化してください。

監修者

柴田貴司

明治大学院卒業後、就活メディア運営｜自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート