就職活動の適性検査では、「クレペリン検査」を受検することがあります。
クレペリン検査を初めて受ける人にとって、「どんな問題が出るのか」は最も気になるポイントでしょう。
この記事では、クレペリン検査の例題を出題パターン別に掲載し、解き方のステップまで丁寧に解説します。
- クレペリン検査の基本情報と検査の仕組み
- クレペリン検査の計算ドリル形式の例題
- 検査で見られる作業曲線の読み方
- クレペリン検査に向けた効果的な準備法
- クレペリン検査を初めて受ける人
- 公務員試験や大手企業を志望している人
- クレペリン検査の練習方法を知りたい人
目次[目次を全て表示する]
クレペリン検査とは?基本情報をわかりやすく解説
クレペリン検査は日本・精神技術研究所が提供する作業検査で、官公庁や大手企業の採用で広く使われています。ここではクレペリン検査の基本的な特徴を確認していきましょう。
クレペリン検査の概要と特徴
クレペリン検査の正式名称は「内田クレペリン精神検査」で、1桁の足し算を一定時間繰り返す作業検査です。
日本・精神技術研究所が提供しており、ドイツの精神科医エミール・クレペリンの研究をもとに内田勇三郎が日本で開発しました。
検査用紙には1桁の数字がランダムに横一列に並んでおり、隣り合う数字を足して答えの一の位を記入していきます。
他の適性検査と大きく異なるのは、正解の数ではなく「作業量の推移パターン」が評価される点です。
前半15分・休憩5分・後半15分の合計35分間で実施され、1分ごとに行を変えて作業を続けます。
単純な計算の繰り返しですが、集中力や持続力、作業の安定性が総合的に測定されます。
クレペリン検査を導入している企業・組織の傾向
クレペリン検査は官公庁、鉄道会社、航空会社、大手メーカーなど幅広い組織で採用されています。
特に公務員試験では国家公務員・地方公務員を問わず採用されるケースが多く、公務員志望者は対策が必須です。
鉄道会社や航空会社では、安全に関わる業務への適性を測るためにクレペリン検査が重視されています。
また、金融機関や製造業などでも正確性や集中力を重視する企業がクレペリン検査を導入しています。
年間70万人以上が受検しているとされ、日本で最も多く実施されている適性検査の1つです。
クレペリン検査の実施方法と流れ
クレペリン検査は紙と鉛筆を使った会場受検が基本です。
検査用紙には1桁の数字(0〜9)がランダムに横一列に並んでおり、全部で30行以上の数字列が印刷されています。
検査が始まると、隣り合う数字を足して答えの一の位を2つの数字の間に記入する作業を繰り返します。
1分経過すると合図があり、計算途中でもすぐに次の行に移る必要があります。
前半15行を終えたら5分間の休憩を挟み、後半15行の作業に入ります。
最終的に、各行の作業量(何桁まで進んだか)を線でつないだ折れ線グラフ(作業曲線)が分析の対象となります。
- 前半:1分 × 15行 = 15分間の連続作業
- 休憩:5分間
- 後半:1分 × 15行 = 15分間の連続作業
- 合計:約35分間
クレペリン検査の例題(基本の1桁足し算)
クレペリン検査の問題は非常にシンプルで、隣り合う1桁の数字を足すだけです。ここでは実際の検査と同じ形式の例題を確認しましょう。
例題(基本の足し算ドリル)
クレペリン検査の基本ルールは、隣り合う2つの数字を足して、答えの一の位を記入するというものです。
例えば「3」と「8」が並んでいれば、3 + 8 = 11なので一の位の「1」を記入します。
「5」と「4」であれば5 + 4 = 9なので「9」をそのまま記入します。
合計が10以上になる場合は十の位を切り捨てて一の位だけを書くことがポイントです。
計算自体はとても簡単ですが、これを30分間途切れなく続けることが検査の本質です。
以下の数字列で、隣り合う数字を足して一の位を記入しなさい。
数字列:3 8 5 2 9 4 7 1 6 3
解答:1 3 7 1 3 1 8 7 9
解き方のステップ
左端から順に隣り合う2つの数字を足していきます。
3 + 8 = 11 → 一の位は「1」、8 + 5 = 13 → 一の位は「3」、5 + 2 = 7 → 「7」と続けます。
2 + 9 = 11 → 「1」、9 + 4 = 13 → 「3」、4 + 7 = 11 → 「1」です。
7 + 1 = 8 → 「8」、1 + 6 = 7 → 「7」、6 + 3 = 9 → 「9」となり、答えは「1 3 7 1 3 1 8 7 9」です。
例題(繰り上がりのある足し算)
クレペリン検査で最も注意が必要なのは、合計が10以上になる繰り上がりの計算です。
繰り上がりがある計算では、一の位だけを記入するルールを忘れてしまい、2桁の数字を書いてしまうミスが起こりやすくなります。
特に7 + 8 = 15、8 + 9 = 17、9 + 6 = 15のように大きい数字同士の足し算では、瞬時に一の位を判断する必要があります。
繰り上がりの計算に慣れておくことが、本番でのスピードアップと正確性向上の鍵です。
日頃から一の位だけを素早く答える練習を繰り返しておくとよいでしょう。
以下の数字列で、隣り合う数字を足して一の位を記入しなさい。
数字列:7 8 6 9 5 8 7 4 9 6
解答:5 4 5 4 3 5 1 3 5
解き方のステップ
7 + 8 = 15 → 一の位は「5」、8 + 6 = 14 → 「4」、6 + 9 = 15 → 「5」です。
9 + 5 = 14 → 「4」、5 + 8 = 13 → 「3」、8 + 7 = 15 → 「5」と続きます。
7 + 4 = 11 → 「1」、4 + 9 = 13 → 「3」、9 + 6 = 15 → 「5」です。
繰り上がりが連続する場合でも、1つずつ確実に一の位を記入することを意識しましょう。
1分間の練習ドリル
実際のクレペリン検査では1分間で何桁まで進めるかが作業量として記録されます。
平均的な作業量は1分間に40〜60桁程度と言われていますが、個人差があります。
大切なのは作業量の絶対値ではなく、30分間を通した作業量の推移(作業曲線)のパターンです。
練習ではまず自分の1分間の作業量を測定し、それを基準にして安定したペースで作業できるよう訓練しましょう。
スマートフォンのタイマーを1分にセットし、数字列を自分で用意して繰り返し練習する方法が効果的です。
1日10分程度の練習を1〜2週間続けるだけでも、作業スピードと正確性が大幅に向上します。
4 7 2 9 1 8 3 6 5 0 7 2 8 4 9 1 6 3 5 8 2 7 0 4 9 3 6 1 8 5
※タイマーを1分にセットし、左端から順に隣り合う数字を足して一の位を記入してください
クレペリン検査の作業曲線とは
クレペリン検査では計算の正確さだけでなく、作業量の推移パターンが重要な評価対象になります。ここでは作業曲線の読み方と理想的な形を解説します。
作業曲線の基本的な読み方
作業曲線とは、各行の作業量(1分間に進んだ桁数)を折れ線グラフにしたものです。
前半15行と後半15行のそれぞれで作業曲線が描かれ、その形状から受検者の特性が分析されます。
作業曲線からは、作業量の全体的なレベル、作業量の変動の大きさ、前半と後半の差、序盤から終盤にかけての推移パターンなどが読み取れます。
検査者はこの作業曲線の形状をもとに、受検者の性格傾向や行動特性を判定します。
重要なのは、1分間の作業量が多いことよりも、安定した曲線を描けているかどうかです。
理想的な作業曲線の形(定型曲線)
クレペリン検査には「定型曲線」と呼ばれる理想的な作業曲線のパターンがあります。
定型曲線の特徴は、前半の最初の1〜2行で作業量がやや高くなり(初頭努力)、その後は緩やかに低下し、最後の1〜2行でわずかに上昇する(終末努力)という形です。
後半は休憩を挟んだ効果で前半より作業量がやや上がり、その後は前半と同様の推移を描きます。
定型曲線に近い作業曲線を描く人は、精神的に安定していて持続力があると評価されます。
逆に、作業量が極端に乱高下する場合や、後半で大幅に低下する場合は、集中力や精神的安定性に課題があると判断される可能性があります。
- 初頭努力:最初の1〜2行で作業量がやや高い
- 中盤の安定:緩やかに低下しつつも大きな変動がない
- 終末努力:最後の1〜2行でわずかに作業量が上がる
- 休憩後の回復:後半は前半より作業量がやや高い
非定型曲線のパターンと対策
定型曲線から大きく外れるパターンを「非定型曲線」と呼び、注意が必要な特性を示すとされています。
代表的な非定型パターンとしては、作業量が一貫して低下し続ける「下降型」があり、これは集中力の持続に課題があることを示します。
また、1分ごとの作業量が大きく上下する「動揺型」は、感情の起伏が大きいまたは注意散漫であることを示唆します。
後半の作業量が前半を大きく下回る「疲労型」は、ストレス耐性や持久力に不安があると判断される可能性があります。
これらの非定型パターンを避けるためには、普段から集中力を維持する訓練を行い、本番では一定のペースを保つことを意識しましょう。
意図的に作業曲線を操作しようとすると不自然な形になりかえって逆効果になるため、自然体で臨むことが最も重要です。
クレペリン検査で高評価を得るためのポイント
クレペリン検査は他の適性検査と評価の仕組みが異なるため、独自のポイントを押さえておく必要があります。ここでは具体的な高評価のポイントを解説します。
安定したペースを保つことの重要性
クレペリン検査で最も重要なのは、30分間を通して安定したペースを維持することです。
最初の数行だけ猛スピードで計算して途中で失速するよりも、一定のスピードで最後まで作業を続けた方が高く評価されます。
安定したペースを保つためには、自分にとって無理のないスピードを見つけることが大切です。
練習の段階で自分の快適な作業ペースを把握し、本番ではそのペースを維持することを意識しましょう。
スピードを上げようとして焦ると計算ミスが増え、作業曲線にも乱れが生じてしまいます。
「速さ」よりも「安定性」を重視する姿勢が、結果的に良い評価につながります。
計算ミスを減らすテクニック
クレペリン検査では計算ミスの数も評価に影響するため、正確性を保つテクニックを身につけておくことが重要です。
最も効果的なテクニックは、計算をリズミカルに行うことです。
「足して、書く、足して、書く」という一定のリズムを保つことで、計算のテンポが安定しミスが減ります。
また、隣り合う数字を見る際に指を使ってポイントを示すと、見間違いを防ぐことができます。
特に繰り上がりのある計算(合計が10以上になる場合)では、一の位だけを記入することを強く意識しましょう。
ミスに気づいた場合は修正せずにそのまま先に進む方が、ペースの乱れを防げます。
集中力を維持するための心構え
30分間の単純作業を続けるクレペリン検査では、集中力の維持が最大の課題です。
単純な計算の繰り返しは飽きやすく、途中で集中力が途切れてしまう人が少なくありません。
集中力を保つコツとしては、「1行ずつ区切って取り組む」という意識が効果的です。
15分間を一気に乗り切ろうとするよりも、「この1分間だけ集中する」と考えた方が精神的な負担が軽くなります。
また、休憩時間にはリラックスして深呼吸を行い、後半に向けて気持ちをリセットすることが大切です。
前日は十分な睡眠を取り、検査当日は朝食をしっかり摂ってから臨むことも、集中力維持に大きく影響します。
クレペリン検査では、1分経過の合図があったら計算途中であっても必ず次の行に移ってください。前の行の続きを記入したり、前の行に戻って修正したりすると、正確な作業曲線が描けなくなります。合図があったら即座に次の行の左端から計算を始めましょう。
クレペリン検査の効果的な対策方法
クレペリン検査は単純な計算の繰り返しですが、事前の練習が結果を大きく左右します。ここでは具体的な対策方法を紹介します。
毎日の計算練習で基礎力を高める
クレペリン検査の対策で最も効果的なのは、毎日の計算練習です。
ランダムに並んだ1桁の数字を使って、隣り合う数字の足し算を繰り返す練習を行いましょう。
練習用の数字列は自分で作成するか、クレペリン検査対策用の練習シートを活用する方法があります。
最初は正確性を重視してゆっくりと計算し、慣れてきたら1分間のタイムトライアルでスピードを上げていきます。
1日10〜15分程度の練習を2週間続けるだけでも、計算スピードと正確性が大幅に向上します。
練習の際は必ず紙と鉛筆を使い、本番と同じ環境で行うことが重要です。
模擬検査で本番の感覚をつかむ
計算力がついてきたら、本番と同じ形式の模擬検査を実施してみましょう。
15分間の連続作業を前半・後半で行い、各行の作業量を記録して自分の作業曲線を確認します。
模擬検査を行うことで、30分間の連続作業がどの程度の負担になるかを体感できます。
また、自分の作業曲線が定型曲線に近いかどうかを確認し、極端な偏りがないかをチェックしましょう。
模擬検査は本番の1週間前までに最低2〜3回は実施しておくことをおすすめします。
市販のクレペリン検査対策本には模擬検査用の用紙が付属しているものもあるため、活用するとよいでしょう。
体調管理と当日の準備
クレペリン検査は体調が結果に直接影響する検査です。
睡眠不足や疲労がたまった状態では集中力が低下し、作業曲線に乱れが生じやすくなります。
検査の前日は十分な睡眠(7〜8時間)を確保し、アルコールの摂取は控えましょう。
当日は朝食をしっかり摂り、脳にエネルギーが行き渡った状態で検査に臨むことが大切です。
検査会場には余裕を持って到着し、落ち着いた状態で検査を開始できるようにしましょう。
鉛筆は芯が折れることに備えて2〜3本用意し、削り具合も事前に確認しておくと安心です。
- 前日:7〜8時間の睡眠を確保する
- 前日:アルコールやカフェインの過剰摂取を避ける
- 当日:朝食をしっかり摂る
- 当日:鉛筆2〜3本と消しゴムを準備する
- 当日:会場に余裕を持って到着する
クレペリン検査の受検形式と注意点
クレペリン検査は他の適性検査と受検形式が異なります。ここでは受検形式の特徴と当日の注意点を確認します。
ペーパー形式の受検環境
クレペリン検査は基本的にペーパー形式(紙と鉛筆)で実施されます。
企業の会場やテストセンターで受検するのが一般的で、自宅でのWebテスト形式はほとんどありません。
検査用紙はA3サイズ程度の大きな用紙で、数字列が細かく印刷されているため、目が疲れやすいという特徴があります。
受検時に使用できるのは鉛筆(またはシャープペンシル)と消しゴムのみで、電卓やそろばんの使用は認められていません。
鉛筆の方が記入スピードが速いため、シャープペンシルよりも鉛筆を使うことをおすすめします。
検査中のルールと禁止事項
クレペリン検査にはいくつかの厳格なルールがあり、違反すると正確な結果が得られなくなります。
最も重要なルールは、1分の合図があったら必ず次の行に移ることです。
前の行の計算を続けたり、前の行に戻って修正したりすることは禁止されています。
また、行を飛ばして作業することも認められていません。
計算ミスに気づいた場合は、修正せずにそのまま先に進むのが正しい対応です。
検査中は周囲の受検者のペースが気になるかもしれませんが、他の人と比較せず自分のペースを守ることが大切です。
検査結果の見方と企業への影響
クレペリン検査の結果は、作業量・作業曲線の形状・誤答数の3つの観点から総合的に評価されます。
作業量は1分間に処理した桁数の平均値で示され、高いほど処理能力が高いと判断されます。
作業曲線の形状は定型曲線への近さで評価され、安定した曲線ほど精神的に安定していると判断されます。
誤答数は計算ミスの数で、少ないほど正確性が高いと評価されます。
企業によってはクレペリン検査の結果だけで足切りを行うケースもあるため、対策を怠ると思わぬ不合格につながる可能性があります。
結果は受検者本人に開示されないことが一般的なので、自分の結果が良かったかどうかは選考通過の可否で判断することになります。
クレペリン検査に関するよくある質問
クレペリン検査について就活生からよく寄せられる質問に回答します。受検前の不安を解消しておきましょう。
クレペリン検査は練習すれば上達しますか?
はい、クレペリン検査は練習によって確実に上達します。
1桁の足し算自体は誰でもできる計算ですが、30分間安定したペースで続けるには慣れが必要です。
練習を重ねることで計算スピードが上がり、繰り上がりのある計算もスムーズに処理できるようになります。
また、長時間の連続作業に対する精神的な耐性も練習によって高まります。
ただし、意図的に作業曲線を操作しようとする練習は逆効果になるため、自然体で安定したペースを保つ練習に集中しましょう。
クレペリン検査で落ちることはありますか?
クレペリン検査の結果によって不合格になる可能性はあります。
特に公務員試験や鉄道・航空業界では、クレペリン検査の結果が選考に大きく影響することがあります。
作業量が極端に少ない場合、誤答が非常に多い場合、作業曲線が大きく非定型の場合は、不合格の原因になり得ます。
ただし、クレペリン検査だけで合否が決まるケースは多くなく、他の選考要素と総合的に判断されるのが一般的です。
必要以上に不安になるよりも、しっかりと練習を積んで本番に臨むことが最善の対策です。
クレペリン検査の対策にアプリは使えますか?
スマートフォンアプリでクレペリン検査の練習ができるものがいくつか提供されています。
アプリのメリットは、通学時間などのスキマ時間に手軽に練習できる点です。
ただし、本番はペーパー形式(紙と鉛筆)で実施されるため、アプリだけでの対策には限界があります。
画面をタップする操作と鉛筆で数字を書く操作では使う筋肉や感覚が異なるため、紙と鉛筆での練習も必ず行いましょう。
アプリは補助的な練習ツールとして活用し、メインの対策は紙ベースで行うことをおすすめします。
対策本に付属の模擬検査用紙やWebサイトからダウンロードできる練習シートも併用すると、より効果的に対策できます。
まとめ
クレペリン検査は日本・精神技術研究所が提供する1桁の足し算を繰り返す作業検査で、前半15分・休憩5分・後半15分の合計35分間で実施されます。
正解数ではなく、作業量の推移パターン(作業曲線)から集中力・持続力・精神的安定性が評価されます。
官公庁・鉄道会社・航空会社・大手メーカーなど幅広い組織で採用されており、年間70万人以上が受検しています。
対策としては、毎日の計算練習で基礎力を高めることと、模擬検査で本番の感覚をつかむことが重要です。
この記事で紹介した例題と対策法を参考に、クレペリン検査の本番に向けてしっかり準備を進めていきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート











