【2025年最新版】デザイナーは学歴で決まる?出身大学の傾向と重要な評価ポイントを解説

【2025年最新版】デザイナーは学歴で決まる?出身大学の傾向と重要な評価ポイントを解説

はじめに

Webサイトや広告、プロダクトなど、私たちの生活を彩る「デザイナー」という職業。

クリエイティブで華やかなイメージがある一方で、就活生の中には「美大や芸大出身じゃないとなれないのではないか」「専門学校と大学どちらが有利なのか」といった学歴や経歴に関する不安を抱えている人も多いでしょう。

実力主義と言われる世界ですが、実際の採用現場ではどのように学歴が見られているのでしょうか。

本記事では、デザイナー職における学歴フィルターのリアルな実態と、採用担当者がポートフォリオ(作品集)を通じて何を見ているのかを徹底解説します。

学歴や専攻に関わらず、デザイナーとしてキャリアをスタートさせるための具体的なヒントを持ち帰ってください。

【デザイナー 学歴】学歴フィルターの実態

デザイナー採用における学歴フィルターについて、結論から言えば、一般的な総合職のような「偏差値による足切り」はほとんど存在しません。

しかし、「デザイン教育を受けているか」という点でのフィルターは少なからず存在します。

多くの企業、特に制作会社や専門職採用では、即戦力に近い基礎スキルを求めているため、美大・芸大・専門学校の出身者が有利になる傾向は否めません。

一方で、大手メーカーやIT企業のインハウスデザイナー(社内デザイナー)の場合、大卒資格を応募条件としていたり、論理的思考力や一般教養を重視して総合大学出身者を採用したりするケースも増えています。

つまり、偏差値よりも「どのフィールドで戦うか」によって学歴の意味合いが変わってくるのがこの職種の特徴です。

【デザイナー 学歴】出身大学の傾向と特徴

デザイナーとして活躍する人材の出身校は、大きく3つの層に分かれます。

まず圧倒的なシェアを誇るのが、多摩美術大学、武蔵野美術大学などの有名私立美大や、東京藝術大学などの国公立芸大出身者です。

彼らは高いデッサン力や造形力を持ち、大手広告代理店やメーカーのデザイン部門に多く就職します。

次に多いのが、実務スキルを徹底的に叩き込まれた専門学校出身者で、即戦力として制作会社などで重宝されます。

そして近年増加しているのが、一般大学(総合大学)の情報学部や社会学部出身者です。

彼らは独学やダブルスクールでスキルを習得し、特に論理的な設計が求められるUI/UXデザインやWebデザインの領域で存在感を強めています。

【デザイナー 学歴】学歴が話題になる理由

実力主義であるはずのデザイン業界で、なぜこれほどまでに「美大卒か」「専門卒か」「一般大卒か」といった学歴や経歴が話題になるのでしょうか。

それは、デザインという仕事が感覚だけで成立するものではなく、基礎的な理論やツールの習熟、さらにはビジネスとしての遂行能力が必要とされるからです。

採用側がリスクを減らし、求める人材像にマッチするかを判断する際、出身校の種類が一つの指標として機能しています。

ここでは、デザイナー採用において学歴(学校種別)が重視される4つの背景について詳しく解説します。

基礎的な造形力とデザイン理論の担保

デザインの現場では、構図、色彩、タイポグラフィ(文字組)などの基礎知識が必須です。

美大や芸大の出身者は、入試に向けた厳しい実技対策や、入学後の課題制作を通じて、これらの基礎体力を時間をかけて養っています。

「デッサンが狂っていないか」「色の組み合わせに違和感がないか」といった審美眼は一朝一夕には身につかないため、専門教育機関を卒業していること自体が、一定の基礎スキルを保証する証明書となります。

未経験者や独学者の場合、この「基礎の厚み」をどう証明するかが課題となるため、どうしても専門教育を受けた学生が採用のベースラインとして比較対象になりやすいのです。

大手企業の採用基準と総合力の評価

事業会社(メーカーやIT企業など)が自社でデザイナーを採用する「インハウスデザイナー」の場合、デザインスキルだけでなく、企画力、コミュニケーション能力、マーケティング知識など、ビジネスパーソンとしての総合力が求められます。

特に大手企業の新卒採用では、給与体系や人事制度の都合上、「大卒以上」を応募条件としているケースが少なくありません。

ここでは、美大に限らず一般大学の出身者も対象になりますが、「4年間の大学教育で培った教養や論理的思考力」が評価の対象となります。

単に絵が描けるだけでなく、組織の中で円滑に業務を進められる知性が、学歴という形で確認されている側面があります。

ツール操作の習熟度と即戦力性

Photoshop、Illustrator、Figmaといったデザインツールの操作スキルは、デザイナーにとっての「読み書きそろばん」です。

専門学校では、これらのツールの使い方を実務レベルまで徹底的にトレーニングするため、卒業生は入社初日から実務をこなせる即戦力性が高いと評価されます。

一方、美大や一般大ではツール操作よりも理論や発想を重視するカリキュラムも多いため、企業によっては「教育コストがかからない専門学校生」を優先的に採用したいという意図が働きます。

このように、企業が求める「即戦力」の定義によって、有利になる学校の種類が変わるため、学歴(学校歴)が話題の中心となるのです。

強固なOB・OGネットワークと学閥

デザイン業界、特に広告や伝統的なグラフィックデザインの世界では、特定の美大出身者が強いネットワークを持っています。

有名クリエイティブディレクターが美大の教授を務めていることも多く、ゼミや研究室の推薦枠で就職が決まるルートも存在します。

また、採用担当者が自分の出身校の学生に対して「どのような教育を受けてきたか」を理解しているため、「〇〇大学の学生ならこのレベルの課題はクリアしているだろう」という安心感を持って選考できるという事情もあります。

こうした人的な繋がりや共通言語の有無が、結果として特定の学校からの採用実績を積み上げる要因となっています。

【デザイナー 学歴】学歴より重要な評価ポイント

ここまで学歴や学校種別の影響について触れましたが、デザイナー採用において最も重要なのは、間違いなく「アウトプット(作品)」です。

どれほど高学歴でも、ポートフォリオ(作品集)の質が低ければ不採用になりますし、逆に学歴がなくても、圧倒的な実力があれば採用されます。

面接官は、偏差値ではなく、あなたがクリエイターとしてどう貢献できるかを見ています。

ここでは、学歴の壁を越えて採用担当者が重視する4つの評価ポイントを紹介します。

圧倒的なクオリティを誇るポートフォリオ

デザイナー就活において、ポートフォリオは履歴書以上に雄弁です。

採用担当者は、作品のビジュアル的な美しさ(クオリティ)はもちろん、掲載されている作品数、バリエーション、そして見せ方の工夫までを総合的に評価します。

単に学校の課題を並べるのではなく、自主制作作品を含めて「自分は何が好きで、何が得意か」を明確に伝える構成力が求められます。

プロの目から見て「この学生なら仕事を任せられる」と思わせるレベルまで作品を磨き上げることが、内定への絶対条件です。

学歴の不足を補うには、このポートフォリオで面接官を黙らせるほどの実力を見せつけるのが一番の近道です。

デザインの意図を説明する言語化能力

「なんとなくカッコいいから」「おしゃれだから」という理由で作られたデザインは、ビジネスの現場では通用しません。

「なぜこの色にしたのか」「なぜこのレイアウトなのか」、ターゲットユーザーや目的に合わせて論理的にデザインを構築し、それをクライアントやチームメンバーに言葉で説明する能力が不可欠です。

面接ではポートフォリオを見ながらプレゼンテーションを求められますが、ここで思考のプロセスを論理的に語れる学生は、出身校に関わらず高く評価されます。

特にUI/UXデザインの分野では、見た目以上にこの「設計思想の言語化」が重視される傾向にあります。

クライアントの要望を汲み取るコミュニケーション力

デザイナーはアーティストではありません。

クライアントやユーザーが抱える課題を解決するためにデザインを提供するのが仕事です。

そのため、相手の話を正しく理解し、要望を引き出し、時にはプロとして提案を行うコミュニケーション能力が重要視されます。

面接では、質問に対する受け答えの的確さや、雰囲気の良さが見られています。

独りよがりな作品を作るのではなく、「一緒に働くことでプロジェクトが円滑に進みそうだ」という安心感を与えられる人間性も、スキルと同様に大切な評価軸です。

チーム制作の経験などを通じて、協調性をアピールすることも有効です。

常に新しい技術を学ぶ知的好奇心と成長意欲

デザインのトレンドやツールは日々進化しています。

昨日まで使っていたソフトが古くなり、新しい技術(AIデザインツールやノーコードツールなど)が台頭してくる世界です。

そのため、学校で習ったことだけで満足せず、自ら最新情報をキャッチアップし、スキルをアップデートし続ける姿勢が求められます。

面接官は、「最近気になっているデザインは?」「自主的にどんな勉強をしているか?」といった質問を通じて、学生の知的好奇心や成長意欲を確認します。

受け身ではなく能動的に学ぶ姿勢があれば、未経験やスキル不足の段階であっても、ポテンシャル採用としてチャンスが広がります。

【デザイナー 学歴】学歴に不安がある人の対策

「美大に行っていないから不利だ」「一般大からデザイナーになれるのか」と不安を感じている人もいるでしょう。

しかし、正しい戦略を立てて準備すれば、専門外からでもデザイナーへの道は開かれています。

重要なのは、足りない部分を自覚し、それを補うための行動を起こすことです。

ここでは、学歴や専門性のハンデを克服し、デザイナーとして内定を勝ち取るための具体的な4つの対策を提案します。

実務経験を積んで「即戦力」を証明する

学校での学びが足りないと感じるなら、現場で学ぶのが最も効率的です。

デザイン事務所やベンチャー企業の長期インターンシップに参加し、実務の中でスキルを磨きましょう。

バナー制作やLP(ランディングページ)のデザインなど、実際の仕事として世に出る制作物に携わることで、学校の課題だけでは得られない「ビジネス視点」や「スピード感」が身につきます。

「学生時代にこれだけの案件をこなし、成果を出した」という実績は、専門教育を受けていないハンデを覆す強力な武器になります。

未経験可のインターン募集を探し、まずは手を動かす環境に飛び込みましょう。

スクールやオンライン講座でスキルを補完する

独学に限界を感じる場合は、社会人向けのデザインスクールやオンライン学習サービスを活用するのも一つの手です。

特にツールの操作方法やWebデザインのコーディング知識などは、体系的に学んだ方が効率よく習得できます。

また、現役デザイナーが講師を務めるスクールであれば、ポートフォリオの添削やキャリア相談を受けられるメリットもあります。

「ダブルスクールに通ってまでデザインを学びたい」という熱意と行動力は、採用担当者にポジティブな印象を与えます。

一般大生であれば、デザインのサークルに入ったり、学外の活動に積極的に参加したりすることも有効です。

ターゲットとする企業や職種を見極める

一口にデザイナーと言っても、求められるスキルやバックグラウンドは企業によって異なります。

例えば、高度なデッサン力が求められるゲームのキャラクターデザイナーなどは美大生が圧倒的に有利ですが、WebサービスのUIデザイナーや、マーケティング要素の強いWebデザイナーであれば、論理的思考力のある一般大生が好まれることもあります。

自分の強み(論理構成力、企画力、情報収集力など)が活かせる領域を見極め、勝てるフィールドを選んでエントリーすることが重要です。

業界研究を徹底し、募集要項や過去の採用実績から傾向を分析しましょう。

圧倒的な量の作品を作りポートフォリオを充実させる

質も大切ですが、初心者のうちは「量」も重要です。

とにかくたくさんの作品を作り、ツールの操作に慣れ、デザインの引き出しを増やしてください。

既存のサイトやバナーを模写(トレース)する練習も基礎力向上に役立ちます(ただしポートフォリオに載せる際は模写であることを明記するか、オリジナルに昇華させること)。

また、友人や知人から依頼を受けてロゴやチラシを作るなど、架空の課題ではない「誰かのためのデザイン」に取り組む経験も貴重です。

数をこなすことでしか見えてこない課題や成長があります。

その泥臭い努力の跡が詰まったポートフォリオは、必ず評価されます。

【デザイナー 学歴】よくある質問

デザイナー就活は、総合職の就活とは異なる常識やルールがあるため、戸惑うことも多いはずです。

特に学歴やスキルに関しては、様々な情報が飛び交い、何が正解かわからなくなることもあります。

ここでは、デザイナー志望の学生から頻繁に寄せられる疑問を取り上げ、現在の業界動向に基づいたリアルな回答をお届けします。

迷いを解消し、制作と就活に集中できる状態を作りましょう。

美大と専門学校ではどちらが有利ですか

一概にどちらが有利とは言えませんが、目指すキャリアによって傾向が異なります。

大手広告代理店やメーカーの企画職寄りデザイナーを目指すなら、発想力や教養が重視されるため美大がやや有利な傾向にあります。

一方、Web制作会社やプロダクションの現場でバリバリ手を動かす職人肌のデザイナーを目指すなら、実務スキルに直結する教育を受けている専門学校生が歓迎されることが多いです。

「思考力重視」か「技術力重視」か、企業のカラーによって評価が変わるため、志望企業に合わせて自分の強みをアピールすることが大切です。

一般大学からデザイナーになれますか

結論から言えば、十分になれます。

特に近年はWeb・IT業界を中心に、UI/UXデザイナーなどの職種で一般大学出身者の採用が増えています。

デザインは感性だけでなく、ユーザー心理の分析や情報の整理といった論理的な作業が必要だからです。

ただし、美大生や専門学生に比べて制作時間は圧倒的に少ないため、独学やスクールでスキルを習得し、彼らに見劣りしないポートフォリオを用意することが必須条件です。

「なぜ一般大からデザイナーを目指すのか」という志望動機を明確にし、独自の立ち位置を確立しましょう。

絵が描けなくてもデザイナーになれますか

「デザイナー=絵が上手い」というイメージがあるかもしれませんが、分野によっては必ずしも高い画力は必要ありません。

例えば、WebデザインやUIデザイン、エディトリアルデザイン(DTP)では、写真や文字、図形を美しく配置する構成力が重要であり、手描きのイラスト能力は必須ではありません。

もちろん、ラフスケッチを描く際にある程度の画力があれば便利ですが、ツールを使ってイメージを具現化できれば問題ないケースがほとんどです。

イラストレーターを目指すのでなければ、画力コンプレックスを持つ必要はありません。

資格は就職活動に必要ですか

デザイナー就活において、資格は「あった方が良いが、なくても問題ない」レベルです。

「色彩検定」や「ウェブデザイン技能検定」などの資格は、基礎知識があることの証明や学習意欲のアピールにはなりますが、それだけで採用が決まることはありません。

採用担当者は資格の有無よりも、ポートフォリオの実作を見て実力を判断します。

資格勉強に時間を使いすぎて作品制作がおろそかになっては本末転倒です。

まずはポートフォリオの完成度を高めることを最優先し、余裕があれば資格取得に挑戦するという優先順位で進めましょう。

まとめ

デザイナー職における学歴フィルターは、偏差値よりも「専門教育の有無」という形で存在しますが、決して絶対的なものではありません。

何よりも重視されるのは、ポートフォリオに表れるあなたの実力と、デザインに対する情熱です。

美大生には美大生の、一般大生には一般大生の強みがあります。

学歴を言い訳にせず、インターンや自主制作を通じてスキルを磨き、「あなたにデザインしてほしい」と思わせるような魅力的なクリエイターを目指してください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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