はじめに
小売業界は私たちの普段の生活に密接している業界で、実際に働いている姿が直に見られるためどのような仕事をしているのかイメージしやすいです。
そんな小売業界ですが、個人の消費が拡大している昨今需要はかなり高まっています。今回は人気の高い業界の1つである小売業界についてまとめます。
小売業界の特徴
小売業界と一口に言っても、その業態は様々です。コンビニエンスストアやデパート、百貨店にスーパー、ショッピングセンターなど幅広い展開がされています。
デパートや百貨店などは小売業界の中でも業績が低迷しており、地方の中心の百貨店は閉店するところも少なくありません。これまでの顧客層はイオンを始めとする大型ショッピングセンターに流れてしまい、客数もどんどん減少しています。
一方、コンビニやスーパーなどの小規模な小売店は商品のサイクルが早く、商品トレンド把握も即座にでき柔軟な対応ができることから業績は高いです。災害の多い日本で災害時の供給源にもなることから、住宅地周辺にあるスーパーなどはさらに需要が高まっています。
小売は実店舗だけでなく、インターネット展開をしているところやインターネット専業のものまであります。Amazonや楽天市場なども小売業で、地域という障壁を無視できるため近年成長中です。
現在EC市場は実店舗も含めたBtoCにおいて6%ほどの市場規模となっています。6%という数字だけ見ればまだ実店舗の足元にも及ばないほどのシェアですが、2年で1ポイントずつ増加していることを考えると今後はECにも注目すべきです。
次世代の高速通信技術である5Gが普及すれば、よりECは発展すると考えられます。
もし小売業界への就職を考えていて接客でなく企画・マーケティングをやりたいのであれば、選択肢としてEC関連も考慮に入れておくと活躍の幅が広がります。
このように様々な業態がある小売業界ですが、消費が行われている以上需要がなくなることはありません。日本では減少傾向にある人口ですが、世界では増加傾向です。よりグローバルに活躍するにはおすすめの業界であると言えます。
コロナ禍が及ぼした小売業界への影響
新型コロナウイルスの影響で多くの業界が打撃を受けました。
もちろん小売業界も影響を受けた業界の一つですが、少しずつ順応しつつあります。
というのも2019年から2020年にかけて感染を予防するためのマスクや消毒などを扱うドラッグストアや自宅にいる時間が増え、食料品の需要が高まったことによるスーパーマケットなどいくつかの業種では販売額が上がる結果になりました。
一方で人々の外出自粛によって卸売や百貨店、コンビニエンスストアなどの販売額は下げてしまう結果になりました。
ところが2021年度の小売業界全体の販売額は前年度比から3.4%伸び、2020年に下がってしまったコンビニエンスストアや百貨店の販売額も前年度比から上がりました。
コロナ禍2年目になり、小売業界は元の姿を取り戻しつつあります。
小売業界の仕事内容
小売業界では
- 物流
- 販売
- 販売支援
の3つの職種があります。どのような仕事をするのか順に説明します。
まず、物流は仕入れを担当します。実際に商品を購入する以外に選定したり新規仕入先の営業、商談を行ったりします。在庫管理も行い、どのような商品が売れるのか、トレンドはどういった商品かを把握することが不可欠です。
次に、販売です。実際に私たちが商品を購入する際に見かける店員は販売の役割を担っています。レジ打ちや清掃などはアルバイトがしていることがほとんどですが、正社員として採用されてすぐは店頭販売をすることがあります。
これは実際に自分が売り場に出ることで商品の売れ行きや売れる仕組みを理解させるためだと言われています。
販売支援は、販売をするための後方支援です。マーケティングや催し物の開催、広告など仕事は多岐にわたります。基本的に物流と販売以外の仕事はこれに当てはまると考えると間違いありません。
その他職種として
- 運営企画
- 人事
- 総務
- 経理財務
があります。
運営企画は経営戦略や経営資源の分配などを行います。経営の中心部と言って差し支えありません。
人事は新卒・中途採用や人材育成に人事評価などを行います。
総務は法務や庶務などの事務作業を行います・
経理財務は経理業務や投資などを行います。
小売業界で働くことになれば、これらの職種のうちいずれかに従事することになります。
小売業界の具体的な仕事内容
小売業界と言っても、その実態はただ店頭で物を売るばかりではありません。
実はほかにもさまざまな業界があり、複雑に絡み合っているものなのです。
物流
まず、物流業界です。
物流業界で有名なのは、郵便や宅配などの業界でしょう。
ですが、物を右から左に運ぶだけではなく、流通するルートを作ったり、より効率良く物を運ぶための技術やテクニックを確保したりすることも行います。
とくに食品系であればその食品そのものの鮮度は大事ですし、扱いが難しい精密機器や高額な製品の輸送についても配慮が必要です。
このため、鮮度が劣らないように配送する技術や、精密機器を壊れないように配送する技術、高額な製品を上手に丁寧に輸送する方法など、関わる部分は多いです。
とくに最近はECサイトが倉庫を外部に持つケースがあり、その場合商品を梱包して発送するところから物流業者に委託しているケースもあります。
今後も需要は伸びていく分野と言えます。
販売
次に、小売業でもっともイメージしやすい販売についてです。
販売は主に店頭での販売もありますし、今ではインターネットでの販売もあります。
田舎にある無人野菜販売から宝飾品や高額なブランド品を売るような接客業務まで、すべてが販売の仕事として関わるでしょう。
この販売については販路が多様になってきたこともそうですが、販売員のきめ細やかなサービスを売りにしているお店も多いため、質の向上が望まれるケースも多いですし、販売成績が良い販売員は優遇される傾向もあります。
このため、簡単な仕事や需要が少ないというわけではなく、むしろさまざまな人が働いており、なかなか需要が消えることはない良いキャリアと言えるでしょう。
販売支援
店頭で売るのが販売業務そのものだとしたら、販売支援はバックオフィス業務としてさまざまなことを行います。
販売支援とは、さまざまな製品がある中でライバル企業やライバル社の製品との差別化を行い、どのように魅力を伝えていくかという仕事になります。
ターゲット層の解析や分析、ライバル社製品の分析やトレンドの解析、たくさんの商品を売るためのポップや広告、チラシや宣伝などの支援業務を行うことも多いです。
総合的に商品を売るためのさまざまな計画やサポートを行い、時に商品を効率良くお客様に届けるように工夫します。
時にラウンダーとして外に出て実際に販売の現場を目にすることもあれば、ずっとさまざまな製品を比べて売れそうな商品を表に出すような計画を行う場合もあります。
営業
営業は物を作る企業と物を売る店舗との懸け橋になり、さまざまな提案や商品販売の支援を行って、より商品を効率良く売るのが基本的な仕事になります。
この場合は実際に店頭で商品を売ることよりも、お店や店舗との関わりを持ったり、商品の魅力を伝えたり、新しい商品を宣伝して店頭に置いてもらうなどの仕事が基本です。
また、店舗の販売員や店舗責任者との関係づくりも大事です。
誰でも売れる製品を店頭に置きたいものですし、売れる製品を効率良く各店舗に流通させて効率良く売ることができれば、やる気や成果も格段に高くなるでしょう。
小売業界の福利厚生
福利厚生は企業によって様々なので、業界として優劣があるわけではありません。ただ、小売業界のなかでも福利厚生が手厚い企業とそうでない企業があります。そこで、新卒者が福利厚生で重視しておきたい点をピックアップします。
福利厚生で注目すべきは
- 通勤手当
- 家賃補助
- 有給消化率
です。最後の有給消化率は福利厚生とはやや異なりますが、実態は企業の風通しや雰囲気が分かる指標の1つなので含めました。これらについて説明します。
まず通勤手当です。これは支給される企業がほとんどですが、実費ではなく上限が定められているところがあります。また、自動車で通勤したい場合にはガソリン代以外にも駐車場が企業に整備されているか、もし整備されていない場合は駐車場料金が支給されるかどうかをチェックしましょう。
公共交通機関で通勤する場合も上限が決まっていることがあるため注意しましょう。例えば片道500円だとすれば往復1,000円、20日出勤の場合月額20,000円もの交通費がかかります。
ところが、交通費上限が月15,000円の場合残りの5,000円は自己負担となります。会社に行くだけで月5,000円も負担しなければならないのはきついですよね。なので実費で交通費が支払われる企業を選びましょう。
次に家賃補助です。よく「家賃は収入の3割以内に抑えるべき」と言われますが、新卒の貯金のない時期にとってはたとえ収入の3割であっても負担が大きいです。そのため、貯金のないうちは家賃補助のある企業を優先させましょう。
例えば、家賃5万円に住んで会社からの補助が1.5万円あった場合、本来支払うべき家賃のり7割分の支払いで済むのでかなり大きいです。
家賃は食費と並んで家計のなかで占める割合が大きいため、他の条件が合えば家賃補助のある企業に就職するのがおすすめです。
有給消化率の高い企業は休みやすい環境にあるということです。企業は原則として有給休暇を労働者に与えなければいけませんが、与えられた有給は従業員の権利として行使するわけです。つまり、全て消化する義務はないためフルで使うと企業にとって負担となります。
有給を多く使われると企業としてはマイナスになりますが、従業員にとっては個人の都合で休みを取れるため、ワークライフバランスを保ちやすくなります。そのため、有給消化率の高い企業を選びましょう。6割を超えると日本の中では高いです。
小売業界の給料
平成28年度の国税庁の調査によると、卸売業を含む小売業の平均年収は363.8万円となっています。全業種の平均が422万円なので60万円程度低いです。この数字だけ見るとかなりの差であり、小売業界への就職を躊躇されるかもしれません。
ただ、小売業界にはアルバイト・パート従業員が他業界と比較して多く存在します。したがって、正社員として採用されれば他業界と比較して別段年収が低いということはありません。
しかし、企業によって年収の差が大きいのも小売業界の特徴です。上場企業でも北九州を中心に展開している井筒屋の平均年収は302万円ですが、同じく大手デパートである伊勢丹は783万円となっており2倍以上の差が付いています。
売上や平均年齢、所在地は異なりますが業務内容としては大差ないデパートであってもこのような差があります。特に本社の所在地が地方と東京では歴然の差です。
基本的に同じ業界であれば給与が大きく変わることはありませんが、小売業界に関しては規模などによって収入が大きく変化するということに注意しましょう。
小売業界で人気の企業は?
20卒の学生に人気の企業トップ10は
- ニトリ
- アマゾンジャパン
- 良品計画
- 三越伊勢丹
- ファーストリテイリング
- イオンリテール
- 高島屋
- セブンイレブン・ジャパン
- アニメイト
- 阪急阪神百貨店
となっています。
小売業界はその性質から私たちのよく知る企業が多く、今回ランクインした企業もいずれも知らない人はいないほど有名な企業ばかりです。
ニトリや良品計画、ファーストリテイリングなど商品をそのまま仕入れる企業でなく自社製品を作る企業が上位にある傾向があります。いわゆるお客さん・ファン層がその企業に就職するということが多く見られるのもこの業界の特徴です。
小売業界の人気企業の特徴
小売業界でも人気の企業は多くあり、有名企業も多いです。
ここでは3つの企業を紹介しましょう。
ニトリ
「お値段以上」というキャッチコピーで有名な、家具や家電、ライフスタイルなどを提案する企業です。
主に家具や家電を中心として、インテリアやエクステリア、ペットや介護などさまざまな商品を販売しています。
各地域に大規模な店舗を持ち、インテリアの提案をするなど魅せ方がとても魅力的な上、オシャレでトレンドを押さえつつ、お値段も手ごろな点が魅力となっています。
アマゾンジャパン
小売業界というと今ではECサイトも当てはまり、とくに有名なネットショップとして知られています。
取り扱う商品の幅はとても広く、本や書籍を中心に、衣類や医薬品、ペット用品や家具家電、宝飾品などを販売しています。
また、電子書籍やダウンロードミュージックなど、デジタル販売にも強い側面を見せています。
こちらは地域はないものの、世界的に有名な企業で多くの商品を取り扱っていることから、需要もとても高くなっています。
また、商品のレビューが話題になるなど、さまざまな面での話題性も多いです。
良品計画
インテリアなどで有名な無印良品というブランドを運営する企業です。
近年では家の販売などを始めるほど、商品の数は多様で豊富であり、食品から衣類、化粧品、家具や家電など、多くの製品を販売しています。
特徴は製品のシンプルさで、何も主張がないことや店舗で扱う範囲が広いことなどが逆に個性を際立たせています。
また、話題性にも事欠きません。
ファンが工夫して使う様子やさまざまなものに転用する様子も話題となっています。
また、シンプルかつオシャレでカスタマイズしやすいため、SNSでも人気が高いブランドとなっているのです。
小売業界で身につくスキル
小売業界に就職した場合、どのようなスキルが身につくのでしょうか。
小売業界に就職しようかどうか迷っている方はもちろん、小売業界がいいと決めている方も、将来的にどのようなキャリア形成ができるか気になるところです。
そこで、小売業界で身につく主なスキルについてご紹介します。
小売業界でのステップアップを考えている就活生は、参考にしてください。
コミュニケーション力
小売業界でお店に出れば、毎日多くのお客様と接することになります。
バックヤードでも多くのスタッフが働くなど、お互いに連携、協力し合いながら仕事を進めていきますから、コミュニケーション力は必須です。
店頭以外の業務でもお客様からの問い合わせに対応したり、電話注文を受けたり、仕入れ先に発注の連絡をしたり、届けられる品物を取引先や納品業者から受け取ったりと、担当する分野や職種を問わず、コミュニケーションが必須の業界です。
コミュニケーション力を高めることは小売業界で活躍していくうえで必須のスキルになるとともに、仮に他の業界に転職することになっても役立つスキルです。
プレゼンスキル
小売業界ではお客様への提案販売をはじめ、高額な商品を勧めるときなど、商品の魅力をいかにアピールしたり、お客様の興味やニーズを引き出したりし、ほしいと思わせるかのスキルも不可欠です。
つまり、プレゼンスキルを磨いていくことができます。
アパレルショップでコーディネートの提案をしながら、お客様が買おうとしているトップスだけでなく、ボトムスやバッグ、靴、アクセサリーなども同時に売り上げアップをする、なかなか売れない高額帯のジュエリーや化粧品を顧客心理に働きかけて売るといったテクニックが求められるようになります。
商品の魅力や特徴をしっかりと理解し、顧客心理についても学び、経験を積みながら磨いていけるスキルです。
市場を読み解く力
売れ筋は小売店が時代のニーズを捉えて生み出したり、最新のトレンドをいち早くキャッチアップして創り出したりすることもありますが、顧客のニーズの動きや環境の変化で突然の需要が生じることなどもあります。
次に何が来るかを捉えるのはもちろんのこと、急激なニーズの変化に臨機応変に対応し、需要を逃さないことや、落ち込んだ需要を別の手段で挽回するといったアイデアを生み出す力も求められます。
現場で経験を積みつつ、経済ニュースをはじめ、日々のニュースにも敏感になって勉強をしていくことで、どの時期に何が売れるかなどを察知できるようになるものです。
それを活かして消費者に先駆けてトレンドになる品を揃え、お店の売り上げアップに貢献していくやりがいが生まれます。
小売業界に向いている人
職業には向き不向きがありますが、それは小売業界でも例外ではありません。ここでは小売業界に向いている人の特徴についてお話しします。
小売業界に向いている人は
- 人が好きな人
- 商売が好きな人
- あまりプライドが高くない人
- 体力のある人
- 定期的な休みを重視しない人
です。それぞれ説明します。
人が好きな人
まず、人が好きである、多くの人と関わりたいという人です。小売業はアルバイト、客、取引先など様々な人と関わります。老若男女問わず本当に色々な人と交流するため、うまく話せたり雰囲気を感じ取ったりできる人には向いている業界です。
商売が好きな人
次に、商売が好きな人です。どうしたらものが売れるか、かつ自社に最大限の利益を出せるのか工夫をするのが好きであれば小売業界で働くのが楽しいと感じます。
あまりプライドが高くない人
日本の特徴ですが、お客様を神様のように扱う傾向にあります。海外では対等なので横柄な態度を取られたらこちらもそれに応じるということが可能ですが、日本ではそうもいきません。常に礼節を欠かずに接客をする必要があるため、プライドが高いと小売業は不向きです。
体力のある人
小売業界では体力が必要です。仕入れ先との商談に関東から関西まで日帰りをすることは当たり前という世界です。当然商談だけで業務が終わることはなく、その後の資料作りや報告業務などもあります。とにかく多くの作業が必要なので、体力がある人が向いています。
定期的な休みを重視しない人
最後に、定期的な休みが重要でない人です。小売業は職種にもよりますが、ゴードデンウィークなどの大型連休が稼ぎどきで、休むことは基本的にできません。多くの人が休みの土日も出勤する可能性は大いにあります。
イベントごとは土日に開催されることが多いですが、それらに参加しないような人であれば小売業界に向いています。
小売業界で働くメリット
普通のサラリーマンやOLとして働くのも憧れますが、小売業界で働くメリットも多数あります。
最初は覚えることが多く大変でも、良さを感じられると続けていて良かったと仕事にもやりがいを感じられるようになるでしょう。
こちらではどんなメリットがあるのか、いくつか紹介していきます。
平日休みが多い
本来事務職などをはじめ、大手企業でサラリーマンやOLとして働くと土日や祝日が休みになります。
しかし小売業界で働くと、本来皆が働いているような平日に休みが多く便利です。
銀行や病院なども土日は休みのところも多いですし、休日に行っていても別途料金を取り高くなっている場合も多々あります。
平日休みであれば、通常通りに銀行や病院なども行っていますし、どこに行っても休日に比べて少ないため楽です。
人気のある飲食店などは土日となると学生やサラリーマン、OLが休みになる時なため一気に並びなかなか食べられない場合もあります。
しかし平日であれば皆勉強や仕事があるため、並んでいる人も少なくなり比較的スムーズなことも多いです。
さらに旅行に行く時にもすんなり新幹線やホテルの予約も取れやすいですし、土曜日に比べると月曜日から木曜日に泊まる方がホテルも安くなります。
お得に見たい場所や行きたい場所に行けるため、働くとメットを感じられるでしょう。
仕事のやりがいを感じやすい
小売業ではお客様と直接接しながら話をするため、生の声を聞きながら販売ができます。
さらに自分の接客態度が良いとお客様に褒めてもらえることもあり、直接言われると喜びにつながるでしょう。
仕事では大変なことも出てきてしまいますが、優しいお客様に褒めてもらえたらそれまでの疲れが吹っ飛ぶ程嬉しいものです。
中には日ごろのお礼も兼ねて、自分が旅行に行った先のお土産やプレゼントなどをくれるような方もいます。
直接的ではなくても、会社にメールやSNSなどを通じて●●さんに接客してもらい気分が良かったと褒めてくれるケースもあります。
ノルマが課されにくい
小売業界で働くメリットとしてノルマが課されにくいという点も挙げられます。
小売業界の中でも日用品など営業をかけずともニーズが高いものを取り扱っている業種ではノルマが課されることはほとんどないと言われています。
しかしながら、仕事の能力で差がつきにくい分、キャリアアップが難しいという面もあります。
小売業界で働くデメリット
平日休みで動きやすいなどメリットを感じられることもありますが、逆にデメリットに感じてしまう点もいくつかあります。
どんなデメリットがあるのかあらかじめわかっていると、後からビックリせずに済むでしょう。
ここからはどんな点が残念な部分か、紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。
カレンダー通りに休めない
平日休みな点はメリットではあるのですが、逆に土日休みたいと思ってもなかなか休めません。
中には1ヶ月の間で何回までは土日の休みを取っても良いなどと決めて休ませてくれるような職場もありますが、忙しく人が足りないような職場であればよっぽどのことがなければ出勤です。
冠婚葬祭など休まなければならないような時でないと、自由に休めないでしょう。
周りも平日休みが取れるような友人や家族であれば問題ありませんが、サラリーマンやOLの人が多い環境だと自分だけ土日の遊びに参加できないという場合も考えられます。
休日だからこそコンサートやお祭り、催し物があったとしても自分だけはお店が忙しいから休めない場合も考えられるため覚悟が必要です。
特にお正月やゴールデンウィークは混み合うので、必ず出勤の会社も多いでしょう。
仕事のストレスが溜まりやすい
直接お客様と接する仕事ですので、常に人と接しています。
特に問題が起きずに仕事ができていれば問題ありませんが、時にはトラブルになることもありストレスも溜まってしまうでしょう。
たとえばパソコンや何か事務作業のようなものでも疲れてストレスというのはありますが、人を相手にしていると感情も含まれてきますので相手との上手な距離を保つのも大変です。
時にはすごい勢いでクレームを話すお客様に当たることもありますし、それなりに人を相手にする仕事なためストレスは出てきます。
最初は自分が否定されているような気持ちになってしまうかもしれませんが、会社で働いている社員として言われていて自分を否定されているのではないと割り切るの心も大切です。
ストレスが溜まらないように、上手に発散できるようになりましょう。
転勤が多い
小売業界は転勤が多いとされています。
転勤が多く見られる企業の特徴としては全国的にチェーン展開しているところが挙げられます。
転勤が多いことで、今後のビジョンを立てづらくなってしまうのがデメリットです。
しかしながら、最近では転勤の範囲を限定できる制度を導入している企業も現れ始めています。
その分、給料が下がったり、昇格が難しくなる可能性はありますが転勤がデメリットに感じる人にとっては心強い制度かもしれません。
小売業界で活かせる資格
小売業界に就職するために必要不可欠な資格というのは存在しませんが、自分の能力を客観的に示すことができる資格を持っていると他の学生と差をつけることができます。
小売業界で活かせる資格としてはリテールマーケティング検定がおすすめです。
リテールマーケティング検定は小売業界の定番資格と言われています。
検定で用意されている級は1〜3級があり、就活生であれば時間も限られているため最も取り組みやすい3級を取得するのがベストだと考えられます。
リテールマーケティング検定3級は小売業で必要な基本的知識が出題されます。
近年は学生の受験者も増えてきており、認知度も増えてきているため、就活でアピールできる資格になるでしょう。
まとめ
もし今まで小売店でアルバイトをしていたのであればおおよそどのような業界かは判断できると思いますが、接客がメインの業務の1つとなっています。40代以降で管理職になれば接客する機会が減り、企業の運営側として働くことになりますが、新卒で採用されてしばらくはほぼ接客です。
そのため、接客が苦手という人は絶対に向きません。もしアルバイトで接客をしていて違和感を覚えたことがあれば、別の業界を目指すのも手です。
そうでなければ高度な専門性が必要なわけでもなく、人を選ばない業界なので興味を持ったならばぜひ挑戦しましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート