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ESの志望動機の書き方に悩む人は多くいます
就職活動の導入部分にもなるのがエントリーシートです。
このエントリーシートの内容の中で特に書き辛さを感じるのが志望動機ではないでしょうか。
実は皆さんだけでなく多くの就活生がエントリーシートの志望動機の書き方に悩んでいます。
ありきたりな内容や動機の内容が浅いと採用担当者の心に響かないため、次の選考へ進むことができません。
今回は苦手意識の強い方が多い、エントリーシートの志望動機の書き方についてご紹介していきましょう。
企業と就活生のファーストコンタクトともいえるエントリーシート(以下ES)。
書式は企業によって異なりますが、企業が最も重視しているとされるのが「志望動機」です。
あなたは志望動機がなぜ重視されるのかご存じでしょうか。
どのように書き進めれば面接官の心に残り、次のステップに進む志望動機が書けるのでしょうか。
今回の記事では、ESにおける志望動機の役割と、受かるための志望動機の書き方について詳しく解説します。
エントリーシート(ES)の志望動機はなぜ重要?
企業は、ESの志望動機で、就活生が
- 自社のどの点に注目し就職を希望しているのか
- どの程度、自社への就職を志望しているのか
をチェックしています。
いわば志望動機は就活生の「本気度」を図る上で、一番の指標となるためしっかりと書きこんでおく必要があります。
就活は恋愛と同じだと表現を耳にしたことがありますか?
企業と就活生を結ぶ就活は、恋愛における合コンやお見合いに置き換えて考えるととても分かりやすくなるという例えです。
企業が行うESの志望動機での見極めは、「好き」と言ってくれた相手が、自分のどの部分を見てくれたのか、告白してくれた人が自分の理想とする彼氏(彼女)像とどの程度マッチしているかを見極めるのと同じです。
あなたが初めて会う人に「好きです。結婚してください」と言われたとき、きっと「私のどこを好きになってくれたのだろう」と疑問に思うことでしょう。
ESは就活生自身を示す資料であり、ESに記載する志望動機は、恋愛でいうところの「どこを好きになったのか」や「付き合ったときのメリットが何か」ということを伝える部分にあたります。
志望動機が明確でなければ、相手に対する信用が生まれないということは、容易に想像がつくのではないでしょうか。
ESは面接より以前に提出するケースが多く、ESが通過しなければ、その先に進むことができません。
志望動機はしっかりと書きこんで、就活を次のステップに進めましょう。
エントリーシート(ES)に志望動機を書く前にチェックしたいポイント2つ
ESに志望動機をしっかり書きこむと言っても、記入できる欄には限りがあります。
きちんと思いが伝わるような志望動機を書くためには、内容を整理して端的に書くことが重要です。
そのためには、自分自身で書く内容を精査するためにも、記入する前に2つのポイントに絞って内容をまとめておきましょう。
受かる志望動機を書くためには「企業研究」が最重要
受かる志望動機を書くためには、企業研究を入念にし、その会社の魅力と感じる部分が何かを洗い出しておきましょう。
志望動機を書くときには、その企業研究で得た「その会社の魅力」が重要なポイントになるためです。
同業種のほかの会社と比べて、その会社の魅力になる部分とそうでない部分を冷静な目で判断しておかないと、志望動機が書きにくくなるだけでなく、自分の価値観に合う会社を見つけることも難しくなります。
就活をしていると「企業研究をしなさい」と言われることが多い反面、企業研究の仕方がわからないという就活生も多いものです。
企業研究の仕方がわからないというのは、企業研究が何につながるのかという点が理解できていないことが理由になっているケースが多く見受けられます。
先ほどの恋愛で例えるならば、A君(またはAさん)はB君(またはBさん)よりもルックスが良いけれど成績があまり良くないという場合、ルックス重視の人にはAさんが恋人候補として当てはまり、成績重視の人にはBさんが当てはまるということになります。
選び方は人それぞれの価値観なので、どちらの答えも正解です。
しかし、相手のことが分かっていなければ、お付き合いをしてから「こんなはずじゃなかった」ということになってしまうことも。
就活でそのような事態にならないようにするためにも、志望動機につながる企業研究は入念にしておきましょう。
受かる志望動機は「自己分析」で自分を知ることも必要
ESの志望動機を書くときは、企業研究と同時に自分研究も重要なポイントになります。
これは、本当に自分がどのような会社で仕事をしたいのかという会社選びの基準を自分自身で知るためです。
就活生で普段から自分の価値観について、詳しく考えたことがあるという人は少ないのではないでしょうか。
仕事に対して、一度じっくりと自分の持つ価値観を考えてみましょう。給与や休日、やりがい、スキルアップなど、仕事に求めるものは人それぞれです。
自分がどのようなポイントを重視するのか、優先順位を付けることが大切です。
仕事への価値観の洗い出しと同時に、自分の性格面について見つめ直すことも必要です。
これは、企業に自分がどんな人間であるかを伝え、入社したときに企業にとってどのようなメリットが発生するのかを伝えるときに役立ちます。
ESの志望動機には、その会社で働きたい理由を書くだけでなく、自分と企業がいかにマッチングしているかを書くことが求められます。
自分研究を充実させると、説得力のある志望動機を書くことができます。
エントリーシート(ES)の志望動機を具体的に書く意味とは?
前述したように、ESは、企業が記述内容から就活生の「本気度」を見抜く資料になります。
どこの会社にも使い回しができるような志望動機では、本気度は薄いとみなされ、選考を通過することができません。
より具体的な内容を記述し、その会社にしか使用できない志望動機に完成させることで、自身の本気度を採用担当者に伝えやすくなります。
ESを提出する時点では、企業と就活生は一度も会ったことがないというケースが大半です。
会う前から、その人の人柄や面接のシーンがイメージできるような志望動機に仕上げられることが理想です。
具体性を持った記述がどのようなものかわからないという場合には、再び恋愛に置き換えて考えると分かりやすくなります。
- あなたが好き
- あなたの優しいところが好き
- 味の違う2つのケーキがあったときに、優先的に味を選ばせてくれるような優しいところが好き
この3つの文章を見たときに、より具体的にイメージが湧くのはどの文章でしょうか。
ケーキの文章であれば、どのようなシーンかが目に浮かんできます。
志望動機の具体性というのはこのように文章を読んだときに、相手がイメージしやすいということを意味します。
志望動機を書く3ステップ
具体的に志望動機を書き進めていくために、全体を3つのステップに分けて構成してみましょう。
まずは、それぞれのステップについて自分の考えを十分に膨らませ、その中からポイントとなる部分をピックアップするのが効率的です。
それぞれのステップについて説明します。
Step.1 最初にその企業に感じた魅力を書く
まずは、その企業に感じた魅力を考えてみましょう。
志望動機には、その会社でなければならない理由が必要です。
同じ業界のほかの企業ではなく、なぜその会社で働きたいのか、自分でも考えをまとめるためにできるだけたくさんの魅力をリストアップしてみましょう。
その内容は経営理念や事業展開であったり、その会社の商品やサービスであったりする場合もあります。
インターンシップやOB・OG訪問などで得た情報があるなら、そこで触れた社風や知り得たことがきっかけになるかもしれません。
自分が将来どうなりたいか、自分の強みが活かせる職場かどうかも大きなポイントになるでしょう。
自分が求めるだけでなく、企業側が求めている人材と自分とのマッチングも考えられます。
書き出したものの中でこれだというものが見つかったら、それを志望動機の中心に据えて組み立てていきましょう。
Step.2 なぜ魅力に感じたかを経験や価値観をもとに説明する
ステップ1で中心に据えた魅力について、なぜそう感じたか理由となる経験や価値観を考えてみましょう。
たとえば、大学で身につけた特定の専門知識や資格などがあれば、それが活かせる分野であることは十分説得力ある理由になります。
もしくは、子どもの頃から培ってきた自分の価値観と合致するというのも理由になるでしょう。
何かしたいことや実現したい夢があり、それができるのがその会社を置いてほかにはないというのも、強い志望理由になります。
ポイントは、ほかの企業でも当てはまるような内容ではなく、その企業だからこそ成し得るのだということです。
具体性を欠くとほかの応募者たちの山に埋もれてしまいますので、具体的なエピソードを盛り込みながら、なぜそう感じたかを説明すると説得力を生むことができます。
Step.3 入社後、どう会社に貢献するかを記載する
自分がその会社に求めるものがあるから志望するというのでは、自分側からの一方通行となります。
よくあるのが、その会社を好きすぎるあまり、熱烈なファンレターになってしまうというミスです。
社員として働くということは、単にファンが会社見学に行くのとは違います。
自分が入社することで、相手の会社にどのような貢献ができるのか、自分は入社後にどのような働きをしたいのかについて記載しましょう。
そもそも雇用契約とは、個人と企業とが対等な立場で締結するものです。
当然そこにはギブ&テイクの関係が成り立ちますので、自分から会社への一方的なものでもなければ、会社から自分への強制でもありません。
自分がその会社にもたらすであろう利益についてもアピールする必要がありますが、一歩間違えると単なる「上から目線」になってしまう恐れもあるので、そこは注意しましょう。
あくまでも、やる気と意欲を打ち出すことが大切です。
ESに記載する志望動機の構成
ESはエントリーした就活生と企業との最初の接点となるもので、ESで選ばれないと次に進めません。
ESの中でも企業が重視している代表的な項目が、志望動機です。
数ある企業の中から、なぜ自社を選んだのかは何より知りたいポイントの一つです。
採用予定人数を超える多くのエントリー者がいる中で、いかに自社が求める人物像に合った人材かを見極めていかなくてはなりません。
活躍してくれる期待が持て、経営理念への共感度や社風と合うかをはじめ、入社意欲がいかに高いかを志望動機から判断しています。
いかに有能な人材であっても、入社意欲が高くなければ、内定を出しても費用や時間の無駄遣いになりかねません。
企業としても就活生が複数の企業にエントリーしていることは承知しているので、自社が本命なのかどうかを志望動機から知りたいと真剣です。
いかに優秀な学生であっても、ESを通じて入社意欲の高さをアピールし、内定を出したい、ぜひ自社で働いてほしいと思わせなければ、選考で先に進むことができません。
選ばれるためにはどのような志望動機を作成すれば良いのか、内定に近づくESに記載する志望動機の構成についてご紹介します。
結論:私は〇〇という点で貴社を志望しました
志望動機をESに書く際には、まず結論からスタートしましょう。
なぜ、多くの業界や多くの会社がある中から、その会社を選んだのかを端的に伝えます。
最初に結論が来ることで志望動機が明確になり、選考者にとっては最初の選考材料を得てふるい分けができるようになります。
つまり、この結論はあなたが選考に通るかどうかの重要なカギを握るのです。
選考者の心を捉える志望動機が書かれていないと、その時点で弾かれ、続きを読んでもらえない可能性もあるので、大きな岐路ともなるところです。
理由:なぜならば、〇〇という経験で〇〇と考えたためです
最初に志望動機の結論を書いたら、なぜそう思ったのかの理由を簡潔に書きましょう。
なんとなくそう思ったではなく、その会社を志望するきっかけとなった具体的な経験をアピールするのがポイントです。
エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました
次に理由を補完するエピソードを書きます。
エピソードの書き方にも、選考に通るための構成のポイントがあるので、基本となる構成を踏襲するようにしましょう。
まずはエピソードの概要を書き、次にそこで直面した問題点を伝え、その問題を解決するためにあなたがどんな行動に出たのかを紹介し、その結果どうなったのかを書くという、いわゆる起承転結の4ステップ構成となります。
つまり、この4ステップに当てはまるようなエピソードを選ぶことも必要です。
エピソードのジャンルは特に決まりはなく、部活動やゼミ、サークルなど学生時代に取り組んだことやアルバイトでのエピソード、ボランティア活動のエピソード、インターンをしたときの経験談でもかまいません。
ですが、なんらかの問題に直面して、それをあなたの行動で乗り越えたような経験である必要があるのです。
志望動機の最初の結論に何を挙げるかも悩みどころですが、エピソード選びもじっくりと検討する必要があるということです。
問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
エピソードの概要を説明したら、あなたが直面して困ったことや悩んだ問題について紹介しましょう。
選考者はあなたの話を始めて読むことになるので、事細かに説明したくなる気持ちはわかります。
自分の経験をいろいろと書いていかないと状況をわかってもらえないと、長話になってはいけません。
ESには文字制限がある場合や理想とする文字数などもあります。
長々と書いても、多数のエントリー者がいる中で、選考者は読む気が失せるだけです。
わかりやすく簡潔に状況説明をしましょう。
経験を要約できる力や、文章を簡潔にまとめる力も求められています。
行動:そのため、私は〇〇を行いました
直面した問題を書いたら、それを解決するためにあなたが行った行動について説明します。
仲間が解決してくれたといった他力本願の話ではなく、自分が率先して行動したり、仲間をリードしたり、まとめあげたといった能動的な行動であることが必要です。
結果:その結果、〇〇になりました
あなたが取った具体的な行動を紹介したら、その結果までしっかりと書きましょう。
行動に出ただけで終わってしまってはいけません。
自分の行動により直面していた問題がどうなったのかを具体的に書いてください。
解決ができたのか、解決できたとしたらどう変わったのかを数値のデータや客観的指標を示すことや問題が発生していた時点との違いがわかりやすいよう改善後の状況を比較しながら説明するのがポイントです。
結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
エピソードを書くだけでも4ステップの構成を踏むので、だいぶ頭も使い、構成を考えるのに時間をかけることになります。
そのため、エピソードの結果を述べて終わりになってしまう方も少なくありません。
ですが、それでは志望動機としては足りません。
最後に今一度、自分がなぜその企業を志望したのかをアピールする必要があります。
最後の結論の書き方としては、エピソードを通じて得た経験を活かして、どのようにエントリーした企業に貢献できるのかを具体的に書いてください。
単に頑張ります、一生懸命働きますではアピールになりません。
エントリーした企業が求める人物像やその会社の仕事のやり方や社風、志望した職種に求められることなどを踏まえて、あなたがどんな活躍をできるのかを伝えましょう。
受かる志望動機と落ちる志望動機
自分自身では「これで良い」と思う志望動機でも、人事担当者はシビアに受け取っています。
志望動機の内容が合否を決める大きなポイントになるケースも少なくはありません。
一体どのような点において、合否が分かれるのでしょうか。
受かる志望動機と落ちる志望動機について、例文も挙げながら解説していきます。
受かる志望動機の特徴
なぜその会社でなければいけないのかが明確
人事担当者に高く評価してもらえる志望動機のポイントは、「その会社でなければダメという強い意欲が伝わるかどうか」という点がまず挙げられます。
本命1社だけでなく何社か受けている就活生が多いことは、人事担当者も承知しています。
だからこそ、「なぜその会社が良いのか、その会社でなければいけないのか」という点を定かにする必要があるのです。
どこでも通じる志望動機では、「うちでなくても良いのでは?」と思われてしまうでしょう。
この点についてクリアするためには、しっかりと企業研究をすることが重要です。
<例文>
「私は、御社の介護に対する開発プロジェクト方針に大いに賛同し、興味を持ちました。
数年前から父親が要介護になりましたが、現在まだまだ介護業界において不十分な点が多いと実感しております。
御社に入社し、ゆくゆくは○○のプロジェクトメンバーとして働きたいと思い、志望いたしました。
介護で困っている方の力にもなりたいです。
実際、御社の○○の商品を使わせていただき非常に使いやすく便利で画期的なアイテムだと実感しました。」
会社が求める人材とマッチした能力や人柄を感じる
人事担当者は、長く自社で活躍してくれる人材を探しています。
志望動機を読んで、「この人の能力は自社にマッチしているな」と感じたなら、内定への道が開けるでしょう。
<例文>
「私は学生時代留学経験があり、語学教室にも通っており英語や中国語が得意です。
御社はホテル業界の中でも、特に観光地に店舗も多く様々な国のお客様と対応することが多いと思います。
家族と御社の〇〇店を利用させていただいたこともあり、非常に気持ちの良いサービス対応で家族も喜んでおり、このような素晴らしい会社で働きたいと思いました。
語学能力の強みを活かして御社で活躍したく思い、志望いたしました」
落ちる志望動機の特徴
条件面や制度を重視した内容
就職するにあたって、初任給や福利厚生、残業の程度などが気になるのは当然のことです。
給与面が良くて昇給制度が満足いく内容であると、誰しもモチベーションが上がるでしょう。
けれどもそうした給与や制度に関することを志望動機にするのはNGです。
面接官にしてみれば、「この人は条件的な面しか見ていないのではないか」と感じてしまいます。
業務自体には関心が薄いとみなされる可能性もありますし、もっと給与の良い会社があればそちらに行くのではないかという不安も生まれます。
志望動機を考える際には、給与や福利厚生面ではなく業務自体に着目した内容にしましょう。
<NG例文>
「私は、御社の残業をしない方針に共感し、自身のライフスタイルに非常に合った会社だと思い希望しました。
学生時代からマラソンをしており、社会人になっても仕事とマラソンの両立を図りたいと思っております。
マラソンをすることで忍耐力も付きますし、仕事にもプラスに影響することは多いと思います。
御社であれば、自身の趣味においても充実しストレスを抱えずに仕事も全力でできるはずです。
プライベートと仕事のどちらも充実できる会社は他には見当たらず、御社を志望いたしました」
受け身、もしくは自分本位な内容
社会人として大切なことは、自分で積極的に仕事を見つける姿勢です。
人に言われるまで動けないようでは困るのです。
また自分勝手すぎる人柄も、ビジネスにおいて周りに迷惑をかけるシーンが増えてしまいます。
志望動機の中には、明らかにこの人は自分本位だと感じるものもあります。
受動的で積極性に欠ける内容も、面接官にとっては良い評価はしにくいでしょう。
<NG例文>
「御社では店舗での販売が主な仕事ということですが、入社後の研修が充実しているということでしたので、販売未経験の私でもできそうだと思い志望しました。
御社で働き出して、接客のマナーやスキルを学ばせていただきたいと考えております」
エントリーシート(ES)に書く志望動機の組み立て方
ESの志望動機をしっかりと書きこむということは、長文を書くということではなく、端的にわかりやすく伝えるということです。
ESに志望動機を書くときには、まず結論から書くことがポイントです。
人気企業になるほど応募者も多く、数人の採用担当者でそのすべての資料をチェックするのは、時間と労力が必要になります。
言いたいことが何かわからないというものでは、最後まで読んでもらえない可能性も高くなってしまいます。
ESで志望動機を書く際には、「PREP」を意識しましょう。
PREPとは、物事を端的に伝えるときの手法で、「主張(P)」「理由(R)」「具体例(E)」「結論(P)」の順に文章を組み立てます。相手に伝わりやすく、ストーリー性があるため読みやすい文章に仕上がるとされています。
必ずしもこの形式にしなければならないというわけではありませんが、最低限、一番言いたいことを先に伝え、次にその理由を述べるというクセを付けておくことをおすすめします。
履歴書の志望動機とESの志望動機では、書き方のポイントが異なります。
履歴書は、入社後にその社員の資料として保管されるもので、その人物についての簡単な資料になります。
ESは採用のみで使用し、採用の際に企業がじっくりと精査する資料です。
履歴書よりも、志望動機を濃く深く書きこんでおく必要があります。
「なぜその会社を選んだのか」を書く
文章の組み立て方がわかったところで、次はESの志望動機の中身についての書き方です。
まず、最重要ポイントとなる「なぜその会社を選んだのか」を書きます。
このときに、事前に行っておいた企業研究が役立ってくることでしょう。
より具体的に、その会社について魅力だと感じた部分をアピールします。
PREP法を用いて、(1)その会社の魅力となる部分(2)なぜその部分を魅力的だと感じたのか、具体的なエピソードを入れながら伝えます。
恋愛でいうところの「あなたのどこを好きになったのか」という点です。
具体的に説明されればされるほど、自分のことをしっかりと見てくれているという相手の思いが伝わってくるのではないでしょうか。
採用担当者も同じ思いであなたのことを見ているということを意識して文章を作ってみましょう。
自分の何を活かしてどう活躍したいのか
会社の魅力をしっかりと伝えたあとには、しっかりと自分のアピールをしましょう。
自分の能力の何を活かしたいのか、どのような活躍をしたいと思っているのかなどを伝えます。
その企業と自分がマッチしているかをアピールすることで、企業に「採用したい」と思わせることができます。
自分の能力を伝えるときは、その会社の社員として働く姿がイメージできるように伝えることがポイントです。
恋愛で例えるのではあれば、
- 私とあなたはこのような点が似ているので、気が合うと思う
- 私と付き合うとこのようなメリットがありますよ
と伝えるようなイメージです。
志望動機は書き出しが重要!
エントリーシートの志望動機欄は、人事担当者の目を惹くように工夫することが大切です。
たくさんの志望動機に目を通すわけですから、インパクトが必要になってきます。
書き出し方のポイントは、結論から書くことです。
長々と前置きを書くのはやめましょう。
「これこそを言いたい」という結論を明確に書き出すようにします。
結論を後回しにせず先に述べ、その後に理由やエピソードを書いていきます。
必然性の部分を具体的に書くことも大切です。
実績を書く時には数字を使うことで、さらに説得力が生まれます。
エントリーシート(ES)に記入するときの志望動機(例文)
具体的にESの志望動機欄はどのように埋めれば良いのでしょうか。
例文をチェックして、自分が採用試験を受ける企業と照らし合わせて、文章を考えてみましょう。
志望動機はいくつかのパターンを作ってみて、周囲の大人にどの志望動機文が一番採用したくなるか、聞いてみるのもおすすめです。
(食品関係)志望動機文 497文字
私は、1人でも多くの方に、いつまでも食べる楽しみを感じてほしいという思いから、食品関係の中でも特に、介護食や糖尿病食など特別なケアが必要な食品研究に注力をしている貴社を志望しています。
私の祖父母は高齢で、硬いものや水分の少ない食品を食べるのがとても難しいと話します。
数年前に帰省したときに、私が子どもの頃に、自分と同じように食べ物を食べて笑っていた祖父母の姿とはまったく異なる食事の様子を目の当たりにし、大きなショックを受けました。
もう1度、あの頃のように一緒に笑って、楽しい食事がしたいと思い、大学の教授に相談しメニューを考案、敬老の日に食事を作ってプレゼントしてあげました。すると、祖父母は涙を流して喜んでくれ、あのときのように素敵な笑顔を見せてくれました。
貴社の特別ケア食の必要性と、その先にある多くの人の笑顔の持つ意味を痛感しました。
大学で学んだ栄養学の知識や、祖父母の食事風景の実体験を活かして、多くの人に求められている価値を生み出せる仕事に就きたいという強い思いを持っています。
求められているものを見極め、多くの人に食べる楽しさや生きる喜びを与えている貴社への入社を志望しています。
志望動機例①
【(商社)志望動機文】
私は、必要な商品を世界中の必要とする場所に流通させたいという夢があり、御社を志望しました。
御社は総合商社として積極的に海外展開し、世界中の多くの拠点を中心にネットワークを広げておられることに大変魅力を感じています。
私は大学で経済学部に所属し、主に物とお金の流れについて学びました。
経済を安定させるためには物とお金を適切に回す必要があり、そのために必要不可欠である流通の根本を支えている存在が商社です。
学ぶうちに経済を活性化させるのに必要なのは企業と物、人と人とをつなげることであり、安定した流通に欠かせない商社という場所で働くことに強い関心を持つようになりました。
私の趣味はアジアの国々を旅して回ることですが、そこで毎回目にするのは、世界にはまだ必要な物が十分に行き渡ってはいないという現実です。
必要なものが必要とする人の手に当たり前に渡る社会を実現するために、私は大学で培った経済学の知識を活かし、御社で適正な流通の活性化に貢献していきたいと考えています。
志望動機例②
【(IT)志望動機文】
私が御社を志望した理由は、御社のインターンシップで営業支援ソフトウェアの開発に携わり、大きなやりがいを感じたからです。
御社は常に画期的な営業支援ソフトウェアを開発しており、ユーザーの視点に立ったきめ細かな設計をされています。
インターンシップ中、社員の方々が納得のいくまで何度でも試行錯誤する姿に感動し、自分もぜひその一員になりたいと強く思いました。
その後独学でプログラミング言語を学び、スキルを用いてスマートフォンのアプリ制作をしたことがあります。
インターネットで公開したところ、多くの人に喜んでもらえ、コンテンツを開発する楽しさも知ることができました。
ITには大きな可能性があり、現在はITのベースを支えるインフラエンジニアにも興味があります。
御社に入社後はソフトウェア技術者としてしっかりスキルを磨き、自己研鑽しながら今までにない画期的な商品アイディアを提案できる開発者として御社に貢献したいです。
志望動機例③
【(営業)志望動機文】
私は、お客さま一人ひとりに合う最適な提案をする御社の営業方針に魅力を感じ、志望いたしました。
以前祖母が御社の商品について説明を受けた際、祖母が「本当に私のことを考えて、丁寧に提案してくれたことがわかった」と心から喜んでいた笑顔が忘れられません。
私は以前、レストランのホールスタッフとしてアルバイトをしていたときに、お客さま一人ひとりのご要望にお応えするため、心をこめて応対することを心がけていました。
そうした姿勢は店長に認めてもらいましたし、何よりお客さまが笑顔で過ごされる時間を提供できることに大きなやりがいを感じていました。
サービス業界での就職を目指し企業研究を進めていた折、御社が一人ひとりのお客さまを大切にできる人材を求めていることを知り、まさに自分が求める職場だと強く感じました。
御社に入社後は、お客さま一人ひとりのご要望に丁寧に耳を傾け、お客さまの笑顔と業績アップを両立させる仕事をしたいと考えております。
ESに志望動機が書けたら添削をしてもらおう
エントリーシートを作成したら、自己完結するのではなく、第三者に添削してもらいましょう。
近年では、エントリーシートの無料添削サービスなどが提供されていることもあるので、利用してみるのもおすすめです。
これらの添削サービスは就活支援として求人紹介や選考の対策を実践してくれることが多いです。
会員登録などが必要になりますが、内定後のフォローをしている企業もありますので、参考にすると良いでしょう。
就活を終えた友人に見てもらう
エントリーシートで落ちる人は、書いている内容が薄い場合や、企業研究が足りないケースが多いです。
気軽に添削してもらう方法としては、就活を終えた友人に頼むという方法も選択できます。
就活中の友人よりも、実際にエントリーシートの選考に通って内定をもらった友人の方が、時間や心にゆとりがあるので迷惑になりにくいです。
それに選考に突破している人物だからこそ、明確なアドバイスをできる可能性が高いです。
また気心知れた友人であれば、細かな指摘やするどい指摘もズバっと話してくれますし、気軽に相談できるというのもおすすめポイントです。
就活を終えた友人であれば自分と同じ環境下にあったことからも、よりよいアドバイスを得られることでしょう。
大学のキャリアセンターを利用する
友人だけでなく別の方法で第三者へ添削をお願いするならば、大学のキャリアセンターもおすすめです。
キャリアセンターはどの大学にでも備わっている施設で、エントリーシート添削のみならず、就活相談にも乗ってもらうことができます。
キャリアセンターでは例年非常に多くの学生のエントリーシートをチェックしているので、添削にも慣れている方にチェックしてもらえる点が安心です。
ただし、エントリーシートの添削を希望する学生は毎年非常に多いので、就活真っ只中のシーズンになると非常に混雑します。
できるだけ早めに添削をお願いするように心がけましょう。
大学としても在籍している学生の就活ですから、より親身になってアドバイスや添削をしてくれます。
おわりに
ESの志望動機は、企業の採用担当者に思いを伝える絶好の機会だと言えます。
志望動機が書きにくいと感じるときは、企業研究が深くできていないか、自分の価値観とマッチした企業を選んでいない可能性が高いでしょう。
ESに記入する志望動機のために企業研究を進めた結果、第一志望と思っていた企業が、実は自分の価値観とは異なっていることに気がついたり、反対に、あまり興味がなかった企業でも、自分の価値観にマッチしているというところが見つかるというケースも少なくありません。
ESの志望動機を掘り下げることは、企業の採用活動だけでなく、就活生にとってもメリットの大きいものです。
企業研究・自分研究をきちんと行ない、しっかりと意見をまとめ、採用担当者をうならせるものに仕上げましょう。