SPIの非言語分野で毎年のように出題されるのが「仕事算」です。全体の仕事量を1とおいて、単位時間あたりの仕事量(仕事率)を足し引きするという一つの型を覚えるだけで、ほとんどの問題が短時間で解けるようになります。苦手意識を持つ人が多いテーマですが、実はSPIの中でもパターンが安定していて得点源にしやすい分野です。
28卒のみなさんが本格的にサマーインターンの選考を受けている2026年夏は、SPIを含むWebテスト対策を始める絶好のタイミングです。仕事算は少し練習すれば必ず解けるようになるので、この夏のうちに型を固めておきましょう。
この記事では、仕事算の基本公式から、複数人で作業する問題・途中で人が抜ける問題・水槽やポンプの問題まで、頻出パターンごとの速解テクニックを、編集部オリジナルの例題とあわせて解説します。過去問の丸写しではなく、本番で応用できる「解法の型」を身につけることを目標にしています。
- 仕事算の基本公式と「全体を1とおく」考え方の使い方
- 複数人・途中交代・水槽問題など頻出パターンごとの解き方
- 編集部オリジナル例題を使った具体的な計算手順
- 本番で1問あたりの時間を短縮する速解テクニックと注意点
- 大学3年生(28卒)で、この夏からSPI対策を始めたい人
- 非言語が苦手で、仕事算をいつも捨て問にしてしまう人
- 公式は知っているが、応用問題になると手が止まってしまう人
目次[目次を全て表示する]
SPI仕事算とは?どんな問題が出るのか
仕事算は、複数の人や機械である仕事を終わらせるのにかかる時間を求める問題です。まずはどんな出題形式があるのか、全体像をつかんでおきましょう。
仕事算の基本的な出題パターン
仕事算では「Aさんは1人だと6日かかる仕事を、Bさんと2人でやると何日で終わるか」といった形で問われます。登場するのは人だけでなく、機械・ポンプ・水道の蛇口など、一定のペースで作業を進めるものすべてが対象です。
SPIでは仕事算単体で1〜2問出ることが多く、非言語全体の中では出題頻度が高いテーマの一つです(編集部推定)。難易度は標準的で、型さえ知っていれば1問1〜2分程度で解けるものがほとんどです。
逆に言えば、型を知らないと「全体の仕事量がわからないのにどう計算するの?」と手が止まってしまいます。この最初のハードルを越えることが攻略の第一歩です。
なぜ多くの人が仕事算を苦手に感じるのか
仕事算が苦手とされる最大の理由は、「全体の仕事量」という具体的な数字が問題文に書かれていないことにあります。距離や金額のように目に見える量ではないため、何を基準に計算すればいいのか迷ってしまうのです。
しかし、これは裏を返せば「全体量を自分で自由に決めてよい」ということでもあります。後述する「全体を1とおく」テクニックを使えば、この悩みは一瞬で解消します。
もう一つのつまずきは、分数の計算に慣れていないことです。仕事算は分数の足し算・引き算が中心になるので、基本的な通分ができれば十分に対応できます。
実は仕事算は、速さの問題と考え方がそっくりです。「速さ×時間=距離」の距離を「仕事量」に置き換えると、「仕事率×時間=仕事量」となります。速さの問題が解ける人は、同じ発想で仕事算も攻略できます。
仕事算の基本公式と「全体を1とおく」考え方
仕事算のすべての土台になるのが、全体の仕事量を1とおいて仕事率を求める考え方です。ここを完璧にすれば応用問題も怖くありません。
全体の仕事量を1とおくとは
仕事算の鉄則は、「終わらせるべき仕事全体の量を1(または100%)とおく」ことです。たとえば「1人で6日かかる仕事」なら、全体の仕事量を1として、その人は1日あたり全体の6分の1(=1÷6)を進める、と考えます。
この「1日あたりに進む仕事の割合」を仕事率と呼びます。仕事率は「1÷かかる日数」で求められるのが基本です。6日で終わる人なら仕事率は6分の1、4日で終わる人なら4分の1です。
全体を1とおくことで、人によってバラバラだった仕事のペースを、すべて同じ「割合」の物差しで比べられるようになります。これが仕事算最大のコツです。
仕事率の足し算で協力作業を求める
複数人で協力して作業するときは、それぞれの仕事率を足すだけで全体の進むペースがわかります。これを「合算の仕事率」と呼びます。
たとえばAさんの仕事率が6分の1、Bさんの仕事率が3分の1なら、2人一緒だと1日あたり6分の1+3分の1=6分の3=2分の1を進めます。つまり全体(=1)を終えるには1÷(2分の1)=2日かかる、と求められます。
ポイントは「かかる日数=全体量1÷合算の仕事率」で最後に逆数をとることです。仕事率を足したあと、割り算で日数に戻すという2段階を必ず意識しましょう。
分数が苦手な人は、全体量を各人の日数の最小公倍数でおくのも有効です。例えば6日と4日なら全体を12とおくと、仕事率は12÷6=2、12÷4=3と整数になり、分数を使わずに計算できます。自分が計算しやすい方を選びましょう。
基本公式のまとめ
ここまでを式で整理すると、仕事算の骨格は次の3つに集約されます。1つ目は「仕事率=全体量÷かかる時間」、2つ目は「協力時の仕事率=各人の仕事率の合計」、3つ目は「かかる時間=全体量÷仕事率」です。
この3つの式を行き来するだけで、仕事算のほとんどの問題は解けます。新しい公式を覚える必要はなく、この3つを自在に使えるようにすることが目標です。
次の章から、実際の例題を使ってこの型を当てはめていきましょう。手を動かして「1とおく→仕事率→日数に戻す」の流れを体に覚えさせるのが上達の近道です。
【例題1】複数人で協力する仕事算の解き方
もっとも基本的な「複数人が協力して1つの仕事を終える」パターンを、編集部オリジナルの例題で解いていきます。
例題と解答の手順
例題:ある作業を終えるのに、Aさん1人では8日、Bさん1人では12日かかります。この作業を2人で協力して行うと、何日で終わるでしょうか。
まず全体の仕事量を1とおきます。Aさんの仕事率は8分の1、Bさんの仕事率は12分の1です。2人でやると1日あたり8分の1+12分の1を進めます。
通分すると24分の3+24分の2=24分の5。つまり2人で1日あたり全体の24分の5を進めます。全体1を終えるには1÷(24分の5)=5分の24=4.8日かかります。答えは4.8日(=4日と少し)です。
この例題から学ぶ速解のコツ
この問題では、最初に全体を1とおき、各人の仕事率を分数で書き、それを足して、最後に逆数をとる、という4ステップをそのまま踏んでいます。手順が完全に決まっているので、慣れれば1分以内で解けます。
もし全体を8と12の最小公倍数である24とおけば、Aの仕事率は3、Bの仕事率は2、合計5となり、24÷5=4.8日とすぐに求まります。分数が苦手な人はこの整数化が特に有効です。
本番では答えが割り切れないケースも多いので、分数のまま「5分の24日」と表しておき、選択肢に合わせて小数に直すと計算ミスを減らせます。
よくある誤答が「8日と12日だから2人なら平均して10日」や「8+12=20日」といった計算です。日数そのものは足したり平均したりできません。必ず仕事率(1日あたりの割合)に直してから足すことを徹底しましょう。
【例題2】途中で人が加わる・抜ける仕事算
SPIでやや難しく感じるのが、作業の途中でメンバーが変わるパターンです。ここも「経過した仕事量」を管理すれば確実に解けます。
例題と解答の手順
例題:ある仕事はAさん1人だと10日、Bさん1人だと15日かかります。最初の3日間はAさんだけが作業し、その後Bさんが加わって2人で仕上げました。全部で何日かかったでしょうか。
全体を1とおくと、Aの仕事率は10分の1、Bの仕事率は15分の1です。まず最初の3日間でAさんが進めた量は、10分の1×3=10分の3です。残りの仕事量は1-10分の3=10分の7になります。
ここから2人で作業します。2人の合算仕事率は10分の1+15分の1=30分の3+30分の2=30分の5=6分の1。残り10分の7を終えるには、(10分の7)÷(6分の1)=(7×6)÷10=4.2日かかります。したがって全体では3+4.2=7.2日が答えです。
途中交代問題を解く順序
このタイプは「①決まった期間に進んだ量を計算する→②全体1から引いて残り量を出す→③残りを新しい仕事率で割る」という順序が鉄則です。段階ごとに紙に残り量を書き出すと混乱しません。
特に大事なのが②の「残り量を1から引く」ステップです。ここを飛ばして残り全部を1として計算してしまうミスが非常に多いので注意してください。
人が抜ける問題も考え方は全く同じで、抜けた後の合算仕事率を計算し直すだけです。誰がいつ作業しているかを時系列で整理する習慣をつけましょう。
途中で人数が変わる問題は、作業を「Aだけの区間」「2人の区間」のように区切って、各区間の仕事量を計算し合計するとミスが激減します。速さの問題で行程を区間に分けるのと同じ発想です。
【例題3】水槽・ポンプ型の仕事算
水槽に水を入れる・抜くといった問題も、実は仕事算とまったく同じ構造です。「入れる=プラス」「抜く=マイナス」で処理します。
例題と解答の手順
例題:ある空の水槽を満水にするのに、給水管Aだけなら20分、給水管Bだけなら30分かかります。一方、排水管Cを開けると満水の水槽が60分で空になります。A・B・Cをすべて同時に開けると、空の水槽は何分で満水になるでしょうか。
満水の量を1とおきます。Aの仕事率は20分の1、Bは30分の1(どちらも水を増やすのでプラス)、Cは水を減らすので60分の1のマイナスです。1分あたりの増加量は20分の1+30分の1-60分の1になります。
60で通分すると、60分の3+60分の2-60分の1=60分の4=15分の1。つまり1分あたり全体の15分の1ずつ増えるので、満水(1)まで1÷(15分の1)=15分かかります。
プラスとマイナスの符号に注意
水槽問題のポイントは、水を入れる管は仕事率をプラス、水を抜く管はマイナスとして合算することです。符号を間違えると答えが大きくずれるので、式を立てる前に「増やす側」「減らす側」を分けてメモしておきましょう。
もし排水のほうが速くて合算仕事率がマイナスになった場合は、水槽はいつまでも満水になりません。その場合の答えは「満水にならない」となることもあるので、符号の計算結果をきちんと確認します。
この問題も全体を1ではなく、20・30・60の最小公倍数である60とおくと、A=3、B=2、C=-1、合算=4となり、60÷4=15分とスムーズに求まります。
問題によっては、最初から水槽の一部に水が入っていることがあります。その場合は「満水量1」から「すでに入っている量」を引いた残りを、合算仕事率で割る必要があります。スタート地点が0ではない点を必ず確認しましょう。
仕事算の頻出パターンと速解テクニック
ここまでの例題を踏まえ、本番で使える速解テクニックと、パターンの見分け方を整理します。時間短縮のコツを押さえておきましょう。
最小公倍数で全体量をおくと計算が速い
これまで繰り返し触れてきたように、全体の仕事量を「登場する日数(分数)の最小公倍数」でおくと、仕事率がすべて整数になり計算が格段に速くなります。分数の通分ミスも防げるので、本番では特におすすめの方法です。
たとえば8日と12日なら24、10日と15日なら30、というように、最小公倍数を全体量にします。仕事率=全体量÷日数で整数が得られ、あとは足し引きするだけです。
最後に日数へ戻すときは「全体量÷合算仕事率」を計算します。整数同士の割り算になるので、暗算でも処理しやすくなります。
パターンを見分ける3つの視点
仕事算の問題は、①単純な協力(例題1)、②途中で人数が変わる(例題2)、③増やす・減らすが混在する水槽型(例題3)の3つに大別できます。問題文を読んだら、まずどのパターンかを判断しましょう。
見分けの視点は「登場するのは何か(人か管か)」「途中でメンバーや条件が変わるか」「量が増えるだけか、減る要素もあるか」の3点です。この3点を確認すれば、使うべき手順がすぐに決まります。
下の早見表に、パターンごとの着眼点と解法の型をまとめました。本番前の最終確認に活用してください。
| パターン | 特徴 | 解法の型 |
|---|---|---|
| 単純協力型 | 複数人が最初から最後まで一緒に作業 | 仕事率を足して全体量を割る |
| 途中交代型 | 途中で人が加わる/抜ける | 区間ごとに仕事量を計算し、残りを合算仕事率で割る |
| 水槽・ポンプ型 | 給水と排水が混在 | 増やす側+・減らす側-で合算する |
本番で時間を節約する解き方
本番のSPIは1問あたりの時間が短いため、迷っている余裕はありません。問題を見たら「全体を最小公倍数でおく」「仕事率を求める」「足し引きして日数に戻す」という流れを機械的に実行できるよう、事前に反復練習しておきましょう。
また、選択肢がある場合は、明らかにおかしい数値(協力したのに1人のときより時間が長い等)を先に消すと、計算ミスに気づきやすくなります。協力すれば必ず1人のときより速くなる、という感覚も持っておくと安心です。
SPIは電卓が使えるテスト形式(テストセンターは筆算)もあるので、自分が受ける形式を確認し、それに合わせて練習しておくことも大切です(編集部推定)。筆算形式の場合は特に分数計算のスピードが問われるため、最小公倍数を使った整数化が威力を発揮します。
時間配分の目安としては、仕事算1問におよそ1分半程度を上限とし、それ以上迷う場合はいったん飛ばして後で戻る判断も有効です(編集部推定)。仕事算は型が決まっているぶん、練習量に比例して解答時間が短くなっていくので、本番前に同じパターンを繰り返し解いてスピードを体に染み込ませておきましょう。
仕事算でやりがちなミスと対策
最後に、仕事算で失点につながりやすい典型的なミスと、その防ぎ方をまとめます。ここを押さえるだけで正答率が上がります。
日数と仕事率を混同するミス
もっとも多いのが、日数そのものを足したり平均したりしてしまうミスです。仕事算では必ず「1÷日数」で仕事率に直してから計算します。日数は逆数にして初めて足し算できる、と覚えておきましょう。
また、計算の最後に仕事率を日数へ戻すのを忘れ、仕事率のまま答えてしまうケースもあります。「求めるのは時間なのか、割合なのか」を問題文で確認する癖をつけましょう。
不安なときは、求めた答えを問題文に当てはめて検算するのが確実です。時間はかかりますが、確実に1点を取りたい場面では有効です。たとえば「2人で4.8日」と出たなら、Aが4.8日で進む量とBが4.8日で進む量を足して全体(1)になるかを確かめれば、計算の妥当性がすぐにわかります。
通分・符号のケアレスミス
仕事算は分数計算が中心なので、通分ミスが命取りになります。分母をそろえる際に片方だけ分子をかけ忘れる、といった初歩的なミスに注意しましょう。前述の最小公倍数を使った整数化は、この通分ミス自体をなくす有効な対策です。
水槽問題では符号ミスも起こりがちです。排水管の仕事率をプラスにしてしまうと答えが大きくずれます。式を立てる前に「増やす/減らす」を仕分けしておきましょう。
これらのミスは、いずれも「手順を飛ばさず紙に書く」ことで大幅に減らせます。慣れるまでは面倒でも途中式を丁寧に残すことをおすすめします。
2026年夏はサマーインターン選考の本番で、秋以降は早期選考も動き出します。仕事算のようにパターンが決まっている分野は、この時期に型を固めておけば、秋冬の本格的な選考ラッシュでも安定して得点できます。1日5問でも継続して解くのがおすすめです。
まとめ
SPIの仕事算は、公式の暗記に頼らなくても「全体を1(または最小公倍数)とおいて仕事率を足し引きする」という一つの型で、ほとんどの問題が解けるようになります。
本記事では、複数人の協力型・途中交代型・水槽ポンプ型という3つの頻出パターンを、編集部オリジナルの例題で解説しました。いずれも「仕事率に直す→足し引きする→日数に戻す」という同じ流れで攻略できることが確認できたはずです。
失点を防ぐには、日数と仕事率を混同しないこと、通分・符号のミスを丁寧な途中式で防ぐことが重要です。最小公倍数を使った整数化を習慣にすれば、計算スピードと正確さの両方が向上します。
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