ES(エントリーシート)や履歴書に「志望動機」を書こうとしたものの、全体の流れが定まらずなかなか書き始められなかったり、何を書けばいいかわからなかったりした経験はありませんか?
今回は、志望動機の書き方に悩んでいる方に向けて、志望動機の書き方のポイントや、注意点、全体的な構成などについて解説していきます。
志望動機の例文も3つご紹介するのでぜひご覧ください。
【志望動機の書き出し】志望動機は「結論」から書く!
志望動機はまず「結論」から書き始めましょう。
話の初めに結論を持ってくる手法は「結論ファースト」と呼ばれており、非常に基本的で初歩的な手法です。
結論から書き始めることで、相手は真っ先に話のゴール地点を把握することができ、話の内容が入ってきやすくなります。
また文章を論理的に構成しやすくなるので、知性を演出することにもつながります。
「結論ファースト」はESなどを書く時だけではなく、面接時の受け答えの際にも使える手法なので、この際にしっかりとマスターしておきましょう。
【志望動機の書き出し】志望動機で「書き出し」が重要な理由
文章の始まり、すなわち「書き出し」ですが、ESなどでは特に重要です。
書き出しの巧拙によって
・文章を読んでくれるかどうか
が決まってきます。
まずはその重要性について触れておきましょう。
文章の第一印象を決める
まず、文章の第一印象は書き出しの巧拙によって決まります。
文章の中で一番初めに読む部分なので、当然ですね。
読み手は「どうして弊社を志望したんですか?」という質問の答えを期待しているので、まずはその質問の答えを端的に述べましょう。
いきなり志望するに至った経緯などから始めると、話の筋が見えにくくなってしまうのでNGです。
質問に対してちゃんと答えられていないと、文章の作成スキルが疑われてしまうことすらあるので注意が必要です。
読んでもらえるかが決まる
そもそも、ESや履歴書は必ずしもちゃんと読んでくれるとは限りません。
大企業・有名企業は特に志望者が殺到し、大量のESを処理する必要があるのでなおさらです。
読みにくい文章は、読み手の意欲をそいでしまうので、ちゃんと読んでもらえなくなってしまう可能性があります。
自分では一生懸命に書いたつもりでも、読みにくければそれまでなので、とにかく読みやすい、分かりやすい文章を書くことが大切です。
【志望動機の書き出し】書き出しを書く際のポイント
ここまで、
・そもそもなぜ書き出しが重要なのか
について解説してきました。
ここからは、書き出しを書く際のちょっとしたポイントについて解説していきます。
簡潔に一文にまとめる
まず、書き出しは簡潔に一文にまとめましょう。
相手に一生懸命伝えようとすると、どうしても情報を盛り込みすぎてしまいがちです。
補足情報を伝えたいがために「私は○○という経験で○○業界に魅力を感じ、また○○を行っている貴社に惹かれ、志望いたします」と長々とかいてしまうのは、逆に伝わりにくくなってしまうのでNGです。
簡潔に、「貴社の○○に惹かれ、志望いたします」とまとめるようにしましょう。40字程度に収めるのがおすすめです。
どうしても補足情報を盛り込みたい場合は、その次の文章で書きましょう。
企業の独自性を出す
次に、企業の独自性に言及しましょう。
そもそも企業が志望動機を聞いてくるのは、応募者の志望度の高さを推し量るためです。
そのため、その企業でなければならない理由を述べる必要があります。
「貴社の○○プロジェクトに惹かれた」「貴社の○○という理念に共感しました」などと、その企業でなければならない理由を名言するのがポイントです。
「それってうちじゃなくてもできるよね?」と思われてしまうことを防げると同時に、その企業についてちゃんと調べてきたというアピールにもつながります。
【志望動機の書き出し】NGな志望動機の書き出し
志望動機の書き出しを書く際には、注意点もあります。
・自分本位
・主体性がない
このような書き出しは、企業にとって魅力的に映りにくく、場合によってはマイナスの印象につながるので、避けましょう
漠然としている
1つ目に、漠然としているものはNGです。
「私は社風に惹かれ貴社への就社を志望いたします」など、漠然としたものは良くありません。
簡潔に書こうという意識は素晴らしいですが、これでは情報を省きすぎてしまっているので、「○○という社風」「○○な社風」のように、情報を加えましょう。
さらに「どう共感しているのか」「どのような経験からその社風を重視するようになったのか」など、情報を加えていくことが大切です。
志望動機に社風を用いる場合のポイントや例文などについては別の記事で詳しく解説しているので、志望動機に社風を用いたいと考えている人はこちらも合わせてご覧ください。
自分本位
2つ目に、自分本位すぎるのもNGです。
会社は自社に貢献してくれる人材を求めているので、会社がやっている事や、業務内容に興味を持ってくれる人を優先して採用しようとしています。
そのため、「教育制度が充実している」「給与が高い」「家から近い」など業務に関係ない、自分本位すぎるものは避けましょう。
よりよいところがあればそっちに行ってしまう印象を与えてしまうので、熱意や誠実さに欠ける志望動機と判断されてしまいます。
主体性がない
3つ目に、主体性が伝わらない書き出しもNGです。
会社を知ったきっかけが、家族、友達、大学の教授、先輩などの紹介であったとしても、「人に紹介してもらい、魅力を感じたから」などと書くのはやめましょう。
このような書き方をしてしまうと、「受動的な性格である」と判断されてしまい、会社にとっては魅力的に映らなくなってしまいます。
実際はどうあれ、「自ら業界について調べていくうちに貴社のことを知った」という設定にしておきましょう。
【志望動機の書き出し】完成度の高い志望動機を書くポイント
ここからはより完成度の高い志望動機を書くためのポイントを4つ解説していきます。
②企業の独自性を理解する
③その業界・企業を選んだ理由を明確にする
④企業が求める人物像を抑える
です。
企業が志望動機を聞く理由を押さえる
1つ目に、企業が志望動機を聞く理由をしっかりと理解しましょう。
企業は応募者の熱意や志望度の高さ、企業への理解度などを見るために志望動機を聞いています。
そのため、
・入社後のキャリアのイメージがあること
・競合他社との違いを理解していること
などをうまくアピールすることで、企業に響く完成度の高い志望動機を作成することができます。
企業の独自性を理解する
2つ目に、企業の独自性を理解しましょう。
企業について十分理解しているかどうかは、言葉の節々にあらわれます。
・会社の強み
・会社の方針や事業展開
・顧客のタイプ
・扱っている商品やサービス
などはしっかりと抑えておきましょう。
その業界・企業を選んだ理由を明確にする
3つ目に、その業界・企業を選んだ理由を明確にしておきましょう。
そもそもなぜその業界を目指し始めたのか、またその中でもなぜその企業なのかを振り返りましょう。
初めてその業界のことを知ったのはいつのことか、いつから興味を持つようになったか、どうして憧れるようになったのか、その企業を応募したきっかけは何かなど、その企業に応募するに至った歴史を今一度振り返ってみましょう。
自分の歴史を振り返ると、志望動機のリアリティやオリジナリティが格段に向上します。
企業が求める人物像を押さえる
4つ目に、企業が求める人物像を押さえましょう。
企業に「私は求めている人物像と合致していますよ」とアピールするためにも重要です。
求める人物像には、働き方や業務の取り組み方、業務を行う上での方針やモットーなどが表れており、企業は採用において重視している部分です。
求める人物像は、企業の採用HPや就職四季報総合版などに掲載されているので一度確認し、自分自身と重なるところがあるか、確認しておきましょう。
【志望動機の書き出し】志望動機は構成が重要
ここからは、志望動機の構成について解説していきます。
先ほども、書き出しは第一印象を左右するため重要であると解説しました。
もちろん当然ですが、中の部分も大切です。内容の部分においても、伝わりやすい文章を書かなくてはなりません。
ESや履歴書の志望動機の回答欄は200字から300字程度に限られるので、文章の構成の仕方がカギとなります。
どの企業の志望動機を書くにしても共通する構成なので、しっかりと押さえておきましょう。
結論
まずは結論から書くのが鉄則です。
先ほどもご紹介しましたが、結論ファーストを意識して、「私は○○のため、貴社を志望いたします」とシンプルにまとめましょう。
必要な内容は残しつつ、優先度の低い情報は省き、40字程度に収めるようにしましょう。
このような書き出しにすることで、質問に対して真っ先に答えを述べつつ、文章全体の大見出しを作ることができます。
ESを書く時だけでなく、口頭で説明する際にも意識するようにしましょう。
根拠
次に、なぜその企業を志望するようになったのかという過程を説明しましょう。
ここでは自分自身のエピソードを踏まえると、リアリティやオリジナリティが高まります。
大学に入る前からのエピソードでも構わないので、しっかりと言及しましょう。
その企業が提供する製品やサービスに実際に助けてもらった経験や、当時はそれがなかったけどもし仮にあったなら非常に助かっていたはずだ、というエピソードがあれば書きやすいでしょう。
入社後にどう貢献するか
最後に、自分がその企業にどう貢献できるのかをアピールしましょう。
あなたが企業の求める人物像と合致していることや、業務にあなた自身の強みや経験を活かせることをアピールすると効果的です。
大学時代のゼミやバイトなどの経験などで発揮した能力などを踏まえると、説得力が増します。
また文章の最後にこれを用いることで、最初に言ってしまった結論をもう一度最後に言ってしまうという事態を避けることができます。
【志望動機の書き出し】書き出しを工夫した例文
ここまで、志望動機の書き方について解説してきました。
ここからは、ここまでの解説を踏まえて、書き出しや文章構成を工夫した実際の例文をご紹介していきます。
ここでは、IT業界、銀行、食品業界を志望する際の例文を挙げることにします。
例文①:IT業界の志望動機
私の実家は小さな町工場ですが、データ入力などの手間がかかる事務作業が多く、父が夜遅くまでパソコンに向き合っているのを見てきました。
私は貴社のサービスを中小企業が多い日本において広めることで、多くの企業で業務の効率化を行うことができると考えております。
私はもともと、IT業界で働くことを考えており、在学中にITパスポートを取得しました。
IT業界の中でも製造現場に密着したサービスを提供する貴社の営業職として、お客様に寄り添い、より多くの現場に良いサービスを提供したいと考えております。(281文字)
例文②:銀行の志望動機
私は生まれてから今までこの地域で育ちました。
この地域は○年前に大きな自然災害に襲われましたが、非常に早いペースで復興が進んでいます。
私は復興に興味を持ち、大学のゼミで研究をしておりました。
聞き取り調査を行う中で、貴行が行った「復興支援ローン」により、個人商店がすぐに営業を再開できた結果、地域の復興に大きく貢献したことを知りました。
私は貴行の地域の一員として中小の商店や企業、ひいては個人個人に寄り添うという経営姿勢を胸に、聞き取り調査で培った「聞く力」を武器にして、地域を活性化し、貴行に貢献したいです。
(288文字)
例文③:食品業界の志望動機
現在、一人暮らしの家庭が増えてきています。
私も大学への進学を機に、ひとり暮らしを始めましたが、食事を充実させることが困難に感じていました。
そこで、貴社の冷凍食品を使ったところ、バランスの良い食事を手軽に作れるようになりました。
また、貴社の製品は地元の食材を多く使用しており、ひいては○○県の魅力発信にも繋がると感じております。
私は貴社の営業職として、小売店様に貴社の商品の魅力を伝え、より多くの人に貴社の製品を手に取ってもらうことで、貴社に貢献していきたいと考えております。(280字)
まとめ
いかがでしたか。
今回は「志望動機の書き方」について、書き方のポイントや注意点、文章構成、実際の例文などを解説してきました。
志望動機は、どんな企業を受けるにしても、ほぼ確実に問われる質問です。
結論ファーストや簡潔に書くことは基本中の基本であり、より完成度の高い志望動機を作成するには、深い自己分析や業界・企業研究が欠かせません。
しっかりと準備し、選考を突破できる志望動機の作成を目指しましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート