会社説明会は、実際に企業で働いている先輩社員とじかに触れあえる絶好の機会です。通常、説明会の最後には参加者からの質問タイムが設けられます。
就活している人の中には、その場でどのような振舞いをすればよいのかと悩む人もいるでしょう。会社説明会には知っておきたいマナーがあり、マイナスの印象しか残さない種類の質問もあります。基本的に会社説明会では、よほど印象的な行動をしない限り採用に影響することはないと考えられ、特に大人数の就活生が参加する大企業の会社説明会ではこの傾向が顕著です。しかし、マイナスの印象を残す質問をすればこの限りではありません。わざわざ墓穴を掘ることのないようしっかりとポイントを押さえておきましょう。
会社説明会でしてはいけない質問を知ろう!
企業側の先輩社員にとって会社説明会は、これから一緒に働く仲間を選ぶ機会でもあります。会社の発展のために共に頑張っていける人材を探していると言っても良いでしょう。そのような場所では、自分の待遇にのみ関わるような質問をするのはマイナスでしかありません。給与や残業、ノルマや福利厚生などについての質問は会社説明会には向きません。自分の労働環境のことばかり気にする人間だと思われてしまうためです。
また、自分自身にしか関わりのない質問も避けるべきです。多くの人間が集まっている公共性の高い場で、自分のためだけに時間を使っていることに考えが及ばない自己中心的な人間と捉えられてしまうでしょう。
そして最も大切なことは、ネットで公開されていて調べれば分かる内容や、説明会で解説されて明らかになった内容については質問しないということです。ただし説明会で話を聞いている間に派生的に浮かんだ疑問についてはこれに該当しません。むしろこの疑問こそが説明会で質問すべき内容と言えるでしょう。
ネット上には会社説明会でするべき質問の例が多数掲載されており、どの企業の説明会でも似たような質問がされるといった風潮ができています。質問のテンプレートの存在は、会社側でも把握していることを知っておきましょう。大切なのはテンプレート的な質問をすることではなく、自分自身が感じた疑問について自分の言葉で質問することにあるのです。下調べをしっかりして、説明会で話をじっくり聞いていれば自ずと質問は浮かんでくるはずです。
説明会でとるべき行動とは?
会社説明会では、質問をしないと熱意がないとみなされるといった指摘がされることがあります。しかし、全てのケースで当てはまるわけではありません。特に大企業の説明会には多くの参加者が集まり質問時間も限られていることから、全員が質問することなど到底できません。ですから、質問しなかったからといって、採用に響くことはまずありません。むしろ的外れな質問をしてマイナスの印象を会社側に植え付けることのほうが、よほどダメージは大きくなります。
質問をするなら真っ先に手を上げるくらいの心構えでいた方が良いでしょう。みんなが注目する場面であるだけに失敗のリスクも小さくありません。念入りに下調べをして説明会での話をじっくり聞き、場面にあった質問を行いましょう。
少人数でのアットホームな説明会では会社側の目も行き渡りやすいため、質問を行ったほうが積極性や熱意が伝わりやすくなります。この場合でも、その場で感じた素直な疑問をぶつければ良いのであって、唐突感のあるテンプレート的な質問をしてもプラスにはなりません。
IT企業ならではの事情とは?
クラウド技術やモバイル技術が飛躍的に進化したことを受け、Web業界が活況を呈しています。従来のオンプレミス型サービスに代わってクラウド型サービスが急速に普及しており、将来的にも無限の可能性を秘めていると言えるでしょう。
Web関連のスキルや知識はインターネットや書籍でいくらでも独学で習得できる時代です。大手のIT企業なら別ですが、Web企業や中小のIT企業では即戦力が求められる傾向が顕著です。
大手のIT企業の場合、プログラマーやSEといった技術職だけを求めているわけではないため、幅広い人材を集めて徹底した研修が行われます。そのため必要な知識は研修で身に付けてもらうといった考え方が一般的です。
しかし、即戦力を求めている会社の場合は、こうした考えでは採用されないリスクが高くなります。会社説明会での質問のテンプレートの1つに「研修制度について聞くこと」があります。中小のIT企業では研修だけに期待しているようでは甘いとみなされるおそれがあります。むしろ入社前に身に付けておくべきスキルや知識について質問する方が効果的です。研修は行われるとしても、事前に勉強する熱意をみせましょう。
どのような資格を取るべきなのかといった質問も好印象です。IT業界にいる限り一生勉強はつきものです。常に新しい知識を吸収し必要な資格を取っていかねばなりません。貪欲に学ぶ姿勢を持つことはIT企業で活躍するための必須項目です。
具体的にどんな質問をすればよいの?
IT企業に限りませんが、説明会で質問する内容は説明会の雰囲気に合ったものにすることが大切です。説明会にも自然な流れというものがあり、いくら良い内容でも空気を読まない唐突感のある質問をしても良い印象は得られません。
特にIT企業はコミュニケーション能力が重視される世界です。IT企業の業務は、プロジェクトを立ち上げチームを組んで取り組むのが普通です。この時チーム内の情報伝達がスムーズでないと致命的なミスを招きかねません。
また、顧客との交渉においてもコミュニケーション能力が不可欠です。コンピューターを相手にする企業でコミュニケーション能力が求められることに驚く人もいるかもしれません。しかし、IT業界やWeb業界ではコミュニケーション能力が非常に重要視されることを知っておきましょう。
説明会ではその場の流れを汲み取り、新人に任される業務内容や1日の業務の流れ、やりがいや求められる資質、研修内容や評価システム、身に付けておくべきスキルや資格などについて、自分の言葉で質問しましょう。IT企業が求める人物像を知っていれば、取るべき態度も見えてくるでしょう。
IT業界の会社説明会では流れを読み自分の言葉で質問しよう
IT業界の説明会にもさまざまなケースがありますが、大手企業の説明会であれば質問しないことは必ずしも不利になりません。むしろ的外れな質問をしてマイナスイメージを持たれることに注意しましょう。あらかじめ説明会でしてはいけない質問を知っておくことが大切です。
アットホームな説明会なら、十分に下調べをしてしっかり説明を聞いた上で自然と浮かんだ疑問なら、素直に聞いてみるのが良いでしょう。IT業界では特にコミュニケーション能力が重要視されます。質問するなら説明会の流れを読んで、要点を明確にした簡潔な質問を行いましょう。会社側もテンプレートを知っていることを忘れてはなりません。自分の言葉で話すことが大切なのです。