3月に入り、周りの友人たちが内定を獲得し始める中、まだ内定がない就活生は焦りを感じているかもしれません。
しかし、3月時点で内定がないからといって、就職活動が終了したわけではありません。
この記事では、3月時点で内定がない人が置かれている状況を客観的に分析し、これから取り組むべき具体的な対策と、巻き返すための方法を解説します。
就活は、始まったばかりであり、内定を終えた就活生に追いつくことは可能です。
ただし、効率よく対策する必要があるため、以降の解説を参考にしてください。
目次[目次を全て表示する]
【3月に内定なし】内定がない学生はどのくらい?
3月時点で内定がない就活生の割合が知りたい就活生は多いでしょう。
本章では、25卒の3月時点の内定率と26卒の2月の内定率を紹介します。
世間の就活生がどの程度内定を獲得しているのか、把握するきっかけにしてください。
また、割合はあくまで割合です。
内定を持っているから良い、内定がないから悪いとなるわけではありません。
現状を正しく理解するための材料にしてください。
25卒3月時点の内定率
キャリタス就活の調査によると、25卒の3月1日時点での内定率は43.2%でした。
前年が32.4%であったため、10.8%も増加したことが明らかです。
約4割の就活生が、内定を獲得している現状をきちんと理解しましょう。
また、約72%の就活生がインターンシップに参加した企業から、内定を獲得していました。
つまり、就活においてインターンシップの重要性が増しています。
3月1日時点で内定を獲得するには、遅くとも2月時点でインターンシップに参加しておく必要があるでしょう。
さらに、早期から活動していた場合、2024年の冬期インターンシップに参加していた可能性もあります。
現在、日本の就活は早期化していることを理解しておきましょう。
26卒2月時点の内定率
就活みらい研究所の調査によると、26卒の2月1日時点での内定率は39.3%でした。
25卒の時と比べて15%以上増加しているため、単純に考えると26卒は3月時点で約半分が内定を獲得すると考えられます。
早期から就活することで、内定を獲得できるチャンスにあります。
一方で、就活が早期化することのデメリットも理解しておきましょう。
従来の就活は、学業が落ち着いた大学4年生の時期に実施します。
しかし、大学3年生の頃から行動している就活生が増加しています。
その結果、就活と学業を両立させる必要性も増加しているのが現状です。
内定率の高さの裏には、学業をおろそかにするリスクがあることを覚えておきましょう。
【3月に内定なし】規模ごとの企業の募集状況
企業の募集状況を以下の3つに分けて解説していきます。
- 大手企業
- 中小企業
- ベンチャー企業
3月は、選考が本格化して、多くの就活生が面接に進んでいる時期です。
早い就活生なら、すでに内々定を獲得しているでしょう。
一方で、企業によっては追加募集や新たに採用を開始します。
3月に内定を持っていなくても、チャンスは十分あります。
本章の解説を読み、就活スケジュールの組み立てに役立ててください。
大手企業
大手企業は、3月に情報解禁されることが多いため、3月以降に内定を出すケースが一般的です。
しかし、近年はインターンシップの参加者から内定者を選ぶケースが増えています。
その結果、3月以降の採用枠は限られる可能性があるでしょう。
経団連のルールに必ずしも、合わせているわけではないため注意してください。
大手企業を志望する就活生は、3月の情報解禁を待たずに、インターンシップに参加して、企業との接点を設けておきましょう。
ほかにも、以下の対応がおすすめです
- SNSの情報発信をチェック
- 企業の公式ホームページからプレエントリー
情報収集で遅れを取ると、選考にも影響するため、定期的に確認しておきましょう。
中小企業
中小企業は、大手企業よりも選考時期が長く設けられています。
また、3月以降に選考を開始する企業もあります。
大手企業と比較して、スケジュールに余裕があるため、きちんと就活対策してから応募するようにしましょう。
ただし、中小企業は大手企業と比較して、広告費にお金をかけられません。
その結果、一部の就活サイトにしか掲載されていない可能性があります。
たとえば、大手企業なら以下の大手サイトに求人を掲載します。
- doda
- リクナビ
- マイナビ
- OfferBox
- キャリタス就活
しかし、中小企業によってはリクナビのみに掲載している場合があります。
そのため中小企業にエントリーするつもりの就活生は、さまざまな就活サイトをチェックしましょう。
ベンチャー企業
ベンチャー企業は、通年採用や追加募集するケースが多いのが特徴です。
また、意思決定のスピードが大手企業と比較して速いため、3月から就活を始めても内定が獲得できます。
エントリーできる企業が見つからないと感じる就活生は、ベンチャー企業も選択肢に入れてみましょう。
一方で、ベンチャー企業は情報を集めるのが困難です。
大手企業であれば、以下の方法で情報が手に入ります。
- 口コミ
- OB・OG訪問
- 過去の採用情報
しかし、ベンチャー企業は創業してから間もないため、得られる情報がわずかです。
経営に関する情報も大手ほど開示していないので、内定承諾は慎重に判断しましょう。
【3月に内定なし】内定がない理由
3月に内定がない理由として、以下の4つが挙げられます。
- エントリー不足
- 選考対策不足
- 企業選びのずれ
- スケジュール管理の甘さ
内定がない就活生には理由があります。
1つもしくは、複数の項目が当てはまっている可能性があります。
また、無意識のうちに該当していることもあるので、注意してください。
本章を読むことで、現状を振り返るのにも役立ちます。
3月に内定を持っておらず不安な就活生は、ぜひ参考にしてください。
エントリー不足
内定がない理由の1つ目は、エントリー不足です。
内定を獲得するには一定数エントリーする必要があります。
また、1社にエントリーする場合よりも100社に申し込んだ方が、内定を獲得できるチャンスが増えます。
そのため、内定がない就活生ほど、幅広い企業にエントリーしましょう。
とくに「大手しか受けていない」場合は、倍率の高さから内定が出にくい傾向にあります。
確かに、大手企業から内定を獲得できれば、満足のいく就活になる可能性は高くなるでしょう。
しかし、狭き門を突破するには実力に加えて、運も必要になります。
さらに、3月の段階で業界を絞りすぎているのも危険です。
エントリーできる企業数が、一気に減るため注意しましょう。
選考対策不足
内定がない理由の2つ目は、選考対策不足です。
企業は何十人、何百人の就活生を面接します。
そのため、準備不足の就活生は、すぐに見抜かれます。
その結果、内定獲得にいたりません。
選考対策が不足している就活生は、一度立ち止まり、対策を練り直しましょう。
ESと面接対策では、以下の項目をチェックしてください。
- 誤字脱字の確認
- 回答は論理的に話す
- 企業の指示内容の確認
社会人としてのマナーを身につける
あらためて、自分は上記を満たしているか振り返りましょう。
どこかの要素が不足していると途中で落ちる可能性が高まります。
1人での対策が不安な就活生は、就活エージェントに相談してみましょう。
企業選びのずれ
内定がない理由の3つ目は、企業選びのずれです。
自分の価値観に合わない企業ばかり受けてしまうと、選考を突破できません。
また、企業の求める人物像と自分自身が、マッチしていない場合も同様です。
採用担当者は、採用方針に沿って就活生を判断します。
たとえば、チャレンジ精神が旺盛な人材を求めていると企業に応募したと仮定します。
自己PRで忍耐力をアピールしても、企業の求める人物像にマッチしません。
むしろ、自社の価値観に合わないと判断し、採用を見送るでしょう。
そのため、企業選びがうまくいかない就活生は、以下に注力してください。
- 自己分析
- 業界・企業研究
内定を獲得するには、企業選びが重要です。
間違った方向に努力してしまうと、叶う可能性が低くなります。
スケジュール管理の甘さ
内定がない理由の4つ目は、スケジュール管理の甘さです。
スケジュールをおろそかにすることで、内定獲得のチャンスを逃しています。
たとえば、以下のような対応になっていないか、振り返ってください
- 面接の存在を忘れる
- エントリーの締め切り日を忘れる
- 企業説明会の日に、アルバイトを入れる
就活は、採用人数に限りがあるため、できる限り早く選考を受けることが重要です。
機会を逃すと、採用が打ち切りになる可能性があります。
そこで、自分のスケジュール管理が適切にできているか、確認しましょう。
スマートフォンのアプリの利用がおすすめです。
カレンダーに予定を入れておくことで、事前に通知してくれます。
その結果、大切な予定を忘れる可能性を抑えられます。
【3月に内定なし】今からでも内定が得やすい業界
3月からでも内定が得やすい業界を紹介します。
業界 | 特徴 | 備考 |
---|---|---|
IT業界(エンジニア・営業) | 通年採用の企業が多い | 常に人材を求めているため、時期を問わず応募可能 |
人材業界 | ベンチャー企業が多く、採用時期が限られていない | 成長中の企業が多く、柔軟な採用スケジュール |
小売・サービス業界 | 採用枠が大きく、内定が出やすい | 多くの企業が積極採用中。未経験者歓迎の求人も多い |
建設・不動産業界 | 3月以降も積極採用する企業が多い | 業界全体で人手不足。地方の中小企業も積極的に採用活動 |
採用は、業界によって大きく異なります。
3月以降でもきちんと情報収集し、対策することで内定獲得は可能です。
上記の業界以外にもチャンスはあるため、志望業界を一度調べることをおすすめします。
【3月に内定なし】これからやるべきこと
3月から内定を得るためにやるべきことは以下の3つです。
- エントリーを増やす
- ESで周りと差をつける
- 模擬面接を繰り返す
- 自己分析をやり直す
- メンタルケアのために気分転換をする
就活は、要点を押さえることが重要です。
闇雲に行動しても、内定から遠ざかってしまう可能性があります。
そこで、内定獲得を目指している就活生は、本章で解説するポイントを参考にしてください。
エントリーを増やす
まずは、エントリーを増やしてください。
応募する企業数が増えることで単純ではありますが、内定獲得に向けて挑戦できるチャンスが増えます。
さらに、多くの経験を積むことで、自分の意見をきちんと伝えられます。
エントリー数が一桁から10社程度の就活生は、まずエントリーする企業を見つけてください。
たとえば、飲食業界に絞っている就活生なら、サービス・接客業界にも幅を広げてみましょう。
ほかにも、大手企業に集中していたのなら、中小企業にもエントリーしてください。
日本に存在する企業のほとんどが中小企業です。
1つの業界に絞っていたとしても、選択肢が一気に広がります。
大手企業への挑戦を否定するわけではありませんが、視野を広く持つことは意識してください。
ESで周りと差をつける
次に、ESで周りと差をつけましょう。
企業は採用活動を始めると何十人、何百人ものESを読みます。
似たような内容やエピソードでは、採用担当者の印象に残りません。
その結果、採用を見送られることになります。
ESを差別化するには、具体的なエピソードや実績を盛り込みましょう。
もし、題材がほかの就活生と被っても、自分らしさを生み出すことが可能です。
当時の状況や自分の取り組み内容は、人によって異なるためです。
ほかにもOB・OG訪問で得た情報を入れると、より説得力のある内容になります。
過去のエピソードと同様に人によって感じ方が違います。
自分の言葉で話すことで、オリジナリティのあるESが完成するでしょう。
模擬面接を繰り返す
模擬面接を繰り返すことも重要です。
面接は、回数を重ねることで上達します。
自分の言いたいことが言えずに終わった経験があっても、5回10回と経験することでスラスラ言えるようになるでしょう。
とくに頻出質問とされる以下の質問は、完璧に言えるように練習してください。
- 自己PR
- ガクチカ
- 志望動機
- 長所・短所
- 入社後にやりたいこと
ほかにも、面接は企業ごとの傾向を研究することが重要です。
過去の面接体験談や口コミを参考に、対策しましょう。
聞かれる質問がわかっていれば、心に余裕が生まれます。
模擬面接には、就活エージェントがおすすめです。
面接のプロと1対1で練習できます。
採用担当者目線のアドバイスがもらえるでしょう。
自己分析をやり直す
内定がない就活生は、自己分析をやり直しましょう。
自己分析は就活の基盤です。
就活が思うようにいかない時は原点に立ち返りましょう。
自己分析する際は、以下の点を見直すようにしてください。
- 価値観
- 強み・弱み
- 長所・短所
- 仕事のやりがい
- キャリアプラン
上記に加えて、過去の選考で落ちた理由を思い出すのも重要です。
不採用になる原因をそのままにすると、別の企業でも同じ理由で不採用になります。
就活を通して成長するためにも、改善点がないかチェックしましょう。
さらに、企業選びの軸を明確にしてください。
自分の価値観に合った企業に応募することで、選考の通過率が上がるためです。
メンタルケアのために気分転換する
メンタルケアにも注意しましょう。
就活が長くなることで精神的に疲れやすくなります。
途中でモチベーションがなくなるのを防ぐためにも、適度にリフレッシュすることが大切です。
気分転換には、以下の行動がおすすめです。
- 運動
- 十分な睡眠
- 友達と話す
- 好物を食べる
- 体操・ストレッチ
就活は、終える時期を予測するのが困難です。
いつまで続くのか不安な気持ちが蓄積すると、就活自体がつらいものになります。
そこで、気持ちを切り替えながら就活するためにも、適度に気分転換しましょう。
また、上記で紹介したもの以外でも問題ありません。
自分の気分がリフレッシュするものを選択してください。
納得のいく就活にするためにも、心のケアも忘れずに行いましょう。
【3月に内定なし】よくある質問
3月に内定を持っていない就活生向けに、よくある質問を3つ紹介します。
就活は一人ですることが多いため、自分の行動が正しいのか不安に感じる人も多いでしょう。
そこで、本章は3月時点で内定がない人の、不安を取り除くために解説していきます。
冷静な状態で就活を進めるためにも、ぜひ参考にしてください。
本章を読み「そういう考え方もあるのか」と思っていただけると幸いです。
6月頃までに内定を1つ持っておくと安心です。
一般的には4月から5月にかけて内定をもらう人が増加します。
また、大手企業は6月頃に最終面接を実施するため、6月を1つの基準にするのがおすすめです。
もちろん、7月以降も採用活動している企業はあります。
6月までに就活を終えたからといって、最善の選択とは限りません。
そのため必要以上に心配しなくて大丈夫です。
ただ、目標がないとダラダラしてしまう就活生は、6月を一区切りにしてみましょう。
6月までに終えるためには、5月中には面接を受ける必要があります。
5月に面接を受けるには、4月にはエントリーしておかなければなりません。
上記のように、スケジュールが立てやすくなるため、自分なりに目標を立ててみましょう。
選考を分析するには、自分がどの段階で不採用になったのかを集計してください。
選考フェーズによって対策内容が異なります。
たとえば、書類選考で落ちている就活生は、以下の項目を見直してください。
- 誤字脱字はないか
- 提出期限が守れているか
- 自分の主張が伝わっているか
一方で、一次面接で頻繁に不採用になる就活生は、以下をチェックしましょう。
- 入社意欲は伝えられたか
- 身だしなみや言葉遣いは適切だったか
- 面接官の質問の意図に答えられていたか
ESと面接では、別のポイントが見られています。
それぞれの段階で、自分に何が足りていないのか分析するようにしましょう。
もし難しい場合は、就活エージェントに相談してください。
就活のプロが適切にアドバイスしてくれます。
就活情報を集める方法は多岐にわたります。
また、3月以降は使えない方法もないため、安心してください。
情報を集めたい就活生は、以下の方法を試しましょう。
- OB・OG訪問
- 就活支援サイト
- 企業の公式SNS
- インターンシップ
- 企業の公式ホームページ
就活支援サイトとは、リクナビやマイナビを指します。
掲載されている企業数が多いため、志望企業が見つけやすいのが特徴です。
ほかにも、企業が合同で開催している企業説明会もおすすめです。
同じ業界の企業が一同に集まるため、情報を集めやすくなります。
他業界の企業が集まることもあるため、目的に合わせて選択しましょう。
情報収集は、嘘の情報を掴まないよう注意してください。
情報源が不明のサイトや口コミは、実情と異なる可能性があります。
【3月に内定なし】まとめ
本記事では、3月時点で内定がない就活生が、内定を獲得するために必要な対策について解説してきました。
就活は3月になると本格化します。
内定を獲得する就活生が現れるため、焦る気持ちになるでしょう。
しかし、冷静に対応することが重要です。
自分に足りない点を分析・把握し、少しずつ改善していきましょう。
3月以降も就活は続きます。
途中で失速しないように、適宜休憩を取りながら、就活してください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート