企業研究ノートという言葉を聞いたことがありますか?
就職・転職活動をするうえで欠かせない企業研究に、とても役立つツールです。
この記事では、企業研究を効率よく進めるための「企業研究ノート」とその書き方について説明します。
【企業研究ノートの作り方とは】就活で苦戦する「志望動機」
エントリーシートや面接など、あらゆるところで聞かれる「志望動機」
志望動機を聞かれた際には、なぜその業界や会社を志望するのか、限られた時間で明確に伝える必要があります。
しかし、なかなか良い志望動機が浮かばず頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか?
よい志望動機を作るためには、業界・企業研究と自己分析が不可欠です。
企業研究ノートを作成すれば、ただなんとなく企業研究をするよりも、より深く企業を理解することができます。
志望動機で苦戦しないためにも、ぜひ企業研究ノートを作成しましょう。
では、企業研究ノートとは具体的にどういうものなのでしょうか?
【企業研究ノートの作り方とは】そもそもどんな内容なのか?
企業研究ノートとは、志望先の企業についてまとめたノートのことです。
企業のパンフレット、HPなどから得られた情報を記録し、自分の感じたことなどを追記した自分だけのオリジナルノートです。
就活で多数の企業を回るとなると、時間、労力、お金を消費します。最初は意気揚々と就活を始めても、続けている間に心身ともに消耗することが少なくありません。
企業の情報を一括管理することで、採用試験(書類選考や面接など)に対する準備の時間が短縮することができます。
また、しっかりとした企業研究と自己分析を組み合わせることで、具体性のある自己PRや志望動機に繋げることが可能です。
【企業研究ノートの作り方とは】作成するメリットとは
企業研究ノートを作成するメリットは
- OB訪問や会社説明会で質の良い質問ができること
- 志望動機のクオリティが高くなり、書類審査や面接に合格しやすくなること
- 入社後に起こる志望企業とのミスマッチをなくすこと
が挙げられます。
【企業研究ノートの作り方とは】企業研究ノートのまとめ方
就活をしていくにあたって大いに役に立つ企業研究ノートですが、どのようにまとめればよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
ポイントを抑えてまとめることで、後から見てもわかりやすいですし面接の準備にもつながります。
まとめる際には企業における「市場規模」を調べ、次に「5W1Hの確認」、そして「業界のこれから」を考えて「求める人材」へとつなげるという4ステップを踏みましょう。
このやり方により、すっきりと要点を抑えた企業研究ノートができ上がります。
企業が所属する業界の市場規模を知る
今やインターネットで調べれば、業界の市場規模はだいたいわかります。
市場規模とは、具体的には「その市場の売上総額はいくらか?」ということです。
就職情報サイトや業界地図といった資料を利用して、自分が興味のある業界についての市場規模を確認しましょう。
受けたい企業が具体的に決まっているのであれば、その企業が業界の中でどの程度のシェアを占めているのかを調べます。
産業の数だけ、市場もあるといっても過言ではありません。
自身が興味のある業界や企業の市場規模を知ることで未来予測もできて会社選びの際にも役立つはずです。
企業の5W1Hを確認する
市場規模がわかったなら、次にその企業が扱うサービスや商品、そして誰を相手にどのように売っているのかを詳しくまとめていきます。
これを「企業の5W1H」ともいいます。
5W1Hとは、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうしたか」という5項目のことです。
企業研究ノートを作る場合は、特にこの中で「誰が」「何を」「どのようにするか」の3項目について明確にしましょう。
企業は個人に向けて商品を売っているところもあれば、顧客が個人ではなく企業であることも多いです。
5W1Hを定かにすることで、誰に向けての商売であるかも確認することができます。
この作業で仕事内容がイメージしやすくなり、自身の志望動機も見えてくるといえます。
業界が今後どのように変化していくかを知る
業界の未来予測をすることは、安定した仕事に就けるかどうかの重要な見極めポイントです。
気に入った会社なのに、入社後に倒産してしまっては残念です。
長年継続して働けるように、業界の展望についてもきちんと調べておきましょう。
今後どのようにその企業が発展していくかを知ることで、入社後にやりたいこともはっきりしてきます。
面接で将来について聞かれたときにも答えやすいはずです。
その会社が求める人物を考える
企業研究ノートにまとめた「企業の5W1H」を見れば、どのような人材が必要とされているのかもだいたい読めてきます。
たとえばチーム営業の形で介護用品を医療や介護施設などに営業している会社であれば、協調性や行動力のある人材は重宝されるでしょう。
コミュニケーション能力も必要とされてきます。
企業が求めるスキルや人間性を知ることで、自分に向いている会社であるかどうかもわかります。
面接時の自己PRを考えるときにも、参考になるに違いありません。
【企業研究ノートの作り方とは】企業研究ノートで必要な項目
企業研究ノートを作成する際に必要な項目は、企業名や代表者名や創業年などです。
売上高や従業員数や企業所在地などもまとめておくとよいでしょう。
以下に、企業研究ノートを作る際に必要な項目をいくつかご紹介いたします。
企業名
企業名は、企業研究ノートを作る際に絶対必要な項目です。
見てすぐに分かるように、一番初めに書くようにしたほうがよいでしょう。
オフィシャルサイトなどをチェックして、正式な名称で記入するようにしてください。
代表者名
どんな人物が会社のトップなのかを把握しておくことは、企業研究の上でとても重要です。
企業のオフィシャルサイトをチェックして、代表取締役社長が誰なのかを調べておくようにしてください。
面接時に社長の名前を聞かれることありますので、名前は暗記しておくとよいです。
代表者の挨拶なども目を通しておき、何か気になったことや心に刺さったことがあれば、メモしておくとよいでしょう。
創業年
会社がいつ創業したのかもチェックしておくべき重要な項目です。
面接で会社の設立日を聞かれることもあるからです。
創業年は、企業のオフィシャルサイトで調べることができます。
新しく設立された会社なのか、古くからある老舗の会社なのかも、よく分析してみてください。
売上高
売上高は、その企業の業績を把握する際に、とても重要な項目となります。
できれば、過去数年間の売上高も、チェックしておくとよいでしょう。
売上高が伸びているのか、下がっているのかを調べることで、その企業がどんな経営の状態なのかわかってきます。
従業員数
従業員数を調べておくことで、会社の規模を知ることができるようになります。
正社員の数だけでなく、契約社員やパート社員などの割合もチェックしてみてください。
また、子会社や関連会社などがある場合は、グループ全体での従業員数も調べておくことよいでしょう。
上場区分
上場区分は、東証1部や2部、JASDAQ、マザーズなどがあります。
そのなかでも、一番厳しい基準となっているのが東証1部です。
上場区分の区分を知ることで、会社のランク付けがしやすくなります。
企業所在地
本社がどこにあるのか調べておくことも重要です。
最終選考で、本社面接となることもあるからです。
また、支店や子会社などがある場合には、最寄りのところを調べておくとよいでしょう。
連絡先
電話番号やメールアドレスなどの連絡先は、企業と連絡を取るために欠かせない情報となります。
就活用のお問い合わせ窓口を記入するようにしてください。
担当部署、採用担当者の名前なども記入しておくとよいでしょう。
募集条件
募集エリア、必要な資格やスキル、学歴など企業がどのような募集条件を出しているのかも調べておく必要があります。
採用後の勤務予定地や転勤があるのかなども調べて記入しておくとよいでしょう。
経営理念
ホームページ等に記載されている経営理念は、創業者や社長の考えが表されているため、その企業の特徴を知る上で大いに参考になる情報です。
経営理念をよく理解しておけば、書類選考や面接で志望動機にも盛り込むことができ、自己アピールしやすくなることでしょう。
主業種・サブ業種
企業の主な業種が、一体どんなものなのかを知ることも、就活の際にとても大事です。
サブ業種についても主業種のほかにある場合には、よく調べて記入するようにしてください。
主力事業
その企業が主力としているものについては、より念入りに調べておく必要があります。
主力となっている事業がいつからスタートしたのかなども調べてみるとよいでしょう。
そして、主力事業の成長度合いやその経営理念とマッチしているのかなども考察してみてください。
主力商品
企業の主力商品がどんなものなかも、企業研究する上で必要な項目です。
商品やサービスなど企業の代名詞となっているものは記入するようにしてください。
ターゲット顧客
企業の主力事業や主力商品やサービスなどが、どのような顧客をターゲットとしているのかも、チェックしてみてください。
若い人向けなのか、高齢者向けなのか、企業向けなのかを記入しておくとよいでしょう。
強みと弱み
企業が一体どんなことを強みとしているのか。
反対に、どんなことが弱みなのかを知ることも、企業研究に欠かせない項目です。
特に、弱みを把握しておくことは、就活の失敗のリスクを避ける上でも、非常に重要です。
負けないその企業だけの独自の強み
企業の強みはホームページに記載されているケースが多いですが、そのなかでも独自の強みが、他社に負けないものがあるかどうかも調べておくとよいでしょう。
その企業にしかない強みは、その企業を志望する理由と結びつけることができるからです。
業界の置かれた環境と将来の展望
業界全体の現状を知ることも大切です。
吸収合併の歴史などがあるか、主力事業や主力商品がどのように変遷していったのか、その企業の将来の展望を分析してみてください。
社風
会社は一日の大半を過ごす場所ですので、社風が合うかどうかは非常に重要な項目となります。
アットホームな雰囲気なのか、忙しい雰囲気なのか、体育会系な雰囲気なのかなど、社風を分析してみるとよいでしょう。
求める人材像
その企業が求める人材像を知ることで、選考の際にどのようなアピールをしたらよいかの対策が立てられるようになります。
企業のなかには、ホームページや求人で、求める人材像を公表しているところもありますので、よくチェックしてみるようにしてください。
【企業研究ノートの作り方とは】実際のやり方や作成方法をご紹介
まず、ルーズリーフを用意しましょう。
パソコンでまとめておくことも良いですが、データの場合は全体の総量が分かりにくいため、紙でめくることによって概論がつかみやすく分かりやすいため良いでしょう。また、「優先順位でページを入れ替え可能であること」「必要な情報を追加しやすいこと」がノートよりルーズリーフをおススメする理由です。
左ページに記入すること
- 企業名
- 業界名
- 事業内容
- 代表者名や歴史
- 企業理念や社訓
- 給料・福利厚生などの労働条件
- 本社所在地
- 連絡先
記入が面倒だと感じる場合は、HPから印刷して貼っておくのも合理的かもしれません。
- インターンシップについて
- 会社説明会・セミナーについて
- 提出書類の期限
- 筆記試験(SPI)・面接の日程
- 試験・面接の内容
自分で調べたことや、OB/OG訪問で聞いたことを記入するのもよいでしょう。
右ページに記入すること
企業に対する自分の感想や、OB/OG訪問で感じたことを記入します。
良いことも悪いことも全部書きだしましょう。
右ページの下半分(余白)には、まとめた情報をもとに自己PRや志望動機を作成しましょう。
ノートにまとめた企業分析と自己分析を組み合わせれば、驚くほどスムーズに、その企業だけの志望動機を作ることができます。
テンプレートを作る
毎回記入項目や方法を変更すると時間もかかりますし、後から見返したときにわかりづらくなります。
どんな項目について記入するのか、自分なりのテンプレートを作ると効率的です。
【企業研究ノートの作り方とは】まとめ
就職・転職活動には説得力のある志望動機が必要です。
企業研究ノートを作成し、志望先の企業についての理解を深めましょう。
せっかく企業研究をしても、たくさんの企業の情報をバラバラに管理すると効率が悪くなります。
「これを見れば大丈夫」と思える企業研究ノートで、情報を一括管理することで時間と労力の削減になります。またノートを作成しているうちに、ノートを作り上げる作業自体が目的となってしまう場合があります。就職・転職活動に活かせるように意味のある企業研究ノートを作成しましょう。
長い期間続く就活。途中で息切れしないよう、効率的にすすめましょう!
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート