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【カスタマーサクセスに向いている人】カスタマーサクセス(CS)とは
近年、BtoBのSaaSビジネスを中心に注目を集めている職種がカスタマーサクセスです。
従来のカスタマーサポートとは異なり、顧客からの問い合わせを待つだけではなく、自ら積極的に働きかける姿勢が求められます。
就活を進める中でこの職種を耳にすることが増えたものの、具体的な業務内容や従来の営業との違いが分からず悩む就活生は少なくありません。
まずは、カスタマーサクセスという職種がどのような役割を持ち、なぜこれほど重視されているのかについて、根本的な仕組みを紐解いていきます。
ビジネスモデルの変革に伴い誕生した職種であるからこそ、その本質を理解することが、適切な企業選びや選考対策を進めるための確実な第一歩となります。
労働集約型ではなく、能動的に顧客の成功を導く職種
従来の売り切り型のビジネスとは異なり、サブスクリプション型のサービスでは、導入後に顧客が成果を出し続けることが不可欠です。
カスタマーサクセスは、顧客の問い合わせに対応する受動的な業務ではなく、自発的に顧客の課題を先回りして解決する能動的なアプローチを行います。
顧客が抱える潜在的な問題や活用上のボトルネックをデータからいち早く察知し、運用の定着や活用促進のための提案を自ら仕掛けていく必要があります。
このように、時間を切り売りして対応する労働集約型の働き方から脱却し、仕組みや提案によって顧客を成功に導くビジネスモデルです。
就活生の皆さんがこの職種を目指す際は、学生時代にサークルやアルバイトで、他者の課題を先回りして解決した経験などをアピールすると評価に繋がりやすくなります。
主なミッション(解約防止、契約継続、アップセルなど)
カスタマーサクセスが担う最大のミッションは、顧客にサービスを長く使い続けてもらい、利益を最大化することです。
具体的には、サービスの利用を途中でやめてしまう解約(チャーン)を未然に防止し、契約の継続を促すことが中心的な業務となります。
さらに、顧客の事業成長に合わせて、より上位のプランへの移行を促すアップセルや、別の関連製品の導入を提案するクロスセルも重要な役割です。
これらの数値を管理し、顧客の経営課題に深く踏み込みながら、自社の利益にも直結する成果を生み出していきます。
新卒の選考では、単に人と接することが好きという理由だけでなく、こうした企業の収益構造や数値目標に対して責任を持つ覚悟があるかどうかが厳しく見られます。
【カスタマーサクセスに向いている人】CSの主な役割
カスタマーサクセスは、すべての顧客に対して全く同じ方法で対応するわけではありません。
顧客の企業規模や契約金額、さらには抱える課題の複雑さに応じて、アプローチの方法を明確に切り分けています。
限られた社内リソースの中で最大の効果を発揮するために、支援のやり方を3つのレイヤーに分類して業務を最適化しているのが特徴です。
就活生は、志望企業がどの領域に強みを持っているのか、あるいは自分がどの役割で力を発揮したいのかを明確にする必要があります。
ここからは、実務で必ず用いられる3つのアプローチについて、それぞれの特徴と具体的な業務内容を解説します。
ハイタッチ(大手向け・深いコンサル型)
ハイタッチは、契約規模が非常に大きい大企業や主要顧客に対して、一社一社個別に深く関わっていく最高密度の支援スタイルです。
専任の担当者として顧客の経営会議やプロジェクトに深く入り込み、まるで経営コンサルタントのように課題解決を並走します。
顧客の組織体制や業務フローを徹底的に分析し、自社のシステムをどのように組み込めば業務効率化や売上拡大に繋がるかをオーダーメイドで提案します。
高度なビジネス理解力と、経営層に対する提案力が求められるため、非常に難易度が高い一方で、顧客のビジネスを大きく変革させる手応えを得られます。
就活においてハイタッチに関わりたい場合は、論理的思考力や、複雑な利害関係を調整した経験を面接で伝えることが有効なアピールになります。
ロータッチ(中堅向け・集団アプローチ型)
ロータッチは、主に中堅企業を対象としたアプローチであり、一対一の個別対応と効率的な仕組み化のバランスをとった支援スタイルです。
すべての企業に専任担当者を配置することは難しいため、複数の顧客に対して共通の課題に応じた集団的なアプローチを行います。
具体的には、特定の業界向けに活用ワークショップを開催したり、複数社が参加するオンライン勉強会を企画運営したりして、効率的に活用を促します。
個別の要望にも一定の配慮をしつつ、いかに多くの顧客に共通の成功パターンを届けるかという企画力や、ファシリテーション能力が求められる領域です。
アルバイトなどでイベントの企画や、大人数を巻き込んで物事を進めた経験がある人は、この役割において大きな強みとして発揮できます。
テックタッチ(小規模向け・仕組み・IT自動化型)
テックタッチは、契約規模が比較的小さい大量の顧客に対して、テクノロジーや仕組みを用いて人の手を介さずに支援するスタイルです。
メールの自動配信システムや、画面上に表示される操作ガイド、充実したヘルプページなどを駆使して、顧客が自自ら課題を解決できるように導きます。
システムをいかに分かりやすく構築するか、どのタイミングで案内を送れば離脱を防げるかという、データ分析に基づいた仕組み作りが中心となります。
人間関係の構築力よりも、プロダクトの改善視点や、デジタルマーケティングのようなデータドリブンな思考が強く求められるのが特徴です。
新卒採用においても、プログラミングの学習経験や、データを分析してWebサイトのPV数を伸ばしたといった経験は非常に強い武器になります。
【カスタマーサクセスに向いている人】カスタマーサクセスに向いている人の特徴
カスタマーサクセスとして活躍するためには、特定の資質やマインドセットが必要不可欠となります。
単にコミュニケーション能力が高いというだけでは成果を出すことが難しく、ビジネスとしての視点も同時に求められるからです。
自分がこの職種に向いているかどうかを見極めることは、入社後のミスマッチを防ぎ、長期的なキャリアを築くための重要なステップとなります。
ここでは、実際の現場で高く評価される優秀なカスタマーサクセスに共通する5つの特徴を具体的に掘り下げます。
自己分析を進める際の参考にし、自分自身の過去のエピソードと合致する部分がないか確かめてみてください。
共感力がある
カスタマーサクセスにおける共感力とは、単に相手の気持ちに優しく寄り添うことではなく、顧客のビジネス上の困りごとを我が事として捉える能力です。
顧客がシステムの操作に迷っているとき、その背景にある業務の忙しさや、社内で抱えているプレッシャーまで想像を巡らせる必要があります。
相手の視点に立って物事を見ることで、表面的な不満の裏にある「本当に解決したい根本的な課題」に気づくことができます。
就活の面接では、他者の悩みを親身に聞いて解決を手助けした経験や、チームメイトの潜在的なニーズを汲み取って行動したエピソードを伝えると効果的です。
データを根拠に論理的な提案ができる
感情的なつながりだけでなく、客観的な数値やデータを基にして物事を論理的に組み立てる力が求められます。
システムのログイン頻度や、特定の機能の利用率といったログデータを分析し、顧客の状況を定量的に把握する必要があります。
その上で、「利用率が低下しているため、このままでは業務効率が下がります」といった、説得力のある改善案をデータと共に提示しなければなりません。
大学のゼミ活動や研究、あるいは長期インターンシップなどで、数字のデータを分析して課題を検証し、施策を立案した経験がある人は高い適性があります。
常に学び続ける姿勢がある
カスタマーサクセスが扱うITツールやSaaS製品は、頻繁にアップデートが行われ、新しい機能が次々と追加されます。
また、顧客の業界の動向や法律の改正、最新のビジネストレンドについても、常に最先端の情報をインプットする必要があります。
自社の製品知識に詳しいだけでなく、顧客以上にその業界の市場環境や他社事例に精通していなければ、信頼されるパートナーにはなれません。
新しい知識を吸収することに抵抗がなく、日常的に読書や勉強を継続できる知的好奇心旺盛な学生にとって、非常に向いている職種です。
他部署(営業・開発)を巻き込める調整力がある
顧客の課題を解決するためには、カスタマーサクセスだけの力では限界があり、社内の様々な部署との連携が不可欠です。
例えば、顧客の要望を製品に反映させるために開発チームへフィードバックしたり、追加提案の際に営業チームと連携したりします。
その際、それぞれの部署が持つ目標や事情を理解し、組織間の利害関係を円滑に調整するコミュニケーション能力が必要となります。
部活動やサークル、学園祭の実行委員会などで、異なる意見を持つ複数のグループの間に入り、一つの目標に向けてまとめ上げた経験が活きる領域です。
長期的な視点で顧客の成長を考えられる
目の前の短期的な売上を追うのではなく、数ヶ月から数年といった長いスパンで顧客がどのように成長していくかを見据える視点が必要です。
導入初期の段階から、将来的に顧客のビジネスがどう拡大し、自社のツールがどう貢献できるかのロードマップを描いて支援します。
顧客が途中でつまずいたとしても、伴走者として粘り強く支援を続けるスタンスが、最終的な信頼関係と契約の継続を生み出します。
塾講師のアルバイトで生徒の志望校合格まで長期的に寄り添った経験など、地道に成果が出るまで支援し続けた経験が評価されます。
【カスタマーサクセスに向いている人】カスタマーサクセスに向いていない人の特徴
職種の魅力を知る一方で、どのような人がこの仕事で苦労しやすいのか、不向きな特徴を理解しておくことも同様に重要です。
華やかなイメージだけで入社してしまうと、業務の性質とのギャップに苦しみ、早期離職に繋がってしまう恐れがあります。
自分自身の性格やこれまでの行動パターンを客観的に振り返り、不適合な要素がないかを冷静に見極めることが大切です。
ここからは、カスタマーサクセスの業務においてストレスを感じやすい、あるいは成果を出しにくい人の特徴について詳しく解説していきます。
受動的で、言われたことしかやりたくない
カスタマーサクセスは、マニュアル通りに動くだけの仕事ではなく、自ら考えて行動を起こす自律性が強く求められます。
指示を待つ姿勢が染み付いている人や、与えられたタスクだけを淡々とこなしたい人は、能動的なアクションを起こせずに成果を出せない状況に陥ります。
顧客のデータを見て自ら課題を発見し、誰に言われるでもなく改善策を提案する主体性がなければ、この職種で活躍することは困難です。
学生生活において、周囲からの指示がないと行動に移せなかったり、自分で目標を設定して動くことが苦手だったりする人は注意が必要です。
感情の起伏が激しく、クレームを引きずりやすい
日々の業務の中では、システムの不具合や顧客の期待とのズレにより、厳しい意見やクレームを直接受ける場面も当然あります。
その際に顧客の感情に振り回されてしまい、自分自身が精神的にひどく落ち込んでしまう人は、業務を続けるのが難しくなります。
不満の声を個人の人格否定ではなく、ビジネス上の課題として冷静に受け止めるタレント、メンタルのタフさが必要です。
感情の起伏が激しく、プライベートやアルバイトでの失敗を何日も引きずってしまう傾向がある人は、精神的な負担を強く感じやすい職種です。
数字やITツールの活用が苦手・面倒
カスタマーサクセスの業務は、直感や経験だけに頼るのではなく、高度なITツールやデータ分析基盤を日常的に使いこなします。
顧客の管理システムやデータ分析ツールの操作に対して苦手意識があり、数値を分析する作業を面倒に感じる人は業務についていけなくなります。
日々の活動ログや利用データの変化から顧客の危機を察知する職種であるため、テクノロジーへのアレルギーは致命的です。
パソコンの基本操作や、新しいアプリケーションソフトを導入して試すことに心理的ハードルがある人は、適性が低いと考えられます。
「売って終わり」の意識から抜け出せない
新規の契約を獲得することだけに強い喜びを感じるタイプの人は、カスタマーサクセスの地道な支援業務に物足りなさを感じる傾向があります。
契約が成立した瞬間をゴールの頂点と捉えるのではなく、契約締結こそが顧客とのスタートラインであるという認識の転換ができなければいけません。
華やかな受注の瞬間だけを追い求め、その後の泥臭い導入支援や継続的な運用のフォローを軽視してしまう人は、成果を出せません。
短期的な成果報酬や、自分の営業成績の数字だけをモチベーションにしたい人は、従来の新規開拓営業の方が向いています。
チームでの協働が苦手な一匹狼タイプ
自分の担当顧客だからといって、全ての業務を一人で抱え込み、他者との協働を拒む一匹狼タイプの人は組織で孤立します。
前述の通り、開発チームへのフィードバックや、営業チームとの情報共有など、社内の様々な人間と協力しなければ顧客のサクセスは実現しません。
個人のスタンドプレーで成果を上げることに固執し、周囲への情報共有や相談を怠る人は、組織全体の足を引っ張ることになります。
集団行動が苦手で、何事も自分一人の裁量だけで完結させたいという自立志向が強すぎる人は、この職種のチームプレイに適応しにくいです。
【カスタマーサクセスに向いている人】カスタマーサクセスの魅力
カスタマーサクセスは、比較的新しい職種でありながら、多くの若手ビジネスパーソンから非常に魅力的な仕事として選ばれています。
その理由は、業務を通じて得られる充実感や、ビジネスの本質に関わる楽しさが他の職種にはない独特なものだからです。
就活の志望動機を構築する上でも、この職種ならではの魅力ややりがいを深く理解しておくことは、熱意を伝えるために欠かせません。
ここでは、現役のカスタマーサクセスが日々感じている代表的な3つの魅力について、具体的に解説していきます。
顧客の「ありがとう」と成長を一番近くで実感できる
カスタマーサクセスは、顧客と最も長い時間を共にし、伴走し続ける存在だからこそ、感謝の言葉を直接受け取る機会が豊富です。
導入当初は操作に苦労していた顧客が、自らの支援によってシステムを使いこなし、実際の業務成果を上げていくプロセスを特等席で見届けられます。
顧客の売上が伸びたり、残業時間が削減されたりした際に、「あなたのおかげで成果が出ました」と言ってもらえる瞬間は、何物にも代えがたい喜びです。
他者の成長や成功を自分のことのように喜び、密な関係性を築くことにやりがいを感じる人にとって、これ以上ない充実感を得られます。
現場の声を製品に反映させ、サービスを育てる手応えがある
顧客が実際に製品を使っている現場のリアルな意見や、改善の要望を最も多く集められるのはカスタマーサクセスです。
集まった顧客の声を社内の開発チームにロジカルにフィードバックすることで、新機能の開発やプロダクトの品質向上に直接貢献できます。
自分が伝えた現場の意見をきっかけに製品がアップデートされ、より使いやすいサービスへと進化していく過程に関わることができます。
単に完成されたモノを売るだけでなく、顧客と一緒に自社のプロダクトを理想の形へと育てていく、モノづくりの一翼を担う手応えを味わえます。
企業の売上(LTV)に直結するダイナミズムを味わえる
サブスクリプション型ビジネスにおいて、顧客が一生涯でもたらす利益の総額であるLTVの最大化は、会社の命運を握る重要指標です。
カスタマーサクセスの働きによって解約率が1%下がるだけで、企業の利益には数千万、数億円規模の莫大なインパクトが生まれます。
自分の日々の提案やサポートが、会社の経営基盤を強固にする核心的な数値にダイレクトに反映されるため、非常にダイナミックな責任感を持てます。
若手のうちからビジネスの成長モデルの最もコアな部分を動かしているという実感が、大きなモチベーションへと繋がります。
【カスタマーサクセスに向いている人】カスタマーサクセスになるメリット
就職活動において、将来的にどのようなスキルが身につき、キャリアの選択肢がどう広がるかという視点を持つことは極めて大切です。
カスタマーサクセスという職種を選ぶことは、これからの時代を生き抜くビジネスパーソンにとって、非常に多くのメリットをもたらします。
市場価値の向上や、ライフスタイルに合わせた働き方の実現など、キャリア形成における魅力が詰まっています。
ここでは、新卒でカスタマーサクセスを目指すことで得られる、将来的な3つのメリットを具体的に紹介します。
SaaS業界を中心に需要が高く、市場価値が上がる
現在、多くの企業が従来のビジネスモデルからSaaSやサブスクリプション型への移行を進めており、カスタマーサクセスの求人需要は右肩上がりで急増しています。
しかし、歴史が浅い職種であるため、市場には実務経験を持つ優秀な人材が圧倒的に不足しているのが現状です。
若いうちからこの職種で確かな実績を積むことで、転職市場において引く手あまたの希少な人材になることができます。
今後の成長が見込まれるIT・Web業界の最前線でキャリアをスタートさせることは、自身の市場価値を長期的に高く維持するための賢明な選択です。
営業・コンサル・分析など、汎用性の高いスキルが身につく
カスタマーサクセスの実務では、顧客との関係を築く営業力、課題を特定するコンサルティング力、ログを読み解くデータ分析力など、多彩な能力が求められます。
幅広い業務を経験する過程で、ビジネスにおけるあらゆるシチュエーションで通用するポータブルスキル(持ち運び可能な能力)が自然と身につきます。
将来的に、新規開拓の営業に戻ることも、マーケティング職へ転身することも、あるいはプロダクトマネージャーを目指すことも可能です。
一つの職種に限定されない、柔軟で強固なキャリアの土台を20代のうちに構築できる点が大きなメリットです。
リモートワークなど、柔軟な働き方をしやすい
カスタマーサクセスが活躍する多くのSaaS企業やベンチャー企業は、最先端のITツールを駆使した先進的な働き方を導入しています。
顧客とのコミュニケーションもオンライン会議システムが主流であるため、在宅勤務やフレックスタイム制を柔軟に活用できる環境が整っています。
場所に縛られずに業務を行えるため、仕事とプライベートのバランスを保ちやすく、個人のライフスタイルに応じた快適な働き方が可能です。
自己管理能力は求められますが、自由度が高く、クリエイティブに働ける環境を重視したい就活生には非常に魅力的な選択肢となります。
【カスタマーサクセスに向いている人】カスタマーサクセスのリスク・大変なところ
どのような魅力的な職種にも、必ず裏返しのリスクや精神的な厳しさ、業務上の大変な側面が存在します。
メリットや華やかな部分だけに目を奪われず、あらかじめ想定される困難を正しく把握しておくことが、就活におけるリアルな企業理解に繋がります。
面接の場でも、仕事の大変なところを理解した上で志望している姿勢を示すことで、プロ意識の高さを評価されます。
ここからは、カスタマーサクセスが直面しやすい3つのリスクと、その具体的な背景について解説します。
営業と開発、顧客との「板挟み」による精神的ストレス
カスタマーサクセスは、自社の営業担当者、エンジニア、そして顧客という、異なる立場の人々のハブとなるポジションです。
顧客からは製品への無理な要望を言われ、開発チームからは技術的な理由で断られ、営業からは契約継続のために何とかしてほしいと頼まれることがあります。
それぞれの異なる主張や利害の間に立たされて悩むことが多く、精神的なタフさや高度なコミュニケーションの工夫が要求されます。
自分の意思だけで物事を進められないもどかしさや、関係各所への気配りによる疲弊は、この職種ならではの大変さです。
製品の不具合時に最前線で矢面に立つ必要がある
自社が提供するシステムやサービスに大規模なサーバーダウンやバグなどの不具合が発生した際、顧客からの不満の連絡が集中します。
開発側のミスであっても、顧客にとってはカスタマーサクセスが会社の代表窓口であるため、トラブルの最前線で謝罪と状況説明を行う責任があります。
急を要する事態の中で、怒り心頭の顧客に対して冷静かつ迅速に対応し、信頼関係を繋ぎ止めなければなりません。
不測の事態における突発的な業務対応や、心理的なプレッシャーは、製品を扱い続けるビジネスにおいて避けては通れないリスクです。
「顧客の成功」に明確な正解がない
職種の目的に掲げられている「顧客の成功」という言葉自体、企業の業種やビジネスモデル、フェーズによって定義が全く異なります。
ある企業にとっては業務効率化が成功であっても、別の企業にとっては売上拡大が成功であり、一律のマニュアルが存在しない中で最適な解を探す必要があります。
自分で仮説を立てて並走した施策が、必ずしも期待通りの結果に結びつかないことも多く、暗中模索の状況が続くこともあります。
誰かが決めた正解通りに動いて安心したいタイプの人にとっては、このゴールの曖昧さが大きなストレスの要因となります。
【カスタマーサクセスに向いている人】最初の一歩を踏み出すためにすべきこと
カスタマーサクセスの概要や適性を理解したら、次は選考を突破して実際に内定を獲得するための具体的な行動を起こす段階です。
ベンチャー企業の選考では、職種に対する理解度と、自発的に行動を起こすポテンシャルの高さが厳しくチェックされます。
口先だけでなく、内定を獲得するために今すぐできる準備を具体的に進めていくことが、他のライバルに差をつける決定打となります。
ここでは、就活生の皆さんが今日から実践できる、最初の一歩として取り組むべき4つのアクションを提示します。
学生生活での「顧客対応・改善提案」の実績を棚卸しする
新卒就活生の皆さんは、これまでのアルバイトやインターン、ゼミ活動の経験から、カスタマーサクセスに通じる要素を見つけ出す必要があります。
例えば、飲食店のアルバイトで顧客の不満を解消するために接客マニュアルを改善した経験や、塾講師として生徒の成績向上のために独自の学習管理表を作った経験などです。
他者の課題に寄り添い、自発的に行動して状況を良くしたエピソードを徹底的にノートに書き出してみてください。
それらの経験を、カスタマーサクセスの「能動的な課題解決」という文脈に紐付けてアピールできるよう言語化しておくことが極めて重要です。
カスタマーサクセスの基本書を3冊読む
職種に対する理解を深め、面接官と共通の言語で会話ができるようになるために、業界の基本書を読んで知識をインプットしてください。
名著とされる『カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』をはじめ、入門書を3冊選んで精読することをお勧めします。
本を読む際は、単に内容を暗記するだけでなく、「もし自分がこの職種に就いたら、この原則をどう活かすか」を考えながらノートに要約をまとめます。
書籍から得た専門知識のベースがあるだけで、面接における志望動機の具体性と説得力が格段に向上し、熱意が本物であると証明できます。
SaaSビジネスの基本用語(チャーンレート等)を理解する
カスタマーサクセスの選考では、ビジネスモデルに関する専門用語が当然のように飛び交うため、これらを正しく理解しておく必要があります。
解約率を表す「チャーンレート」や、顧客獲得コストを示す「CAC」、前述した顧客生涯価値の「LTV」といった重要キーワードは必須の知識です。
これらの用語の意味を調べるだけでなく、それぞれの指標がどのように連動して企業の成長を支えているのかまで仕組みを理解してください。
経済ニュースや企業の決算説明資料を読み、実際の数字を見ながら用語の使われ方を確認するトレーニングを行うと、面接での受け答えに圧倒的な深みが出ます。
自分の興味がある業界やプロダクトを絞り込む
カスタマーサクセスは、扱うプロダクトの領域によって業務の性質や必要とされる業界知識が180度変化します。
医療向け、人事労務向け、マーケティング向けなど、自分が知的好奇心を持って深く学び続けられるプロダクトや業界を早い段階で絞り込んでください。
自分が全く興味を持てない分野の製品を扱う企業に入ってしまうと、日々のインプット作業が苦痛になり、顧客への提案の質も上がりません。
まずは日常の生活や過去の学習経験から興味のある分野を特定し、その領域でSaaSサービスを提供しているベンチャー企業をリストアップしていきましょう。
【カスタマーサクセスに向いている人】専門のコミュニティやツールに触れてみよう
就活の質をさらに一段高めるためには、机の上の勉強だけでなく、実際の現場に近い情報やツールに直接触れるアプローチが効果的です。
業界のリアルな空気感を知ることで、面接官が驚くほど具体的で実務に即したキャリアビジョンを語れるようになります。
他の就活生がそこまでやらないからこそ、能動的に一次情報を取りに行く姿勢が、選考における最大の差別化ポイントとなります。
最後に、業界への理解を深めるために触れておくべきコミュニティやツールの活用法について解説します。
CS特化のエージェントやコミュニティの活用
インターネット上の公開情報だけでなく、カスタマーサクセスに関わる人々が集まる専門のコミュニティや勉強会、イベントにアンテナを張ってみてください。
SNSで現役のカスタマーサクセスが発信している情報をフォローしたり、オープンなオンラインセミナーに参加したりすることをお勧めします。
実際の現場でいまどのような課題が議論されているのか、どのようなスキルが求められているのかという生きた一次情報を仕入れることができます。
また、ベンチャー就活に強いエージェントの力を借りて、カスタマーサクセスの採用動向について直接カウンセリングを受けることも有効な戦略です。
実際のCSツール(Gainsight等)の事例を調べる
実務で広く使われている世界的なカスタマーサクセス管理ツールである「Gainsight」などの製品サイトや、導入事例を徹底的に調べてみてください。
これらのツールのウェブサイトには、企業がどのように顧客データを分析し、どのようなタイミングでアクションを起こして解約を防いだのかという具体的な成功事例が豊富に掲載されています。
ツールの機能や事例を学ぶことで、カスタマーサクセスが日々の業務で「具体的にどのような画面を見て、どう動いているのか」のイメージが鮮明になります。
面接の逆質問などで、実際のツール活用を想定した具体的な質問を投げかけることができれば、評価は格段に高まります。
まとめ
カスタマーサクセスは、これからのサブスクリプション時代において企業の成長を牽引する、非常にエキサイティングで市場価値の高い職種です。
能動的に顧客の成功に寄り添い、データを原動力にしながら社内外を巻き込んでいく働き方は、若手ビジネスパーソンを大きく成長させてくれます。
向き不向きの特徴を冷静に自己分析し、求められる資質が自分にあると感じたならば、ぜひ自信を持って最初の一歩を踏み出してください。
書籍でのインプットや、これまでの学生生活の棚卸しといった具体的な準備を今すぐスタートさせることが、ベンチャー就活で内定を勝ち取るための最大の鍵となります。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート










